とらなのVRMMO ~魔法はゲームの中だけなの~【改訂版】   作:戯言紳士

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第28話   6月19日 金曜日④

 

『クロノス様がログインしました。』

 

 

 一つ目のポータル巡りを終えた後、未登録のポータル巡りを再開し2時間ほど経ったところで、ミッドチルダから9街以内の範囲に設置されたポータルを一通り巡り終え、その間にログインしたヴィヴィオ達からは特に通信は来なかったので、いつもより早かったが一度ログアウトし、食事・その他所用を済ませたところで、再びSLOへ戻って来た。

 

 時刻は19時40分を少し過ぎたくらいで、ヴィヴィオ達はログアウト状態だったが、なのは達はログイン状態となっていた。ギルドホームのエントランスに姿がない事から、どこかに出掛けているのだろう。

 どちらにせよ、ログアウト時にLIMEに「土日の予定を決めるから、21時にギルドホームに集合!ログイン出来ない人は、集合時間前にメッセージ下さい。」というメッセージが送られてきていたのを確認したので、あと1時間もすればここに集まる事になるだろう。

 

 と言うわけで、自由時間は1時間という事になるのだが、生産関係は今の所問題ない。レベル的に強化をする頃だが、今の装備で十分通用しているのでしばらくはこのままで良い。

 ポータル巡りは一先ず終わったので、今までより深いフィールドでレベリングに勤しむのも良いが、1時間では少々物足りない時間ない。

 

 そうなると、生産以外でこの場で出来る事という事になるわけで選択肢がかなり少ない。

 

 ………………。

 

 ………。

 

 …。

 

 ...... っと、こうしている間にも時間は経過してしまうだけなので、とりあえず、さっきのポータル巡りで上がった、俺と召喚モンスター達のレベルを見返す事にしよう。

 

【名前】 クロノス 【種族】 人族 Lv.42 ⇒ 46

【職業】 大召喚士 Lv.6 ⇒ 8 / 暗殺者 Lv.6 ⇒ 8

 

【名前】 久遠 【種族】 妖狐(七尾) Lv.12 ⇒ 15

【名前】 赤兎 【種族】 セージホース Lv.10 ⇒ 13

【名前】 さくら 【種族】 上級吸血鬼 Lv.4 ⇒ 6 / 神狼 Lv.4 ⇒ 6

【名前】 アトラ 【種族】 アラクネ Lv.5 ⇒ 10

【名前】 フィアッセ 【種族】 AS-30・リリス Lv.4 ⇒ 9

【名前】 知佳 【種族】 TE-01・マルティエル Lv.4 ⇒ 9

【名前】 カンナ 【種族】 マムクート・ダッチェス Lv.1 ⇒ 4

 

 こうして前半の成果を見直してみたわけだが、レベル的に見て格下の相手におよそ2時間という間で、かなりレベルアップしていたようだ。

 倒した数は相当だとは思うが、やはり取得経験値上昇のスキル効果が大きく影響しているんだろう。女神の祝福と努力家の相乗効果は凄まじいな。

 

 おかげで、久遠の次のクラスチェンジも見えてきた。ここまではβ版から仕様の変更はないみたいなので、次のクラスチェンジが最後になるはず。

 クラスチェンジで習得するスキルは強力なモノが多いので、最後のクラスチェンジに対する期待感は大きい。

 クラスチェンジ後は種族レベルが50を超えたプレイヤー同様、レベルアップに必要な経験値が急激に増える事になるので、ここが召喚モンスター達にとっての折り返し地点と言えるだろう。

 

 新しく召喚モンスターを追加するのは久遠が20レベルに到達しクラスチェンジしてからだな。

 今も空きはあるが、数が増えれば全体の成長速度は落ちるので、まずは久遠のクラスチェンジ。そこを一つの区切りとしよう。

 

 

◇◆◇◆◇◆                                ◇◆◇◆◇◆

 

 

「「たっだいまーっ!!」」

 

 上昇したレベルを見返し、今後の召喚モンスターの方針を決め終えた俺は、裏にはで今日はまだ未採取だったハーブ類と木材、それと今後も必要になるであろう宝石類の採掘をする事にし、採掘スキルを所有する知佳と、スキルはないが作業自体は出来るさくら・フィアッセ・カンナと作業をしていた所で、ギルドホームの方でアリシアとチワワの声が聞こえてきた。

