とらなのVRMMO ~魔法はゲームの中だけなの~【改訂版】 作:戯言紳士
赤兎に騎乗し移動する事5分。
俺は、チワワが率いるPTがレベリングをしている場所まで到着した。
場所は、全員とフレンド登録しているので、近付くけば、どの辺りにいるのかがわかるので、短時間で見つける事が出来た。
移動中に遭遇したモンスターは、赤兎に騎乗した状態で、アイオーンを槍モードにして、倒してきた。
ちゃんと剥ぎ取りまでしてきたので、5分もかかってしまったが、剥ぎ取り作業を放棄すれば、赤兎の足なら3分ほどで、ここまで辿り着くことが出来たと思う。
◇◆◇◆◇◆ ◇◆◇◆◇◆
これはタイミングが良かったのか、それとも悪かったのか、俺が到着した時に、アリサとすずかの2人は、ちょうど、コボルト・ノービスというモンスターとの戦闘を開始したばかりのようで、声をかけられる状態ではなかった。
チワワはチワワで、その様子を眺めながら、少し離れたところで、一切ダメージを負う事がないのか、緊張感の欠片もなく戦闘をしていた。
まあ、チワワの装備でも、ここのモンスター達なら、最大2回の攻撃で倒せるだろうから、仕方のない事かもしれないな。
それじゃあ、俺は2人のステータスを解析で閲覧しながら、戦闘の様子を見させてもらおう。
【名前】 アリサ 【性別】 女 【種族】 人族 Lv.4
【職業】 見習い
【
【
【
【
【
【
【
【
【所有スキル】残りSP 0
★細剣 Lv.4 ★軽盾 Lv.4
★剣術 Lv.3
回復魔法 Lv.5 火魔法 Lv.5
反撃 Lv.2 治療 Lv.3 挑発 Lv.6 識別 Lv.6 索敵 Lv.4
鑑定 Lv.5 解体 Lv.5
【名前】 すずか 【性別】 女 【種族】 魔人族 Lv.4
【職業】 見習い
【
【
【
【
【
【
【
【
【所有スキル】残りSP 0
★弓 Lv.4
★弓術 Lv.3
呪術魔法 Lv.2 氷魔法 Lv.4 ★闇魔法 Lv.5
千里眼 Lv.1 識別 Lv.6 ★索敵 Lv.8 鑑定 Lv.5 解体 Lv.5
2人とも、レベルはなのはとフェイトと同じで、スキルも必要最低限の必須スキルが揃った状態と言える。ここから先が、個性が出てくるところだな。
さて、戦闘の方はどうだろうか?
「アリサちゃん。気付いてるよね?」
「もちろんよ。刻也が私達の様子を見に来たわね。」
「やっぱ、そうだよね。」
「別れ際に言ってたから、間違いないでしょう。」
「それじゃあ、みっともないところは見せられないね。」
「当然!もう、ここの敵を相手に、私達が後れを取る事はないわ。」
どうやら、戦闘中に会話が出来るくらいの余裕があり、俺の存在にも気が付いたらしい。
【種族】 コボルト・ノービス Lv.3 【性質】 ノンアクティブ
【生命力】 314 / 375 【精神力】 46 / 46
【詳細】手にしている武器で攻撃してくる。他にもコボルト・ノービスがいる場合は、連携して攻
撃をするようになる。
ちなみに、これが今、アリサとすずかが対峙している、コボルト・ノービスの情報。
すでに、アリサの一撃を受けているので生命力は減っている。
コボルト・ノービスは複数いてこそ、本領を発揮するタイプのモンスターなので、単体相手ではリザードマン・ベビーの方が面倒な相手と言える。
「こんなやつ、もう敵じゃないわね!」
―― "スラッシュ" 【生命力】 314 / 375 ⇒ 188 / 375
「そんな事言って、足元をすくわれないようにね。」
―― "射貫きます" 【生命力】 188 / 375 ⇒ 119 / 375
「大丈夫よ。だって、すずかがいるもの。」
「もう...、そんな事言っても、アリサちゃんの盾にはならないからね。」
「わかってるわよ。すずかが盾になったら死んじゃうもの。」
こうして、コボルト・ノービスの情報を見ている間にも、アリサとすずかの攻撃が面白いようにヒットして、生命力をどんどん削っているのが、良い例だろう。
アリサが、コボルトの持つショートソードの攻撃を、盾で受け止めたところで、剣術の武技"スラッシュ"を使用しレイピアを突き当て、すかさず、すずかが弓で追撃をする。
他のモンスターには、どう対処しているのかわからないが、少なくとも、この戦い方が基本になっているのだろう。
すでに、この流れに無駄な行動は見られず、相手の攻撃を盾で受け止める事にも、恐れや躊躇はなく、かなり慣れてきているようだった。
「アリサちゃん!」
「わかってるわ。」
