とらなのVRMMO ~魔法はゲームの中だけなの~【改訂版】 作:戯言紳士
《召喚モンスター【グレイプ】がクラスチェンジの条件を満たしました。ステータス画面からクラ
スチェンジを行って下さい。》
一人でSLOにログインし、グレイプの育成を始めてから20分ほど経過したところで、3度目
のクラスチェンジを告げるインフォが流れた。
俺がレベリングとして選んだのは、カンナのレベリングをした場所よりもさらに街から離れたフ
ィールド"E6S6"。
当然出現する敵のレベルも高くなり、より高度なAIが組み込まれているが、その分倒した時の
経験値も増えるので、短時間でレベリングをするには丁度良い狩場だ。
それに、前回までのフィールドでは他の召喚モンスターの戦力も上がり、かなり物足りなくなっ
ていた。
さらに捕捉すると、13街以上離れたフィールドには入場制限のような結界が張られていて、明
日挑む無限図書館の入館証の様に、役場で特定のクエストを攻略しないといけないので、ある意味
序盤最奥のフィールドと言える。
まあ、そんな場所でレベリングをしていたので、グレイプの育成もかなりのペースで進行してい
たわけで、早くも3度目のクラスチェンジに至った。
ちなみに、これまでのグレイプのクラスチェンジの過程は、
【名前】 グレイプ 【種族】 ゴーレム・ポーン Lv.8 ⇒ ゴーレム・シーフ Lv.1
【
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【所有スキル】
殴る 蹴る 罠解除(New!) 硬化 庇う 受け 索敵(New!) 全状態異常無効
一度目のクラスチェンジでは、ゴーレム・ポーンからゴーレム・シーフへ。
この時のシーフ以外の候補は、ファイター、シールダー、マジシャンと言ったモノで、今後の方
向性を明確に決めるものだった。
【名前】 グレイプ 【種族】 ゴーレム・シーフ Lv.12 ⇒ ゴーレム・パイレーツ Lv.1
【
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【
【所有スキル】
殴る 蹴る 剣術 武器化(New!) 硬化 潜水(New!) 開錠 罠解除
挑発 庇う 受け 回避 索敵 全状態異常無効
二度目のクラスチェンジでは、ゴーレム・パイレーツとなった。
ここで決め手となったのは、スキル【潜水】だ。
竜化した状態のカンナが所有するスキルの一つで、水中適性を得るスキルである。このスキルを
所有すれば前から言っていた水中戦が可能な召喚モンスターとなるので、他のハイシーフやアサシ
ン、バンデッドなど候補には目もくれず、即決でパイレーツにクラスチェンジした。
そして......。
【名前】 グレイプ 【種族】 ゴーレム・パイレーツ Lv.16 ⇒ ゴーレム・ヴァイキング Lv.1
【
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【
【
【
【所有スキル】
殴る 蹴る 剣術 斧術 巨大化 武器化 硬化 海の守護神(New!)
水棲殺し(New!) 潜水 開錠 罠解除 鉄壁 挑発 庇う 受け 回避
索敵 不倒 強靭 身軽 全状態異常無効
三回目の今回は、ヴァイキングの一択しかなかったので考える事もなかった。
そして、このクラスチェンジで追加されたスキルは【海の守護神】と【水棲殺し】。
水棲殺しは説明するまでもなく、水中にいるモンスターに与えるダメージが増加するといったモ
ノで、退魔士...俺らの中ではすずかが習得できるスキルの一つ。
そしてもう一つの海の守護神は、戦いの場が水上&水中の時に自身の全ステータスの上昇と周囲
にいるPTメンバーに一時的に【潜水】と【水中機動】のスキルを付与するという、さくらの【神
格】、知佳の【天使の聖域】に続くチート級のスキルだった。
種族的にヴァイキングは海賊。しかし所有スキルには守護神という、真面目に考えると矛盾をは
らんでいるが気にしてはいけない。
それでは、このクラスチェンジでグレイプがどう変わったかを確かめる意味でも、レベリングを
