ゴルゴナの大冒険 作:ビール中毒プリン体ン
私の趣味全開です。
ギレンの野望やりたくなってきた。
ゴルゴナはバランと人類の関係を拗れさせる小細工も既に弄している。
アルキードとテランを滅ぼしたのは、
アルキードの姫を奪って逃走した非人間の男が深く関わっている…という噂を流しているのだ。
ゴルゴナを見た人間が生きているとしても、
人という生き物は真実よりも都合の良い与太話を信じるものだ。
得体のしれない恐怖に対しては、安心できる事実を早々に求める。
だから冥王がそれを与えやるのだ。
ほんの少し…妖術によって邪心を後押ししてやるだけで、後は勝手に転がっていくのが人間だ。
バランという危険な力を持った男が彷徨いているのは真実で、
そういう噂があれば…国が何らかのアクションをしてくれる確率は高い。
まぁ、あまり宛にはしていないのだが、少しでも人類とバランの関係が悪化し、
少しでもバランの動きを妨げてくれればそれで良いのである。
今は、冥王は鬼岩城の製作総指揮をとるので忙しいのだ。
当初の仕様とは大分変わってきているので、
外見以外はバーンが想定していたものとは全く別物であるといえる。
その外見も、造形は変わらぬが色味はやはりバーンの思うものとは異なる結果になるだろう。
仔細はこれからキアーラ達と詰めていくことになるが、
大まかな変更点は下記の通り。
城本体の外壁を3mmのオリハルコン板で覆う総鉄板張り。
『玉座の間』入り口・顔面口腔部に
収納型『いかづち』砲台設置。(ムーの飛空艇の大魔砲と同型)
胸部・背部の大筒92門の電磁投射砲化による射程と威力の増大。
(ボリクスの細胞を使い電撃呪文供給生物を創造・設置し電力の確保。
また、その為には腐敗しているボリクスの完全蘇生を
バーン様の超魔力により実行していただく必要がある)
また、暗黒闘気圧式機銃を開発し、185門を大筒と大筒の間に新たに設置。
『
呪文契約は副次的なものとして、主に上記の電力発生生物の間に変更。
両肘・腰部の魔法動力球(エンジン)の補助をさせ、
”心臓”の文字通り巨大人型兵器時の出力増加を図る。
『
”よろい系”モンスターだけでなく、
死体保管庫と邪悪の六芒陣の設置によりアンデッド軍団の無限生産も同時に目指す。
『
アンデッド無限生産の為の死体、及びよろい系モンスター生産の為の金属を
戦場から回収することを主任務とする飛行型アンデッドの発着場、及び待機所を設置。
6枚の連装式カタパルトを取り付け飛行型アンデッドの同時展開数を可能な限り増加させる。
常備アンデッド数は108を予定。
『
作戦会議等のための円卓の間。
その上部に飛行型アンデッドの待機所と4枚の連装式カタパルトを設置。
常備アンデッド数は72を予定。
『中央の間』の機能増設……
正門広場床部にトベルーラ付与魔法陣設置。(平時は機能OFF)
歩行型モンスターに短時間ながら飛行能力を与え、
地上への安全かつ円滑な歩兵隊の展開を可能とする。
これらの仕様変更と強化を行い、複雑化するであろう機構の制御の為…
玉座の間上部・脳にあたる場にキング・マキシマムを設置し生きた演算処理機とする。
……予定である。
全てが可能かどうかは時間と資材と相談することになるだろう。
とりあえずは、死の大地に建造中のオリハルコン精錬場…
人造湖の建造を急がねばならない。
大魔王バーンのGOサインは出ているので、
後はマキシマムを”説得”でき次第、装甲板の製造にはいる手はずとなっている。
勿論、オリハルコンの切り出しには細心の注意を払うので
マキシマムのコアを傷つけてうっかり殺す…などという事故はありえない。
マキシマムは材料としては貴重なのだから。
それに、鬼岩城の頭脳として組み込むとはいっても分離合体ができるように配慮し、
いざという時はマキシマムを緊急排出し脱出できるようにもする。
なにせ彼は材料としては貴重なのだから。
「ふざっけるなぁぁぁぁ~~~~!!!」
叫ぶリビングピース。
ここは魔界の第7宮。
金属生命体のマキシマムが首尾よくザボエラを連れてきたというので、
ゴルゴナがリリルーラで魔界に一時帰還している。
「……会うのは初めてだな…”生きた駒”のマキシマム。
我が名は冥王ゴルゴナ…………以後、お見知りおきを…ぐぶぶぶ」
「おお、これはご丁寧に……。 我輩がかの有名なキング・マキシマムである。
何を隠そうバーンパレス最大最強の守護者とはこの我輩のことで―――
―――って違ぁぁ~~~~う!!」
そして大広間で2人は初めての接触。
存在は知っていたもののお互い顔を合わすのは初めてであった。
「して………おまえの後ろにいる老爺がザボエラか」
「人の話を聞けい! 我輩のほうが先輩なのだぞ!?
