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武蔵中央後艦・奥多摩にあるアリアダスト教導院の正面
トーリを中心とした梅組メンバーだ。いない人達もいる正純、ミリアム、東はいない、ネイトは酒井学長と行動を共にしているので欠席。
他の皆は階段に座りながらそれぞれリラックスしていた。階段の壁に寄り掛かりながら休んでいる直政、浅間に膝枕されながら寝ているノア、その浅間も幸せそうな笑みを浮かべてノアの頭を撫でていた。
「本日の話題は“葵君の告白を成功させるゾ会議”というこで。書記である僕ネシンバラの提供でお送り致します」
書記であるネシンバラが宙に表示した鳥居型の鍵盤を叩きながら言う。
トーリは周りを見渡して一息ついた後に傍らに座る忍者帽子の点蔵を見て言う。
「なぁテンゾー、告白ってどうやんの? オマエ、回数だけはこなしてるだろ?」
「い、今自分、色々と否定されたで御座るな!? そうで御座るな!?」
「いいから話してみ?」
急に立つなり慌てふためく点蔵を一言で落ち着かせて、点蔵が腕を組んで頷いていた。
「ぶっちゃけ、いきなりコクるのは賛同できんで御座るな。誰だって心の準備があり申すし――」
「点蔵、恋というのは急なモノなんですよ。私だって家の扉を開けて出てこうとしたら見知らぬ数人の女性に“服従します”なんて言われて膝を着いて待っていた時は驚いてしまったよ」
浅間の膝枕で休んでいたノアが膝枕をされながら言い出した。何を言い出したんだと驚愕の皆に対して何事も無かったことのように膝枕を堪能していた。
「ちょ!? ちょっとコクるよりか遥かに上をいっているで御座るが!?」
「こ、これは、エロゲの話なのか!?」
「いや、ノア殿ならありえる話だとこのネンジ思う!」
点蔵、ウルキアガ、ネンジの三人が言う。他の男性陣も驚いている様子だ。
「そういうえば機関部の女子が何人かそんな事を言っていた様な気がするさね」
「私もそういえば漫画部の女の子達が“黄金の王子様に仕えるメイド達”、“王子様の雌奴隷”とかいうネタを考えて、私に提出してきたわよ」
「ナイちゃんも運送業仲間の女の子達が片時も離さずにノーちゃんの写真を持っていたよ」
直政、ナルゼ、マルゴットの三人も言う。女性陣は聞き覚えがあったのか、あぁ~、という一言で頷いていた。
「うふ~、ノア、聞くのも野暮だけど、その子達はモチロン「愛した」素晴らしいわ」
「ちょっと喜美!? 嫉妬とかしないんですか?「あら、アンタ、ノアに抱かれてケーキより甘く甘えている分際でよく言うわね」なな、何を言っているんですか!? 否定はしませんが私がノア君の胸板に顔を埋めて抱きついたりしますが――」
喜美がノアの隣まで移動して浅間の膝の上で寝ているノアの頬を優しく撫でながら聞き、その行為を受けながらノアも答えた。
二人の会話を聞いていた浅間は顔を真っ赤にしながら喜美に言うが逆に言い返されていた。そして最後は妄想の世界に入り込んでしまい、両手を頬に当てて、イヤイヤしながら悶えていた。
「おいおい!? 俺のコクりの話からノアの武勇伝になっているぜ!」
トーリの話から逸れてしまったのでネシンバラが咳払いして一度、落ち着かせる。
「ん、んっ! ノア君が“フラグ乱立”スキルをカンストしているのは、今は置いておいて、葵君の告白を成功させるゾ会議に話を戻すよ」
「では、ここは一つ“手紙作戦”など如何で御座ろう?」
と、点蔵が懐から手帳とペンを取り出す。
「簡単で御座る。――前もって、伝えることを書いておいて、コクる代わりにそれを手紙にして手渡すで御座るよ」
うむ、と点蔵は頷く。
