何故、ルールも理解せずに文句を言う奴がいるんだ?
私に負けたのだから、負け犬の遠吠えにしか聞こえないのに。
主人公SIDE
「ISを解除しろ。ファウスト・ドラクレア 」
「織斑先生?」
セシリアが困惑する。
それもそうだろう。
IS学園に戻った俺たちを待っていたのは、織斑千冬を中心に集まった教師たちだった。
全員がISを装備し、銃を向けている。
…………そういう事か。
「分かった。だが、セシリアは関係が無い。
手を出さないでくれ 」
「勿論だ 」
ブルーサーヴァントを解除する。
一瞬、体がフラつくが立ち続ける。
「山田先生は、オルコットを連れて行ってください 」
「は、はい。オルコットさん。ついてきてください 」
山田教諭がセシリアの前に来て手を握る。
セシリアが心配だと云う目で見てくる。
…安心しろ。俺がどうこうという話ではない。
セシリアが無言で頷き、山田教諭に着いて行く。
「さて、俺たちはどこに行けばいい?」
武装した教師達が現れ、織斑千冬と共に連れられる。
この間は無言だった。
辿り着いた場所は、かなり強固な扉がある部屋だった。
「入れ 」
扉が開かれ、織斑千冬に催促される。
部屋に入ると、ジョーカーにダイヤ、ハート更に更識がいた。
「座れ。詳しい話を聞く 」
席に座り、織斑千冬と向かい合う。
俺の後ろにはジョーカー達が立って待機している。
「本音を言ったらどうだ?
敵側にいた人間を素直にIS学園に入れる事は出来ないと。
スパイかもしれない人間を、信じる気はないと 」
「……そんな事を言うつもりは無い 」
「嘘だろ。織斑千冬、貴様の目を見れば分かる。
一夏を連れ去ったとはお前達だろ?って言いたいって目をしてるぞ 」
更識の目が座る。
余計な事は言うなって事か?
嫌だね。此奴は最初から俺たちを罪人としてしか見ていない。
「………… 」
凄い形相だな。
そんな顔をすれば、その通りですと言う様なものだぞ。
「そんなに一夏が救えなかったのが悔しいか?
それとも、護り切れなかった俺が憎いか? 」
「私の何が分かる!!」
席を立ち上がり、俺の首根っこを掴む。
後ろで殺気立つ連中を視線で抑え、織斑千冬と目を合わせる。
チラッと見えた更識は呆れている。
それなら、好きにやらせて貰う。
「知るか。だが、護りたい存在でありながら、貴様は何をした?
あの時、何をしていた?」
あの戦いの時、此奴は出てこなかった。
「システムが死んだんだ。その状況で何かが出来る訳ないだろう!」
「ISは動かせた筈だ。
システムは落とした。しかし、IS格納庫は生きていただろう 」
お前を策の一つに組み込んでいたんだ。
その、お前が何をしていた?
「……… 」
「貴様、お得意の相手の事を考えない信頼のせいだろ。
その無遠慮な信頼がこの事態を招いたんだ。
それが分からない貴様では無いだろう?」
世界最強が聞いて呆れるな。
所詮は競技場の最強か。
「そこまでよ。ドラクレア君 」
更識が俺と織斑千冬の間に入り込む。
「イライラしすぎよ。
気持ちは分からなくも無いけど、話し合いをしましょう 」
大人しく席に座る。
織斑千冬の目付きは変わらないが。
「なんの話をする気だ?」
「単刀直入に聞くわ。
貴方達は、私達の味方と云う解釈で良いのね?」
「ああ。
もし、信用出来ないと言うのならこれを見て貰いたい 」
ブルーサーヴァントの待機状態を操作し、空間モニターを起動させる。
「この赤い点がIS学園。
今、俺がいる場所だ 」
部屋の人間の視線が集中する。
「そして、この場所が俺たちが隠れ家として使用していた場所だ 」
マップに青い点が追加される。
「そして、これがスコールがいると思われる場所だ 」
更に青い点の周辺に黒い点が5個写る。
「何故、この場所に居ると判断したの?」
更識が画面を確認し、思案顔で質問してくる。
「あくまで、俺の想定でしかないが、スコールはそんな遠くの距離を移動出来るほどの状態じゃ無い 」
「何故?」
質問ばっかりだな。
ある程度の察しが付いているならそう言え。
俺を味方と云う立場に押し上げる為の三文芝居とはいえ、一々説明するのは面倒くさい。
「スコールは俺を一番、敵視している。
自惚れでは無いが、奴の計画を乱しまくっているからな。
…IS学園を半壊に追い込んだ攻撃があっただろう?」
「ええ。お陰で、今のIS学園は学校としての機能は死んでいるわ。
生徒は各々の自国に帰国して貰ってるもの 」
随分と、ヤバい状況だったのか。
「その時に、俺は海に放り出されていた。
俺を沈めるか、攻撃を行いブルーサーヴァントのシールドエネルギーをゼロにすれば俺は死ぬ状況だった。
だが、スコールはそれを行わなかった 」
「余裕がある状態じゃ無い?」
やっと答えやがったか。
「そうだ。
スコールは計画を狂わさせられるのを極端に嫌がる。
だと、云うのに俺を殺さなかった。
これを考えると、スコール自身もかなりのダメージを負っている 」
通信だけで俺とコンタクトを取ったのも怪しい。
更に言えば、準備と言い一週間の猶予を設定したのもだが。
「この場所の何処かに一夏君がいる可能性が大きい訳ね。
でも、どうやって調べるのかしら?」
「俺の部隊を使う。
それでも、一箇所足りないがな 」
俺の部隊全員に変装と潜入のテクニックは仕込んである。
だが、場所は全てで五箇所。
数が足りない。
「残りの一箇所は更識から出すわ 」
更識の部隊か。
「今は少しでも、人手が欲しい。
更識達は、一夏のために。
俺たちは、自由の為に 」
亡国機業が存在する限り、セシリアの平穏は確定されない。
俺が手を汚すぶんには構わないが、それが何時でも出来るとは言えないからな。
「交渉成立という訳ね 」
手を此方に向けてくる更識。
「そこの織斑千冬が、納得しているかは分からないけどな 」
更識の手を取り握手をする。
話は一応付いたな。
「ドラクレア 」
「なんだ?」
織斑千冬と向かい合う。
この目は……剣士の目だ。
「一本。頼めるか?」
「………分かった 」
この姉弟は、剣を交えないと自分の気持ちに整理が付かないのか?
前書きでは失礼いたしましたm(._.)m
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