とらなのVRMMO ~魔法はゲームの中だけなの~【改訂版】 作:戯言紳士
【名前】 グレイプ 【種族】 ゴーレム・ポーン Lv.1
【
【
【
【
【
【
【
【
【所有スキル】
殴る 蹴る 庇う 受け 全状態異常無効
あぁ...、やってしまった。召喚モンスターを追加するつもりはなかったんだが、
【アイテム名】
【物理攻撃】 ― 【魔法攻撃】 ― 【耐久値】 ― / ―
【詳細】召喚士専用アイテム。このアイテムを消費する事で1体のみ
になる。
4つ目のダンジョンのクリア報酬でこのアイテムが手に入り、ダンジョンを脱出後に全員にこの
アイテムの事がばれ、"召喚しないの?"という視線を向けられてしまい、こうして召喚する事にな
ってしまった。
まあ、俺自身もこのようなアイテムが手に入ってしまった以上、この場で召喚しなくても、久遠
達が育ち次第召喚しただろう。
ちなみに、名前の由来は北欧神話に登場する巨人から拝借した。
一番最初はゴテリアという名前が浮かんだが、流石にコロナのゴライアスに寄り過ぎだと思い、
ゴテリアは却下となった。
ふむ。その前に言うべき事があるだろうって?
俺にも思い当る節はないわけではないが、本当に聞きたかったか?
言わんとしてる事は解る。あの後のゴーレム戦を含め、ここまでの経緯諸々だろう?
しかし、考えても見て欲しい。相手はゴーレムだ。
いや、そのゴーレムを今さっき召喚したわけなんだが......。
と..ともかく、術者が操作するゴーレムなら勝手が違って来るが、敵として出現したゴーレムと
の戦闘にそれほど違いなどあるわけがなく倒し方も限られる。
そうなると、戦闘自体も自然と固定化され同じ話の繰り返しとなるわけで、一通り現在のメンバ
ーの戦闘力も分かったので、これ以上は時間の無駄という結論に俺は至った。
それに、3つ目のダンジョンからは全員が罠を目視出来るようになり、道中のトラブルもなかっ
たし、その時組んだアリシアも流石に短期間にダンジョンの罠を全て発動し破壊する事に疲れたの
か、1つ目・2つ目と、ダンジョンに突っ込んで行った時よりもかなり落ち着いていたので、突出
した出来事はなかった。
これで、分かってもらえただろうか?
「ちょっと、刻也。なにボーっとしてるのよ。」
「悪い。ちょっと遠くから冷ややかな視線を感じたから、少し取り繕っていた。」
「取り繕うですか?」
「それ以前に、そんな視線は感じませんでしたけど?」
「私は少しだけど感じたよ。」
「えっと、それじゃあ、刻也さんとフェイトちゃんだけ感じたって事? フェイトちゃんだけズル
い。」
「ズルいって、なのはちゃん...。でもどうして、2人だけ感じたんだろうね?」
「そんな訳のわかんない事はいいから、早く役所に報告に行ってログアウトしようよ。」
「うーん。ここで考えても答えは出ないだろうし、そうしようか。」
「せや。刻也さんのゴーレムは何かイメージと違ごうたし、もうここに留まる理由はあらへんし、
それに疲れたわ。」
「疲れた事には同意。けど、私のゴライアスだって最初はあんな感じだったんだよ。勝手は違うだ
ろうけど、グレイプの場合はクラスチェンジしていけば造形も変わってくると思うよ。」
「そう言えば、最初はこんな感じだったよね。大きさも私達と大差なかったし。2週間前の事だけ
ど大分昔の様に感じるね。」
召喚されたばかりのグレイプはプレイヤーと能面に雑兵の様な拙い鎧を纏った感じで、ゴライア
スには足元にも及ばないほど陳腐な姿だったので、アリシアやはやて等は期待していた分落胆も大
きかったらしい。
それに疲れも溜まっているのだろう。ゴーレムとは言え慣れないボス戦を短時間で4戦もこなし
たのだ。
