とらなのVRMMO ~魔法はゲームの中だけなの~【改訂版】 作:戯言紳士
第13話 6月15日 月曜日①
休日が終わり月曜日を迎えてしまった。
学生である俺は、風芽丘高校に登校しなければならないし、週休二日制(土日)が守られている会社の社員は、出勤しなければならなくなる曜日である。
だからといって、俺は「学校に行きたくない」とか「SLOで遊んでいたい」と言うわけでもなく「また月曜日か...」程度の気持ちで寝具から起き上がった。
その時間は、朝の4時50分。
一般的な高校生ならまだ寝ている時間だが、俺は朝からランニングをしたり、素振りをしたりと自己鍛錬をするので、どんなに寝るのが遅く疲れていても、この時間に起きる体質になっている。
平日は大体1時間30分ほど鍛錬をするので、今日もその例に倣い、6時30分になるまで、鍛錬を続けていた。
その後もいつものように、シャワーを浴びて汗を流し、学校に持っていく弁当を作る終えて、多めに作った弁当のおかずの余りで朝食を済ませると、遅刻せずに登校出来る、ちょうどいい時間になったので、鞄に作った弁当を入れて学校へ向かった。
◇◆◇◆◇◆ ◇◆◇◆◇◆
時刻は8時10分。朝礼まで後20分といったところで、風芽丘高校に着き、自分の教室に入り、窓際で一番後ろの自分の席に着きしばらく外を眺めていると、
「おはよう!刻也!」
「おはようございます、刻也くん。」
「おはよー!」
1年前に同じクラスになったのがきっかけで知り合い、今年もまた同じクラスになり、学校ではいつも一緒に行動している、"ヴィヴィオ","コロナ","リオ"の3人が登校してきた。
「3人とも、おはよう。」
また何の因果か、席替えをしても、何故か俺の周囲には、この3人が集まるという現象が去年から続いていて、今も俺の前の席にヴィヴィオ、その隣の席にリオ、俺の横の席にコロナと、完全に包囲されている状態だ。
「そういえば昨日、ミッドチルダで刻也が、どっかで見た様な気がする女子中学生といるのを見かけたけど、なんだったさ?」
「私達も一緒に見ました。」
「聞きに行こうとしらた、まとめて転移して、どっか行っちゃってけど、知り合いだったの?」
実はこの3人も、SLOを入手して、本サービス開始日からプレイしている事は、先週の水曜日に聞いていた。
だが、別段、一緒にプレイするという事は話していないので、今までSLOで、この3人と会う事はなかったのだが、どうやら、昨日3人は、俺がなのは達といるところを、見かけたらしい。
3人とも、俺が一人暮らしをしている事と、休日に翠屋で手伝いをしている事くらいしか話していなかったので、その時に、一緒にいたのが誰なのか、わからなかったようだ。
別に今まで隠していたわけでもないので、朝礼が始まる時間まで、その日の出来事となのは達の事を話した。
「そっか!どっかで見た事あると思ったら、翠屋で見たんだ!」
「昨日から、その子達がSLO始めたから、刻也くんが面倒を見ていたんですね。」
「それで、その日の内にクラスチェンジさせるとか、刻也ってスパルタだったの?」
「いや、単純にプレイ時間の問題だろ。人数も揃ってたし、ポジションも結構いい感じに別れてたから、1回の戦闘時間も少なかったし。」
「刻也くんの話を聞いた範囲で、その6人のポジションを書き出すとこんな感じかな?」
いつの間にか、コロナがノートになのは達のポジションを書き出していたようで、机に置かれたそのノートを見ていると、
・フロントアタッカー(前衛):アリサちゃん
・ガードウィング(前衛+中衛):フェイトちゃん&アリシアちゃん
・センターガード(中衛):なのはちゃん
・ウィンドバック(中衛+後衛):はやてちゃん
・フルバック(後衛):すずかちゃん
まさにこの通りだと思う。
姫とチワワをこれに当てはめるとしたら、チワワがフロントアタッカーで、姫がセンターバックになるだろう。
ちなみに、フロントアタッカーとかガードウィングとか名称は、フィールド名の表記同様、プレイヤー達が勝手に名付けた、SLOにおけるポジションの名前だ。
「こうやってポジションを別けてみるとさ、6人PTの方が良いって感じがするね。...チラ。」
「わたし達、コロナのゴーレムをメンバーとして数えても4人だしね。...チラチラ」
ヴィヴィオとリオの2人が、俺に視線を向けてくるので、
「それよりも、そろそろ時間を決めて、1度ちゃんと会わないか?
