とらなのVRMMO ~魔法はゲームの中だけなの~【改訂版】   作:戯言紳士

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第39話   6月21日 日曜日④

 

なのは達の救出するために、行動を開始した俺と召喚モンスター達。

 

「ふぁいあらんさー。さんだーらんさー。だーくらんさー。」

 

 久遠 【精神力】 398 / 398 ⇒ 108 / 398 (-161)

 

 その開戦の狼煙は、久遠が発動させた3種類属性魔法×各5。総スフィア数の45、各スフィアから3発魔力弾が発射されるので、合計攻撃回数135という容赦のないものだった。

 これでまだ精神力を100以上残しているんだから、攻撃されている側からすれば堪ったものではないだろう。

 

 ユーノ 【生命力】 12500 / 12500 ⇒ 11922 / 12500 (-578)

 

 その結果、設置された拘束魔法の大半が誘発...ではなく消失し、魔法攻撃に対してはかなりの抵抗力を誇るユーノが500以上のダメージを受けていた。

 

 

「「次は、私達の番。念動障壁展開!お兄様(お兄ちゃん)達を守って!」」

 

 フィアッセ 【精神力】 364 / 364 ⇒ 204 / 364 (-160)

 知佳    【精神力】 305 / 305 ⇒ 225 / 305 (-80)

 

 そんな光景に驚きを見せる事なく、先ほど俺が指示した通りに俺・さくら・カンナの周囲に障壁を展開してくれた、フィアッセと知佳。

 

「私達..も、遅れる..わけには、いきま..せん。"真祖化"」

 

 さくら 【精神力】 196 / 196 ⇒ 96 / 196 (-100)

 

「はい。このひろさならぜんりょくをだせます。"りゅうか"」

 

 カンナ 【精神力】 201 / 201 ⇒ 121 / 201 (-80)

 

 障壁が展開されるのと同じタイミングで、さくらの真祖化とカンナの竜化も完了した。

 

 さくらは真祖化しても外見的な変化はないが、全身をオーラの様なモノで覆われている。

 カンナは言わずもがな。完全な竜の姿になり、その場にいるだけでこの空間を支配している。

 

「~~♪ ~~♪ ~~♪ ~~♪」

 

 フィアッセ 【精神力】 224 / 364 ⇒ 194 / 364 (-30)

 

 これは指示していなかったが、フィアッセの歌唱スキルだな。

 これまでにも聞いた事がある歌だが未だに名称が分からない。しかし、この歌は場にいる全員のステータスを底上げする効果のはずだ。

 

 ユーノには気の毒だが、全く負ける気がしない。

 

「まだ始まったばかりだが、ユーノせめて安らかに眠ってくれ。」

 

 

◇◆◇◆◇◆                                ◇◆◇◆◇◆

 

 

『早く皆を解放して下さい。―― 爪撃×2 』

 

 ユーノ 【生命力】 11922 / 12500 ⇒ 9845 / 12500 (-2077)

 

 拘束魔法の脅威もなくなり、強化された俺達にユーノを捉える事は容易で、そのままの勢いでカンナは連続で爪撃を繰り出し、2000以上のダメージを受けた。

 

 さらに、その衝撃でさくらいる方に吹き飛ばされたユーノは...。

 

「手加減は..なし。あなたの..罪の数を..数えなさい。―― ジャブ×2 → アッパーカット → ハイキック → ザンバー 」

 

 ユーノ 【生命力】 11922 / 12500 ⇒ 4210 / 12500 (-5635)

 

 さくら 【精神力】 111 / 196 ⇒ 77 / 196 (-34)

 

 絶妙に力加減のされたジャブ二発で、吹き飛ばされた事で応じたベクトルを相殺し、僅かに滞空するユーノに対してアッパーカットを叩き込んだ。

 さらにさくらの連撃は続き、浮き上がらせてからのハイキックという名の踵落としを決め、地面に叩き落とした衝撃でバウンドした所に強力な斬撃を繰り出し、カンナの攻撃を受けた時と同じくらいの勢いでユーノは俺の方へと吹き飛ばされた。