たった今、コボルト・ノービスがすずかに向かっていこうとしたところを、アリサが挑発スキルを使用して、ターゲットを自分に向けさせた。
どうやら、戦闘時に使用するパターンのアクティブスキルも、しっかり使えているようだ。
そういえば、チワワもアリサとタイプは違えど、似たようなポジションで、姫と組んで戦っていたので、その辺の事は、ちゃんと教えたのだろう。
こうして、再び、アリサをターゲットにしたコボルト・ノービスは、さっきと同じように、アリサに攻撃を防がれ、今回は武技を使用されずに、通常のレイピアの攻撃と弓矢の攻撃を受けて、生命力が尽きた。
相手の残り生命力を見極めて、適した攻撃をする事も、しっかり出来るみたいだな。
「刻也、私達の戦闘はどうだったのよ?」
「もう..アリサちゃんってば。刻也さん、おかしなところは、ありませんでしたよね?」
その後、倒したコボルトからアイテムを剥ぎ取って、アリサとすずかは俺のところまでやってきた。
「いや、これだけ戦えるようになっていれば十分だろ。特に口出す所はないな。」
「良かったです。」
「まあ、当然よね。」
「先輩。あたし、もう必要ないみたいなんだけど、もっと奥のフィールド行っちゃダメかな?」
そして、2人に称賛し、それぞれがらしい反応を見せたところで、チワワも合流した。
「とりあえず、俺はこの後、姫のところのPTの様子も見に行くから、それまでは、ここでレベリングを続けていてくれないか?
なのはとフェイトも、ここなら問題ないと判断して、こっちに来たわけだし。姫のところも、似たような感じだったら、場所を移そう。今日くらいは、ある程度まとまって、行動した方がいいだろうからな。」
「わかりました。あたし達は、もう少しここで、レベリングを続けています。」
「頼むな。また、場所が変わる事になったら、モンスターの質もレベルも変わるところまで行きたいから、その辺の事も含めて、2人を見ててくれ。」
「わかりました。」
「アリサとすずかも、それでいいか?」
「はい。」
「仕方ないわね。」
こうして3人に見送られながら、俺は赤兎に騎乗しなおして、姫のPTがレベリングをしている方角へ移動した。
方角が反対になるので、道中、なのはとフェイトのところに立ち寄って、安否確認と、この後、場所を移すかもしれないという事を伝えておいた。
さて、姫のPTは、どんな状態になっているんだろうか......。
◇◆◇◆◇◆ ◇◆◇◆◇◆
「もう!銃弾はないって言ったのに、どうして、またこんなに呼び出すのよ!!」
なのはとフェイトに用件を伝えて、姫の率いるPTがいる場所までやって来たのだが、本来は、1,2体。多くても3体までしか出現しないはずのフィールドに、同時に10体以上のモンスターが出現していて、それの相手を姫のPTがしていた。
少し離れたところにいる俺にも聞こえた、姫の言葉から察するに、押し付けられたわけでも、たまたま、近場に同時に湧いて出てきたわけでもなく、アリシアかはやて..この場合は、高確率ではやてが、意図的に呼び出したのだと思う。
それも"また"と言っていたので、何度か繰り返してやっているのだろう。
姫のイベントリに何発の銃弾がストックされていたのかは、わからないが、かなりの数を消費したのだろう。
しかし、姫はそう言いながらもダガーを装備して、アリシアやはやてと一緒に、10体以上のモンスターを相手に、戦闘を行っている。
その光景を見た感じ、これだったら、しばらくすれば倒しきれると思い、丁度良いので、ここでアリシアとはやての戦闘の様子を見させてもらおう。
まずは、2人の現在のステータスからだな。
【名前】 アリシア 【性別】 女 【種族】 獣人族 Lv.5
【職業】 見習い
【
【
【
【
【
【
【
【
【所有スキル】残りSP 2
★短剣 Lv.4 ★鋼拳 Lv.5
剣術 Lv.3 ★格闘術 Lv.3
火魔法 Lv.2 雷魔法 Lv.5
武術指南 Lv.2 回避 Lv.7 識別 Lv.8 ★索敵 Lv.6 ★鑑定 Lv.7
解体 Lv.6
【名前】 はやて 【性別】 女 【種族】 人族 Lv.5
【職業】 見習い
【
【
【
【
【
【
【
【
【所有スキル】残りSP 1
★杖 Lv.3
舞踏 Lv.5
★水魔法 Lv.2 氷魔法 Lv.5 ★土魔法 Lv.6 闇魔法 Lv.1
魔力知識 Lv.3 識別 Lv.9 索敵 Lv.5 鑑定 Lv.7 解体 Lv.6
2人とも、識別以下のスキルは同じだが、なのはやアリサ達より、1レベル高い分、少しずつだが、個性が出始めていると思う。