「フフフ愚弟、だったらアンタの心の中にある彼女いいところを書いてみなさい」
ん~、と悩みながら手帳に書いていくトーリ。
・顔がかなり好みで上手く言葉に出来ない
・しゃがむとエプロン裾からインナーがパンツみたいに覗けて上手く言葉に出来ない
・ウエストから尻のあたりのラインが抜群で上手く言葉に出来ない
「――ず、随分と具体的で御座るな!」
「待て待て、……お主、おっぱい県民なのに相手の胸に対する言及が無いだろう」
点蔵の後にウルキアガの言葉に、皆、はっとしてトーリを見る。
周囲の下校中の生徒達も、今の言葉に対して身の動きを止めていた。ヒソヒソと声が聞こえ「オッパイソムリエの総長が……」「毎日連呼してるのに好きな女にはヘタレ……?」などなど色々言われて、注目を浴びているトーリ。
「――オッパイは、揉んでみないと、解らない」
「無差別に上の句を読むなよ!!」
皆のツッコミに、眉をひそめたトーリ。
「フフフ、つまり、――オパーイに対してはいい加減は出来ないのね?」
喜美は、トーリの背中から抱きついて握り拳を掲げて、トーリも、あぁ、と答えた。
「俺、こう見えても真面目だから! 適当なことは言わないぜ!」
「正直者で良いことだ」
姉と弟は二人揃って握り拳を掲げていた。その光景をノアは慈愛の表情で見ていたが、内容が内容だけに他の皆は、おい、とツッコミを入れていた。
「ここは一つ試すのはどうかしら?」
「試す? 何をですか?」
喜美が言ったことにアデーレが聞いた。他の皆も分かっていないでいる。
「――
喜美の言葉と同時に、橋の上及び下の校庭において、半径三十メートルのいる人々が退避した。男女共に走って行く者や小走りで去って行く。
「姉ちゃんすげぇな、頭いいけど馬鹿じゃねぇの!?」
「あはは、それはいいや、やってみたら?」
「姉ちゃんに便乗して、ノアも言いやがったし!?」
トーリはツッコミをするがノアも喜美側に悪乗りする。
盛り上がっている最中だが、声を掛けてくる人物がいた。
「――こんなとこに座り込んで何をしてるんですの?」
声が聞こえた方を振り向くと、校舎の入り口から二つの影がやってくる。
「酒井学長……」
皆の呼ぶ声に、よう、と手を挙げる。そしてもう一人、酒井の横を歩いているのは、銀色の大振りな前髪と、黄色の鋭い瞳を持つ娘。後ろ髪は円を巻いた大きな束になっている。
「ミトツダイラ。酒井学長と三河に降りるの?」
その問いかけに彼女は首を小さく横に振り。
「私じゃありませんわ。酒井学長と主様です。私は三河に降りる際に必要な証書を作っていましたの」
そういうことだね、と酒井が言う。
「お~いノア、もう時間だぞ」
「もうそんな時間ですか……ありがとう智」
酒井の言葉に膝枕されていたノアは起き上がって、浅間の頭を撫でてお礼を言う。こちらこそ、と浅間が返答していた。
「ノア、三河の流通を見てきてくれないか」
「Jud.そういえば今年の三河は物資の購入が全く無いようだね、売りに徹しているみたいだし」
シロジロの言葉にノアは宙に鳥居型の表示枠を出して、シロジロの方へ飛ばした。その表示の中には三河からの物資の情報がグラフで表示されていた。
「こんな詳細な情報を何処から拾ってきた!?」
「武蔵さんから色々と聞いたんだよ。それをグラフに纏めただけだよ、欲しいならあげる」
ノアに近付いて肩を押さえて揺らすシロジロを軽くあしらうように回避するノア。
「――で、風の噂で聞いたんだが、トーリ、お前さんが告白するとか何とか。……そんな危険の及ぶ相手ってのは――」
「ホライゾンだよ」
言った台詞に、皆が沈黙し、酒井はわずかに空を見た。
「……あれ、お前さんはやっぱ、そう思うのか?」
あぁ、とトーリが言う。
