とらなのVRMMO ~魔法はゲームの中だけなの~【改訂版】   作:戯言紳士

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第12話   6月14日 日曜日⑨

 

『クロノス様がログインしました。』

 

 

本日3度目のログイン。

俺は、すずかの家の車で自宅まで送ってもらい、その後、夕食や風呂などの用を済ませ、ログアウトしたら寝るだけ、という状態でログインした。

 

そんな現在の時刻は、19時30分。

 

 エントランスには誰の姿もないが、フレンド登録したプレイヤーのログイン状態は、フレンドリストを見れば確認出来るので、誰かログインしていないか確認してみると、どうやら俺が一番乗りだったらしい。

 家庭ごとに食事の時間もバラバラだろうし、俺以外は女性なので、風呂やその後の手入れにも時間がかかるのだろう。

 

 この後も、全員が揃わないと出掛けられないので、待っている間に、さくらのステータスを確認して、今回のレベルアップで取得したSPを消費して、新しいスキルも習得していこう。

 

 

という事で、まずはさくらのステータスからだ。

 

【名前】 さくら 【種族】 使徒吸血鬼 Lv.1 / 野良人狼 Lv.1

生命力(HP)】 36 / 36

精神力(MP)】 14 / 14

筋力値(ATK)】 12

耐久力(DEF)】 11

知力値(INT)】  9

抵抗力(MDF)】 11

敏捷値(AGI)】 10

器用度(DEX)】 11

【所有スキル】

  剣術 格闘術 闇魔法 受け 識別

 

 イベントで戦った時とは、種族もレベルも違っているが、これがさくらの初期ステータスだったのだろう。

 久遠や赤兎と違って種族は2種類あるし、装飾品もプレイヤーと同じ3箇所に装備できるので、通常の召喚モンスターとは、どこか違うみたいだ。

 この後も、全員が揃ったらレベリングに出掛けるので、さくらのレベルも上がるだろうから、その時の成長に期待だな。

 

 装飾品にあまりはないので、時間が出来たら、さくら用に作る事にしよう。レベルも上がったので、その時に他の装備の強化もしてしまえば、ちょうど良いだろう。

 

 

次に、スキルの習得をしていくわけだが、以前から習得を考えていたスキルを取っていって、その後、SPがそれなりに余っていれば、他のスキル習得も考えていく。

 

という事で、俺が以前から習得したいと思っていたスキルがこれだ。

 

【スキル名】 魔導具 【スキルタイプ】 Passive 【消費SP】 5

【効果】魔導具を扱う事が出来るようになる。レベル上昇で魔導具による与ダメージが増加する。

 

【スキル名】 槍術 【スキルタイプ】 Passive 【消費SP】 2

【効果】槍術を身に付ける。

    レベル上昇で槍系の武器を装備した状態で放つ事が出来る武技を習得する。

 

【スキル名】 貫通 【スキルタイプ】 Passive 【消費SP】 8

【効果】攻撃対象の耐久力を10%減少させる。レベル上昇で減少率が増加する。

 

【スキル名】 並列思考 【スキルタイプ】 Passive 【消費SP】 6

【効果】魔法を複数同時に発動できるようになる。 ※レベル1では2つまで。

    レベル上昇で、同時発動できる数が増加する。

 

【スキル名】 武術の素養 【スキルタイプ】 Passive 【消費SP】 10

【効果】全武技の基本攻撃力を上昇する。レベル上昇で上昇する値が増加する。

 

 これらを習得していったら合計で31SPを消費してしまい、他のスキルの習得を考えても意味がなくなってしまった。

 というよりも、他にも習得したいスキルがあったのだが、優先度か高い順に習得していったら、ここでSPが尽きたと言った方が正しいかもしれない。

 今回習得出来なかったスキルは、また必要なSPを取得したら習得していこう。

 

 

では、予想以上に早くスキル習得も終わってしまい時間が出来たので、工房で、さくらの装飾品と俺の装備の強化。それと、今回習得した武器スキルの魔導具を、アイオーンに新しいモードとして付け加えようか。

 

 モード追加以外は、あまり時間はかからないので、なのは達が揃うまでに、最低でも強化までは終わらせたいな。

 魔導具は、今すぐに必要な武器というわけではないので、今日出来なくても、この後の行動に支障はない。

 

 

それでは、作業を開始しよう!