挨拶にすら来ない新参者めが!
それに聞いたぞ!!
第7宮でおまえを待つ間にバーン様からお達しがあったが、あれはどういうことだ!!
我輩の至高の手足をもぐという恐ろしい発想がいったいどこから生まれるのだ!」
小柄な冥王にぐいぐい詰め寄る大柄オリハルコン。
「おまえの切り出しには
極限まで圧縮された暗黒闘気による刃で慎重に行う予定になっている。
ミストバーンも立ち会う……………。
勢い余っておまえのコアを切ることはないから安心するがいい…………ぐぶぶぶ」
くだらぬことを気にする、と言外に嘲っている冥王である。
「安心できんわ! おっっそろしいわ!!
ノコ引いて我輩の体をゴリゴリ削り切るのか!?
ナチュラルに切り出しとか言うおまえの精神構造はどうなっている!
我輩は生きているんだぞ!?」
「なればこそ回復呪文で復元する。 良かったではないか」
「暗黒闘気によるダメージは回復が鈍るって有名ではないか!」
「鈍るだけで死にはせん…………おまえはメタルスライム系と似た種族だ。
手足を切り取られて長時間放置しても、流血による失血死の心配もなければ……
傷口が腐敗することもない…………あくまでオリハルコンだからだ………。
なにも問題はあるまい?」
「問題だらけだ! むしろ問題しかない!!
なんて大それた奴だ!
バーン様に直訴して撤回していただく!」
「………その大魔王様から、許可を頂いている………。
貴様へきた”お達し”も、我に協力するように……という内容であったはずだが……?」
「き、き、き…貴様ァ~~~~!
ぐ…ぬ、ぬぅ! た、頼む…お願いだ、やめてくれ!」
「ぐぶぶぶぶぶぶぶ……………それが物を頼む態度か?」
表情など読み取れないはずの大蜘蛛の八つ目が、
サディスティックに笑っているようだった。
歯軋りするマキシマムは体全体をわなわなと震わせている。
「お、おのれ~~………!
お…お願い…します! やめてください!」
頭を下げるオリハルコン。
「ぐぶぶぶぶぶ………………ダメだ」
あっさりと跳ね除けた。
「お、おおおお! なんて外道だ!! やってられん!
我輩は逃げる!!!
さらばだ!! デュワ!!!」
お辞儀の姿勢から一転して、
後退り…第7宮の庭園へ諸手を上げて颯爽と飛んで逃げようとしたオリハルコンを、
「………キアーラ」
「はいは~い」
物陰から突如現れた1人の美少女が投げた超粘着の網が捕らえる。
「ぬ、ぬわぁぁぁ!? なんだこれは! だ、だがこの程度で我輩が止められると思うな!
そんな非力な女1人のパワー! 引きずって逃げてくれるわ!!」
絡まる粘着糸にめげず、力づくで逃げようと試みたが
「あたしの改造まだらくも糸からは逃れられませんよ~~~。 えい」
にこやか笑顔でおっとり告げ、何やら手元の機械をいじると…
「うぎょええええええええ!!!??
あがががががががが!!! うごごごげげげげ!!
おごごごごごごごごご!!!???」
恐ろしい電圧が動くオリハルコンに襲いかかった。
「ぐぶぶぶぶぶ………魔力による電撃ではない。
純粋な機械の力による高電圧だ。 少しは効くだろう?」
痙攣しまくるマキシマム。
を青ざめた表情でザボエラとザムザは眺めていた。
たっぷり10分ほど機械の限界まで電圧が流され続けたマキシマムは、
キアーラがスイッチを切るとズズゥンと糸が切れた人形のように倒れこみ……
ピクリともしなかった。
「よし…………キアーラよ………切り出し場へ運んでおくのだ」
「おまかせください。 みなさーん」
キアーラが指を鳴らすとわらわら奥から走り出てくる悪魔神官達。
巨体なマキシマムをずりずりと大人数で引きずっていくのだった。
倒れるオリハルコンへ向けられていた冥王の瞳がザボエラ達へ向けられ、
「さて………つまらぬものを見せてしまったな……。
よくぞきた……賢者ザボエラ………一子ザムザ。
魔王軍へようこそ…………ぐぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ」
黒衣の冥王が、恐ろしげな唸り笑いを広間に響かせる。
(か、帰りたい…!!!)
ザボエラ親子の心底の思いだった。
無茶だ無理だ!という意見もありましょうが、
こまけぇこたぁいいんだよ!
むしろもっと魔改造のアイデアください^p^