 

「結構時間が経ってたみたいだな。」

「... そのようですね。時間をしっかりと把握しておくべきでした。」

 

「それじゃあ、これでお終い?」

「集合時間には少し早いがなのは達も戻って来たみたいだし、そうしするか。」

「わかりました。」

 

「………。」

「知佳ちゃん。お終いだってお兄様が言ってるよ。」

「ちかおねえさまのしゅうちゅうりょくはすごいですね。」

「意外な..一面でしたね。」

「採掘スキル持ちだったのは、こういう事だったのか。」

 

「......っ採れました。」

「お疲れ様、知佳ちゃん。今日はこれでお終いだからね。」

「はーい。また連れて来て下さいね、お兄ちゃん!」

「また必要になる素材だから、その時は必ず呼ぶよ。」

「約束ですよ。」

 

 なのは達が戻って来たようなので、ここで区切りをつけギルドホームに戻る事にしたのだ。

 だが、凄い集中力で採掘作業をしていた知佳の耳には俺の言葉が届いていなかったようで、フィアッセが近くで話しても気付かなかった。

 

 結局、作業を終え採れたプラチナを持ってきたところで、再度フィアッセが採掘作業の終わりを告げ、次の機会に必ず呼ぶという約束をして全員を帰還させ俺はギルドホームに戻った。

 

 

◇◆◇◆◇◆                                ◇◆◇◆◇◆

 

 

「こんばんは、刻也さん。」

 

「ティアの推測通り、先輩は近くで何かしてたんだね。」

「ちょっ!別に刻也先輩の事を悪く言ってるとかじゃないんですよ。」

「そうよね。ティアナは刻也がログインした事に一番最初に気が付いて「今の時間だと、この後のことも考えて、刻也先輩はフィールドには出ないわね。」って言葉を漏らしただけだから。」

 

「わー!わー!わーっ!!」

 

「でもその後に「刻也さんだったら少しの時間でもレベルを上げに行くんじゃないかな?」って、なのはちゃんが言ってましたよ。」

 

「にゃーっ!別にその事は言わなくてもいいでしょ!」

 

 と、ギルドホームに戻った俺をいつも通りに迎えてくれたなのは達だった。

 それに姫とチワワは、見ず知らずの人がみたら、先週知り合ったばかりだとは思えないほど完全に溶け込んでいた。

 

「そんなことより。刻也さん、これ見てや!」

「ヴィヴィオさん達はまだ戻ってこないみたいだしね。」

 

「じゃーん!私達も上級職にクラスチェンジしたんだよ!」

「アリシアちゃん、あかんでっ!私から持ち掛けたんやから、最後まで私に言わせてや!」

「それは、誰が言っても同じじゃないの?」

 

 はやての一言を皮切りに、さっきまでなのは弄りをしていた他のメンバーも加わり、態々見せてくれなくても解析スキルでメンバーのステータスは確認出来るのだが、次々にクラスチェンジをした自分のステータスを見せてくれた。

 

【名前】 なのは 【種族】 エルフ族 Lv.30

【職業】 砲撃魔術師 Lv.1 / 大僧侶 Lv.1

 

 砲撃魔術師は、砲撃魔法に適性が付き、砲撃強化する専用スキルを習得出来る火力特化職。

 大僧侶は、回復魔法の効果を高め、防御力が一段と高まった純粋な僧侶の上級職。

 

【名前】 フェイト 【種族】 獣人族 Lv.30

【職業】 魔術剣士 Lv.1 / 死神 Lv.1

 

 魔術剣士は、剣士に魔術師が加わり、魔法スキルに適性がかかり、魔術師の専用スキルが習得可能になったハイブリッド職。

 死神は、攻撃時に一定率で残り生命力に関係なく倒す事の出来る即死効果を付与するスキルが印象的な職業。

 

【名前】 アリシア 【種族】 獣人族 Lv.30

【職業】 剣闘士 Lv.1 / 探検者 Lv.1

 

 剣闘志は、様々な武器に精通した職業で、指定武器装備時に火力を上げる専用スキルが多く存在する物理職。

 探検者は、戦闘以外で様々な効果を発揮するサポート系の職で、主にダンジョン探索で本領が発揮される。

 