フレンド登録くらいしておいた方が良いと思うんだが?」
「明らかに話題を変えたけど、それは賛成。」
「確かに、連絡手段が合った方が、何かあった時に役に立ちますからね。」
「それじゃあ、今日会おうよ!」
―― き~ん♪ こ~ん♪ か~ん♪ こ~ん♪
と、ここで朝礼の時間を告げるチャイムが鳴ってしまったので話を中断し、各々自分の席に着いて担任から常時連絡を聞いてから、1限目の準備時間になったところで再び集まり、今日の授業が終わり次第帰宅して、16時30分頃にミッドチルダの中央広場に集合する事が決まった。
◇◆◇◆◇◆ ◇◆◇◆◇◆
―― き~ん♪ こ~ん♪ か~ん♪ こ~ん♪
そして時間が過ぎ 4限目の授業の終了を告げるチャイムが鳴り、ようやく昼休みになったので、俺達は4つ机を合わせて弁当を取り出し、昼食を食べ始めたのだが、
「ゴクン...。でさ、朝は話逸らされちゃったけど、刻也は一緒にプレイ出来ないの?」
リオが、口の中に含んだ食べ物を飲み込んでから、朝の話の続きを振り返してきたので、
「なのは達とは、時間が合えば一緒に行動しようって感じで話はまとまってるから、お前達と一緒に行動する事は出来る。」
まあ、時間が合わなくても、必要であれば誘ったり、誘われたりするわけだが、昨日みたいに付きっ切りで、という事はない。昨日で大体の事は、なのは達も把握したはずだから。
「それだったら、刻也とその子達が作るって言うギルドに、わたし達が入れてもらった方が、刻也も、色々とやり易いんじゃない?」
「おぉ!そうか!そうすれば、その子達とも仲良く出来るし、今よりも面白くなりそう!!」
ヴィヴィオが、俺の言葉をどう解釈したのかはわからないが、まだ設立していないけど、ギルドメンバーに3人が加わっても問題ないだろう。
3人の人柄は1年間の付き合いでわかっているし、なのは達とも気が合うと思う。
「2人とも盛り上がってますけど、良いんですか?」
「まだ出来てもいないギルドだけど、メンバーが増えるのは良い事なんじゃないか?
それに、ちゃんと今のメンバーには事前に話を通しておくから、コロナは心配しなくてもいい。
ないだろうが、ダメだったらダメだって、俺が2人に言うから。」
「それでは、刻也くんの言葉に甘えさせてもらいます。」
その後も、ヴィヴィオとリオの2人は、しきりになのは達の事を俺に聞いてきたり、コロナを加えてた3人で、今日の予定を計画している間に、昼休みは終わった。
◇◆◇◆◇◆ ◇◆◇◆◇◆
そして.........。
『クロノス様がログインしました。』
午後の授業も全て終わり、放課後になると同時に俺達4人は別れを告げてから、早々に帰宅しSLOへログインした。
現在の時刻は16時10分。
時間的に、聖祥はまだ授業中なので、フレンドリストを見ても誰もログインしていないし、姫とチワワも、まだログインしていないようだった。
現在地はアルハザードの自室だが、転移を使えばミッドチルダの中央広場へは一瞬で移動出来るので、約束のギリギリ時間まで、2階の内装を弄ってなのは達の個室を用意してしまおう。
「くぅ!」
「時間..です。」
作業に集中していたせいで気付かなかったが、いつものように久遠が召喚されていて、同じようにさくらも召喚されていて、どうやって知ったのか時間だと教えてくれた。
時間を確認すると、約束の2分前になっていたので、2階の改装作業はまだ途中だが、仕方がなく、作業を一時中断して、ミッドチルダに転移する事にした。
PTに久遠とさくらが入っているが、どうせ後から召喚する事になるので、還さずこのまま連れて行く事にしよう。
一応、転移前にもう一度だけ、フレンドリストを見てログイン状態を確認したが、まだ誰もログイン状態ではなかったので、そのままミッドチルダまで転移してきた。
「あっ!来たよ!」
「これで、わかってもらえましたよね?」