そして、2人の戦闘の方だが...、
まず最初に、2人は姫の幻術による付加魔法で、最低でも筋力値と知力値。それと敏捷値が、この戦闘終了まで、10%上昇している状態だと思われる。
それを踏まえて見ていくと、アリシアは雷魔法の"サンダーフィールド"を発動させて、10体以上のモンスターを、一ヶ所にまとめてから、そこにナックルを装備して殴り込みにいっている。
突出した敏捷値が付加魔法でさらに上昇し、レベルが上がり性能が上がってきている回避スキルの効果もあり、モンスターの密集地帯に潜り込んでも、アリシアは直撃を受ける事はなく、うまく回避しながら、確実にその場にいるモンスター達の生命力を削っている。
その与えているダメージも、上昇値は僅かかもしれないが、少なからず付加魔法の効果が影響していると思う。
はやての方は、アリシアがモンスター達のターゲットを全て引きつけている状態なので、後方から、モンスター密集地帯に向けて、水・氷・土・闇魔法を放ち、安全圏から確実にダメージを与えて、モンスターの数を減らしている。
そこに姫の助力も加わっているので、俺は最初に、しばらくすれば倒しきれると思ったわけなのだが、それは間違いではなく、俺が見物を始めてから3分ほとで、10体以上いたはずのモンスターは、スライム1体だけになっていた。
【種族】 スライム Lv.2 【性質】 ノンアクティブ
【生命力】 44 / 310 【精神力】 24 / 24
【詳細】ゲル状の身体から触手のようなモノを伸ばし攻撃してくる。物理攻撃を軽減するスキルを
所有している。
そのスライムの生命力も、このように残りわずかで、
「こいつの弱い属性はわかってるからね!」
―― "サンダーシュート" 【生命力】 44 / 310 ⇒ 0 / 310
アリシアの雷魔法がヒットして、瞬く間に、最後の1体だったスライムも力尽きた。
「「いえーい!!」」
―― パンッ!
戦闘終了後、慣れた感じで3人は、手分けしてアイテムを剥ぎ取り、それが終わると、アリシアとはやてだけで、ハイタッチを交わした。
姫は、そんな事をする気分ではなく、相手にしているモンスターではなく、面倒を見ている2人から、相当ダメージを受けているみたいだ。
それでは、そろそろ話しかけに行くとしようか。
「もう、これくらいの相手は余裕だね。」
「そうやな。初めて"誘引の舞"を使った時は、いきなり5体も出現して苦労したけど、もうこの程度じゃ、物足りへんわ。」
「いい加減にしなさいよ。いくら余裕になったからって、あの数を2人で相手にするとなると、消耗が激しくなるうえに、ちょっとしたミスで死ぬに戻る可能性だってあるんだから。」
「そこは..ほら!ティアがいるし!」
「ホンマに、ティアがいてくれて助かっとるよ。」
3人に近付いたところで、会話が聞こえてきたのだが、本当に、姫にはかなり負担をかけてしまっているようだ。
「2人とも、あんまり姫を困らせるなよ。」
「「あっ!刻也(さん)!!」」
「刻也先輩、遅いですよ。さっきの見てましたよね?だったら、もっと早く来て下さいよ!」
「お..おう。すまなかった。確かに、この2人相手だと、チワワより大変だろうからな。」
どうやら、この3人の中で、俺の存在に気付いていたのは、姫だけだったようだ。
まあ、あの数を相手にしていたので、戦闘以外の事に、気を配る余裕はなかったらしい。
「まあ..でも、刻也先輩が来たって事は、他の場所も順調にレベルが上がって、ここじゃあ、物足りなくなって来てるんですよね。」
「よく分かったな。」
「それはもう...。この2人が嫌というほど教えてくれましたから。特に、はやてがモンスターを出現させられるような舞を習得してからは、ずっとこんな感じでしたからね。」
「でも、そのおかげで、いっぱい経験値を稼げるようになったよ!」
「多分、私らが一番レベルが高いはずやで!」
「そのせいで、私のイベントリから銃弾がなくなったけどね!!」
「「ごめんなさい...。」」
「ま..まあ、始める前に言ったが、銃弾は後でちゃんと渡すから、姫は落ち着け。
はやても、人が多いところでは、控えろよ。悪目立ちしたくないだろ?」
「もちろんや。」
◇◆◇◆◇◆ ◇◆◇◆◇◆
ともあれ、これで全員の様子が把握できた。
どこも、ここでの戦闘では物足りなく感じているという事も、これで分かったので、一度、全員で集まってから、次のフィールドへ移動しようと提案しようとした時だった...。
―― シュッ!