再開しようと思うのだが、その前に、他の召喚モンスターを少し入れ替えよう。
今までは、とにかくグレイプを死なせない様にするために、過剰と思えるくらいに防衛力の高い
布陣にしていたが、ここまでくれば持ち前の耐久性で簡単にやられる事はない。
ちなみに、そのメンバーというのは、赤兎、さくら、フィアッセ、知佳、カンナになる。
この中から入れ替えるメンバーを選ぶわけだが、さくらとカンナは他の召喚モンスター達よりも
レベルアップに必要な経験値が多いので、少しでも長く戦闘に出していたい。
となると、フィアッセと知佳のどちらかは残したいので赤兎は確定。問題となるのがどちらを残
すかと言う事になるが、この狩場では状態異常になる事はなさそうなので、どちらかといえば攻撃
力のあるフィアッセにこの場に残ってもらう事にしよう。
そうと決まれば即行動。
赤兎と知佳に労いの言葉を掛けてから2体を帰還させ、空いた枠に久遠とアトラを召喚した。
「くぅ~♪」
今日はここまで出番のなかった影響か、召喚するなり嬉しそうに肩に飛び乗ってきた久遠を
でしてから、俺達はレベリングを再開した。
◇◆◇◆◇◆ ◇◆◇◆◇◆
『フレンドのレヴィ様から通信です。通話可能ですが、応答しますか?』
レベリングを再開してから10分くらい経過したところで、木曜日に再会してから音沙汰のなか
ったレヴィから通信がきた。
レヴィが単身で連絡してくる事はまずないので、周りにはシュテルやディアーチェやユーリ、王
様もいるだろう。
さて、時間は限られてはいるが、それは無視する理由にはならない応答するが、なにかあったの
だろうか?
「d「やっと出た!クロノんってば、今までなにしてたのさ!昼から何度も通信しても『通じない
場所にいるので――』って全然通じなかったんだよ!」」
なんでもいいが、声を被せたうえに、間髪入れずに捲し立てないで欲しい。
「はぁ...。だから私は、レヴィではダメだと言ったんです。見て下さい、折角応答してくれたク
ロノスさんが何とも言えない表情になっています。」
そんな俺の心境を画面越しに察したシュテルが、レヴィを跳ね除けて画面の中心に立った。
「ちょっ!シュテるん!ボクが通信した時に出たんだから、真ん中はボクでしょ!」
「それでは、話が進まないのでこうしたんです。」
「やる!ちゃんとするから、真ん中はボk「あぁ、もう!2人共そこまでにせよ!これでは一向
に話が進まんではないか!レヴィを真ん中に置いて、シュテルが進行すればいいだけではない
か!」」
「「......はい。」」
「流石はディアーチェちゃんです。私では2人を止める事は出来ませんから、こういう時にディア
ーチェちゃんがいると助かります。」
「我らが盟主様にお手間を取らせるわけにはいきませんので。」
...うん。まあ、こんな感じで絡んでおきながら放置される事もβ時代にはあったので、懐かし
いと言えなくもないが、俺としては誰でも良いので本題を言って欲しい。
最初に昼から連絡を取ろうとしていたというレヴィの発言とこの雰囲気的に、危機迫る内容では
ない事は確実だが、それ以外となると見当がつかない。
「誰でもいいんだが、そろそろ本題を話してくれないか?」
「失礼しました。では、私の方から本日連絡した主旨を伝えます。 ――――― 」
こうして、ようやく本題を聞いたのだが、シュテルの口頭のままでは伝わり難いので、簡単にま
とめてみた。
1.今日の昼過ぎにSLOの公式ページが更新されイベントの予告が掲載されたらしい。
2.その内容は、フィールドに複数の転移ゲートを設置し、転移先にいるボスを次々と倒してイベ
ントアイテムを集めていくものだった。
3.で、本題が、そのボスは最大で5ユニオンまで組んだ状態で挑めるらしく、時間が合えば一緒
にボスに挑まないか? という誘いの話だった。
俺はアリサ達に連行されてからすぐにSLOにログインしていたので、知らない情報だったので
伝えてくれた事はありがたかったが、イベントの内容的になのは達と一緒にやる可能性が極めて高
いので、この場で即答する事が出来なかった。
それに、もしかしたらこちらも金曜日から音沙汰がないが、シグナムさん達からも何かしらの誘
