ナルトに転生しちまった!?   作:みさごん

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~第五十八話~

 俺達は今三階に上がり三○一に向かっている。この後は確か…

 

「目つきの悪い君と金髪の君、ちょっと待ってくれ」

 

 声のした方を見るとリーがいた。来たか…って俺もかよ!?俺は特にリーに対しては何もしてないと思うんだが…

 

「「なんだ?」」

 

「今ここで僕と勝負しませんか?」

 

「今ここで勝負だと?」

 

「はい」

 

 リーが返事をしながらこっちに近づいてきた。これ俺もやんなきゃ駄目なのかな?

 

「僕の名はロック・リー。うちはサスケ君とナルト君。君達と戦いたい。あの天才忍者と言われる一族の末裔とネジがあそこまで評価する程の人に僕の技がどこまで通じるか試したい」

 

 ネジと俺の会話を聞いてたのか…リーはネジをライバル視してたからネジの言うことが本当か確かめたいって感じか。面倒だ…無視して会場行きたい。無駄に体力使いたくないし。

 

「それに…サクラさん。ラブ」

 

「嫌ぁぁぁああ!!何もかも濃すぎて嫌!!」

 

「天使だ君は」

 

 そう言うとリーはサクラに向かってウインクをしてなにか得体のしれないものを飛ばしてきた。サクラはなんか頭抱えながら悲鳴をあげながらそれを避けた。あんなの誰も喰らいたくないと思う。

 

「そんなに嫌がらなくても…」

 

 リーが落ち込みながらそう言ってる。得体のしれないものを投げつけるお前が悪いと思うんだが…言っても無駄になりそうだから言わないけど。

 

「うちは一族ということにそこまで拘りはないが一族の名を知りながら挑んでくるか。いいだろう受けてやる」

 

 サスケはやる気満々だな…俺はあんまりやる気はないんだが。そうだ!!

 

「サスケに勝てたら受けてやるってばよ。サスケに勝てないようじゃ俺のやる気が出ないし」

 

 これならやらずに済むかも。原作より鍛えてあるし。

 

「俺を前座扱いか!!事実実力が足らないのは認めざるを得ないが…」

 

「サスケ君は普通に強いわよ。ナルトが異常なだけ」

 

「俺が異常とか言わないで欲しいってばよ…なんか傷つくからさ…」

 

「あ…ごめん」

 

 異常じゃなくて早くから鍛えてただけだもん。転生して早くから自我があっただけだもん…あれ? 冷静に考えれば異常だ…転生って時点で普通じゃなかった…

 

「君がそこまで言うならサスケ君。まずは君を倒させて貰います」

 

「五分でケリつけてやる。かかってこい」

 

 俺はその場に座って観戦することにした。サスケは待ち構えて動かない。そこにリーが走って突っ込んでいった。

 

「木の葉旋風!!」

 

 リーは上段から下段へと続く連続回転蹴りを繰り出した。サスケはバク転で上手く躱した。

 

「やりますね、じゃあこれでどうです!!」

 

 そこから一気にリーがスパートをかけ始めた。上段蹴りからかかと落とし、左右の連打。中段蹴りと次々に攻撃する。だがサスケはそれを軽々と全部避けた。まあ千鳥を使えるようにさせるために前々からずっと鍛えておいたからな。重り付けた状態のリーじゃ話にならないか。

 

「フン…威勢が良かった割には遅いもんだな。今度はこっちからいくぜ!!」

 

 サスケが攻勢に転じるとあっという間にリーを追い詰めていく。流れるように繰り出される蹴りやパンチをリーは防ぐので手一杯になっている。まだサスケの方は余裕がありそうだ。意外と差があるもんだな。

 

「くっ…」

 

「こんなもんか、相手にならねえな」

 

「…これならどうです!!」

 

 リーがそう言うとその場にしゃがみ込みサスケの顎を蹴り上げようとした。表蓮華をやるつもりか…

 

「その程度の蹴り、俺には通じねえ」

 

 サスケはバックステップでその蹴りをあっさり避けた。リーは驚いたような顔をしている。こりゃあ中忍試験楽かもな…大蛇丸以外は。

 

「こうなったら…」

 

「そこまでだ!!リー!!」

 

 突然別方向から声が掛かった。そっちの方向を見ると大きな亀がいた。ガイはなんで亀と契約したんだろう…戦闘向きではないし、感知もできなさそうだし…気になるな。リーは亀から説教を喰らっている。これで終わりか。

 

「あれって…亀よね?」

 

「そうだな」

 

「亀って担当上忍になれるの?」

 

「そんな話は聞いたことないってばよ」

 

「じゃああれは何? 馬鹿集団?」

 

 馬鹿集団って…いきなり酷いなこいつ。まあわからなくもないけどさ…もうちょっとオブラートに包むってことを知らんのかね。

 

「…付き合ってられん。興が削がれたぜ。それに…あいつはまだ本気じゃなかった。むかつくぜ」

 

