と言っても本格的な戦闘は次回からです。
主人公SIDE
「……………生きてるか?」
「ああ。死ぬ程疲れているがね 」
キャノンボール・ファストまで、残り三日になり俺は所長の所に来ていた。
整備室には、完全に修理の終わったIS二機が待機していた。
「早いな 」
「君が言ったんだろう?終わらせろと。
だから此処まで、全力で修理を終わらせたのだがな 」
「非難の目を向けるな。
俺は、隣の水色のISは知らんぞ 」
俺とセシリアのISの隣に水色のISが待機していた。
まだ完成していない様だが、明らかに此奴が関わっているだろう。
「そこのISは更識簪代表候補生の専用機だ 」
「更識?それって「先生。頼まれていたデータを持ってきました 」……妹か 」
更識の妹かと聞こうとしたところに丁度誰かが入ってきた。
その容姿は、どう見ても更識の妹だった。
「てか、先生って、クククッ似合わねぇな 」
「うるさい。私だって好きで呼ばれている訳では無い 」
「………ファウスト・ドラクレア。如何して此処に?」
急に敵意丸出しだな。
と云うよりこれは、コミュ症か何かか。
「………何か失礼な事を言われた気がする 」
「気の所為だ。それよりなんで、此奴を先生なんて大層な呼び方をしているんだ?」
「おい 」
「………私のISの開発を手伝ってくれてるから 」
少し恥ずかしそうに目を逸らしながら答える。
…何をしたんだ此奴は。
「そんな目で私を見るな。私は唯、技術者として彼女の心意気が気に入っただけだ 」
「まぁ、そういう事にしておこう。
ブルーサーヴァントは受領しても構わないな?」
「ああ。ブルーティアーズは少々強化したいので預かっていていいか?」
ふむ、セシリアの得になる事なら別にいいか。
「ああ。頼む 」
「了解した。簪君、そのデータを見してくれ 」
「は、はい!」
どうやら作業を再開したようだな。
俺がここに居てもする事は無かったのでブルーサーヴァントを待機状態の腕輪に戻し整備室を後にした。
ーーーーーーーーーー
「何してんだ更識?」
整備室を出た後、近くの茂みに気配を感じたので声をかける。
「…………奇遇ねドラクレア君 」
「取り敢えず頭の上の葉っぱを取ってから、言い訳をするんだな 」
更識が慌てて葉っぱを取る。
こんな所で何をしてるんだ?
「…それじゃあまたね 」
「ちょっと待った。
俺と戦ってくれないか?」
体の調子も戻したいし、ブルーサーヴァントの機動性を確かめておきたい。
「構わないけど体は大丈夫なのかしら?」
「大丈夫で無ければ貴様に頼む訳ないだろう 」
「分かったわ。そろそろだと思ってアリーナの方も借りてあるしね 」
「準備万端と云う訳か。なら、とっとと移動するか 」
こんな所で時間を無駄にしていてもしょうがない。
俺は、移動し始めたのだが更識が動かない。
「如何した更識?」
「私が何をしていたか聞かないの?」
珍しく目を伏せながら聞いてくる。
此奴が素直に感情を見せるのは、初めてだな。
「お前が話さないのなら聞く気はない。
誰だって言いたくない事の一つや二つあるもの何だろう?」
隠していることを無理やる聞く趣味は無い。
俺だって隠している事はある。ならお互い様と云うやつだ。
「……ありがとう 」
「ん?なんか言ったか?」
「なんでも無いわ。それより早く行きましょう 」
更識が走っていく。
さっきまで止まっていたのはお前だろうが。
はぁ、とため息を吐きながらアリーナに向かった。
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『ん?戦うの?』
「今頃話しかけてきたと思ったらボケてるのか?」
アリーナに着き、着替えていたらブルーサーヴァントが急に話しかけてきた。
『ファウストじゃない奴がいたからずっと寝てた 』
寝てたってなんか気が抜けるセリフだな。
俺以外の奴が居ると黙ってるだけだと思ったら、寝てたのか此奴は。
ブルーサーヴァントの意外な行動に驚愕していたら、更識の準備が終わった様だ。
「早く行かないとドヤされるなこれは 」
急いで着替えてアリーナに出る。
更識はISの展開を終わらせて待っていた。
「それが、ミステリアス・レイディか」
ブルーサーヴァントを展開し話しかける。
かなり装甲が薄いが、水のヴェールによって守られている。
「現物を見るのは、初めてかしら?
