蒼き雫に救われし者   作:マスターBT

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短いです。
次は、戦闘から戦闘になるので長くなるかなぁと思います。


一夏

織斑SIDE

 

自室に戻っても考える事は変わらなかった。

ファウストの言う理想の原点、それは間違ってないはずだ。

俺は千冬姉に憧れた。千冬姉の力に憧れた。ああなりたいと思った。

自分が救われてからはより強く思うようになった。

でも、現実は違う。同じ男性操縦者のファウストには全く勝ててない。

福音も俺は倒せなかった。俺は……

 

「一夏いるー? 」

 

鈴の声が聞こえる。

 

「ああ、いるぞ 」

 

「んじゃ失礼するわね 」

 

鈴が部屋に入ってくる。

 

「一夏、酢豚作りすぎたんだけど食べるってあんた、凄い顔してるわよ。大丈夫? 」

 

「ああ、大丈夫だ… 」

 

「大丈夫な人間の顔には見えないわよ。何かあったの? 」

 

「何もねぇよ 」

 

心配をかける必要は無い。

 

「何にもなくないでしょ。話してみなさいって少しは楽になるわよ 」

 

鈴の声が凄く優しく聞こえる。

少しは相談してもいいだろう。

そう思った俺はファウストに言われた事とそれをどう考えているのか鈴に伝えた。

 

「一夏の理想ねぇ、あんたはその理想をどう捉えてるの?

目的? それとも手段? 」

 

「それは…… 」

 

守るという理想これは俺に取って目的なのか、手段なのか?

 

「私が見てる限りあんたのは、『守るというのは自分がここに居る』という証明の手段に見えるわ 」

 

「証明… 」

 

「まぁ、あくまで私が見ての観点だけどね 」

 

そう言い鈴が笑う。

 

「ドラクレアはいっつも答えは言わない。でも、きっと言いたいことは私と同じだと思う。

一夏よく聞いてね、理想は目的であって手段じゃない。今の一夏の理想は初めに抱いたものとは違うものになってしまっているはずよ。

だから、ドラクレアは原点に帰れと言ったんだと思う 」

 

初めに思っていたのとは違う。

この言葉は俺の心に響いた。何時からだろうか俺が守るというのを行動に移し始めたのは?

ああ、初めてISを動かした時だ。目に見えて分かる力を手に入れた時、俺は思ってしまったんだ。

(コレを使えば守れる。俺を俺として見てもらえる)と。

 

「ははっ、馬鹿だな俺は。

俺を見てもらう?そんな事を考えなくてもファウストは、鈴は、千冬姉は、みんなは俺を見てくれてるじゃないか。

守るなんて言っておいて俺は自分を見てもらいたい、理解してほしいと一人よがりしていただけじゃないか 」

 

「一人よがりじゃないわよ。

少なくともここに一人あんたの一人よがりな行動で救われた人間がいるわ 」

 

鈴が真正面から俺を見つめる。

 

「そうか。随分と遠回りをして理想の意味に気付いたんだな俺は 」

 

「遠回りいいじゃない。人間は完璧じゃない、遠回りをしても結論が良ければそれでいいのよ 」

 

と鈴が笑う。

本当にこいつは強いな。

 

「鈴 」

 

「ん?」

 

「ありがとう 」

 

「感謝される事でもないわよ 」

 

照れくさそうに鈴が言う。

 

「一旦考える事止めて酢豚でも食べなさい。その様子じゃ何も口にしてないでしょ? 」

 

「あ、忘れてたな。じゃあ酢豚貰うぞ 」

 

「どうぞ、……元々あんたの為に作ったやつだし 」

 

「ん?なんか言ったか? 」

 

「なんでもないわよ 」

 

理想の原点か、そうか俺はーーー

 

「鈴、ちょっと千冬姉の所に行ってくる‼︎ 」

 

「え、ええ、行ってらっしゃい 」

 

部屋を飛び出して寮長室に向けて走った。

 

 




次回は千冬対一夏それが終われば一夏対ファウストとなる予定です。
一夏の出した答えとは?

個人的に強い姉や兄などがいれば一夏みたいな思考になると思ってます。
兄弟いないですが(笑 )
というか原作の一夏はなんとなくこう見えました。


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