ソフィー・ポッターとハリー・ポッター   作:雪の結晶

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賢者の石
OPENING


ソフィーナ・ポッター――わたしは、目を覚ました。

 

ただいまの時刻は、三時三十分。

異常なし。

わたしは物置のベッドから這い出て、いとこのダドリー様のおさがりである『ものすごくふかふかクッション』の上で着替えた。

スニーカーとレギンスに、スポーツ用の短めのスカート。上は、ペチュニア叔母様の余り布で作った白い長袖Tシャツに半袖のパーカー。冬は、プラスでロングコートとブーツか、ジャンパーだ。

ただいまの時刻は、三時三十二分。

よし、順調だ。

 

わたしは服装を確認すると、居候の部屋が見えないようにとかかっているのれんをどけ、物置の扉を開ける。

そのまま、ご家族を起こさないように、忍び足でキッチンに向かう。

 

掃除用エプロンを身に付け、はたきでほこりを追い出す。もちろん、拭き掃除と掃き掃除も忘れない。

冷蔵庫の中までチェックし、リビングルームの掃除をしたあと、庭に出た。

 

何度も壊れ、その度に自分の手で直してきた愛用の箒で庭の落ち葉を掃く。

集まった落ち葉は、土の栄養になるように裏庭の片隅に埋めた。

芝生の向きも念入りに整え、生け垣も完璧にすると、玄関に戻った。

 

外で履く用に買っていただいたランニングシューズを脱ぎ、いつものスニーカーに戻る。

 

シャワールームで体を綺麗にし、シャワールームの水滴も拭き取ったあと、白いブラウスに黒いスカート、黒ストッキングという格好に着替える。

 

昨日の夜、ダドリー様は部屋でお楽しみをなさっていたから、掃除したほうがいいかな。

そう考え、自室(物置)に戻ると、『ものすごくふかふかクッション』に座り、ダドリー様の部屋を思い浮かべる。

あっ、出てきた。

ダドリー様の漫画を整え、ほこりも消す。染みはないし……あ、あとにおいも浄化しなきゃ。

 

そういえば……。

わたしは、“魔法”を使うことができる。

なぜって?それは、知らない。

ただ、ペチュニア叔母様は、バーノン叔父様とダドリー様が快適かつ幸せに暮らせるように出来るならば、見つからないように“魔法”を使ってもいいとおっしゃった。

ペチュニア叔母様は、とても寛大だ。

“まともじゃない”と思いながらも、ご家族のために“魔法”を許可してくださる。

だからわたしは、わたしを引き取ってくださったダーズリー一家のために、“まともじゃない”ことをする。

だからわたしは、今頭の中だけでダドリー様のお部屋を掃除してる。

 

ただいまの時刻、四時。

ペチュニア叔母様の起床時刻は六時、バーノン叔父様は七時、ダドリー様は七時十分だ。

ペチュニア叔母様が起きられるまで、あと二時間ある。

 

わたしはキッチンで料理用エプロンをつけ、頭にバンダナをした状態でケーキ作りを始めた。

なぜなら、今日はダドリー様の誕生日。特別な日にしなきゃ。

スポンジにいちごをはさみ、チョコレートクリームをたっぷり塗る。残ったクリームで、上の面にふんだんにレースをあしらい、いちごをたくさんのせた。最後にろうそくを十二本のせ、“ダドリー・ダーズリー、お誕生日おめでとう”という、ペチュニア叔母様からのメッセージを書いたチョコプレートをのせて完成だ。

 

時刻は六時三十分。

今頃、ペチュニア叔母様はわたしが作らせていただいた、特別なお召し物を眺めている最中だろう。

ケーキを冷蔵庫の奥に隠し、魔法で見えなくすると、朝食作りにかかった。

健康を考え、さっぱりとしたサラダとトースト。あと、グレープフルーツがいいだろう。

今日は、ダドリー様は学校に行かれるし、バーノン叔父様も会社なので、エネルギーもつくようにベーコンエッグが欲しいな。ヨーグルトも、メニューに加えておこう。

【ソフィーはダーズリー一家の健康が第一!ダドリーも、脂肪ではなく筋肉でできている。すごいぞ、ソフィー!】

サラダとベーコンエッグができ、トーストも綺麗に焦げ目がつくようにと、向きを変えながら息をひそめて焼いているとき、ペチュニア叔母様がキッチンに入ってきた。

「ケーキは隠した?魔法で。」

ペチュニア叔母様が聞く。

「はい。」

わたしはトーストの向きを変え、また十秒カウントする。

「家中綺麗になってるわね?」

「もちろんです。」

問答はこれで終わり。ペチュニア叔母様は、わたしを信頼してくださっている。

トーストが焼きあがり、グレープフルーツも切って、ミルクを用意し、すべて食卓に並べる。

音を消して洗い物をしながら、トーストとベーコンエッグがずっと好みの温度でいるよう、集中して魔法を使う。

ペチュニア叔母様が、わたしの母の杖をくださったので、家事を短時間で質の高いものにできている。

 

