蒼き雫に救われし者   作:マスターBT

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連続投稿ーー!

まぁ、相変わらずの文字数だけどね。


ダイヤ対鈴

学園SIDE

 

ファウストと楯無の戦闘が苛烈を極めていた時、同じく激しい戦闘が行われていた。

 

「墜ちて下さい 」

 

「そう簡単にやられるかっての!」

 

振り下ろされる拳を、双天牙月を交差する事でなんとか受け止める鈴。

しかし、彼女は二本の腕で受け止めている。

対して、ダイヤは余力を残している。ガラ空きの胴に蹴りを食らい吹き飛ぶ鈴。

 

「大丈夫!鈴 」

 

シャルロットが受け止めるが、勢いは衰えず壁に衝突する。

動きを止めてしまえば、スナイパーの餌食となる。

 

「ふふん。そのまま、大人しくしててね 」

 

ダイヤのはるか後方、一キロから狙撃するハート。

ここまでの距離が開いて仕舞えば、銃弾の威力は低くなってしまう。

しかし、彼女の専用機、『スナイパーショット 』は天災のお手製だ。

彼女の元々のテクニック、更に天災の作り上げファウストが加工した特殊な狙撃銃は威力を落とさずに対象を貫く事が、可能となっている。

 

「相変わらず、反動がエグいね 」

 

代償として凄まじい反動が返ってくる。

それでも、狙撃を可能としているハートの狙撃技術には舌を巻く。

 

「鈴!」

 

「分かってるわよ!」

 

双天牙月を盾の様に使い、銃弾を防ぐ。

 

「まだ、耐えますか 」

 

「五月蝿いわね!あんた達を野放しにすれば、一夏が危ない。

それだけで、私は戦えるのよ!」

 

ダイヤには、理解が出来なかった。

彼女が如何して諦めないのか、彼女のサポートに回っているシャルロットが全力で私を潰しにこないのか。

戦力差は分かりきっている。

自分に彼女の攻撃はカスってすらいない。

ハートの援護もあり、彼女のシールドエネルギーを大きく奪っている事も自覚している。

なのに、何故、諦めないのか?

そんな思考が頭を巡った。

 

「何を考えてるのよ!」

 

気がつくと目の前に、彼女が双天牙月を振りかぶっていた。

慌てて、両手をクロスして受け止める。

 

「あんた、本当に近接戦しか出来ないのね 」

 

「私は、其れしか出来ません。

貴女は、織斑一夏の為に戦うと言いましたね 」

 

ダイヤは、自分の中の熱の答えを彼女なら分かると思い質問する。

 

「ええ 」

 

「何故、彼の為に此処まで出来るのですか?」

 

「…好きだからよ 」

 

「はい?」

 

「好きだからよ!あいつが、一夏が誰よりも!」

 

顔を真っ赤にしながら、答える鈴。

援護に徹していたシャルロットも、ハートも固まっている。

まさか、友人の、命の取り合いをしている敵からそんな事が聞けるとは思ってもいなかったからだろう。

 

「そうですか 」

 

数回、瞬きをして鈴の言葉を噛み砕くダイヤ。

やがて、彼女の中で一つの結論が出る。

 

「なら、負けられません。私も大切な隊長が、大切な人と添い遂げる未来の為に貴女達に負けません!」

 

全身に力を込める。

そのまま、鈴を吹き飛ばす。

 

「そっちにも負けられない理由がある訳ね。

シャルロット、お願い。こいつとはサシでやらせて 」

 

「僕は構わないけど…… 」

 

シャルロットは、向こうがどう出るか分からないと思っている。

 

「ハート 」

 

『聞こえてたよ。援護は要らないんでしょ?』

 

「はい。お願いします 」

 

シャルロットは驚いた。

鈴の馬鹿みたいな願いを、相手も聞き届けたのだ。

少なくとも、この人達は僕の知っている裏組織と違うと思うシャルロット。

 

「あんた、いい奴ね 」

 

「そうですか?」

 

「そうよ。敵同士じゃ無かったら友達になりたいくらいに 」

 

「光栄です 」

 

互いに言葉を交わし、沈黙する。

 

「「ッッッ!」」

 

どちらと共なく動き出す。

ダイヤの振りかざす拳と、鈴の拳がぶつかる。

もはや、武器を用いた戦いですら無い。

互いの拳を相手に当て続けるだけ。

もっとも最新の兵器を用いて、もっとも原始的な争いで決着を付けようとする二人。

ダイヤの右ストレートを顔面に食らいながら、アッパーをダイヤの腹に打ち込む鈴。

それでも、怯まずに鈴の顎に掌打を打ち込むダイヤ。

常人なら気絶してもおかしくないのだが、お返しと言うように掌打を打ち込んでくる鈴。

 

「まだ……やられないわよ…… 」

 

「フラフラじゃ……ないですか……諦めたらどうですか…… 」

 

「それは……そっちにも言える事よ…… 」

 

互いにフラフラ。

もはや意識もはっきりとしていない状況で互いに歩く二人。

まだ、決着はついていないと。

そして、互いの距離がゼロになる。

 

「本当……敵で勿体無いわ… 」

 

「そのまま……お返しします… 」

 

「「…ふふっ、ははは… 」」

 

弱々しく笑う。

 

「「……終わり!(です!〕」」

 

同時に繰り出した拳が、互いの顔面に直撃する。

そして、同時に倒れる二人。

 

「もう……無理…… 」

 

「…同じく… 」

 

微動だにしない二人。

しかし、その顔は晴れ晴れしていた。

 

そんな時だった、学園中に爆発音が響いたのはーー

 

 




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