結局、この後は召喚したばかりのグレイプをすぐに帰還させ、一斉にミッドチルダに転移し、役
所のクエスト窓口でクエスト完了の報告をし、全員が無限図書館への入場許可証を手に入れた所で
今度はギルドホームに転移し、そこでログアウトした。
『クロノス様がログアウトしました。』
◇◆◇◆◇◆ ◇◆◇◆◇◆
「はいっ!OK!これで、全ての撮影が終わったわ。」
「「「お疲れ様でした!!」」」
俺達はログアウトすると、今更な感じだが今日初めてアリサの家に来たヴィヴィオ達3人にざっ
くりと家の中を紹介し、さっきまでSLOをプレイしていた部屋へ戻り、今日の事、明日の事など
雑談をしていた。
それから、各々リラックスモードで雑談に花を咲かせていると、3人の撮影スタッフを引き連れ
てアリサの母"ソフィア"さんが帰宅した。
そして、俺達のいる部屋に入り軽く挨拶を交わした後、ソフィアさんは「夕食までまだ時間があ
るから撮影を先にやっちゃいましょう。」と言い、その場から俺のみを連れて出て行こうとした。
俺としてはいち早く終わらせたい所だったので、大人しくソフィアさんの指示に従い部屋を後に
したのだが、その際に、なのは達もぞろぞろと後ろについてきたのだが、そこでもソフィアさんが
「発売日まで楽しみにして待っててね♪」と、桃子さんの逆らえない笑顔と同等の有無を言わせぬ
笑顔を見せられ、アリサ含め各々色々と言いたそうな顔をしていたが部屋に引き返していった。
そして俺は、一般家庭の日常生活では用途のないバニングス邸の一角にある撮影スタジオに移動
し、スタイリスト兼メイクさんに言われるがまま軽いメイクをされ、これから撮影する衣装を転々
と着替えはカメラマンさんと照明さんに言われた所に立ち、ソフィアさんの指示に従いポージング
をして、といった行動を繰り返し、およそ1時間で撮影が終了した。
「刻也君もお疲れ様。急にあの子に言われて大変だったでしょ?」
撮影が終わるとスタッフさんは撤収準備を始めたので、俺も私服に着替え直し撤収の手伝いをし
ようとした所で、ソフィアさんに話かけられた。
「えぇ。流石に当日になって言われたのは初めてだったので。」
「それでもさらっと熟せちゃう辺り流石は刻也君。本気で芸能界デビューしたくなったら何時でも
言ってね。私達が責任を持って一流のタレントにしてみせるから。」
「あははは......。その時はよろしくお願いします。」
「もぅ。刻也君ってば、この手の話をするといつもそれなんだから。」
実はバニングス社、規模は他の部署よりも小さいのだが芸能プロダクションもやっている。
ソフィアさんはそこの会長もやっているようで、会うと必ずこの手の事を言われるので、この会
話ももはや形式的なモノに過ぎず、ソフィアさんも本気で俺を芸能界デビューさせようとは思って
いない...はず。
「それじゃあ、ソフィアさん。こっちの機材は全部撤収したので、私達はこれで失礼します。」
「わかったわ。帰り道に事故とか起こさないようにね。」
ソフィアさんとそんな日常会話をしていたら、スタッフさん達はあっという間に機材を撤収し終
えてしまったようだ。流石はプロ。仕事が早い。
そして、ソフィアさんに報告を終えたスタッフさん達は撤退していった。
「さて、それじゃあ私達も戻りましょうか。あの子達も首を長くして刻也君が戻って来るのを待っ
てるわよ。」
「えっ!もう撮影終わったの!?」
「まだ、刻也先輩が出て行ってから1時間程度しか経ってませんよ。」
「普通、こういう撮影って最低でも2,3時間はかかると思ってたんだけど。」
「そうか、ティア達は初めてだったから知らなかったんだね。」
「刻也さんの場合、10着程度なら大体このくらいで終わるんだよ。」
「5,6枚撮れば、使える写真があるみたいやからな。」