「六時五十分よ、ソフィー。プレゼントを並べて!」

ペチュニア叔母様が杖を指差し、小声で言った。

わたしは杖を振るってダイニングテーブルの横に大きなワゴンを出現させると、物置③(物置①はわたしの生活場所、物置②は、わたしの家事道具おきば、物置③は、物置。)からプレゼントを飛ばしてきた。

よし、芸術的に並んだ。

 

朝食の温度をもう一度調節し、スカートの奥深くに杖を隠す。

エプロンとバンダナを外し、物置②に隠して戻ってきたとき、バーノン叔父様がリビングルームに入ってきた。

「おはようございます、叔父様。こちらが朝刊と、叔父様宛てのお手紙でございます。」

【ソフィー宛ての手紙もあったが、見る前にペチュニアの選別に差し出してしまったので、今朝は平和だ。】

「うむ。準備は完璧だな?」

「もちろんです。」

ペチュニア叔母様が椅子に座り、あとはダドリー様だけ。

あせっちゃダメよ、ソフィー。五歳の頃からの記録を更新するのよ。

【つまり、ソフィーは五歳の頃から完璧に家事をこなしているのだ。】

 

三……二……一……いまよ!

リビングルームのドアを開け、最高の笑顔でダドリー様を迎える。

「おはようございます、ダドリー様。朝食の準備は出来ております。お席へどうぞ。」

椅子を引き、座らせ、食べやすい位置までスライドさせる。

【ソフィーはこれをするためだけに、握力、体力、肺活量を完璧にした。】

傷ついた床は魔法で元通りにする。

ダドリー様にお手紙を差し出し、朝食を残していないかチェックする。(これで、ダドリー様が食べられる量や好き嫌いを調べ、次の食事に生かす。うん、今日もちょうどいいみたいね。)

 

バーノン叔父様にうなずき、プレゼントお披露目の時間がやってきたことを知らせる。

【見よ、バーノンとペチュニアは、普段の生活をより良いものにするために、ソフィーにすべてを任せているのだ!】

 

「ダドリー……プレゼントだ。」

「父さん、母さん、ありがとう!」

この喜びの瞬間をカメラに収める。

 

朝は、成功に終わった。

 

 

「ソフィー、お話があるの。」

ペチュニア叔母様が、静かになったリビングで言った。

「なんでしょう。」

「あなた宛てに、手紙が届いたのよ。」

わたしはそれを受け取り、中の手紙を読む。

数分後、わたしは手紙をペチュニア叔母様に返した。

「“まともじゃない”わ……わたしは魔法が使えるけど、その人たちのための学校ですって?信じられない……。」

「でしょ?」

ペチュニア叔母様は言った。

「だいじょうぶよ、あなたをこんなところに行かせたりしないわ。安心して。」

「はい、叔母様。」

 

 

「ダドリー様、お誕生日おめでとうございます。」

夜。わたしはキッチンから特性ケーキを出してきた。

学校でご不満なことがあったようだったので、わたしはマジックを披露した。

「見ててください……三、二、一!ほら、粘土が豚の形に変わりました!」

パーティーは、うまくいっていた。

なのに、パーティーに来ていたマージおば様が、

「ハリーをつれておいで。」

爆弾発言をしたのだ。

「おば様……そんな……。」

「ソフィー、お前がろくでなしの弟を出したくないのはわかるが、ダドリーのためだ。つれておいで。」

「……はい、おば様。」

そう、わたしには双子の弟がいたのだ。

ハリー・ポッター。

ペチュニア叔母様が「魔法を抑えることが出来ないため、物置④に入れる!」と言って、わたしの魔法で監禁された子だ。

わたしは廊下に出ると、スカートから杖を出した。

そして。

「アロホモラ」

母の呪文集に載っていた呪文を使った。

扉がキーキーいって開く。

「ハリー、マージおば様がお呼びよ。」

「ソフィー……。」

「スコージファイ。ほら、綺麗になったわ。早く、物置から出て。リビングルームに行くのよ。」

杖をしまってから、ハリーをリビングルームにつれていく。

「マージおば様、ハリーをつれてきました。」

「よくやった、ソフィー。下がっていいよ。自室に戻りなさい。」

わたしは急いで頭をさげ、リビングルームを飛び出す。

そして、物置の中でひたすら祈っていた。

 

 

「ソフィー。」

真夜中、廊下で声がした。

わたしはガウンを羽織ると、廊下へ出る。

ハリーは顔をしかめた。「寒いんだから、部屋に入れてよ。」

「嫌よ。あなたにリビングルームをめちゃくちゃにされたのよ。もとの状態に戻すはめになったわ。」

「その話をしにきたわけじゃない。」

「じゃあ、いいわ。部屋に戻りなさい。魔法で鍵を閉めてあげるわ。」

「おい!」

「石になれ!」

わたしはハリーを部屋に閉じ込めた。




自己満足物語第一話。

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