前回から結構な時間が空いてしまい申し訳ないです。
いやーなかなか筆が進みませんでした。萌え尽き症候群というやつですかね?
まあ、無事年内に完結出来たので良かったです。
それでは今回の話が最終話になります。長いようで短い間でしたがありがとうございました。
「なあ」
「……なんだい?」
「こたつはいいものだろう?」
「…………うん」
「響だよ。その活躍ぶりから不死鳥の通り名もあるよ」
「響か、この鎮守府を任された提督だ。まあ、立ち話もなんだしこたつにでも入ろう」
「どうして他には何もないのに、こんな立派なこたつだけあるんだい?」
「この部屋に来た時はダンボールしかなくてな、腹が立ったので家からこたつを持って来た」
「そう。司令官は変わってるね」
「いや、そんなことはないだろう」
「普通の人はこんなことをしないと思う」
「まあ、そんな話は置いておくとして……響、君を歓迎しよう」
「ありがとう。ところで話を逸らそうとしてないかい?」
「そんなことはない」
「……そう。それで私は何をすればいいかな?」
「ふむ、今のところは何もない」
「どういうことだい?」
「丁度いい。確認の意味も込めてこの鎮守府の現状を話そう」
「うん」
「大前提としてこの島周辺には深海棲艦がほぼ居ない」
「えっ?」
「理由がわかっていないが、この島周辺の海では奴らの姿は確認されていない。まあ、万が一の事を考え妖精さんに見張ってもらってはいるが」
「そう」
「この島は本土と繋がる航路にいくつもある補給所の一つだ。深海棲艦は少ないが保険の意味も兼ねて鎮守府が置かれている」
「うん」
「これが今の鎮守府の現状だ。深海棲艦の姿が報告されていない間は君に頼む仕事はほぼない」
「司令官が書いている書類はなんだい?」
「まあ、この鎮守府も最近建てられたものでな、今やっている書類は周辺諸島や本土との連絡事項などをまとめているんだ」
「そう。なら何か手伝えることはないかい?」
「何故そこまで働きたがるのかはわからんが、そうだな喉が渇いたからお茶を淹れてくれないか?」
「わかった」
「もうすぐ書類も書き終わる。そうしたらこの鎮守府を案内しよう」
「うん」
「実はまだ建造も開発もやってなくてな。この後一緒に新しい艦を作ってみよう」
「それは…楽しみだね」
「ああ、そうだな」
「…………っていう夢を見たんだ」
「一番最初に響と会ったときだな」
「そうだよ」
「懐かしいな」
「そういえば初めて会ったときから気になっていたんだけど」
「何がだ?」
「司令官はどうしてこの島の提督になったんだい?」
「ああ、あれは確か……上司を怒らせたからだったかな」
「そうなのかい?」
「そうだ。いや、提督になりたてのときにな、会議があったんだが」
「うん」
「そのときにだな、えー、まあ、会議室にこたつがないことに対してぼやいていたらだな」
「…………」
「そこを通りかかったお偉いさんに怒られて、この島に飛ばされたんだ」
「司令官は馬鹿だね」
「言うな」
「司令官は……不満はないのかい?こんな島に閉じ込められて」
「飛ばされた当初こそ多少思う所があったが、まあ、こたつはあるし何より響がいるからなぁ」
「……ふふっ、やっぱり司令官は変わってるね」
「そうか?」
「そうだよ」
「…………もうすぐだな」
「そうだね」
「いつだってこの時間は慣れないな」
「その割にはこたつに入ってリラックスしているように見えるよ」
「こたつの温もりは緊張をじんわりと解してくれるんだ」
「……私と初めて会ったときもこたつに入っていたね」
「実はそのときも緊張していた」
「全然そんな風には見えなかったよ」
「ポーカーフェイスは得意だからな」
「そうかな?」
「うん?」
「今なら司令官がどんな事を考えているか大体わかる」
「ほう?それなら今は何を考えているか当ててくれ」
「司令官は変わってるよ。普通の人は初めて会った艦娘をこたつにさそったりしない」
「さて、そろそろ建造終了かな?」
「ほら、図星だったね」
「まあ、そんなことはいいじゃないか」
「今回は二十分だったね」
「ああ、種類は駆逐艦だろう」
「楽しみだね」
「ああ」
「仲良くできるといいな」
「こたつがあるから大丈夫だろ」
「そうかもしれないね」
до свидания