とらなのVRMMO ~魔法はゲームの中だけなの~【改訂版】 作:戯言紳士
俺となのはとフェイトが、フィールドN1でレベリングを開始して3時間ほど経過した。
「フェイトちゃん、そっちの敵をお願い!」
「わかった!」
今では、もう慣れた感じで、複数のモンスター..といっても2,3体だが、それを相手にしても危なげなく倒せるようになるまで成長している。
俺も、この場所で戦闘をしているが、今の俺のPTに、なのはとフェイトは入っていない。
2人が安定してモンスターを倒せるようになってから、俺も久遠や赤兎のレベルを上げるために召喚したのだが、2人が俺とPTを組んだままだと、久遠と赤兎にも経験値が均等に配分されてしまうので、同じN1で戦闘はするが、PTを別ける事にしたからだ。
そして、俺はそろそろ、他のPTの様子を見に行っても良いと思っている。
だが、その前に3時間前の出来事、つまり、みんなと別れてから、2人が戦闘に慣れるまでの事を振り返ってから、見て回る事にする。
◇◆◇◆◇◆ ◇◆◇◆◇◆
姫やチワワ達のPTと別れた俺達のPTは、最初に周囲を少し見て回った。
流石に、サービス開始5日目となると、ミッドチルダ周辺でレベリングをするプレイヤーは、ほとんどいなかった。
見かけたプレイヤーも、平日は仕事でプレイ出来なかったと思われる、年齢が高めの社会人っぽい人ばかりだった。
これなら、同じN1のフィールド内でも、狩場が被る事はないと思い、早速、なのはとフェイトの2人は索敵スキルを所有していないので、俺がスキルを使用して、位置が特定出来たモンスターの下へ向かって移動した。
「刻也さん。あれって?」
「二足歩行のトカゲ?」
「そうだな。それじゃあ、戦闘を始める前に、自分達で確認してみるか。
識別スキルであのモンスターの情報が見れるから、どんなモンスターか見てみよう。」
「「はーい!」」
そして、俺は既に知っているが、今回はなのはとフェイトと一緒に、二足歩行のトカゲに対して、識別スキルを使用した。
【種族】 リザードマン・ベビー Lv.2 【性質】 ノンアクティブ
【生命力】 320 / 320 【精神力】 28 / 28
【詳細】素早い動きで攻撃を回避して、その隙に尾で攻撃してくる。
これは、俺の識別結果。
今ではスキルレベルが上がり、生命力や精神力の詳細な数値が見えるようになったが、なのはとフェイトには、名前と性質くらいしか見えていないはずだ。
「見えたか?」
「うん。リザードマン・ベビー、ってウィンドウに表示されたよ。」
「やっぱり、それだけだよな。今後、識別のレベルが上がっていけば、こんな感じで、表示される情報が増えていくぞ。」
そう言って、先ほど俺の前に現れたウィンドウを2人に見せた。
「こうやって、どんどん情報が増えていくんだ。」
「スキルレベルは使っていけば上がっていくからな。これからも、敵を見つけたら、識別を使う癖をつけるように、最初のうちは意識しておくように。」
「「はーい。」」
「では、あのリザードマン・ベビーを倒そうか。まずは、2人の好きなようにやってみてくれ。俺は、2人が危なくならない限り、手は出さないから。」
「は..はい!」
「フェイトちゃん。そんなに身構えなくても、最初のフィールドに出てくる敵だから、そこまで強くないはずだよ。」
「そうなの?」
「そうなの!情報も見たでしょ?私達なら大丈夫だよ!」
なのはの言葉で、フェイトの緊張が少し和らいだところで、2人の初戦闘が始まった。
相手は、リザードマン・ベビー。小柄で素早く、攻撃はカウンターが主体のモンスターだ。
SLO初心者は、如何にして、攻撃を当てていくかが課題となる。
現状、2人は武技を習得していないので、どれだけ早く、発動までの待機時間が短く、発射速度の速い魔法を見つけられるかが、早期討伐の鍵になる。
フェイトなら、リザードマン・ベビーの素早さに対抗出来るかもしれないが、さて、この戦いはどうなるんだろうか?