いがあるかも知れない。
「悪いがすぐには答えられない。」
なので、今俺がシュテル達に言えるのはこれだけだった。
「理由を聞いてもいいですか?」
「クロノんってソロでしょ?」
「なに?我らの誘いを断ると言うのか?」
「すでに先約があるのでしょうか?」
シュテル達には、β時代とは違い、なのは達とギルドを組んだことや平日はまだしも、休日は今
日みたいに一緒にプレイしている事を話ていないのだから、当然の返しと言える。
「β時代と違って、今は一緒に行動する仲間がいるからな。そいつらとも相談する必要があると思
って、すぐには答えられないと言ったんだ。」
なので、名前までは言わないまでも一緒にプレイしている仲間がいる事を伝えた。
「..そうですよね。β版とは違い、一万人とは言えプレイヤーの数が増えれば、クロノスさんの知
り合いもプレイされますよね。」
「って事は、クロノん今はソロじゃないんだ。」
「でも、この前は一人で行動していなかったか?」
「時間の都合だってあるんじゃないかな? それにこの前もやりたい事があるって言ってたし。き
っとそのお友達と一緒に何かする予定があったんじゃないかな?」
反応はそれぞれ違ってはいたが、俺がソロではなくなったと言っても、それほどの驚きはなかっ
たようだ。
「それでは、この話は難しそうですね。」
「えぇ~。どうしてさ!?」
「考えて下さい。クロノスさんの友達という事は、当然、クロノスさんと同じ年代の男性です。」
「っあ!そうか!それだと、ユーリには厳しいね。クロノんとは何故か最初から普通に喋れてたみ
たいだけど、それ以外の男の人だと上手く喋れないし。」
「あぅ。ごめんなさい。」
「こら!レヴィ。盟主様を責めるでない。」
普通に考えれば、シュテルの考える通りだろう。なので勘違いしても不思議ではない。
だが、現実は同年代の男子は皆無。ギルドには同級生の女子3人に学校は違えど中3の女子が8
人という、俺を除く全員が女性で構成されている。
それに、シグナムさん達も同じ大学の4人で行動しているらしいが、まだ会った事はないが、シ
ャマルさんにはちゃん付けで呼ばれていたし、アインハルトさんという人も女性で間違いないだろ
う。
「そっちで盛り上がっている所に水をさすようだが、俺の仲間っていうかギルドメンバーは、俺以
外全員女性だ。それから、お前らと同じ年頃のメンバーが大半だな。」
「「「「えぇぇぇっ!!!!」」」」
どうやら、こっちの方が衝撃が大きかったらしい。
今まで声を張り上げた事を見た事がないシュテルまでレヴィに負けないほど、声を出して驚いて
いるし、王様に至っては素になって口調が普通になっている。
「......。少々取り乱してしまい、お見苦しい所を見せてしましましたが、そういう事であれば、
紹介も兼て一度御会いしたいですね。」
「だね。クロノんがハーレムギルドを作ってた事には驚いたけど、まあクロノんだし、そういう目
的なわけないし。」
「クロノスにそのような邪な思いがあったのなら、盟主様が懐く訳がないからな。」
「私も会いたいです。それにクロノスさんがマスターのギルドも見てみたいです!」
落ち着きを取り戻したシュテル達から出た言葉はこの通り。
イベント自体は来週の水曜日にメンテナンスを兼て実装する予定らしいので、それまでに紹介す
ればいいだろう。
その事を伝えると、今日じゃダメなのかと聞かれたので、今日はもうログインしないだろうとい
う事と、明日は無限図書館に行くから、多分時間を合わせるのは難しい事も伝えたら、納得してく
れた。
「しかし、無限図書か。β版では何かと訪れたが、本実装されてからは未だ訪れておらぬな。」
「それ以前に、前提クエストすら終わらせていませんでしたね。」
「って事は、今日なかなか連絡が付かなかったのは、前提クエストをやってたんだね。」
「それなら納得ですね。ダンジョン内ではPTメンバー以外での通信は不可能ですから。」
と、ここまで話している間に時計を見ると、なのは達が風呂から出てくる時間にかなり近付いて
いた事に気付き、シュテル達に「あと少しでログアウトするから」と断りを入れ、通信を切った。