部屋に戻って来ると、俺の撮影事情を知らない姫とチワワ、それからヴィヴィオ達風芽高校3人
組に1時間程度で終わった事に驚かれ、事情を知っている聖祥組が大雑把に俺の撮影事情を説明し
始めた。
「それで?この後..というか、夕食後はどうするんだ?」
事情説明が終わり姫達が落ち着いた所で、俺は聞き忘れていた夕食後の予定を聞くことにした。
「そういえば言ってなかったわね。とりあえず、今日の目的は達成出来たから、夕食後は自由時間
にするつもりよ。」
「実際にどれくらいで4つのダンジョンを周れるか分からなかったので、終わっていなければ夕食
後も続けるつもりだったんですけどね。」
「なるほど。っで?お前達はどうするつもりなんだ?」
「刻也さんが撮影している時に少し話したんですけど、ゲームとはいえかなり疲れたので、食後は
こっちでゆっくりする事にしました。」
「今日のために大浴場を使える状態にしたから、全員一緒に入れるわよ。」
「刻也も一緒に入る?」
「ちょっと、姉さん。何言ってるの!?」
「あほか。そんな事したら社会的に抹殺されるだろ。」
「ん~。全員が同意の上なら問題ないんじゃない?」
「それなら問題ないかもしれないが、現実としてありえないな。第一、俺は一緒に入りたいとは言
っていないぞ。」
「そうだよ。それに心の準備も出来てないし...。」
「そっか。フェイトは嫌みたいだし、また次の機会に一緒に入ろうね。」
「違うんだよ。刻也さんと一緒に入るのが嫌ってわけじゃなくて、ちゃんと心の準備が出来れば全
然問題ないというか......。」
「アリシア、もう中三だろ。もっと慎みとか恥じらいをもって発言しろ。それから、フェイト。頼
むから落ち着いて正気に戻ってくれ。」
これからの予定を聞いただけなのだが、何故か一緒に風呂に入るという話になってしまった。
まあ、何と言われようが年頃の女子と一緒に風呂に入る事はない。
高町家にいた時も、なのはが中学生になった時に一緒に入る事はなくなったからな。小六でギリ
だったんだ、中三になった今は完全にアウトだろ。
「私は刻也さんが入りたいって言うんだったら、全然大丈夫だったのに...。」
......、何かなのはが呟いていたように聞こえたが、おそらく聞き間違いだろう。
「お待たせいたしました。夕食の準備が整いましたので、皆さま食卓の方へお越し下さい。」
ひとまず、この後の予定は聞けたし、鮫島さんが夕食の準備が出来たと伝えに来てくれたので、
この世間的に抹殺されかねない話および思考は打ち切り、食卓へ移動する事にしよう。
◇◆◇◆◇◆ ◇◆◇◆◇◆
『クロノス様がログインしました。』
食事を終えた俺は一人でSLOへログインした。
食事風景?
用意された料理はどれも美味しく頂いたし、今日初めて姿を見たデビットさんはとても元気そう
で、久しぶりにソフィアさんと揃っている所を見たが、夫婦仲は相変わらず良さそうだった。
まあ、これもデビットさんとの恒例行事になりつつある、婿養子発言で撮影時と同じく、この行
事を始めて体験した風芽高3名+風芽中2名が口にしていた食べ物とか飲み物を噴き出すという珍
事が発生したが、それ以外はいつも通りの食事となった。
夕食を食べ終えると、なのは達は揃って大浴場へと行ったので、残された俺は、デビットさんと
ソフィアさんにアリサ達との日常や他愛もない世間話をしていたのだが、2人とも会社から電話が
掛かってきたのでお開きとなり、1人時間を持て余した俺は、前回のログアウト直前に召喚したゴ
ーレム"グレイプ"の育成をするためにログインする事にした。
という流れで今に至る。
なのは達が風呂から上がるまで。時間的に1時間程度くらいだろうが、少しでも強化しておきた
いところだな。