主人公SIDE
IS学園に戻った俺は、亡国について考えていた。
(もし、イギリスの時の戦力が学園に襲い掛かって来たらどうする?
オータムとか呼ばれていた奴だけなら、どうとでも出来るがあの金色のISはやばい。
あの金色だけは、セシリアに近づけさせない )
「そして、サイレントゼフィルス…… 」
思わず口から出ていた。
だが其れが俺を面倒くさいことに巻き込むセリフだった。
「如何して貴方が其れを知っているのかしら? 」
「あ? 」
俺の目の前に水色髪の胡散臭い女子が、獲物を狩る獣の如く鋭い目で此方を睨んでいる。
……どうも最近、面倒くさい事に巻き込まれるな。
「もう一度聞くわ。
何故貴方がサイレントゼフィルスの事を知っているのかしら?」
「対暗部用暗部更識の当主でロシア代表の更識楯無か。
日本の暗部でありながら、ロシアの代表。
はっ、堂々とスパイ活動か?
其れとも、どちらの信用も得ていないのか? 」
最大の侮辱を込める。
更識楯無。此奴の情報はIS学園の入学が決まった時に集めた。
日本の対暗部用暗部の当主でありながら、ロシア代表という裏切りに近い形を取っている。
妹がいるという情報もある。いざとなれば人質として利用しようと思ったが思っていたより此奴は甘い奴だった様だな。
「………なんですって? 」
これぐらいの挑発に乗るようではやはり甘い。
「じゃあな 」
話を続ける気が無くなった俺は、セシリアがいる部屋に帰ろうとしたが、
「貴方は一体何者? 」
肩を掴まれ問われる。
何者と言われてもな……
「唯の執事だ 」
肩の手を払い部屋へと戻った。
楯無SIDE
「唯の執事ね…… 」
最初は軽くふざけようとしていたのに、スパイ扱いされるなんてね。
「考えてたら腹立ってきたわね。
亡国の事も知ってそうだし協力してもらおう 」
そうと決まったらセシリアちゃんに会おう。
でも、ずっと側にいそうだしなぁ。
「どうしよう……… 」
なんか、涙出てきそう…
主人公SIDE
「セシリア 」
「何ですか?」
俺は、目の前の光景に戦慄していた。
何故なら、
「料理か?」
セシリアがエプロンを身に付け、キッチンに立ちその手に包丁を握っていた。
「はい!もうすぐで出来上がるので座って待っていて下さいな 」
セシリアが満面の笑みで言う。
…すぐ出来上がるか、
料理を教える前は酷かったな。見た目は良いのに味が壊滅だっただよなぁ
チェルシーと一緒に教えたが食べるのは今日が初めてだな。
「……なんか凄く心配になってきた 」
此処から見えるセシリアの様子を見る。
鼻歌を歌いながら凄く楽しそうに作っている。台の上を見た限り、怪しい物は無いな。
偶に本を見ているという事は、レシピを確認しているようだな。
「どうしたんですか、ファウスト?」
「ん?、ああ。セシリアの料理が楽しみでな 」
「ふふ。ちょうど出来ましたから、そっちに持って行きますわ 」
セシリアがキッチンからトレーを持って来る。
トレーの上に乗っているのはBLTサンドとコーヒーの様だ。
「BLTサンドか 」
「本当は、コーヒーでは無く紅茶を淹れたかったのですが茶葉を切らしていましたので 」
「茶葉?あるぞ 」
ちょうど切らしてると思ってイギリスで買っていたのだが、少し渡すのを遅れたようだな。
「ありましたの?」
「まぁ、偶にはコーヒーも良いだろう。
じゃあ、頂く 」
「はい。召し上がってください!」
BLTサンドを手に取り覚悟を決める。
一回深呼吸を行い、口に入れる。
……物凄く甘い。
ベーコンとレタス、トマト。これだけしか使われてない様なのに何故こんなに甘い?
疑問を持ち、もう一度一口食べる。
パンに問題は無し。レタスは新鮮で美味い。トマトも同じだ。ベーコンは甘い。
いや、違うな。原因は、このソースか。
「どうですか? 」
セシリアが心配そうに此方を見てくる。
思わず、大丈夫だと言いそうになるが、情けは人の為ならず。
「セシリア、ソースが物凄く甘い 」
セシリアが固まる。
「…………唯一オリジナルで作ったソースが… 」
ショックが大きい様だ。
だが、オリジナルか。
俺は、残りのBLTサンドを口に入れる。
「ファウスト⁉︎無理をしないで下さい!」
セシリアが慌てて止めようとするのを、手を出し静止させる。
BLTサンドを飲み込み、セシリアと向かい合う。
「オリジナルで作ってくれたんだ。
食べなきゃ勿体無い 」
「でも、不味かったんじゃないんですか?」
「不味い?そんな訳ないだろう。
俺は、甘いとは言ったが不味いとは一言も言ってないぞ?」
俺は、手を伸ばしセシリアの頭を撫でる。
「それに、セシリアはいい経験が出来ただろう?」
「…いい経験ですか? 」
「ああ。初めっから上手くいくものなんて無い。
今日、料理をして甘い味付けになった。
なら、次に作るときに甘くし過ぎないよう気を付ければいい。
そういう事を繰り返して、どんどん上手になっていくんだから 」
「…ファウストも、そうだったんですか?」
当然の疑問だよなぁ。
「チェルシーにこっ酷くしごかれたさ。
料理なんて全然してこなかったし。そうだ、俺が初めて料理を作った時は『こんなに酷いものお嬢様の口に入れる訳にはいけません』って言ってゴミ箱に捨てやがったからな 」
あの時は、殴ってやろうかと思ったな。
まぁでも、そのお陰でセシリアの側に居れるのだから感謝しておくか一応。
「ふふっ、ファウストが頑張っていたのなら、私も頑張りますわ‼︎ 」
セシリアが元気を取り戻す。
やっぱり笑ってて欲しいものだな。
「その意気だ。俺に、手伝える事なら何時でも言ってくれ 」
「はい!それでは早速、料理を教えてくれませんか?」
「了解 」
結局この後、教えるうちに熱が入り軽食の物が殆どだが合計で10品作ってしまい、二人揃って満腹になった。
セシリアに教える時は、計画的に教えようと決めた。
楯無さんの裏切り云々は独自解釈です。
何で、日本代表に成らなかったのかよく理解が出来ないです。
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