こたつでみかん   作:link

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提督:この鎮守府には提督専用の独房がある。その中にもこたつはあるが、熱が弱くその上布団が小さくなっており、どうしても隙間ができるといったように提督相手にとことん効果的な作りになっている。

響:秘書艦。既にВерныйに改造済みだがみんなからは響の名で呼ばれてる。執務室の模様替えは全て響の手によって行われている。だいたいは季節に沿って整えられるがどんな時でもこたつは出しっぱなし。

雪風:言わずと知れた幸運艦。じゃんけん、くじ引き、あみだくじ、福引、ビンゴ。その全てに勝ち抜き景品を掻っ攫う白い悪魔。最近では運の要素がほぼ無い対戦ゲームで対応しているが、それでも雪風の歩みは止まらない。

憲兵さん:提督が艦娘の洗脳により頭のネジが外れた時、どこからともなく現れ作業場(牢屋)でネジを締め直すのが主な仕事。この鎮守府で一番やり甲斐のある仕事が逃げ出した提督の捕獲だという事実にかなり落ち込んでいた時期がある。


幸運艦の舌ったらずな呼び声に耳が蕩けそうな七話

「なあ」

 

「なんだい、司令官」

 

「こたつはいいなぁ」

 

「そうだね」

 

 

 

「響、頼みがある」

 

「なんだい?」

 

「しれぇって呼んでみて欲しい」

 

「…………どうしてだい?」

 

「いいから」

 

「…………しれぇ」

 

「おおう、なんだか新鮮だな」

 

「これは、少し恥ずかしいな…」

 

「これは、少しこそばゆいな…」

 

「憲兵さんを呼んでこよう」

 

「悪かった、悪かった」

 

「ふう、それで?いきなりなんだったんだい司令官」

 

「いや、昨日のことなんだがたまたま廊下を歩いていたんだ」

 

「ふむ、それは珍しいね」

 

「そろそろこの鎮守府の提督に対する認識を改めないか?」

 

「間違ってはいないさ」

 

「いやいやいや、いつもこたつに入ってるかもしれないが動くときは動くぞ?」

 

「動かないときは動かないけどね」

 

「それでも廊下を歩いていただけでその反応はおかしいと思うんだが」

 

「それじゃあ司令官。一昨日は何回外を歩いたんだい?」

 

「えーっと…………三回、かな?」

 

「朝鎮守府に来たときとお昼のご飯のとき、それに夜帰るときの三回だ」

 

「……仰る通りでございます」

 

「司令官が歩くなんて珍しいね」

 

「はい、自分でも珍しく昼前に廊下を歩きました」

 

「もう、元に戻ってもいいよ」

 

「それで廊下を歩いていたら後ろから雪風の声が聞こえたんだ」

 

「それで?」

 

「しれぇ、しれぇ珍しいですねこんなところで会うなんてとか」

 

「ふむ」

 

「しれぇ、しれぇこたつには一時間以内に戻らないとダメですよとか」

 

「司令官。残念だけど司令官に対するみんなの認識はもう戻らないと思った方がいい」

 

「やっぱり?……まあ、それは置いておこうか」

 

「そうだね」

 

「それで雪風がずっと後ろに付いてきながら舌足らずな喋り方でしれぇって呼ぶんだ」

 

「うん」

 

「聞いている内にだな、その……しれぇと呼ばれることにはまってしまってだな」

 

「ふむ」

 

「もうここの艦娘全員にしれぇ呼びを定着させようと思っているんだが、どうだ?」

 

「いつから司令官は変態になったんだい?」

 

「し、失礼な。これは何もやましい気持ちで言っているのではない。言うなれば……そう、父性だ」

 

「本当かい?」

 

「勿論だとも」

 

「憲兵さんを呼んでも胸を張って主張できるかい?」

 

「当然だとも」

 

「知ってるかい、司令官。司令官は嘘を吐くときに耳たぶを触りながら喋るんだ」

 

「えっ、嘘だろ?」

 

「本当だよ。さっきからずっと耳たぶを触っているじゃないか」

 

「……いつの間にこんな癖が付いていたんだ」

 

「司令官はやましい気持ちで言っていたんだね」

 

「違うんだ。やましい気持ちでは言っていない」

 

「……嘘は言っていないみたいだね」

 

「あれ?すんなり納得してくれるんだな」

 

「司令官が嘘を言ってないからさ」

 

「なんで嘘を言ってないとわかるんだ?」

 

「司令官はわかりやすいからね。見分ける方法はいくつもあるんだよ」

 

「これからはなるべく正直に生きていこうか」

 

「大丈夫だよ司令官。私は締め付けたりしない」

 

「そうか」

 

「そうだよ」

 

「…………」

 

「…………」

 

「…………よし」

 

「それで?司令官。やましい気持ちじゃなかったらどんな気持ちで言ったんだい?」

 

「誤魔化せなかったか」

 

「まだまだ甘いね司令官。それじゃあ正直に言ってもらうよ」

 

「仕方ない。しれぇと呼ばれると何か甘えられてるような気がして嬉しかった。以上」

 

「ふむ。司令官は甘えられると嬉しいのかい?」

 

「うーむ。何というか何時もは艦娘たちに頼ってばかりだからな。たまには何かをしてあげたいじゃないか」

 

「さっきのは照れ隠しだと」

 

「言うな」

 

「それじゃあ司令官。司令官だけが恥ずかしいのは不公平だから私も甘えてみよう」

 

「そうか、何でも言ってくれ」

 

「ふむ、それなら一緒にこたつに入ろう」

 

「今も入っているじゃないか?」

 

「……司令官。胡座をかいて欲しい」

 

「ふむ。これでいいか?」

 

「失礼…………重くないかい?」

 

「いや、全然」

 

「そうか、よかった」

 

「響はあったかいな」

 

「司令官はあついね」

 

「そうかな?」

 

「そうだよ」

 

「…………」

 

「…………」

 

「響、時報を頼む」

 

「早いね、もうそんな時間だ。ヒトロクマルマル。もうそろそろ全艦隊が戻ってくるよ」

 

「そうか、じゃあ迎えに行こうか」

 

「頭をなでないで欲しい。流石にこれは、恥ずかしい」

 

「響はこたつに一緒に入るのが好きなんだな」

 

「…………」

 

「これからも時々一緒に入ろうか」

 

「…………そうだね」




休日より平日の方が執筆が捗る。私の生活にどこまで食い込む気だ艦これめぇ、秋刀魚を集め終えたと思ったら次はイベントの為に全艦隊のレベリングと資材にバケツ集めだと?……ふふふ、遠征に合わせた睡眠時間の生活が始まりますね




あーあ、響の尻に敷かれたい
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