蒼き雫に救われし者   作:マスターBT

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サブタイトルが思い付かない…
いつもより、ちょっと長いです。


出し物決め

主人公SIDE

 

集会の後、黒いオーラを纏っていたセシリアをどうにか戻し放課後を迎えていた。

どうやらクラスの出し物を決めるようだが候補がおかしい事に成っていた。

 

『男子のホストクラブ 』

『男子とツイスター』

『男子とポッキー遊び』

『織斑一夏と王様ゲーム』

『ファウスト・ドラクレアの王様ゲーム』

 

……取り敢えず俺の王様ゲームってなんなんだ?

 

「却下」

 

流石の織斑も嫌なのか意見を取り下げていた。

今ばかりは、織斑と思考が一致しそうだ。

 

「あ、アホか! 誰が嬉しいんだ、こんなもん!」

 

同意するぞ織斑。

 

「私は嬉しいわね。断言する!」

 

「私は、ドラクレア様の王様ゲームが良い!」

 

「ドラクレア様が命令……凄く良い!」

 

「それならホストクラブで織斑君とセットで愛を囁いて欲しい!」

 

……このクラスは馬鹿しかいないのか?

どんどんと混沌を極めていく出し物決め。

織斑も完全に固まり、ストッパーに成りそうなシャルロットもなんか顔を赤くしてボーッとしている。

 

「ファウスト。なんだか凄くこの教室に居るのが恥ずかしくなってきましたわ 」

 

「お嬢様…此れが現実です 」

 

「段々皆さんおかしくなっていませんか?」

 

確かに言われてみれば入学当初の方がまだまともだった気がする。

少なからず、鼻血で倒れる奴等は居なかったはずだ。

教室を見渡すと興奮のし過ぎか、妄想の所為なのか分からないが幸せそうな顔で倒れている奴等がちらほらと確認できる。

しかも、全員が当たり前だとでも思っているのか倒れた奴等を介抱する奴など誰一人として見受けられない。

それどころか、この程度で沈むとはまだ甘いなという感じの顔をしている奴もいる。

 

「駄目だ。このクラス 」

 

と云うか山田教諭は止めないのか?

そう思い、山田教諭の方を見るが、

 

「ああ、ダメですよ。私は、先生なんですから 」

 

別世界にトリップしていた。

教師仕事しろよ!

 

「メイド喫茶はどうだ?」

 

混沌を極める教室にマトモな意見が出る。

目が死んでいた織斑が復活し意見を出したラウラに質問する。

 

「理由を聞いても良いか?」

 

「客受けはいいだろう。それに飲食店は経費の回収が行える。

確か、招待券で外部からも客が入るのだろう?それなら、休憩場としての需要も少なからずあるはずだ 」

 

ラウラにしては、普通の意見だな。

そんな事を考えていたらラウラが此方を見てニヤリと笑う。

…なんか凄く嫌な予感がする。

 

「それにこのクラスには本物の執事が居るんだ。これを利用しない手は無いと思うのだが?」

 

的中しやがった。

 

「俺は、お嬢様の「専属執事と言うのか?」先に言うな 」

 

「だが、今のお前はIS学園一年一組の生徒でもあるんだぞ?

まさか、協力しない何て言わないよな?」

 

チッ、痛いところを突いてくれるな。

 

「まぁ、お前が執事としての誇りが無いというならやらなくても構わないがな。

その時は、ファウスト・ドラクレアは腰抜けと判断させて貰うがな 」

 

「…随分と挑発をしてくれるなぁラウラ。

其処まで言うなら覚悟はあるな?」

 

「ああ 」

 

ラウラが頷く。

 

「メイド喫茶という事はお前らは、メイドという訳だな。

やるからには半端は許さんぞ?」

 

セシリアが隣でため息を吐く。

悪いなセシリア。此処まで言われて引くわけにはいかない。

 

「良いだろう、協力してやる。

お前らに人に仕えるとはどういう事か骨の髄まで叩き込んでやる 」

 

「「「……うわぁ、凄い顔してるよ… 」」」

 

さてと、気が乗らんが教えてやるか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ファウスト・ドラクレア君。

至急生徒会室に来て下さい。生徒会長がお待ちです 』

 

「あ?」

 

「ファウスト、何かやりましたの?」

 

「してない筈だが 」

 

出し物決めが終わり、自室でセシリアとゆっくりしていたら放送で呼び出された。

 

「セシリア 」

 

「気持ち良かったのですが、このままでは動けませんよね 」

 