 

 地に足をつける事なく、お手玉の様にポイポイ回されるユーノ。哀れすぎる。

 しかも、ダメージもかなり深刻なレベルで負っている。

 

「だからと言って、容赦はしないんだけどな。―― アクセラレート → 抜刀 → 伏竜 → 八穿 → ヘキサスラッシュ。」

 

 ユーノ  【生命力】 4210 / 12500 ⇒ 0 / 12500 (-10869)

 

 クロノス 【精神力】 337 / 337 ⇒ 246 / 337 (-91)

 

 アクセラレートでクリティカルダメージ発生率を上昇+抜刀で武器攻撃力を2倍にした上で、暗殺術"伏竜"により一息でこちらに飛んでくるユーノの足元へ移動し、短刀モードのアイオーンで下から上へと切り上げる。

 そこに間髪入れずに、暗殺術"八穿"で頭上から斬り付け叩き落とし、さくら同様衝撃でバウンドした所に二刀流剣術"ヘキサスラッシュ"を叩き込んだ。

 

〈マイスターよ。これは明らかにオーバーキルだ。〉

「耐久力の低いユーノだから出たダメージだろうが、やりすぎたみたいだな。」

 

 俺がユーノに与えたダメージをログで確認したところ、残り生命力4千弱だったユーノに対し、俺は合計で1万以上のダメージを与えていたらしい。

 思わず口に出てしまったのだろうが、アイオーンの言葉は正しかった。

 

 

『地下10階のボス"ユーノ"の討伐を確認しました。地下11階への通行許可と転移装置で地下10階への転移が可能になりました。』

 

 

 戦闘ログを見直した所でこのインフォが流れ、ユーノを完全に倒した事が確認出来た。

 これでなのは達もユーノの拘束魔法から解放されているだろうと、後ろを振り返ると、何やら放心状態ではあったが、全員解放され無事な姿を確認した。

 

 後は、倒したユーノからアイテムを剥ぎ取るだけなので、剥ぎ取りナイフを取り出し突き立てようとした所で、

 

「「「「「「「「「「「止めて!ユーノ(さん)の生命力(ライフ)はもう0(だ)よ!」」」」」」」」」」」

 

と、放心状態からも解放されたなのは達から言われたのだが、

 

「生命力が0だから突き立てるんだろうが。」

 

 何故倒した相手からアイテムを剥ぎ取ってはいけないのかと正論で返し、俺は地に伏せるユーノに剥ぎ取りナイフを突き立てアイテムを入手した。

 

 

◇◆◇◆◇◆                                ◇◆◇◆◇◆

 

 

『クロノス様がログインしました。』

 

 

 ユーノからアイテムを剥ぎ取った後、時間が昼時だった事もあり、一度ダンジョンから出て、ログアウトし、昼食を食べ、一息ついてから、再度ログインした。

 

 ただ、昼食を食べている時に、

 

「私達も酷い目には遭ったけど、あれには同情したわ。」

「知り合いと同じ容姿の相手に容赦のない攻撃が出来るなんてね。」

 

 コピー体とは言え、ユーノと同じ容姿の相手にオーバーキルした事を咎められたりしたが、

 

「そこに痺れる、憧れるってやっちゃな。DIO様顔負けやったで。」

 

 途中ではやてがネタを入れてきた事で話が脱線し、次に、

 

「でも、刻也さんは捕らわれた私達を助けるために、最短でユーノさんを倒そうとしたんだよ。」

「そうだよ。今回、私達は完全に刻也さんの足手まといになっちゃったんだから、刻也さんにとやかく言う前に、自分達の反省をしないと。」

 

 と、自分達の不甲斐なさを反省し、次に活かすためにはどうすればいいかと言う話題になり、

 