「これ以上、あなたのような人と、付き合っている時間はないので、失礼します。」
転移後、ヴィヴィオ達はすぐに見つかった..というよりも、向こうが俺を見つけて駆け寄ってきたのだが、どうやら、知らないプレイヤーの勧誘か何かを受けていたらしい。
ヴィヴィオ達よりは歩みが遅いが、話しかけていたプレイヤーもこちらに向かってきている。
正直、関わりたくない分類のプレイヤーのようだが、どうすべきだろうか...。
「いきなりだけど、場所を変えよ?」
「どこでもいいから!」
「本当にm「ちょっと待てよ!」...、はぁ。刻也くん..すみません。」
「お前、いきなり現れたけどなんなの?この子達は俺が――――――」
面倒なプレイヤーが追い付き、筋に全く通らない話をし始め、非常にウザいし、気分が悪くなってきた。
ミッドチルダの中央広場を待ち合わせ場所にしたのは間違いだったな。などと他の事を考えて、このウザいプレイヤーの話など聞き入れないようにしていたのだが、ふと、昨日プレシアさんに、先行導入してもらったシステムの事を思い出した。
ブラックリストシステム。
確か、名前を登録すれば、以後、そのプレイヤーとは一切関わる事がなくなるんだよな。
昨日は、このシステムを使用する事がなかったので、今このプレイヤーで試してみるか。
細かな仕様は知らないが、ヴィヴィオ達が俺の同じPTに所属していれば、3人にも効果が出ると思い、ヴィヴィオ達に申請を送り、3人がPTに加わったところで、ブラックリストのウィンドウを呼び出して、このプレイヤーの名前を登録した。
『ブラックリストに、プレイヤー名"全能神-JIN-"を登録しました。以後、このプレイヤーとSLO内で接触する事はありません。』
ウザいプレイヤーは、名前もふざけていたが、これで登録は完了し、さっきまで目の前で話していた、全能神(笑)は、俺達のSLO界から姿を消していた。
そして、ヴィヴィオ達にもちゃんと効果があったようで、
「助かったよ、刻也。」
「あいつ、毎回わたし達を見つける度に、絡んできた悪質な癒着プレイヤーだったの。」
「今のが、今朝話していたシステムなんですね。早く正式に導入して欲しいです。」
「大変だったんだな。でも、ここに固まっていると、またあいつみたいなやつに絡まれるかも知れないから、先に移動しようか。」
「「「はい!」」」
ブラックリストの効果が実感出来たので、この後も絡まれる可能性があるミッドチルダにこれ以上いる必要はないので、3人とフレンド登録を済ませてから、アルハザードまで戻って来た。
連れてきた3人には、俺がアルハザードを所有している事を話していたので、昨日のなのは達のような反応はなかったが、あいつに絡まれて下がったテンションを回復させる程度の、インパクトは与える事が出来た。
その後、ひとしきり案内を済ませてから、中に入ったのだが、3人はプレイヤー同士の決闘用に設けられた、広めのスペースを見た時が、一番テンションが上がっていた気がした。
当初の目的だったフレンド登録は、流れで済ませてしまったが、エントランスでこの後の予定を聞いたところ、3人の夕食の時間19時にログアウトすると言う事なので、今から約2時間は、一緒に行動をする事になった。
そして、どこのフィールドに行く事にするか、という話になり、俺達はお互いのステータスを確認する事になり、ヴィヴィオ達のステータス情報を見せてもらった。
【名前】 ヴィヴィオ 【性別】 女 【種族】 人族 Lv.16
【職業】
【
【
【
【
【
【
【
【
【所有スキル】残りSP 1
★鋼拳 Lv.19
気功術 Lv.9 ★格闘術 Lv.18
砲撃魔法 Lv.3 風魔法 Lv.17 光魔法 Lv.12
武術指南 Lv.12 反撃 Lv.15 鉄壁 Lv.9 貫通 Lv.5 魔力運用術 Lv.7
危険察知 Lv.14 連携 Lv.18 ★挑発 Lv.14 ★庇う Lv.13 ★受け Lv.17