 

 

◇◆◇◆◇◆                                ◇◆◇◆◇◆

 

 

『フレンドのティアナ様から通信です。通話可能ですが、応答しますか?』

 

 さくらの装飾品を作り終え、装備品の強化も終え、あと少しでアイオーンに魔導具モードの追加が終わるというタイミングで、姫からの通信を伝えるウィンドウが現れた。

 フレンドリストを確認すると、なのは達全員がログイン状態となっていたので、姫が代表して、俺に通信をしてきたのだろう。

 

 とりあえず、作業しながらでも応答出来るので、姫からの通信に応じると、ウィンドウに姫とその周りになのは達の姿が見え、姫も俺の姿を確認すると「刻也先輩。今どこにいるんですか?」と聞きかれたので「自室の工房で作業中」と答えた後に「あと3分くらいでそっちに行くから」と続けて、通信を続けたまま作業を再開した。

 

 

そして作業を終え、今の時間を確認すると、20時30分。

 

 まだ姫との通信は繋がっている状態だったので「今から行く」と伝えて通信を終了し、工房を出て、姫達の待つエントランスに移動した。

 

「あっ!刻也が来たよ!」

「まったく、私達を待たせて、何をやってるのよ。」

「さっきの部屋、すごい設備が整ってましたね。」

 

「それで、さっきの刻也さんは何をしてたの?」

 

 待たせてしまったので、これくらい言われても仕方がないだろう。

 フェイトの質問に答えて、その事には謝罪をした。

 

「少し早めにログインしたから、待っている間の時間潰しも兼ねて、装備を強化してたんだが、

 待たせてしまったみたいだな。済まなかった。」

 

「やっぱり、そうだったんですね。」

「それに、今回はログインする時間を決めてなかったからね。」

「私達も言うほど待ってないので、気にしなくてもいいですよ。」

 

 

 

こうして、小言を言われながらも、メンバー全員からお許しを得られたので、俺達は22時までフィールド"N2E2"でレベリングをする事にした。

 

 街から歩いて移動していては、そこに辿り着くまでに時間になってしまうので、そこのフィールドに設置されているポータルを登録しているという、姫に転移の杖を渡し、姫が転移スキルを使用して、フィールド"N2E2"まで転移してきた。

 

 そして、このフィールドに出現するモンスターだが、N1よりも5~6レベル上昇し、モンスターの性質がアクティブとなり、相手からこちらを感知して攻撃するようになる。

 

 そういう相手に慣れさせるため、N1でSLOの戦闘に慣れたなのは達、聖祥に通うメンバーだけでPTを組ませて、俺達は極力、手を出しをしないで、レベリングさせる事にした。

 しかし、極力手出しをしないと言っても、完全に放任するわけにはいかないので、俺と召喚モンスター&姫とチワワで1つのPTを組み、なのは達の戦闘が見える距離を保ちながら、狩場を分担して、レベリングする事とにした。

 ちなみに、姫には、転移前に銃弾を60発ほど渡したので、浪費しない限り、この場所で銃弾が尽きる事はないと思う。

 

 レベリングのために、さくらを召喚して紹介した時も、事前に仲間にした事を説明していたので全員身構える事もなく、さくらを受け入れていた。

 その時に、久遠も全員の前で、初めて変化のスキルを使用して、狐の状態から幼い少女の姿になり、拙い言葉遣いで自己紹介をして全員の心を掴み、ただの狐ではない事を知らしめた。

 

 

◇◆◇◆◇◆                                ◇◆◇◆◇◆

 