【名前】 はやて 【種族】 人族 Lv.30

【職業】 大魔術師 Lv.1 / 舞踏家 Lv.1

 

 大魔導師は、名の通り魔導師の純粋な上級職で、全魔法バランス良く強化される。

 舞踏家は、演舞という固有武技が新たに修得可能になる踊り子の上級職。

 

【名前】 アリサ 【種族】 人族 Lv.30

【職業】 大騎士 Lv.1 / 神官 Lv.1

 

 大騎士は、火力・耐久力が共に上昇した騎士の純粋な上級職。

 神官は、光魔法の強化や場にいる仲間を強化するといった、回復以外にも幅広く自分や仲間を強化・支援する事が出来る職業。

 

【名前】 すずか 【種族】 魔人族 Lv.30

【職業】 魔術弓兵 Lv.1 / 退魔士 Lv.1

 

 魔術弓兵は、弓兵に魔術師が加わり、魔法スキルに適性がかかり、魔術師の専用スキルが習得可能になったハイブリッド職。

 退魔士は、種族毎に習得すると火力が上昇するスキルが習得可能となった呪術師系の職では高火力を誇る職業。

 

【名前】 スバル 【種族】 ドワーフ族 Lv.30

【職業】 狂戦士 Lv.1 / 守護騎士 Lv.1

 

 狂戦士は、狂化という一定時間魔法の使用が不可能になるが、筋力値・耐久力・抵抗力が大幅に上昇するスキルが最大の特徴である物理特化の職業。

 守護騎士は、自身だけではなく周囲の耐久力も上昇させる事が出来る安定感が非常に高い高耐久な職業。

 

【名前】 ティアナ 【種族】 人族 Lv.30

【職業】 魔術銃士 Lv.1 / 大幻術師 Lv.1

 

 魔術銃士は、銃士に魔術師が加わり、魔法スキルに適性がかかり、魔術師の専用スキルが習得可能になったハイブリッド職。

 大幻術師は、幻術魔法の強化はもちろんだが、他にも適性スキルの追加など、全体的に強化された幻術師の純粋な上級職。

 

 以上、各々の種族レベルと職業レベルに簡単な職業の説明を並べるとこんな感じ。

 

 何にせよ、これでヴィヴィオ達を含めた現ギルドメンバー全員が上級職にクラスチェンジした事となり、SLOの初期段階をクリアした事になる。

 種族レベルも30あるし、俺の作った武器・防具も装備しているから、結構な範囲まで足を運ぶ事も可能だろう。

 

「それにしても、見事に職が散けたな。」

「示し合わせたわけじゃないですけどね。」

 

「アリシアは最後まで大盗賊と暗殺者と探検者。どれにするか悩んでたわよ。」

「しょうがないじゃん。だってどれも魅力的だったんだもん。」

「確かに。それに、そうして悩んでいる時間がまた楽しいんだよな。」

「そうそう♪やっぱり刻也はわかってるね!」

 

 そして、ヴィヴィオ達がギルドホームに来るまでの間、俺は各々新しく習得出来るようになったスキルの話を聞いて、今のスキルポイントとスキル効果と消費SPのコスパを考え、どのような順番で習得していった方が良いのか、というほぼ俺への相談のような形で話をする事となった。

 

 

◇◆◇◆◇◆                                ◇◆◇◆◇◆

 

 

「なるほどね。」

「それで、ちょうど良く私達が来たわけだ。」

「もう少し早めに来るつもりでしたが、タイミングは良かったみたいですね。」

 

 ヴィヴィオ達が来たのは集合時間5分前の20時50分。

 その頃には、なのは達もスキルポイントを消費し、クラスチェンジ後に習得可能となったスキルを習得し終え、装備品の強化のお願いと素材アイテムを受け取っているところだった。

 

 そして、なのは達もクラスチェンジした事を話し、装備の強化もお願いしたと言ったところで、

 

「それじゃあ、ついでに私達のもお願い。」

「素材アイテムも沢山集まってますし、」

「まだ余裕あるけどレベルは結構上がったし、一緒に作業した方が刻也もいいでしょ?」

「わかった。それじゃあ、ヴィヴィオ達も装備品と素材を渡してくれ。」

 