「また戻って来たらな 」

 

「ふふ、約束ですわよ?」

 

セシリアが俺の膝の上から退く。

自室に戻って一息ついていたらセシリアが、後ろから抱きしめて欲しいと言うので抱きしめていたのだ。

なんか最近こういう事が増えたよな。俺とセシリアが互いの気持ちを通じさせてからという物、二人っきりになると互いの距離が短くなっていくんだよな。嬉しいから良いけど。

 

「ファウスト行かなくて良いのですか?」

 

「ん?ああ。行ってくる 」

 

俺は、自室を出て生徒会室に向かう。

少し、歩いた所で、

 

「ファウストこっちだ 」

 

織斑がいた。

 

「何でいる?」

 

「楯無さんにファウストは、生徒会室の場所分からないかもしれないから迎えに行って来てと言われたから、探してた 」

 

「…いや、流石に分かるぞ?」

 

セシリアを守る為にIS学園の地理は全部覚えたからな。

と云うか、入学して其れなりに経ったし大体は分かるだろ。

 

「えっ!俺は、知らなかったぞ 」

 

「はぁ、とっとと行くぞ 」

 

「ちょっ、待てって!」

 

織斑を無視し生徒会室に向って歩き出す。

 

「楯無さんって俺たちに何の用があるんだろう?」

 

追いついてきた織斑が話しかけてくる。

 

「お前は、先に話をしていたのでは無かったのか?」

 

「いや、生徒会室に着いたら放送があったから何も話は聞いてない 」

 

「そうか 」

 

俺だけであれば内容は容易に想像できる。

どう考えても亡国の事だろう。暗部を知って表立って協力するのに俺は都合がいい存在だろうな。

だが、織斑はただの馬鹿で暗部の事など知りもしないだろう、と云うか此処までの会話で此奴が更識に関して何も知らないのは判断できた。

更識が織斑を使う理由として、考え付きそうなのは囮ぐらい、そしてこの時期という事はーーー

 

「ファウスト。着いたぞ?」

 

織斑の声によって思考を中断する。

 

「失礼するぞ更識 」

 

形式上ノックをしないと云うのは失礼に値するので一応ノックをし入る。

 

「返事をしていないのだけれど?」

 

「そっちで呼び出しておいて準備も何も出来てないという事は無いだろう?

まぁ、出来ていないと言うのならそこまでだったという事か」

 

「ノックをしておいて返事を待たずに入ってくるのは失礼だと思うわよ?

そこまでの教養が無いのかも知れないけどね 」

 

「それは、済まなかったな。

なら、次からは問答無用で入るとしよう。一応は、女だと思っての扱いだったのだが、それすら必要が無いと言うのなら女として扱わない様にさせて貰う 」

 

「相変わらず失礼な事を言ってくれるわね 」

 

「どうも貴様とは気が合いそうに無いからな 」

 

「奇遇ね。私もそう思っていたところよ 」

 

互いの顔に青筋が浮かぶ。

 

「お嬢様。落ち着いて下さい 」

 

「ドラクーも、落ち着いて〜… 」

 

眼鏡を掛けた女子生徒と机の上で上半身がだらけきっている女子生徒が止める。

と云うか、この女子生徒は、

 

「布仏本音と布仏虚か 」

 

「私の事を覚えていたのですか?」

 

「ああ。それで、何処に座ればいい?」

 

「空いているところにどうぞ 」

 

布仏虚から、許可を貰い俺は更識から一番遠い所に織斑は、布仏本音の隣に座った。

 

「姉妹で生徒会か、何か弱みでも握られてるのか?」

 

「いえ、私達は昔からお仕えしているのです。

ですから、弱みを握られている何て事はありませんよ 」

 

紅茶が出来たらしくカップ一つ一つに布仏姉が注いでいく。

その所作を見る限り、とても手慣れているようだ。

布仏妹がケーキを持ってくる。

自分が真っ先に食べ始め姉に叱られるというお約束のような物が行われたあと、更識が話し始めた。

 

「一夏君とドラクレア君が部活動に入らないことで色々と苦情が寄せられていてね。

生徒会は君達を何処かに入部させないとまずい事になっちゃったのよ 」

 

「それで学園祭の投票決定戦ですか…… 」

 

「傍迷惑な話だ 」

 

女子しか居ない部活になんか居たくない。

 

「でね、交換条件として学園祭の間まで私が特別に鍛えてあげましょう。

ISも、生身もね 」

 

「遠慮します 」

 

「興味無い 」

 