準備も出来たようだし行くわよ?」
「ああ 」
更識が展開していたランスで、突撃してくる。
ハルパーで受け流そうと思い、展開したがその瞬間銃弾が飛んでくる。
急上昇し回避したが、銃弾を一体何処から撃ってきた?
そんな事を考えていたら、下から銃弾が飛んでくる。シールドビットで防ぎ更識の様子を確認したら、どうやらランスが銃を内蔵している様だ。
ハルパーを粒子化し、アサルトライフルを展開。
そのまま、上昇してくる更識を迎え撃つような形で下降する。
銃弾を防ぎつつ、更識との距離が近くなった瞬間アサルトライフルを発砲しながら地面へと着地。
更識も降りてくるが、ダメージはあまり無さそうだ。
「チッ、結構丈夫だなその水の装甲 」
「このISの最大の特徴を舐めないで欲しいわね 」
「じゃあコレならどうだ?」
アサルトライフルを更識の足下へ乱射しつつ接近する。
「足止めのつもり?」
後方へ動く事で回避される。
狙いはそのまま、左手にもう一丁のアサルトライフルを展開する。
瞬間加速で一気に近づき、両手のアサルトライフルを発砲し続ける。
回避しつつ反撃の銃弾が飛んで来るが多少の被弾なら気にせずに突撃し更識との距離がランスの射程に入った瞬間に急上昇。
ぐぅぅ、流石にGが強い。だが、更識の不意を突くことが出来た。
驚いた顔をしている更識に回し蹴りを喰らわす。
「やってくれたわね 」
「ふー、こんなもんでいいか。
模擬戦は終了だ。更識 」
「もう終わり?」
「俺は、あくまでブルーサーヴァントの試運転が目的だ。
お前を倒すつもりはないし、お互いに損傷する訳にはいかないだろう?」
後三日でイベントがあると云うのに、余計なダメージは負うべきでは無いだろう。
「あ、そう言えばそうだったわね 」
すっかり忘れていたと云う顔をする更識。
………しっかりしろよ生徒会長。
「じゃあな更識 」
「ええ 」
ブルーサーヴァントを待機状態に戻して、アリーナを後にした。
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キャノンボール・ファスト当日
「会場の様子は、このモニターで確認できるから動くなよ?」
「退屈ですけど、モニターで確認できるのはありがたいですわ 」
俺は、セシリアの病室に来ていた。
高速機動をする程回復しきっていないセシリアは、今回欠席となった。
「俺は、これで会場に向かうが何かあるか?」
更識の依頼で会場の警備をする事となった。
高速機動をしても問題ないのだが、亡国がどの様な動きをするか分からないため、俺もイベントには参加しない。
「では、キスをして下さい 」
セシリアが笑いながら言う。
「了解した 」
唇と唇が触れる程度のキスをする。
「それじゃあ行ってくる 」
「無事に戻って来て下さいね?」
「イエスマイロード 」
俺は、病室を出てアリーナに向かう。
「………セシリアを頼んだぞ 」
「任せてください。お嬢様は私が守ります 」
病室の前に待機していたチェルシーに声をかけて、今度こそアリーナに向かった。
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「凄い客だな 」
アリーナいっぱいに人がいる。
こんな所を襲撃されたら大混乱だな。
今は、二年生がデットヒートを繰り広げている。
会場を見渡し怪しい奴がいないか見張る。
今の俺の格好は、完全に警備員なのでサボって競技の様子を観ていたら、怒られてしまうからな。
そんな事をしていたら、織斑達の出番となった様だ。
何処と無く、緊張感がある。
「おいおい、其処まで周りを警戒していたら不自然だぞ?」
警戒したいのは、分かるが少しは競技にむけろよ。
「しょうが無いんじゃない?ファウストがやられて勝たないと言ったんだから 」
「シャルロット戻ってきてたのか。競技には参加しないのか?」
「今戻ってきたばっかだしね。《グリモア》は、後で部下が持ってくるよ 」
社長らしいセリフだな。
「お前がすぐ持ってくると思ったんだけどな 」
「最終調整が未だだからね。それより、二週目に入ったよ 」
シャルロットの言う通り、織斑達が二周目に入ろうとしていた。
『上から熱源反応 』
「……来たか 」
ブルーサーヴァントの忠告と俺が気付くのと同時に、アリーナに閃光と爆音が響いた。
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