「何も出来ねぇ俺だけど、一緒に居てくれねぇかなぁ、って」
そうか、と酒井と言った。空に、煙草を吐くように、そうか、とまた言う。
「トーリが決心したのですから、私達は見守りましょうよ。酒井学長」
「そうだな、まぁ、頑張れ。俺はこれから三河だから。行くぞノア」
トーリの横を通り過ぎる酒井はノアの肩を軽く叩いて階段を下りていく。
「Jud.トーリ、正純と合流するから夜八時に幽霊探しって言っておくよ」
「サンキュー!」
酒井に続くように着いていくノアは一度、振り返ってトーリに言う。
「それとミト、ちょっとこっちに来て」
「私ですか?」
手招きしてミトツダイラを目の前まで呼ぶノア。
「トーリが抱えている問題を解決できるのは君しかいないんだ。だから協力してくれないか?」
「あ、主様が言うならこのネイト・ミトツダイラ、何だっていたしますわ(あぁ~、吐息が当たっていますわ~)」
ミトツダイラの両肩を押さえて真剣な表情で言うノアにミトツダイラは、頬を赤く染めて答える。
「じゃあ今はこれで許してね、ご褒美だよ」
「へっ?」
ミトツダイラが反応するより早くノアは、ミトツダイラの唇を奪っていた。
「んぅ? あ、あるじさ……むぐっ!」
「ん、ちゅぅ、んむ、んぐぅ……」
ノアはミトツダイラの顎を持ち上げてキスをした。突然の口付けに、驚くミトツダイラだったが、すぐに受け入れてしまい、求めてしまっていた。無駄に静かになっているこの場には二人のキス音が響く。
周りの皆は、顔を真っ赤にしている者、自分の手で目を隠しているが指の間から見ている者、煙管落とす者、頬に手を当ててうっとりしている者、逆の方向を見てるフリをしてチラチラとキス現場を見る者など他多数。
「――じゃあ行くね、後の事はヨロシクね」
キスが終わり、手を振りながら酒井学長の後を付いて行くノアに対して唖然とする一同。キスをされたミトツダイラは唇を手で触りながら、先程のことを思い出しているのか、うっとりしている。
「おいおい、ノアの奴、見せつけて行きやがったぞ!」
「エロゲの再現で御座るな」
「あの流れからするに、次はベットシーンだったな」
トーリ、点蔵、ウルキアガの三人が言う。
「昼間から盛んね、私ならあのまま押し倒してるわ」
「ノアにしては序の口ね」
「ノーちゃん大胆だな~」
「ナルゼにマルゴットも喜美の発言にツッコミを入れてくださいよ! というか皆、不潔です!「お前が言うな!!」えっ!?」
喜美、ナルゼ、マルゴット、浅間の四人が言う。
「あがが、ノアさんは相変らず何を考えているのか解りません」
「い、い、イヤらしかった、です」
「はぁ~、たく、何をやってるさねノア」
アデーレ、鈴、直政の三人も言う。
そんな中でトーリはミトツダイラの前に移動する。
「うっし、――じゃネイト、一丁やろうか?」
その問いかけに、まずは自分の息を整え、心の中を整理するミトツダイラ。
「我が主の為に、この私が何でもいたしますわ!」
「じゃ、遠慮無く」
言葉と共に、ミトツダイラは胸に感触を得た。
――え?
・
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・
酒井学長の横を歩くノア。
「ずいぶんと見せつけてくれちゃって」
「いえ、それほどでもありません」
「いやいや、褒めてないからな!?」
酒井とノアは話をしながら歩いて行く。
歩いて行く内に教導院の方から物凄い音が聞こえた。馬鹿ぁーー、と叫ぶ声と共に、何かが壊れる音が聞こえ、ノアは笑い、酒井は溜め息をついて歩いていた。
次の更新も遅くなります。
リアルが急がしすぎてバテた~~
ご意見などがありましたら、たくさんください!
色々参考にしたいのでお願いします!