...さて、シュテル達と話していた事で、予定よりレベリングの方は進まなかったが、これで終
わる事にする。
『クロノス様がログアウトしました。』
※ここまでの戦果報告
・プレイヤー
【名前】 クロノス 【種族】 人族 Lv.46 ⇒ 48
【職業】 大召喚士 Lv.8 ⇒ 9 / 暗殺者 Lv.8 ⇒ 9
【名前】 なのは 【種族】 エルフ族 Lv.30 ⇒ 34
【職業】 砲撃魔術師 Lv.1 ⇒ 3 / 大僧侶 Lv.1 ⇒ 3
【名前】 フェイト 【種族】 獣人族 Lv.30 ⇒ 34
【職業】 魔術剣士 Lv.1 ⇒ 3 / 死神 Lv.1 ⇒ 3
【名前】 アリシア 【種族】 獣人族 Lv.30 ⇒ 34
【職業】 剣闘士 Lv.1 ⇒ 3 / 探検者 Lv.1 ⇒ 3
【名前】 はやて 【種族】 人族 Lv.30 ⇒ 34
【職業】 大魔術師 Lv.1 ⇒ 3 / 舞踏家 Lv.1 ⇒ 3
【名前】 アリサ 【種族】 人族 Lv.30 ⇒ 34
【職業】 大騎士 Lv.1 ⇒ 3 / 神官 Lv.1 ⇒ 3
【名前】 すずか 【種族】 魔人族 Lv.30 ⇒ 34
【職業】 魔術弓兵 Lv.1 ⇒ 3 / 退魔士 Lv.1 ⇒ 3
【名前】 スバル 【種族】 ドワーフ族 Lv.30 ⇒ 34
【職業】 狂戦士 Lv.1 ⇒ 3 / 守護騎士 Lv.1 ⇒ 3
【名前】 ティアナ 【種族】 人族 Lv.30 ⇒ 34
【職業】 魔術銃士 Lv.1 ⇒ 3 / 大幻術師 Lv.1 ⇒ 3
【名前】 ヴィヴィオ 【種族】 人族 Lv.36 ⇒ 39
【職業】 聖騎士 Lv.4 ⇒ 5 / 武闘家 Lv.4 ⇒ 5
【名前】 コロナ 【種族】 エルフ族 Lv.36 ⇒ 39
【職業】 魔導人形遣い Lv.4 ⇒ 5 / 修道士 Lv.4 ⇒ 5
【名前】 リオ 【種族】 獣人族 Lv.36 ⇒ 39
【職業】 魔術拳闘士 Lv.4 ⇒ 5 / 剣聖 Lv.4 ⇒ 5
・召喚モンスター
【名前】 久遠 【種族】 妖狐(七尾) Lv.15 ⇒ 16
【名前】 赤兎 【種族】 セージホース Lv.13 ⇒ 15
【名前】 さくら 【種族】 上級吸血鬼 Lv.6 ⇒ 7 / 神狼 Lv.6 ⇒ 7
【名前】 アトラ 【種族】 アラクネ Lv.10 ⇒ 12
【名前】 フィアッセ 【種族】 AS-30・リリス Lv.9 ⇒ 12
【名前】 知佳 【種族】 TE-01・マルティエル Lv.9 ⇒ 11
【名前】 カンナ 【種族】 マムクート・ダッチェス Lv.4 ⇒ 6
【名前】 グレイプ 【種族】 ゴーレム・ポーン Lv.1 ⇒ ゴーレム・ヴァイキング Lv.4
※スキル解説
【スキル名】 巨大化 【スキルタイプ】 Active
【基本攻撃力】 ― 【対象】 単体(使用者のみ) 【攻撃回数】 ― 【消費精神力】 30
【効果】戦闘中、自身の身体を大きくさせ、筋力値と耐久力、抵抗力を1.5倍にするが、
敏捷値が15%減少する。
【スキル名】 武器化 【スキルタイプ】 Active
【基本攻撃力】 ― 【対象】 単体(使用者のみ) 【攻撃回数】 ― 【消費精神力】 15
【効果】自身の身体の一部、もしくは全身を武器の形状へ変化させる事が出来る様になる。
【スキル名】 硬化 【スキルタイプ】 Active
【基本攻撃力】 ― 【対象】 単体(使用者のみ) 【攻撃回数】 ― 【消費精神力】 10
【効果】1分間、自身の身体を硬くさせ、被ダメージを1/10まで軽減する。
【スキル名】 海の守護神 【スキルタイプ】 Passive
【効果】水上および水中で戦闘している間、自身の全ステータスを20%上昇させ、自身を含む同
じPTメンバーに、スキル【潜水】と【水中機動】を付与する。
【スキル名】 水中機動 【スキルタイプ】 Passive
【効果】水中での移動速度が上昇し、より高度な機動で水中を行動出来る様になる。
※登場人物SD化 第十七回"リオ"
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