ナルトに転生しちまった!?   作:みさごん

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夏休みでも今の時期ぐらいしか暇がないので今のうちに最新話を…
しかし、最近ワートリやらヒロアカやら他の原作を元にした長編のアイディアばっかり浮かんで困る。書いてもそんな同時に連載なんて無理なので書きませんが…
とりあえず最新話をどうぞ


~第六十五話~

 目を覚ますと周囲が明るくなり始めていた。朝になったか…体はほとんど万全だしチャクラも回復したみたいだ。昨日は随分と濃い一日だったな…いや、最近が平和だっただけで基本何かしらに巻き込まれてるか。これはもうしょうがないのか…諦めよう。俺に平穏な日々が来るのはきっとずいぶん先になるな。そんなことを考えていると…

 

「起きたか…ナルト、サクラから聞いたが俺が寝ている間に勝手に戦いやがって…休んでいろといったはずだぞ。いつもながら無茶しやがる」

 

「サスケ…悪かったってばよ。目が覚めた時に来ちまったんだからしょうがねえだろ? それに巻物を揃えられたんだからよ…結果オーライってことで許してくれよ」

 

「はあ…まあいい。とりあえずは今日の予定を決めちまおう。巻物は揃ったからこのまま塔を目指すってことでいいのか?」

 

「そうだな。修行してもいいが昨日みたいのが出てこられても困る。塔に行ってから安全な所で修行した方がいいと思う」

 

 おそらくもう大蛇丸は二次試験中に現れる事はないとは思うんだが…どんなイレギュラーが起きるかも分からないし。とりあえず早めに塔に行ってクリアして里の中にいれば大蛇丸も手を出しにくいはずだからな。目立った行動は慎みたいはずだし。

 

「わかった。とりあえずサクラを起こして朝飯にするか。昨日から何も食ってないから腹も減ってる。夜でもないから火を付けて目をつけられても対処しやすい」

 

「そうだな、俺は熊かなんかの肉をとってくるから…サスケはサクラと二人で山菜とキノコ類を採ってきて欲しいってばよ。大きいものを運ぶのは俺の飛雷神が便利だからな」

 

 あいつらが熊獲っても運ぶのに時間かかるだろうからな。それにサクラにサービスだ。サスケと二人きりの時間を増やしてやる。とっととくっついちまえ。

 

「…分かった。集合はこの場に一時間後でいいか?」

 

「おう、了解だってばよ。じゃあ俺は先に行くぜ」

 

 そうして二手に別れ食材を探しに行った。

 

 分かれてから二十分が経ったが大物は見つからなかった。ちょいちょい魚やらうり坊は捕まえたけど俺が狙ってんのは熊だからなぁ。魚とうり坊は巻物にしまってある。いやー巻物って便利だね。そんなことはいいとして、とにかく熊はどこだ。俺は熊鍋が食いたいんだ。そんなこんなで探していると…

 

「きゃあ!!」

 

 女の子と思われる叫び声が聞こえた。ん? なんでこんな近くで悲鳴が聞こえる距離で気配を感じられなかったとなると…感知系か? とりあえず感知タイプだとしたら今逃げたら俺達の場所がバレる可能性があるな…仕方ない。接触するしかないか。俺は存在がバレていると仮定し、思い切って声のするところまで走った。すると…

 

「いやあ!!こっち来ないで!!」

 

“ガアァァァァァ!!”

 

 女の子が熊に襲われそうになっていた。そして女の子は熊によって倒されたとみられる木に足を挟まれてるみたいだ。それにしてもどっかで見たことあるような顔だな…長い赤い髪に赤い瞳…うーん思い出せんから後にしよう。とりあえず熊だ熊。思いがけずに欲しい獲物を見つけたし、仕留めよう。熊の急所は眉間だったかな? 前世の時に漫画で見た記憶がある。俺は眉間目掛けて足を振り上げ…

 

「通天脚!!」

 

 チャクラを込めた足を振り下ろした。俺の踵が見事に熊の眉間に直撃し、熊は顔から地面にめり込み動かなくなった。熊の生死を確認すると生きてはいるが瀕死の状態の上、気絶しているみたいだ。集合場所に戻ってから殺って血抜きとかするかね。そんなことを考えていると…

 

「あんたは…いったい…」

 

 うーん、名乗る必要はない気がするな…それより見た感じ足怪我してるし…ここで死なれてもなんか気分悪いから足だけ直してやるか。さっきは追われる危険考えたけど飛雷神で変えればある程度どうにかなんだろ。まあ追われたとしても熊から逃げるような奴ならどうとでもなるしな。とりあえず女の子の近くに行き木をどかしてやり、医療忍術で治療を開始した。

 

「なんであたしのことを…」

 

「今は黙ってじっとしてろ。それとこれは俺の気まぐれだから気にすんな」

 

 そう会話を交わして一分もしないうちに治療は終わった。そのまま立ち去ろうとすると近くにメガネが落ちていることに気づいた。俺はそれを拾って女の子の元に持っていった。

 

「これ、お前のか?」

 

「う、うん…」

 

 俺は返事を聞き無言でメガネを手渡しそのまま熊の方に歩いて行った。

 

「あの…ありが…」

 

「礼はいいよ。さっきも言ったけど俺の気まぐれだから。じゃあ、俺は行く。あとは自分で何とかしてくれ」

 

 俺はそう言い終わると熊に触れて飛雷神を使い集合場所に飛んだ。

 

 元の場所に戻り、熊やうり坊、魚の解体・処理を終わらせて待っていると二人の足音が近づいてくるのが分かった。まあ丁度一時間くらいか…あいつらの中は少しでも進展したかね。そんなことを考えていると…