「お前だって本気出してねえじゃんか。写輪眼も使ってなかったし、忍術も使ってないじゃんかよ。一緒だってばよ」

 

「俺は出す必要性を感じなかったからだ。あいつはやられてんのに出さなかったじゃねえか」

 

 それは…リーの忍道が関係してるとは言えないしな。足に重りつけてるのは何もリーだけじゃないし…

 

「負けなかったからいいじゃねえか。お前が負けてたら修行内容もっとキツくしてやろうと思ってたんだってばよ」

 

「それは勘弁だ…お前のキツくするっていうのは上限がわからないからな。兄さんとの修行よりハードなんだからな」

 

「…イタチさんは弟だからって甘やかしてんのかね。俺の時は今サスケにやらせてる修行よりキツい内容だったんだけどな…」

 

「…聞かなきゃよかった」

 

 そんな会話をしていると…

 

「青春してるかー!!お前ら!!」

 

 大声を上げながら亀の上にガイが現れた。久しぶりに見たけど変わってないな…あの眉毛。それにあのテンションの高さ。修行付けてもらった時にあれが一番きつかったよ。暑苦しいしうるさいし…精神疲労が半端ない。

 

「なんだありゃあ…」

 

「激濃ゆ…激おかっぱ…激眉…もう嫌」

 

 サスケは変なものを見て呆れるように驚き、サクラはもううんざりしているようだ。あんなのがいきなり出てきたらそうなってもおかしくないか。そんなことを考えていると…

 

「コラー!!君達、ガイ先生を馬鹿にするなー!!」

 

 リーが怒りながら怒鳴ってきた。

 

「うるさいわよ!!変なのばっか出てくるのがいけないんじゃない!!」

 

 サクラが逆ギレをしている。俺だけ無視して先に行っちゃ駄目かな…

 

「何をー!!」

 

「おい、リーよせ」

 

 ガイに呼び止められるとリーはガイの方に向き直った。

 

「おっす」

 

「この…バカヤロー!!」

 

「グベェッ!!」

 

 ガイがリーの頬を思いっきりぶん殴った。リーは吹っ飛んで、ゴロゴロ転がっている。冷静に考えてみると目前で訳のわからないものを見せられてるよな…俺達。ふと目の前を見るとリーとガイが抱き合っていた。うわあ…目の前で見ると…

 

「むさくるしいというか…あんまり見たくない光景だってばよ…」

 

「激しく同意するわ…」

 

 そうしてサクラと会話していると…ガイがこっちを見ていた。

 

「君達、カカシ先生は元気かい?」

 

「カカシを知ってんのか?」

 

「知ってるもなにも…人は俺達を永遠のライバルと呼ぶ」

 

「嘘くせー!!」

 

 サクラが叫んだ。確かにこの見た目じゃ嘘臭いにも程があるな。写輪眼を持つカカシのライバルがこんなおかっぱ緑マンだなんて信じたくはないしね。

 

「何を言うんだ!!ガイ先生は本当に…」

 

「まあいい。口で言うより態度で示せだ」

 

 そう言うとガイが俺達の後ろに回り込んだ。俺とサスケは普通に目で追えた。サクラは見えなかったらしい。修行を始めるタイミングが遅かったからしょうがないか。

 

「…本気で動いたつもりだったんだが、本当に優秀なようだね」

 

「俺はもう見慣れた」

 

「普通に見えただけだってばよ」

 

「…見えなかったの私だけか…」

 

「大丈夫、修行すれば見えるようになるってばよ」

 

「そうね、これから頑張ればいいのよね」

 

 多分この速度だったらナズナや白、ヒナタ、猪鹿蝶の三人は見ることができただろう。多由也は体術より忍術や幻術に比重をおいて修行してたから厳しいと思う。

 

「ん? ナルトではないか!!久しぶりだな!!青春してるか?」

 

 突然ガイに話しかけられた。っていうか今更気付いたんかい!!

 

「え!?ナルト、この人と知り合いだったの!?」

 

「結構前に修行を見てもらってたんだよ。久しぶりだってばよ、ガイさん。変わってないようで何よりだってばよ」

 

「おう!!お前も変わらず元気そうだな!!っと…そろそろ時間か。頑張れよリー!!ナルト!!」

 

「オッス!!」

 

「おう!!」

 

「では、さらば!!」

 

 ガイは帰っていった。そろそろ時間か…

 

「サスケ君、ナルト君。君達は本当に強いですね。ですがこれだけは言っておきます。木の葉の蓮華は二度咲きます。次は本気でやりましょう。では僕はこれで」

 

 リーも去っていった。まったく嵐のような師匠と弟子だよ。あの師弟関係は良さそうだけど俺はあんな暑苦しいのは無理だ…

 

「やっといったわね。そろそろ行かないと時間が危ないかも。行きましょ」

 

「わかった」

 

「了解だってばよ」

 

 そうして三○一に向かっていった…




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