◇◆◇◆◇◆ ◇◆◇◆◇◆
「えいっ!って、やっぱり避けられちゃうよ...。」
「でも、フェイトちゃんのおかげで、私の攻撃は当てる事が出来るよ!」
―― "ライトシュート" 【生命力】 115 / 320 ⇒ 82 / 320
戦闘を始めてから3分ほど経過したが、なのはとフェイトは、確実にダメージを与えられるようになったが、リザードマン・ベビーの討伐には至っていなかった。
しかし、戦闘開始直後に比べれば、2人の動きは早くも、洗練されてきている。
まずフェイトだが、戦闘開始直後、フェイトはロングソードを手に斬りかかったのだが、避けられてしまった。
その後、何度も攻め込んだのだが、いっこうにに当たらず、逆にダメージを負ってしまうという結果になったのだが、そこで、武器攻撃じゃ当たらないと判断したフェイトは、魔法での攻撃に切り替えた。
事前に習得している魔法の性能も把握していたのだろう。
フェイトは、自分が習得している魔法の中から、迷わずに発動までの時間が短く、発射速度も速い"サンダーシュート"を選択して、使用した。
今のフェイトの精神力では、4発が限界だったが、使用した4発のサンダーシュートは全て、リザードマン・ベビーにヒットして、相手の生命力を半分近くまで削る事が出来た。
そこで精神力に限界を迎えたフェイトは、ロングソードからサイズに武器を持ち替えて、通常攻撃の範囲を広げ、リザードマン・ベビーの回避行動を大きくさせる事で、自身をカウンターの攻撃範囲から遠ざけ、リザードマン・ベビーの回避行動に合わせて放つ、なのはの魔法攻撃を当てやすくなるように、行動するようになった。
一方、なのはは、開始直後はフェイトとリザードマン・ベビーの攻防をよく観察して、行動パターンを把握しようと、懸命に目で追っていた。
その後、フェイトが負傷すると、回復魔法で傷付いたフェイトの生命力を回復させて、フェイトが魔法で攻撃するという事を聞いて、今度はなのはが、リザードマン・ベビーのターゲットとなりフェイトの放った"サンダーシュート"が全弾ヒットする補佐を務めた。
そして、フェイトの精神力が限界を迎えたところで、なのはの攻撃が始まった。
◇◆◇◆◇◆ ◇◆◇◆◇◆
フェイトが率先して、なのはのアシストをするような動きになったので、これまで観察して導き出したリザードマン・ベビーの回避のタイミングを逆算して、そこまで発動速度が早くない"ライトシュート"を1発目は外してしまったが、2発目からは的確に当てるようになり、今に至る。
この調子で攻撃を当てていけば、残りは1分もかからずに、リザードマン・ベビーを倒す事が出来るだろう。
「これで、終わり!」
―― "ライトシュート" 【生命力】 26 / 320 ⇒ 0 / 320
その後、なのはとフェイトのコンビネーションによって、3発のライトシュートをリザードマン・ベビーにヒットさせる事で、リザードマン・ベビーの生命力は0となり力尽きた。
「これで...倒したのかな?」
「そうだよ!ほら、フェイトちゃんもインフォ見てよ。レベルが上がってるから!」
「あっ、本当だね。そっか..倒せたんだね。」
リザードマン・ベビーが全く動かなくなり、生命力を表しているバーが消失した事と、幸先良くレベルが上昇したのを、確認したところで、ようやくフェイトも勝利を実感したようだ。
「2人ともおめでとう。だけど、喜ぶ前に、まだやる事が残ってるぞ?」
「あっ!そうだよ。アイテム剥ぎ取らないと、刻也さんに装備を作ってもらえない!」
「リザードマン・ベビーに勝てた事で、忘れてたね。」
この後、どちらも解体スキルを所有していないから、どっちがやっても変わらないと言ったら、フェイトがなのはに、剥ぎ取る権利を譲り、初めて倒したモンスターからの剥ぎ取りは、なのはがする事になった。
「それじゃあ、いくよ! えいっ!」
手に、役所で貰った剥ぎ取りナイフを持ち、なのはがリザードマン・ベビーに突き刺すと、リザードマンの皮と鱗が1つずつ剥ぎ取れた。
「これって良い方なの?」
「皮と鱗が1つずつだね。」
これが初めてなので、良いのか悪いのか判断できないなのはが、聞いてきたので、
「普通だな。悪くもないし、かと言って、レアドロップでもない。」
「そうなんだ。」
「でも、この2つも素材になるんですよね?」
普通だと聞いて、ちょっと落胆した様子のなのはを気にしているのか、今度はフェイトが聞いてきたので、