不意に背後から嫌な気配を感じたので回避行動を取ると、さっきまで俺の頭があった場所に、拳が横切ったので、その出所を確認してみると、今まで誰もいなかった俺の背後には、ピンク髪から狼のような耳を生やした、小柄だが俺と同年代くらいの女性の拳だった。
「嘘..私の不意打ちは完璧..だったのに。でも..あなたは、完璧に回避した..!?」
『イベント"人狼吸血鬼の少女との一騎打ち"が発生しました。クリア条件は、人狼吸血鬼の少女との一騎打ちに勝利する事です。ご健闘お祈り申し上げます。』
状況がまったくわからないが、どうやら、姫のPTの行動で立った、何かしらのイベントフラグを、何の間違いか、俺が回収してしまったらしい。
しかも、プレイヤー側に拒否権のないタイプのイベントだ。
姫達も、すぐにこの少女の存在に気付き、俺に近付こうとしているが、見えない障壁に妨害されて、一定の範囲以上は近づく事が出来ないらしい。
どうやら、プレイヤー同士で決闘を行う時に、他者が手出しできないように展開される障壁と同じモノが展開されたのだろう。
とりあえず、障壁が展開されても声までは遮断されないので、この状況を、他のメンバーにも伝えてくれと姫達に頼んだ。
同時に、このイベントを終わらせない限り、この場から立ち去れそうにないとも伝えておいた。
経緯はどうであれ、この人狼吸血鬼の少女?の相手をするには、こう言っては失礼だが、今日始めたばかりのアリシアとはやてはもちろん、メイン武器の銃が使えない姫では、心持たないので、フラグを回収したのが俺で、ちょうど良かったかもしれない。
一騎打ちという事で、久遠と赤兎までも障壁の外に追いやられてしまったが、相棒のアイオーンは、俺の手の中にあるので、やれるだけの事はやってみよう。
「覚悟は..出来ましたね。それでは...参りましょう。」
この言葉が開始の合図となり、俺と人狼吸血鬼少女の一騎打ちが始まった。
※ステータス更新
【名前】 アリシア 【性別】 女 【種族】 獣人族 Lv.1 ⇒ 5
【職業】 見習い
【
【
【
【
【
【
【
【
【所有スキル】残りSP 0 ⇒ 2
★短剣 Lv.4 ★鋼拳 Lv.5
剣術 Lv.3 ★格闘術 Lv.3
火魔法 Lv.2(New!) 雷魔法 Lv.5
武術指南 Lv.2(New!) 回避 Lv.7 識別 Lv.8 ★索敵 Lv.6(New!) ★鑑定 Lv.7(New!)
解体 Lv.6(New!)
【名前】 はやて 【性別】 女 【種族】 人族 Lv.1 ⇒ 5
【職業】 見習い
【
【
【
【
【
【
【
【
【所有スキル】残りSP 0 ⇒ 1
★杖 Lv.3
舞踏 Lv.5
★水魔法 Lv.2(New!) 氷魔法 Lv.5 ★土魔法 Lv.6 闇魔法 Lv.1(New!)
魔力知識 Lv.3(New!) 識別 Lv.9 索敵 Lv.5(New!) 鑑定 Lv.7 解体 Lv.6(New!)
【名前】 アリサ 【性別】 女 【種族】 人族 Lv.1 ⇒ 4
【職業】 見習い
【
【
【
【
【
【
【
【
【所有スキル】残りSP 0
★細剣 Lv.4 ★軽盾 Lv.4
★剣術 Lv.3(New!)
回復魔法 Lv.5 火魔法 Lv.5
反撃 Lv.2(New!) 治療 Lv.3 挑発 Lv.6 識別 Lv.6 索敵 Lv.4(New!)
鑑定 Lv.5(New!) 解体 Lv.5(New!)
【名前】 すずか 【性別】 女 【種族】 魔人族 Lv.1 ⇒ 4
【職業】 見習い
【
【
【
【
【
【
【
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【所有スキル】残りSP 0
★弓 Lv.4
★弓術 Lv.3(New!)
呪術魔法 Lv.2 氷魔法 Lv.4 ★闇魔法 Lv.5
千里眼 Lv.1(New!) 識別 Lv.6 ★索敵 Lv.8 鑑定 Lv.5(New!) 解体 Lv.5(New!)