 

そして、この場所を狩場にしてレベリングを開始する事、1時間30分。

 

 最初は出現するモンスターの行動や、レベルの高さから、なのは達の陣形が崩れたり、不用意に攻撃を受けたりしていたが、ここで3,4回、15分ほど戦闘を経験すると、アクティブの性質を持つモンスターにも慣れ、なのは達自身のレベルも上昇したのか、6人での戦闘も無駄な行動が少なくなり、個々の動きにキレが出てきた。

 

 今では、4,5体が同時に襲い掛かってきても、慌てて陣形が崩れる事なく、仲間の動きを把握しながら、難なく倒す事が出来るようになっている。

 

 俺の方だが、まず、さくらの種族レベルがどちらも8まで上がり、使徒吸血鬼が下級吸血鬼に、野良人狼が人狼にクラスチェンジした。

 クラスチェンジの候補はどちらも1つだけだったので、悩む必要もなかった。

 他の召喚モンスターは、イベント戦の経験値で大幅にレベルが上がったためか、この1時間30分の間に、レベルアップはしなかった。

 斯く言う俺も、スキルレベルは上がったが、種族や職業レベルが上がる事はなかった。

 

 それと、今回習得した魔導具というカテゴリーの武器だが、ロボットアニメで見られる、脳波で遠隔操作を行う"ビット"や"ファンネル"と呼ばれる武器と似たようなモノで、ビットからは無属性の射撃魔法"シュート"が発動可能だった。

 アイオーンにもビットモードが追加され、そこでは現在4基のビットが稼働出来るのだが、短剣モードや槍モードでも、最大2基までビットの稼働が可能らしく、手始めに槍モードで使用してみたのだが、ビットの操作が想像以上に難しく、ビットの操作と制御はアイオーンが出来ると言ったので任せる事にした。

 アイオーンに任せてからは、ちょうど良いタイミングでビットから射撃魔法が発動されたり、敵をうまい具合に誘導したりと、俺が操作するよりビットの働きが良くなった。

 

 

◇◆◇◆◇◆                                ◇◆◇◆◇◆

 

 

と、回想もこの辺で終わりにし、予定していた22時になったので、全員を集めてアルハザードに戻ろうとしたのだが、その事を伝えると...。

 

「私達全員、職業レベルが10になって、クラスチェンジ出来るみたいだから、ミッドチルダの役所に寄って欲しいな。」

「最初って、見習いがなくなるだけなんでしょ?」

「だったら、そんな時間もかからへんし、ええやろ?」

 

 どうやら、なのは達全員、初日で職業レベルが10まで上がったようで、役所でクラスチェンジの手続きをしてから、終わりたいらしい。

 その気持ちは分かるし、それほど時間もかからない事はわかっているので、アルハザードに戻る前に、ミッドチルダに立ち寄る事にした。

 

 

「それじゃあ、俺達はここで待ってるから、手続きを済ませてこいよ。」

 

「「「「「「はーい。」」」」」」

 

 早速、全員を引き連れ、ミッドチルダに転移してきた俺は、役所の中に入っていくなのは達を見届け、待っている間、これからについて、姫とチワワに話す事にした。

 

「姫とチワワは、明日からどうするんだ?」

 

「実はその事を、刻也先輩が装備を強化している間に、みんなと話したんです。」

「それで、後は先輩次第なんだけど、みんなでアルハザードを拠点にしたギルドを作って、明日からも、時間が合えば一緒に遊びたいねって話になったんですよ。」

 

 どうやら俺が作業していた間に、それらしい話を全員でしていたようで、ギルドを作るという話まで持ち上がっていたらしい。

 

「ギルドねぇ...。」

 

「先輩は反対なんですか?」

「今日までの私達の経験上、鬱陶しいギルド勧誘も、すでに所属していれば、断る理由も出来ますし、余程しつこい奴じゃなければ、引き下がると思うんです。」

 

「そうだろうな。」

 