「そうだな。どっちも、盾や防具なんかに使える素材だ。」
「そっか!だったら、いっぱい倒して、いっぱい集めようね!」
「そうだね。要領はつかんだと思うから、次はもっと早く倒せると思うよ。」
少々、気落ちしていたなのはは、使える素材だと分かるやいなや、すぐに復活し、早く次の相手を探しに行こうと、言わんばかりに元気になった。
「次の相手の事を考えるのもいいが、その前に、レベルアップしたんだったら、SPも獲得してるだろうし、ステータスの割り振りもあるだろうから、先にやっておいた方が、より次の戦闘が楽になるぞ。」
「そっか。新しいスキルも習得出来るんだ。」
「刻也さんの言う通り、先に、こっちの処理を済ませてからにしようね。」
こうして、2人のSLOでの初戦闘は、アイテムもしっかり剥ぎ取り、2人とも新しいスキルも習得したところで、無事に終了した。
◇◆◇◆◇◆ ◇◆◇◆◇◆
「あの..刻也さん。」
2人のレベルアップ処理も終わり、次の相手を見つけたところで、フェイトに声をかけられた。
「どうした?」
「次は、刻也さんの戦闘を見せて欲しいんですけど、いいですか?」
「フェイトちゃん、ナイス!私も見てみたい!」
「でも、俺のレベルと装備だと、すぐに終わるぞ?」
「それでも良いんです。」
2人とも、どうしても見たいという事らしいので、
「わかった。なら、あいつは俺が相手にしよう。」
〈私の初陣の相手は、彼女達と同じトカゲか。仕方がない、軽く捻じ伏せてやるとしよう。〉
アイオーンが相手を言ってしまったが、次の相手もリザードマン・ベビー。
しかも、レベルまで同じ数値をしている。
まあ、相手がなんであれやる事は変わらないので、大した問題ではない。
2人が見たいのは、俺個人の戦闘だと思うので、久遠と赤兎は、まだ召喚しなくていいだろう。
「アイオーンの言った通り、相手はさっき二人が戦ったやつと同じだ。俺もアイオーンの性能を確かめたいから加減はしない。......見逃すなよ?」
「「はい。」」
それでは、行くとしよう。
すでに手には、二刀流の状態で、短刀モードのアイオーンがスタンバイを終えている。
しかしまだ、リザードマン・ベビーが俺の事を認識していない状態なので、この間に、魔法スキルがレベル5になると習得される付加魔法をかけておく。
俺が今使えるのは、火・風・闇の3つ属性の魔法。
今回使用するのは、筋力値を上昇させる効果のある火魔法と、敏捷値を上昇させる効果のある風魔法の2つ。
―― "ブーストATK" "ブーストAGI" 【精神力MP】 95 / 95 ⇒ 75 / 95
それぞれを1秒かけて発動し、合計2秒で、俺の筋力値と敏捷値は3分の間、本来の値から15%上昇した状態になった。
これで準備は完了。
さあ、リザードマン・ベビーよ。少しくらいは持ってくれよ?
俺の事を認識していないリザードマン・ベビーに向かって、全力で駆け出し、すれ違い様に、二本の小太刀による連撃をヒットさせた。
―― 【生命力】 320 / 320 ⇒ 0 / 320
《ただいまの戦闘により【連撃】スキルのレベルが上がりました。》
〈つまらぬモノを斬ってしまった...。〉
アイオーンがつまらぬ事を言っているが、過剰に強化し過ぎたのかもしれない。
まさか、1回の攻撃で倒れるとは......。
果たして、なのはとフェイトは、これで満足したのだろうか?
とりあえず、倒してしまったからには、アイテムも剥ぎ取っておかないともったいない。
自作の剥ぎ取りナイフを、生命力が尽きたリザードマン・ベビーに突き刺すと、鱗が3つ。皮が4つ。爪が3つに、尻尾が1つ、剥ぎ取れた。
ちなみに、尻尾がリザードマン・ベビーから剥ぎ取れるレアアイテムになる。
尻尾は、換金してもいい値が付くが、これを素材にして調理をすると、美味しい唐揚げが出来上がる。それを食すると、3時間、火属性の攻撃ダメージを1/3に軽減してくれるのだ。
今は使いどころはないが、火属性の攻撃をしてくるモンスターが多い、火山地帯を狩場にする時がくれば、非常に重宝するアイテムになる。
と、こんな感じで戦闘が終わり、リザードマン・ベビーを倒して、2人のところに戻った俺は、なのはには、自分達にも付加魔法を使って欲しいと頼まれ、フェイトには、物凄く目を輝かせて、しばらくの間、称賛されていた。