「日常的にあんな戦闘をしてたら、久遠ちゃん達も強くなりますよね。」

「真祖化した時のさくらちゃんの迫力は凄かったし。」

「カンナちゃんの竜の姿を見た時には、拘束されてる事も忘れるくらいに見惚れちゃってたよ。」

「フィアッセちゃんと知佳ちゃんのサポートも完璧だったし。」

「久遠ちゃんの並列思考のレベルってどうなってるんだろうね。」

 

 最後の方は、久遠達召喚モンスターの話題で一通り盛り上がった。

 

 そして、再度ログインする前に、

 

「今回の様に無様な姿を晒さないから、地下20階のボスは私達に任せて。」

 

 と言われ、全員の顔を見るともの凄い闘志と俺を失望させないという意気込みを感じたので、「地下20階って事は、地下10階のユーノよりも強い相手って事になるけど大丈夫なのか。」と念押しした。

 

 それでもなお「上等じゃない!」と、気持ちが萎える素振りを見せなかったので、今度は「頑張れよ。」と短い言葉だが鼓舞し、心機一転、気持ちを入れ替えて、俺達は再度ログインした。

 

 

◇◆◇◆◇◆                                ◇◆◇◆◇◆

 

 

「は~い。いらっしゃい♪ ここは無限図書館だよん。」

「ちょっと、キリカ。毎回言ってでしょ。お客様にはちゃんとした態度で対応しなさい。」

「えぇ~。私、お堅い役員キャラなんて無理だし。」

「ダメだ。早くこの社会不適合者を更生させないと...。」

 

 いざ、地下ダンジョンの攻略を再開しようと、無限図書館の入り口を入ると、午前中は無人だったカウンターに運営員の制服を装備した2人の女性がいた。

 

「それよりも、良いの? アミタの所為で、お客さんが入り口で立ち往生しちゃってよん。」

「私の所為じゃないでしょ。キリカがふざけた態度で接客するからでしょ。もう...。」

 

 この2人が、ユーノが言っていた正規サービスから加わったという運営員なんだろうな。

 確か、午後からの勤務と言っていたし。

 

「失礼したしました。私はアミティエ。主にダンジョンへの案内とか館長の補佐をしています。

 そして、こっちが愚妹のキリカです。」

「よろしくねん♪」

 

 先に自己紹介をされてしまったので、俺達も自己紹介をし、ここに来た目的を告げた。

 

「あっ、もう地下10階まで攻略していた方々だったんですね。そうとは知らず、引き留めてしまって申し訳ございませんでした。」

 

 アミタさん(そう呼んで欲しいと言われたので)は仕事熱心な人の様で、俺達の時間を浪費させてしまったと思ったようで、頭を下げて謝った。

 

「こんなお堅い姉だけど、これからも無限図書館をご利用下さいね。」

 

 一方、キリカさんはちゃんと引き際は分っている様で、これ以上自分達に付き合わせては悪いと思ったのか、最後にはちゃんとした態度で地下ダンジョンへ続く通路の方を指して一礼し、頭を下げ続けているアミタさんを引っ張り、カウンターの奥へと姿を消した。

 

 

「世の中、色んな姉妹がおるんやな。」

 

「アミタさんは根っから真面目なんだろうね。」

「きっと、やると決めたら最初から最後まで全力でやるタイプだよ。」

「スポ根とか好きそう。」

「それと風紀委員とかぴったりな役じゃない?」

 

「じゃあ、キリカさんはその逆?」

「どうかな。私的にはまだ猫を被っている感じがしたけど。」

「語尾に"ねん"とか"よん"を付けてたのは、完全にキャラ付けだったね。」

「アタシは、ピエロを演じながらも、虎視眈々と獲物を狙ってる感じがしたけどな。」

「陰で努力するタイプって事?」

「そんな感じになるのかな。」

 

 午前中はユーノの話題。

 午後はアミタ・キリエ姉妹の話題で地下ダンジョンの入り口まで来た。

 

 さて、10階層毎に出現するモンスターのレベルが上がるわけだが、なのは達は地下20階のボスを無事に倒す事が出来るのだろうか?