「そう言わずに。あ、お茶飲んでみて。美味しいから 」

 

「……いただきます 」

 

「いただく 」

 

紅茶を一口飲む。

これは、ダージリンか。ふむ、茶葉の香りをしっかりと生かしているな。

…俺より上手く淹れてるな。

 

「なぁ、布仏虚 」

 

「何でしょう?」

 

「此れの淹れ方を教えてくれないか?」

 

「はい?」

 

布仏虚に教えてもらう事にした。

 

「お嬢様にも、飲ませてあげたいと思ってな。

駄目か?」

 

「…そういえば貴方も仕える人がいたのですよね。

良いですよ。暇な時に此処に来れば教えてあげますよ 」

 

「本当か‼︎「ただし、条件があります 」それもそうか 」

 

俺に出来る事なら引き受けよう。

 

「どんな条件だ? 」

 

「ちゃんと敬語を使って下さい。先輩ですよ?」

 

…意外と普通だな。

 

「分かった……分かりました布仏先輩 」

 

「宜しい。では、次の機会に教えてあげますね 」

 

「助かります。でも、本当にこれだけで良いんですか?」

 

「はい。出来れば生徒会の仕事を手伝って欲しいのですが、其処はお嬢様が決めることですし 」

 

「そうですか。それでは、よろしくお願いします 」

 

布仏先輩に頭を下げてお礼する。

俺は、尊敬できる相手には礼節を重んじるのだ。

 

「なに虚ちゃんと仲良くなってんのよ 」

 

何時の間にか更識がすぐ隣に来ている。

 

「あ?貴様には関係ないだろう更識 」

 

何故か此奴には、全くもって敬語を使う気が起きない。

 

「と云うか私の話し聞いてた?」

 

「聞いてない 」

 

「はぁ、君が弱いから鍛えて上げるって云う話し 」

 

「断る。

貴様に教わる事は無い 」

 

誰が好き好んで此奴に教わるか。

 

「じゃあ勝負しましょう 」

 

「分かった 」

 

俺は、立ち上がると同時に上着を脱ぎ更識の視界を遮る様に投げる。

 

「なっ⁉︎ 」

 

更識が驚きながら、上着を弾く。

更識の頭部を狙い右腕で殴りかかるが容易に弾かれる。

だが、更識の意識は上に向いている。右足で大きく円を描くように足払いをし、更識の態勢を崩す。

だが、更識は崩れながら左手で体を一瞬支え、蹴りかかってくる。俺は、避けるが更識は態勢を整えてしまう。

これで良い。勝つ事が目的じゃ無い。更識に俺は、弱くないと理解させるのが目的だ。

 

「不意打ちとは卑怯じゃない 」

 

「卑怯?言ってくれるな。

更識は、真正面から戦う一族なのか?だとしたら笑い物だ 」

 

暗部が不意打ちをせずに戦うのは、馬鹿か余程の実力者だ。

此奴は、どう見ても後者じゃない。

 

「……いいわ。貴方が十分に強いのは認めてあげる 」

 

更識が非常に悔しいという顔をして言う。

 

「じゃあ俺は、帰らしてもらう 」

 

床に落ちている上着を拾い、生徒会室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

楯無SIDE

 

ドラクレア君が外に出るのを確認して、

 

「あーもう!悔しいわね 」

 

一夏君が居るが気にせずに吠える。

 

「お嬢様、落ち着いて下さい。

と云うか如何して彼をそこまで目の敵にしているのですか?」

 

虚ちゃんが今までの私の行動について聞いてくる。

理由?そんなの簡単よ。

 

「なんか気にくわないのよ 」

 

「気にくわないとは?」

 

「会った時から一度も私のペースに持っていけないのよ。

あー、何で彼はあんなに乗らないのよー 」

 

ペースに持っていこうとすればその前に阻止される。

喧嘩腰に黙らせようとすれば、こっちが黙らせられる。

 

「楯無さんとファウストが似てるからじゃないんですか?」

 

一夏君が驚きの一言を言う。

 

「似てる?私と彼が?」

 

「はい。何となくですけど、なんか似てるような気がするんです。

何故かは、よく分かりませんけど 」

 

似てる…あんな人を馬鹿にしてる様な人と私が?

 

「はぁ、まぁいいわ。一夏君行くわよ 」

 

「あ、はい 」

 

一夏君には悪いけどちょっとイライラをぶつけさせてもらうわ。

 

 

 




楯無さんが悔しそうです。
でも、安心して下さい。ファウストも仕返しされますよ!

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