「それに今後、ギルドで参加できるようなイベントも起きるかも知れないし、下心があるかもしれないプレイヤーがいる可能性のあるギルドに入るより、知り合いが集まる、身内ギルドを作った方が、もっとSLOが楽しくなると思いません?」

 

 姫の言う事はもっともで、全員の意見が一致してるのなら構わないが、ギルド名だったり、ギルドマスターだったりと、決めなければならない事があるし、放置していた、2階の内装も弄る必要が出てくるから、少なくとも今日、明日では無理だ。

 

なので、姫とチワワにギルドを作る事には同意するが、すぐには無理だと伝えると、

 

「ありがとうございます!先輩!」

「私達も、今すぐは無理だって分かってますから。」

 

 2人からは感謝され、この話の続きは、なのは達が戻って来てからという事になった。

 

 

◇◆◇◆◇◆                                ◇◆◇◆◇◆

 

 

それから、なのは達を待つ事3分。

 

 全員無事にクラスチェンジを終えて役所から出てきたので、アルハザードまで転移して戻り、今さっき、姫とチワワと話し合った事を、なのは達にも伝えた。

 すると、なのは達からも感謝の言葉ももらい、作るギルドについて話し合いを始めたのだが、ギルド名を決めるのは、もっと時間に余裕がある時がいいと言う事になり、今日はギルドマスターとサブマスターを誰にするかを決めて、ログアウトする事にした。

 

「では、ギルドマスターから決めるわけだけど、これは話し合うまでもないわよね?」

「そうだね。」

「この場所の提供者やし、」

「いろんなモノを作れるし、」

「この中で一番の年上で頼りになる、」

 

「「「「「「「「刻也(さん)(先輩)!お願いします!!」」」」」」」」

 

 なのは達と姫達は、今日一日で、長年の付き合いがある親友みたいな関係になったな。

 示し合わせたわけでもなく、同じタイミングで、声を揃えてそう言われてしまった。

 

「まあ、良いけどな。」

 

 ギルドマスターだからといって、特に何をするわけでもないし、こういう場では、アリサか姫が仕切る事になるだろうから、名ばかりのギルドマスターだろう。

 

「後は、サブマスターが最低2人、ギルド登録に必要みたいだけど、1人目は私でいいわね。」

「それじゃあ、2人目は、私がやるわ。」

 

 案の定、さっき名前を挙げた、アリサと姫がサブマスターに名乗り出た。

 

「妥当だよね。」

「2人ともしっかししてるしね。」

「問題ないと思うよ。」

 

「それじゃあ、ギルドの申請をする時は、ギルドマスターが刻也で、サブマスターが私とティアという事で良いわね?」

 

 この人選も他のメンバーに異論はないようで、すんなりとギルドマスターとサブマスターが決まった。

 

「これで、あとは名前を決めればいいんだよね?」

「そういう事だな。」

 

「あれ?ここの内装は弄らなくてもいいの?」

「ギルドの申請には関係ないからな。ただ2階の内装を弄らないと、お前達の個室がないってだけだから、個室が要らないなら、弄る必要もない。」

 

「個室って、あると何か良い事があるの?」

「大したことじゃないが、個室で休めば、宿屋で休む事と同じ効果があるから、宿を利用する必要がなくなる。後は、設定次第では自分以外の立ち入りを禁止出来たり、自分好みの部屋にレイアウトを変えたり出来るくらいだな。」

 

「なんか、有っても無くても、どっちでもいい感じだね。」

「そう?自分好みの部屋が作れるなら、面白そうじゃない。」

 

「そういう事だから、ギルドの申請をする分には、内装を弄る必要はないんだ。」

 

 これで俺の個室に関する話も終わり、なのは達の話し合いの結果、有った方が何かの時に役立つかもしれない、という結論に至った。

 

そして、今日はここまでという事になり、ログアウトをする事になったのだった。

 

 

『クロノス様がログアウトしました。』

 

 

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