その後は、しばらく2人の様子を見ながら、俺も近場に出現したモンスターを倒しつつ過ごしていたのだが、なのはとフェイトなら、もう2人で大丈夫だろうと思えるようになり、俺達はPTを二分して、戦闘を続けたのだった。
◇◆◇◆◇◆ ◇◆◇◆◇◆
回想はこれにて終了。
ここまでの戦闘で、俺の種族レベルは11⇒12になり、職業レベルも2⇒3へ、1レベルずつ上がった。
途中参加の久遠に、レベルの変動はないが、赤兎はレベル3⇒5へ、2レベル上がった。
そして、職業レベルが上がった事で獲得したSPで、解析スキルを習得した俺が、今のなのはとフェイトのステータス情報を得たところ、種族・職業レベルは共に4レベルまで上がっていた。
「それじゃあ、俺はこれから、姫のPTとチワワのPTの様子を見に行ってくるから、変なヤツに絡まれたら、俺に連絡を入れるか、ブラックリストに登録して対処してくれ。」
「「はーい!いってらっしゃい!!」」
こうして、なのはとフェイトに、他のPTの様子を見に行くと伝え、了承を得た俺は、赤兎に騎乗し、チワワがリーダーの、アリサとすずかの方から先に見に行く事にした。
※スキル解説
【スキル名】 剣術 【スキルタイプ】 Passive 【消費SP】 2
【効果】剣術を身に付ける。
レベル上昇で剣・刀系の武器を装備した状態で放つ事が出来る武技を習得する。
【スキル名】 二刀流剣術 【スキルタイプ】 Passive 【消費SP】 3
【効果】二刀流剣術を身に付ける。
レベル上昇で二刀流時に放つ事が出来る武技を習得する。
【スキル名】 鎌術 【スキルタイプ】 Passive 【消費SP】 2
【効果】鎌術を身に付ける。
レベル上昇で鎌系の武器を装備した状態で放つ事が出来る武技を習得する。
【スキル名】 並列思考 【スキルタイプ】 Passive 【消費SP】 6
【効果】魔法を複数同時に発動できるようになる。 ※レベル1では2つまで。
レベル上昇で、同時発動できる数が増加する。
【スキル名】 解析 【スキルタイプ】 Active 【消費SP】 2
【効果】プレイヤーのステータス情報を得る。
レベル上昇でスキルレベル以下の隠蔽の効果を無効化する。
【スキル名】 噛付き 【スキルタイプ】 Active
【基本攻撃力】 15 【対象】 単体(敵のみ) 【攻撃回数】 1 【消費精神力】 0
【効果】歯で対象に噛み付いて、物理ダメージを与える。
※ステータス更新
【名前】 クロノス 【性別】 男 【種族】 人族 Lv.11 ⇒ 12
【職業】
【
【
【
【
【
【
【
【
【所有スキル】残りSP 1 ⇒ 0
★短刀 Lv.15 槍 Lv.5
二刀流剣術 Lv.2(New!)
召喚魔法 Lv.12 火魔法 Lv.8 風魔法 Lv.9 闇魔法 Lv.11
戦闘指揮 Lv.10 奪取 Lv.7 二刀流 Lv.11 ★投擲 Lv.6 連撃 Lv.8
連携 Lv.11 識別 Lv.19 ★索敵 Lv.22 ★鑑定 Lv.23 解析 Lv.2(New!)
★隠蔽 Lv.13 解体 Lv.18 騎乗 Lv.6 採取 Lv.16 採掘 Lv.15
☆錬金術 Lv.99 ☆鍛冶 Lv.99 ☆服飾 Lv.99 ☆装飾 Lv.99 ☆調合 Lv.99
☆機械工 Lv.99 ☆細工 Lv.99 ☆彫刻 Lv.99 ☆調理 Lv.99 ☆建築 Lv.99
【称号】
【名前】
【
【
【
【
【
【
【
【
【所有スキル】
突進 噛付き(New!) 脚蹴り 疾走 一騎当千 受け
【名前】 なのは 【性別】 女 【種族】 エルフ族 Lv.1 ⇒ 4
【職業】 見習い
【
【
【
【
【
【
【
【
【所有スキル】残りSP 0
★杖 Lv.3
回復魔法 Lv.4 ★火魔法 Lv.3 ★光魔法 Lv.5
魔法知識 Lv.4 並列思考 Lv.1(New!) 識別 Lv.6 索敵 Lv.4(New!) 鑑定 Lv.5(New!)
解体 Lv.5(New!)
【名前】 フェイト 【性別】 女 【種族】 獣人族 Lv.1 ⇒ 4
【職業】 見習い
【
【
【
【
【
【
【
【
【所有スキル】残りSP 0 ⇒ 2
★長剣 Lv.4 ★鎌 Lv.2
★剣術 Lv.2(New!) ★鎌術 Lv.1(New!)
風魔法 Lv.2 雷魔法 Lv.3 ★闇魔法 Lv.2
回避 Lv.3(New!) 識別 Lv.6 索敵 Lv.5(New!) 鑑定 Lv.5(New!) 解体 Lv.4(New!)