蒼き雫に救われし者   作:マスターBT

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暑いですね〜。
夏休みに入りましたが、資格試験や、大会への参加。
忙しくて、忙しくて死にそうです!

「なら、なんで小説書いてるんだ?」

やだなーファウスト。
そんなの決まってるじゃないか。

「なんだ?」

現実逃避!

「はぁ、ちょっと来い… 」

首根っこ掴んでどこ連れて行くのさ!
……返事を返してーー

「この駄作者だが、完結まで頑張るらしいから応援してやってくれ 」

わ、ファウスト、優しいね。

「セシリアに言えと言われたからな 」

そんなんだと思ったよ!









決戦は近い

主人公SIDE

 

「更識 」

 

「……ええ。大丈夫よ 」

 

俺は今、生徒会室で更識と向かい合って座っている。

下を向き、何かを考えている更識。

原因はスコールの潜伏場所を捜索に出た部隊が戻って来た事だ。

戻って来たのは、俺の部隊のみ。

 

「一番、確率が低いと思った所に向かわせたんだが…… 」

 

スコールの考えをあと一歩読みきれなかった。

 

「良いわ。私も、考えきれなかったのだもの。

でも、此ればっかりは慣れないわね 」

 

更識が儚く笑う。

暗部の長だが、未だ高校生。

俺の様に、一人以外がどうなろうが知った事のない人間や、暗部に永くいた人間でもない限り慣れないだろう。

それだけ重いと云う事だ。人の命は。

 

「俺には、なんとも言えない。

生まれてこの方、そう云う感情を感じた事は無い 」

 

近くにあった紅茶のポットを取る。

簡略だが、取り敢えず場を持たせるぐらいなら良いだろう。

茶葉と湯を入れ少し待つ。

ポカーンとした顔をしている更識を放置して、コップを用意する。

ふむ。取り敢えずこれで良いだろう。

紅茶をコップに入れ、更識に渡す。

 

「偶には、暗部の更識では無く唯の更識として過ごしてみろ 」

 

「ドラクレア君…… 」

 

「辛気臭いのは、御免被るからな 」

 

それにと続けてニヤリと笑う。

 

「お前が、辛気臭いのは気色が悪い 」

 

「……心配してくれてると思った私が、馬鹿だったわ 」

 

紅茶を飲む手を止めて、青筋を立てる更識。

 

「誰が、お前の心配なんかするか。

そんな事をするぐらいなら、雑草でも抜いていた方が為になる 」

 

「根っからの執事根性が、ありまくりな事で。

それとも、下僕体質かしら?」

 

「黙れよシスコン 」

 

「何よ、犬執事 」

 

減らず口を叩きやがって。

なんでか、こいつの事は馬鹿にしないと会話が出来ない。

 

「はぁ、お嬢様もドラクレア君も其処までに。

何時も何時も、飽きましたこの光景 」

 

生徒会室に、大量の資料を抱えて現れた布仏先輩。

居ないと思ったら、生徒会の仕事でもしていたのか?

 

「しょうがないじゃない。

ドラクレア君が、会う度に悪口言ってくるんだから 」

 

「……はぁ、仲が良いのは分かりましたから、要件を済まして下さい 」

 

資料を俺たちの前に置き、更識の後ろに下がる布仏先輩。

 

「これは?」

 

資料を手に取り、目を通す。

 

「貴方が、送ってくれた情報と今回の潜入した時に得られた情報を纏めたものよ 」

 

オータムの情報もあるな。

実働部隊の数、戦力、防衛システム。

かなり色々な、情報だな。

 

「一夏奪還の作戦を考えろという事か?」

 

「説明する前から、その結論に至ってくれるのは有難いわね。

そうよ、一夏君を奪還する作戦を考えるわ。

貴方と、私でね 」

 

「……俺と更識?」

 

「ええそうよ。何か不満?」

 

扇子を広げて、『適材適所』と無駄に達筆な字を見せてくる。

裏組織に関わっている奴なんて、俺たちぐらいだろうけど、此奴と一緒に作戦を考えるのか。

 

「馬鹿な案だけは、出すなよ?」

 

「勿論よ、私を誰だと思ってるの?」

 

無言で立ち上がり、握手をする。

他の事に関しては、全く噛み合わないがこういう事に関しては噛み合う。

 

「一つ目は、これで終わりね 」

 

「なんだ、未だあったのか?」

 

資料を読み進めるが、特に変わった情報は無い。

 

「こちらをご覧ください 」

 

布仏先輩が、もう一枚資料を渡してくる。

 

「確か、Fと言ったかしら。

彼の、身体のことがわかったわ 」

 

「………薬で強化されてたのか 」

 

人為的に、身体のストッパーを破壊し人知を超えた力を与える。

奴の二重人格は、その過程で生まれたものだったのか。

 

「恐らくだけど、スコール・ミューゼルのアジトには、こう云う人達が沢山いるわ 」

 

「チビ達には、処理をさせない。

全て、俺か俺の部隊で処理をしよう 」

 

こうなってしまった人間は、もう二度と普通の生活を送れない。

仮に、助けたとしても投与された薬は一生身体を蝕む。

そして、いずれは死ぬ。

遅いか、早いかの差しか無い。

ならば、一思いに殺す。その方が、良いだろう。

 

「ええ。

代表候補生のみんなに、人を殺したなんて重みは与えたくはないわ 」

 

「……他人を思い遣るなら、押しつぶされるなよ 」

 

「え、何か言ったかしら?」

 

「さぁな。

俺は、これで失礼する 」

 

さて、セシリアの所に向かうか。

そんな事を考えながら、生徒会室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

楯無SIDE

 