 

 

◇◆◇◆◇◆                                ◇◆◇◆◇◆

 

 

Another Story ~ 無限図書館、カウンター裏での姉妹+館長の会話 ~

 

 

「アミタってば緊張し過ぎ。」

「だ、だ、だって、あのクロノスさんが来たんだよ。それにキリカだって、なんで語尾に"よん"と

 か"ねん"付けたの? キリカだって緊張してたんじゃないの?」

「今日に限って、無駄に鋭いね。」

 

「私、知ってるんだから。キリカが何回もクロノスさんのプレイ動画見てる事。」

「だから? そんなのここの社員、ほぼ全員当てはまるじゃん。アミタだって例外じゃないし。

 そもそも社外には非公開な上に、本人非公認の動画なんだよ。」

「うぐっ。」

 

「それにアミタの場合、それ以外にも、寝言で「クロノスさん..むにゃむにゃ..私と一緒に..。」

 って、言ってるの聞いた事あるんだけど? 何を一緒になのかな?」

「嘘だよ。だ、騙されないんだからね。私そんな事言ってないもん。」

「寝言を言ってる本人は寝てるんだから、自覚してる訳ないじゃん。」

 

「...もうこの話止め。そもそも私が口でキリカに勝てるわけないじゃん。」

「それを自分で言っちゃうアミタ、私は好きだよ。」

「はぁ...。昔はお姉ちゃんって可愛く私の後ろを着いて来ていたのにな。」

 

「年寄り臭いよ。アミティエ・フローリアン(20)。」

「うるさい。キリエ・フローリアン(19)。」

 

 

「姉妹ゲンカはそこまでにして、2人とも出勤したばっかりなんだから、まず仕事してよ。」

 

「あっ、館長さん。居たんですか。お疲れ様です。」

「これは、地下ダンジョンに挑んだ女性プレイヤーから、鬼畜SMショタ館長と呼ばれている館長

 さんじゃないですか。」

 

「居たよ!それに僕、そんな呼ばれ方してないから!」

 

「知らぬは本人ばかりなり。」

「えっ、本当なの。嘘だって言ってよキリカ。」

 

「キリカの戯言に付き合う必要はありませんよ。それよりも、今日は何をすればいいんですか?」

「そ、そうだよね。えっと、今日は昨日イベント告知もあったので、ダンジョンに挑むプレイヤー

 はごく少数なので、(情報)の整理を手伝って下さい。」

 

「そのごく少数のプレイヤーってクロノスさん達ですよね。」

「そうだね。もしかして、さっき会ったりした?」

「はい。クロノスさんの他に女性プレイヤーが11人ほどいましたけど。」

「そうなんだ。それじゃあ、もう地下10階まではクリアしたんだ。流石クロノスさんだな。」

 

「地下10階をクリアしたって事は、館長さんと同じ姿をしたボスを倒したって事ですけど、大丈

 夫ですか?」

「クロノスさんはその辺の切り替えは完璧だからね。多分、容赦なくズバっと斬られたんじゃない

 かな。僕はその事について何とも思わないよ。」

 

「ちょっと待って。という事は、館内の何処かに、その戦闘記録がもうあるはずだよね?」

「あっ、そうか!それじゃあ、キリカ。どっちが先にその記録を見つけられるか競争だよ。」

「上等。負けた方は1日、鬼畜館長の奴隷って事で。それじゃあ、お先に。」

「ちょっ!スタートくらい合わせなさい!」

 

「だから、僕は鬼畜館長でもない...って、もう行っちゃったよ。戦闘記録探すついでで良いから

 簡単に他の情報も仕分けておいてよね。」

 

「「はーい。」」

 

「...ちゃんと仕事をしてくれる人、来てくれないかな。」

 

 無限図書館、館長ユーノの苦労はまだまだ続くのであった。(完?)

 

 

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