ナルトに転生しちまった!?   作:みさごん

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~第五十七話~

 我愛羅達に会ってから一週間が経った。この一週間は特に目立ったことはなかった。今はカカシから呼び出されたので待っているところだ。しかしいつもながら遅いな…

 

「あーもう!!なんでいつもこう人を待たせるのよ!!カカシ先生は!!」

 

「いつものことだろ。言っても無駄だ、黙って待ってろ」

 

「サスケ君…」

 

 はあ…サクラもやっと静かになった。サスケが言うと一発だからな。最近はもう任せて俺は寝てるんだ。俺が言ってもあんまり聞かないからな。

 

「やあ、諸君。おはよう」

 

「「「遅い!!」」」

 

「いやあ、今日は人生という道に迷ってな…」

 

「「「はい、それ嘘!!」」」

 

「ははは…」

 

 いつも通りのやり取りだ。全く反省する気がない。今度第七班の三人で締め上げようかな。あとで相談してみよう。

 

「で、今日はなんのようですか? カカシ先生」

 

「いきなり任務とか言わねえだろうな」

 

「そんなこと言ったら俺がぶん殴ってやるってばよ」

 

「お前らな…」

 

 俺達の中ではもう先生の威厳はほとんどない。修行も俺がつけちゃってるしね。カカシが活躍したのって…いつだ? 今まででないかも…

 

「まあいい…お前らを中忍試験に推薦しちゃったから」

 

「お!!ようやくか」

 

「フン…やっとか」

 

「とうとうなのね…」

 

「ん? お前ら知ってたの?」

 

「まあ一週間前ぐらいに中忍試験受けにきたっていう砂の忍びに会ったからな」

 

「なるほどね」

 

 それがなかったら本当に突然だったよ。もう少し早く教えてくれてもいいのに。なんでこんなにギリギリなんだろう? 開催地だからか? 考えても仕方ないか。

 

「ま、参加は自由だ。参加したい奴は明日の十時までにアカデミーの三○一にいけ。ちゃんと資料は記入しておくんだな。じゃ、解散」

 

「ちょっと待ったカカシ先生」

 

「ん? 質問か?」

 

「このためだけに集合かけたの?」

 

「そうだ」

 

「それだけのために二時間も待たせるなってばよ!!」

 

 俺は拳を振り上げながらカカシに近づいていく。

 

「ま、待て!!俺が悪かった!!俺はこれから仕事なんだじゃ、またな!!」

 

 カカシはそう言うと逃げるように帰ってしまった。くそ…逃げ足の速い奴め…

 

「殴り損ねたってばよ…後でやればいっか。それで二人は受けるのか?」

 

「当たり前だ」

 

「私も受けてみる。修行の成果を試してみたいわ」

 

「そっか。じゃあ明日はアカデミーに集合時間の二十分前に集合しよう。遅刻なんてして流石カカシ先生の部下だなんて言われたくねえってばよ」

 

「確かにそうだな…わかった」

 

「了解よ」

 

 そうして明日に向けてそれぞれ準備に向かった。

 

 翌日、俺は指定した集合時間の五分前にアカデミーに着いた。するとそこには既にサクラがいた。でもなんかいつもと印象が違うな…

 

「おはよう、サクラ。来るの早かったんだな…って髪切った?」

 

「まあね。試験だっていうし最近修行とかしてると邪魔だったから切ったのよ」

 

「そっか。今の髪型も似合ってると思うってばよ」

 

「ありがと」

 

 そうして会話をしていると…

 

「待たせたか?」

 

 サスケが来た。まだ予定した集合時間になっていないが全員揃った。普通はこうだよな。

 

「いや、俺はさっききたところだってばよ」

 

「私もよ」

 

 サクラはどれくらい前からきてたかはわからないが…何も言わないでおこう。サスケの前だし悪い思いをさせたくないってところだろう。

 

「じゃあ揃ったし行くか」

 

 そうしてアカデミーの中へと三人で入っていった。

 

 アカデミーに入りたわいもない会話をしながら歩いて行くと多くの人が集まっている場所がある。まったく…騙される人が多い気がする。少なくとも木の葉の忍びならアカデミー通ってたはずなんだから部屋の場所くらい覚えてるだろうに…まだここ二階だし。

 

「ねえ、あの人達何やってるのかしら? ここ二階よね?」

 

「そうだってばよ。まあここら周辺に幻術使われてるけど…そのせいじゃねえか? 俺達には効かねえけどさ」

 

 人柱力にうちは一族の写輪眼持ち、それにサクラはカカシ曰く幻術タイプ。うちの班って幻術には滅法強いんだよな…正直並の幻術使いじゃ話にならない程に。いいことだとは思うんだけど。

 