「………なんで、彼の周りに人が集まるのかわかった気がするわ 」

 

他人を思い遣るなら、押しつぶされるなよ。

この言葉は、本当は聞こえていた。

だけど、聞こえないふりをした。

 

「聞こえてたってバレたら、彼はどんな反応をするかしら?」

 

まぁ、どうせ聞き間違いだとか、気のせいだとか言うのだろうけど。

 

「楽しそうですね。お嬢様 」

 

「え、そう?」

 

「はい。口元がだらし無く緩んでますよ?」

 

驚いて、口元を触る。

確かに、口角が上がってる。

 

「ドラクレア君の事気に入ったんですね 」

 

どこか、ニヤけた顔の虚ちゃん。

もしかして、私がドラクレア君の事好きになってると思ってるの⁉︎

 

「ちょっと、虚ちゃん⁉︎何か、勘違いしていない?」

 

「いえ、お嬢様が其処まで気に入った殿方は、見た事がありませんから 」

 

それでは、と笑顔を浮かべながら生徒会室を出た虚ちゃん。

生徒会室に、残された私。

 

「気に入ってる?彼を?」

 

そう言われて、ふと考える。

ドラクレア君と会話をすると、ムカつく事も有るけどそれ以上に楽しい事を。

いつの間にか、唯の女の子として口論をしていた事を。

そんな事を考えていたら、やたらと五月蝿い心臓の音に気がつく。

 

「もしかして、彼女がいる人を好きになっちゃった?」

 

あーー、私って結構馬鹿だったのね。

 

「でも、この気持ちは言えないわね。

ドラクレア君は、セシリアちゃん一筋だし 」

 

ふと、生徒会室の窓を見ると、あの二人がいた。

 

『息抜きは、出来たか?』

 

『ふふっ。相変わらず、優しいですね 』

 

仲良く手を繋ぎながら、中庭を散策している。

学園の大半は、復旧作業中だけど、中庭は無事であった為息抜き目的には丁度いい場所となっている。

 

『次の戦いには、参加するのか?』

 

『ええ。私も唯、待っているのは嫌ですから。

今度は、ファウストを支えてみせますわ 』

 

『そうか。なら、俺もお前を護らなければな 』

 

一度も、見たこと無い穏やかな表情。

 

「そんな、表情も出来るのね 」

 

分かってはいたけど、気持ちを認識した瞬間に失恋ってしんどいわね。

まぁ、仮にセシリアちゃんが居なくても、私では無理だったでしょうね。

 

「だって、どんなに考えても彼と言い合いをしている姿しか、想像出来ないもの 」

 

それはそれで良いかもと思ってしまう自分が笑えてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

主人公SIDE

 

「ん?視線…… 」

 

この方向は、生徒会室か。

更識が、如何して俺たちを監視してるんだ?

 

「どうかしましたか?」

 

「あ、いや何でも無い。

ブルーティアーズの調子は、如何だ?」

 

所長の調整だから、心配はしてはいないが、セシリア本人に聞いた方がいいだろう。

 

「問題ありませんわ。鈴さんに協力して貰い、模擬戦を行ったのですが前より調子が良いくらいです 」

 

ふふんっと誇らしげに、胸に手を当てるセシリア。

何だろう。この表情を見てると、無性に頭を撫でたくなる。

 

「へ?い、いきなりなんですの⁉︎ 」

 

「ん?あっ……、嫌だったか?」

 

訂正。

すでに、撫でてた。

右手が勝手に動き、セシリアの頭の上にあった。

 

「い、嫌ではありませんわ。

唐突なので、びっくりしただけです 」

 

頬を赤らめているセシリア。

右手を払いのけないと、いう事は言葉通り嫌ではないのだろう。

しばらく、頭を撫で続ける。

 

「もう一度、この場所に集まれますよね?」

 

「ああ。一夏を助けて、IS学園に戻ってこれるさ。

明後日で、一週間が終わる。

そうすれば、スコールから戦場の指定が来るだろう 」

 

指定された場所は、奴の本陣では無いだろう。

本陣を調べる為に、更識と俺の部隊を使った。

……もし、更識の部隊の様に死者が出るかもしれない。

少なくとも、薬を使った人間は死ぬ。

チビや、ラウラ、シャルロットが死ねばセシリアはどう思うだろうか?

 

「ファウスト。

怖い顔をしていますよ?」

 

セシリアに抱きしめられる。

 

「貴方は、無茶をし過ぎます。

偶には、私の事では無く、貴方がどうしいたいのかに従ってください 」

 

「セシリア…… 」

 

俺がしたい事。

何があっても、セシリアを悲しませない事。

傷つけさせない事。

そして、笑顔を曇らせない事。

 

「と言っても、貴方は結局私の事に行き着くのでしょ?

私は、もう弱いだけの女ではありませんわ。

貴方の隣に立って、一緒に前に歩く。

それくらいは、出来ると自負していますわよ? 」

 

ははっ、完敗だな。

頼もしくなった。

あの泣き虫のお嬢様が。

 

「……ああ。共に歩こうセシリア。

その過程の敵は、俺が全て討ち払う」

 

「ええ。

ですが、私もそのお手伝いぐらいはさせてくださいね 」

 

眩しい笑顔。

俺が、未だに直視出来ないもの。

この笑顔を曇らせる事だけはしない。

セシリアは、光の道を歩く。

俺は、彼女の横の影の道を歩く。

どんな時も側にいる影。

俺は、そんな所からセシリアを守り続ける。

 

 

 




……前書きでは三文芝居を失礼いたしました。
ふざけたかったんです。

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