 と、確かに一緒にやった方が俺も楽なので引き受け、時間も予定していた時刻になったので、装備品と素材を受け取った後は、土日の予定を決める事になった。

 

 

 ………………。

 

 ………。

 

 …。

 

 

「それじゃあ、ミッドチルダにある無限図書の地下ダンジョンに挑むって事で決定で良いわね。」

 

「「「「「「「はーい!」」」」」」」

 

 話し合いを始めてすぐに、今までスルーしていたダンジョンへ挑む事は決まった。

 次に何処のダンジョンが良いのかという事になり、いくつか候補を挙げていき、俺がβ時代の知識からどの程度のレベルのモンスターが出現するのかを説明していき、話し合いを始めてから40分ほどで行先も決まった。

 

「予定は、まず地下ダンジョンに入るための前提条件を土曜日にクリアする。」

「そんで、日曜日に本命にアタックするっちゅうことやな。」

 

「ふふん。早くも探検者である私の見せ場が来たって事だね!」

「姉さんはこうなる事を先読みしてたの?」

「もちのロンだよ、マイシスター。」

 

「今のアリシアを見ると激しく不安だわ。」

「アリシアちゃん。テンションがちょっと可笑しいよ。」

「それに、今までダンジョンに行った事もないのに大丈夫なのかな?」

 

「はい、そこっ!全て、このアリシアちゃんに任せなさい!!」

 

「大丈夫だよ。いきなり無限図書の地下ダンジョンに挑むわけじゃないし、」

「前提条件が、ギルドで受注出来る4つのダンジョン攻略のキークエストのクリアですから、」

「それまでに、みんな慣れるんじゃないかな。」

 

「「「それに、いざって時は刻也(君)がいるから大丈夫(です)!」」」

 

「確かに先輩がいれば、どんな所でも安心出来るよね。」

「ホンマやな。」

「私もダンジョンに入った事はないので頼りにしてます。」

 

「もーっ!今回は刻也じゃなくて、アリシアちゃん回になるんだからねっ!」

 

「「「「「「「はいはい。アリシア(ちゃん)も頼りにしてる(よ)(ます)。」」」」」」」

 

 

 これで今回の議題はなくなり、メンバーの装備類は俺が預かっているので外出する事なく、話し合いはフリートークの談笑に移行し、俺は「明日、ログイン後すぐにでも出掛けられるように装備の強化をしてくる」と言って、その場を離れ自室から通じる工房へ籠り、装備類の強化作業を開始した。

 

 

『クロノス様がログアウトしました。』

 

 

 その後、結局全員分の強化をやってしまい俺がログアウトしたのは、23時30分を過ぎた頃になってしまった。

 ちなみに、なのは達は23時頃までログインしていたが、各々挨拶を一言添えたメッセージを俺に送りログアウトしたのだった。

 

 

 そして、明日は朝から士郎さんと道場での鍛錬があるので早々に寝る準備をし、最後にLIMEに何かメッセージが来ているようなので確認すると、

 

アリサ「明日14時頃に、みんなで翠屋に迎えに行くから、しっかり働いていなさいよ。」

すずか「お先に失礼しました。明日もよろしくお願いします。それでは、おやすみなさい。」

アリシア「明日は絶対に私が活躍するんだからね!でも、フォローは任せた!」

フェイト「ログアウト後も姉さんを見ていると不安なので、明日は姉さんのフォローをお願いします。それと、刻也さんと一緒に行動出来るのが楽しみです。」

ティアナ「最初は刻也先輩の負担が大きいと思いますが頼りにしています。何から何までお任せしてしまって、本当に感謝しています。」

はやて「ダンジョン探索も強化された装備も楽しみやわ。成長した私達の姿、見せたるから刻也さんも期待しとってな!」

スバル「ワクワクし過ぎて眠れないかも!でも、先輩はちゃんと休んで下さいね。おやすみ。」

なのは「お父さんとお母さんには私が話をしたので、こっちの心配しないで下さい。また明日の朝に道場まで迎えに行きますね。おやすみなさい。刻也お兄ちゃん。」

 

 グループではなく俺個人宛にメッセージが送られていたので、もう寝ているかもしないが、俺も1人1人に返信をしてから俺は眠りについた。

 




※登場人物SD化 第十回"はやて"

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