「で、どうする? 三階に行くにしてもあそこの道通らなきゃいけねえぞ」

 

「関わらないように後ろの空いてるところ通ればいいんじゃねえの? 関わったら面倒臭いと思うし…あっちから絡んできたらどうすることもできないけど」

 

「そうね…自分達からは関わらないようにしましょ」

 

 どうせ絡まれそうな気はしてるんだよね…原作だと下忍に化けてる中忍がうちの班とガイ班の事を見るような感じだったからな。そんなことを考えながら進んでいると…

 

「グッ…」

 

 目の前にリーが飛んできた。テンテンが受け止めたけど…そのせいで通れなくなっちまった。どうすっかな…このまま見て見ぬふりをしてさりげなく通り過ぎるのが楽だと思うんだけどな。後ろを振り返ると溜め息をつくサスケとサクラが見えた。

 

「…どうする?」

 

「どうするも何ももう関わらないのは無理だと思うが」

 

 だよな…しょうがない。とっとと騒ぎを治めて試験会場に向かおう。

 

「そこにいる人を殴って笑ってる変人。さっさと幻術解いて通して欲しいんだけど」

 

「お前らのせいで道が塞がれてるんだ。邪魔だからさっさとしてくれ」

 

 俺とサスケの二人で言った。まさかサスケが続いて言ってくるとは思わなかったな。

 

「ほう…この幻術を見破るか。しかし見破っただけじゃな」

 

 そう言いながらツンツン頭の奴はサスケに蹴りかかった。もう一人の奴は俺に向かって殴りかかってきた。サスケは原作と同じように蹴りで相殺するつもりらしい。俺は殴りかかってきている手の手首を掴んで止めた。そのまま後ろを見ると原作と同じようにサスケとツンツン頭の間にリーが入り止めていた。最初からそうしてくれれば俺達がこんな面倒なことをしなくて済んだのにな…

 

「ふう…」

 

「おい、約束が違うじゃないか。下手に注目されて警戒されたくないと言ったのはお前だぞ」

 

「だって…」

 

 そうするとリーがサクラの方を向いた。あれか…

 

「あーあ…これだわ…」

 

 テンテンが呆れた顔をしている。いつもこんな感じで告白してると考えたら…やばいな。扱いが大変そうだ。様子を見ているとサクラの方に近づいていった。

 

「僕の名前はロック・リー。あなたのお名前は?」

 

「え? 私? 私の名前は春野サクラだけど…」

 

「サクラさんというんですね。僕とお付き合いしましょう。死ぬまであなたを守りますから」

 

 そう告白しながら親指を立て格好つけている。出会ってものの数分なんだよな…よっぽどのイケメンじゃない限り断られるよ、普通。

 

「絶対嫌。あんた濃ゆすぎ。まだナルトの方が断然まし」

 

 何故比較対象が俺なんだ!?この場にいる知り合いは確かに俺とサスケぐらいしかいないが…リーはサスケと比べるに値しないってか? だから俺と比べたと…そう思っておこう。そんなことを考えながらリーの方を見るとリーはうなだれていた。ほぼフラれるのはわかってただろうにな。

 

「そこにいるのはナルトか?」

 

 後ろを振り向くとネジがいた。

 

「あ、ネジ。久しぶりだってばよ」

 

「久しぶりだな。会うのは二年ぶりくらいか」

 

「そうだな、俺が忙しくてあんまり分家の方まで顔を出す時間がなくって…俺が行った時はネジが任務中だったからな」

 

 日向家に呼ばれると大体ヒアシのところに呼ばれるから分家のネジのところまで行く機会が少なかったのだ。行ける時はなるべく行こうとは思ってたんだけどね。

 

「お前も受けるのか…今回の試験は厳しくなりそうだな」

 

「俺一人でそこまで変わるとは思えないけど…それにネジは強いじゃんか」

 

「お前と比べたら格段に劣るさ。対戦する機会があったらお手柔らかに頼む」

 

 俺と比べたらか…俺は一応裏で暗部に所属してるからな。本来だったらこの試験を受けない方がバランスは取れそうだよな。まあそんなことしたら第七班の人数足りなくなっちゃうからしないけど。

 

「ネジがそこまで言う木の葉の下忍なんていたんだ。もしかして今年のナンバーワンルーキー?」

 

「さあ? どうだろうね」

 

 俺ははぐらかした。一応書類上はドべなんでね。かと言って正直にドべって言うのもなんか気が引ける…本来の実力ならナンバーワンだし。

 

「サスケ君、ナルト。早く行きましょ。遅れちゃうわよ」

 

「ああ」

 

「わかったってばよ。じゃあまた試験会場で」

 

 俺はネジとテンテンにそう言うとサクラの後に続いていった…




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