 

「ナルト、先に戻ってたのか。ていうかそんな量の肉と魚を俺達で食いきれんのか?」

 

「腹減ってたからつい…まあ余ったら何かに使えんだろ? 何品か保存食みたくするか?」

 

「ま、それならいいんじゃない? それより早く調理しちゃいましょ。私はもうお腹ペコペコで我慢できそうにないわ」

 

「ま、そうしますかね」

 

 そう言ってサクラとサスケが採ってきた山菜やきのこを見ながら調理を開始した。

 

 熊肉は熊鍋とメンチカツ、保存食用に干し肉にした。うり坊の肉は山菜と一緒に炒めて肉山菜炒めに、魚はオーソドックスに塩焼きにした。いつも持ち歩いている調味料やスパイスが役にたった。やっぱり任務中でも美味しい飯は食いたいからな。量はかなり多くなった。干し肉とか魚も一部干物にしようと干してはいるがそれでも作りすぎたかな…まあいいや。とりあえず食おう。

 

「じゃあ、食おうか」

 

「「「いただきます」」」

 

 そう言って飯を食い始めた。皆お腹がすいていたのかすごい勢いで料理がなくなっていくのだがなかなか減らねえな…やっぱ作りすぎたかな。

 

「熊肉ってもっとクセが強いと思ったけどそうでもないのね」

 

「いや、クセは強いんだ。鍋の方は味噌で臭み消しをして、メンチはスパイスで臭みを活かして嫌な臭いに感じないようにしてるんだ。うり坊の肉も軽く臭み抜きはしてあるから食べやすくなってるはずだってばよ」

 

「こんな時にもそんな細かい仕事まで…あんた忍者やめて料理人にでもなったら?」

 

「忍者ができない体になっちまったらそうするよ。今は忍者しかやる気はねえよ」

 

 全く…こんなことで料理人になれなんて大げさなんだよなサクラは。暇なときに影分身に料理本を読ませて試作しててただ身についたことだからな。そんなに大したことはない。

 

「ナルトの料理はいつもながらうめえな…なんでこいつはこんなに多才なんだ?」

 

「そうよね…女のプライドがズタズタだもの。慣れちゃったけど」

 

 別に…多才なのは前世の記憶やらなんやらがあるだけで…基本器用ではないしな。影分身なかったらこんなにも強くなってねえし…まあ努力はしたはずだからまあ努力の才能ってことで納得しておこう。あとは神がくれた才能か。そんなことを考えていると…

 

「ナルトー!!」

 

「んあ?」

 

 俺の名前を呼ぶ甲高い声が聞こえた。サクラの声じゃない…ってことは他の班の…

 

「ぐふぅ!?」

 

「もう、ナルト。こんなところにいたんだー、見つけたから思わず来ちゃった♪」

 

「いの!?何しに来たのよ!?」

 

「あら、サクラいたのね。私はナルトがいたから来ただけよ」

 

「い、いの…頼むから俺の上から降りてくれ…」

 

 誰が来たか考えてるうちに横っ腹に突撃くらってそのまま倒れたらいのがそのまま上に乗っかってきたのだ。飯食ってたから警戒が薄れてたよ…

 

「久しぶりに会えたっていうのになによー」

 

「朝飯食ってたんだこっちは…それに試験中だから一応敵同士なんだけど」

 

「それもそうね…名残惜しいけど、離れるわ」

 

 いのはそう言うと俺の上から降りてくれた。全く…予期せぬ襲撃だよ。さて、どうすっかな。巻物奪うってんなら普通に戦うかとっとと逃げちまうんだけど。

 

「おい、いの!!勝手に突っ走ってんじゃねえよ。追いかけるこっちがめんどくせぇ」

 

「僕、お腹減っちゃったよ…」

 

「あんたらが遅いのがいけないのよ。シカマル、チョウジ」

 

「次から次へと…なんなのよもう!!」

 

 サクラが癇癪を起こし始めた。サスケは無視して朝飯食ってるし…俺がどうにかしないといけないのか。仕方ない…

 

「で、お三方はここに何しに来たんだってばよ。巻物奪いに来たってんなら俺が相手になるけど」

 

「いや、巻物奪いに来たわけじゃねえよ。俺達は巻物揃ってるしな。いのが突然飛び出したからついてきただけだ。っていうか巻物狙うにしてもお前から奪おうなんて考えねえよ…勝目が見えねえしな」

 

 なるほど…ここに来たのは単にいのの暴走ってことか。ならむやみに争う必要はねえな。

 

「お前も大変だな…ってチョウジ。何そんなにヨダレ垂らしてるんだってばよ」

 

「いやーこんなに美味しそうな料理が目の前にあるのにヨダレ垂らすなって方が無理だよ」

 

「そういえば私達まだ朝ごはん食べてないのよね…」

 

 いやそんな目で見るなよ…俺達にも食わせろ的な…はぁ…

 

「ちょっと作りすぎたから食べてくか? サスケ、サクラはそれでいいか?」

 

「私はもうお腹いっぱいだから食べてもらってもいいわ。戦闘もしなくていいみたいだし」

 

「俺も別に構わねえよ。残ったこの量を食いきれる気がしねえからな」

 

「やったー!!」

 

「ありがと、ナルト!!」

 

「すまねえな、こいつら図々しくて…ご馳走になるぜ」

 

 この流れのまま第十班と共に朝飯を食べ終えるのであった…




いかがだったでしょうか? 今回は会話文が少し多かったかな…
感想、批評などよろしくお願いします。

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