★回避 Lv.19 識別 Lv.24 索敵 Lv.22 鑑定 Lv.21 解体 Lv.23
【称号】
騎士の証 拳闘士の証
【名前】 コロナ 【性別】 女 【種族】 エルフ族 Lv.16
【職業】
【
【
【
【
【
【
【
【
【所有スキル】残りSP 5
短剣 Lv.15 鋼拳 Lv.16
剣術 Lv.12 格闘術 Lv.14
創生魔法 Lv.18 回復魔法 Lv.14 拘束魔法 Lv.10 ★土魔法 Lv.16 ★光魔法 Lv.15
人形操作 Lv.16 治療 Lv.11 魔術結界 Lv.8 障壁崩し Lv.4 魔力運用術 Lv.12
並列思考 Lv.10 気配遮断 Lv.14 連携 Lv.18 回避 Lv.20 識別 Lv.24
索敵 Lv.22 ★鑑定 Lv.24 解析 Lv.4 解体 Lv.22
錬金術 Lv.9 調理 Lv.10
【称号】
人形遣いの証 修道女の証
【名前】 リオ 【性別】 女 【種族】 獣人族 Lv.16
【職業】
【
【
【
【
【
【
【
【
【所有スキル】残りSP 0
★長剣 Lv.11 ★鋼拳 Lv.17
気功術 Lv.10 ★剣術 Lv.7 ★格闘術 Lv.16
拘束魔法 Lv.3 火魔法 Lv.16 雷魔法 Lv.15
剣術指南 Lv.5 武術指南 Lv.11 貫通 Lv.7 障壁崩し Lv.3 危険察知 Lv.13
連携 Lv.18 挑発 Lv.12 庇う Lv.10 受け Lv.16 ★回避 Lv.20
識別 Lv.24 索敵 Lv.22 鑑定 Lv.21 解体 Lv.24
【称号】
拳闘士の証 剣士の証
3人ともレベルは同じで、姫やチワワよりも高かった。
ポジションは、ヴィヴィオとリオがフロントアタッカーで、コロナがセンターバックだろう。
物理攻撃高めのアタッカー2人に、ゴーレムという武器を所有し魔法面に精通している中衛。バランスは取れていると思った。
その後、お互いのステータスを見合わせて話し合った結果、これだったら、6街以上離れたところでも、問題なく、狩場として利用できるんじゃないかと言う事になり、俺達はユニオンを組んで、フィールド"S4E2"を目指して、もっとも近いポータルに転移して移動を開始した。
※スキル解説
【スキル名】 気功術 【スキルタイプ】 Passive 【消費SP】 5
【効果】気を操り、自身の能力を上昇させたり、武器の性能を強化する武技を習得する
レベル上昇で気功を用いた専用の武技の習得。
【スキル名】 創生魔法 【スキルタイプ】 Passive 【消費SP】 2
【効果】ゴーレムの創生が可能になる。レベル上昇で創生に必要な精神力が軽減。
【スキル名】 砲撃魔法 【スキルタイプ】 Passive 【消費SP】 7
【効果】膨大な魔力をレーザーのように発射する魔法を習得する。
レベル上昇で砲撃魔法での与ダメージが増加する。
【スキル名】 拘束魔法 【スキルタイプ】 Passive 【消費SP】 4
【効果】対象の動きを一時的に捉える魔法を習得する。
レベル上昇で拘束魔法で捉える時間が増加する。
【スキル名】 人形操作 【スキルタイプ】 Passive 【消費SP】 4
【効果】創生したゴーレムを自分の思うように動かす事が出来るようになる。
レベル上昇で創生したゴーレムの能力が上昇する。
【スキル名】 防護結界 【スキルタイプ】 Passive 【消費SP】 5
【効果】受ける物理ダメージを軽減する。レベル上昇で軽減率上昇。
【スキル名】 魔術結界 【スキルタイプ】 Passive 【消費SP】 5
【効果】受ける魔法ダメージを軽減する。レベル上昇で軽減率上昇。
【スキル名】 障壁崩し 【スキルタイプ】 Passive 【消費SP】 8
【効果】攻撃対象の抵抗力を10%減少させる。レベル上昇で減少率が増加する。