ソフィー・ポッターとハリー・ポッター 作:雪の結晶
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『アクシオ・アゴー』(オリジナル)に変更。(15.11.14)
ここが、キングズ・クロス駅ね。
わたしは記憶と照らし合わせ、確認する。
杖と荷物があるか、チェックする。
林檎の木とその花びら、三十五センチ――。
オリバンダー老人が言っていた言葉が、頭の中でよみがえる。
――同じものからできた杖は、それだけ忠誠心がつよく、魔力も強くなります。
忠誠心が強い、か。なら――!
「『場所を示せ』」
小さくつぶやくと、近くの柱がキラッと光った。
……柱か。杖を使うのかな?
そう思い、杖でつつく。杖は向こう側に通り抜けた。
まわりのマグルが見てないのを確かめ、ただぼんやりとまわりを眺めている愚兄を柱に向かって放り投げてから、自分もすべり込んだ。
「……すごいわ。」
新たに出現したホームには、紅色の列車が止まり、『ホグワーツ特急』というプレートが掲げられている。
もちろん、柱には『9と4分の3番線』という看板があり、まわりは魔法族で混雑している。
……卒業生が、コンパートメントははやめにとるようにって、言ってたわね。
重要なことを思いだし、林檎の杖をトランクに向ける。
「『ウィンガーディアム レヴィオーサ』」
呪文集に載っていた『浮遊呪文』なるものを使い、トランクを浮かせる。杖を振ると、ちゃんとあとについてきた。
「……ここがいいわね。」
出入口に近めのコンパートメントにトランクを置き、ドアを閉めようとすると、ハリーが入ってきた。
「なんで入ってくるのよ。自分でコンパートメントを探しなさいよ。」
「ぼくら、双子だろ?」
……なんて面倒なやつなんだ。
「……わかったわよ。」
トランクを開き、ひとつ袋を取り出す。
「ちょっと待っててね。」
わたしはハリーを残してコンパートメントを出て、トイレに向かった。
ハリーのことだ。きっと、いや必ずトラブルがおきる。今のうちに着替えておかなきゃ。
着替えてコンパートメントに戻る途中、泣きそうな顔の男の子に会った。
「どうしたの?」
声をかけると、
「ヒキガエルのトレバーがいなくなっちゃったんだ……。」
泣きそうな表情で答える。
うーん、ヒキガエルちっちゃいしね……見つけるの、大変よね……。
「あっ!」
「どうしたの?」
「ちょっと待ってね、いい呪文があった気がするの!」
コンパートメントに飛び込み、自分で作った『呪文ノート』を急いでめくる。
「あったわ!えーと……『アクシオ・アゴー!』」
杖を振って呪文を唱える。ダイアゴン横丁の図書館で調べた『対象を操作しながら呼び寄せる呪文』。学校へ行く前に、一度ダーズリー家に戻った時、ダドリーに奪われていたお菓子の残り物を気づかれないように奪い返そうとして身につけた呪文だ。
「ヒキガエルのトレバーを傷つけずに連れてきてちょうだい。」
呪文の光は、トレバーを探しに行った。
二、三分後――。
トレバーらしきカエルを包んだ光と、栗毛の女の子がコンパートメントに入ってきた。
「トレバー!」
男の子――トレバーを待ってる間、ネビル・ロングボトムと名乗った――は歓声をあげた。
「ソフィー、ありがとう。」
「どういたしまして。」
人からお礼を言われるのって、結構嬉しいのね。
そのまま、女の子に目をうつす。
「どうしたの?」
なにかが気に入らなかったのか、女の子はわたしをにらむ。
「わたしハーマイオニー・グレンジャーよホグワーツに今年入学するのグリフィンドールに入りたいと思ってるわレイブンクローでもいいけれどあなたはどこがいいのあとカエルを探すのなら『呼び寄せ呪文』で十分じゃないなぜわざわざ『アクシオ・アゴー』を使ったの?」
うわ、ペチュニア叔母さんなみのマシンガントークじゃない。
心の中でそう思いながらも、微笑みながら答える。
「わたしはソフィーナ・ポッターよ。ソフィーって呼んでちょうだい。こっちは兄のハリー・ポッター。わたしたち、マグルの世界にいたから知らなかったんだけど、ハリーは有名みたいね。わたしたちも新入生なの!これからよろしくね。あと、ハーマイオニーはグリフィンドールに入りたいのね。わたしはまだ考え中よ。他の寮も魅力的だもの。あと、『アクシオ・アゴー』を使ったのは、ネビルのカエルのトレバーが傷つかないようにするためよ。だって、『呼び寄せ呪文』は一直線に術者のところへ呼び寄せるから、何にぶつかっちゃうかわからないじゃない?だから、ちょっと難易度は高かったけど挑戦してみたの。」
わたしは、何度か息継ぎをしながら言った。ハーマイオニーは納得したみたい。よかったよかった。
「あなた、ハリー・ポッターなのね。」ハーマイオニーがハリーを見ていった。
「双子なの?」
「うん、そうだよ。」「ええ、残念ながら。」
ハーマイオニーは眉をひそめるが、わたしは「なんでもない。」と両手を振ってごまかす。ここで変な子だと思われたら、後々差し支えちゃう。
「あっ、ハーマイオニー。あなたは――。」
わたしが話題を変えようとしたとき、コンパートメントのドアがガラガラッと開いた。
「ここに、ハリー・ポッターがいると聞いてね。なんでも、双子の妹もいるとか。」
「あら、マルフォイ。そういえば、ダイアゴン横丁で名乗ってなかったわね。」
わたしがいうと、
「げっ……おまえがポッター妹だったのか……。」
うろたえる。
「ポッター妹って、〝ポッターの妹〟っていうのは間違ってないけど、わたしもポッターなのよ。なんか失礼じゃない?」
「ああ、まあ……。」
マルフォイは戸惑いながらも肯定した。
「じゃあ、君のことはミス・ポッターと呼ぶことにする。兄のほうは、ポッターだ。」
「「オッケー。」」
兄妹そろってうなずく。
マルフォイがわたしに向き直った。
「ミス・ポッター、ダイアゴン横丁で君が言ったことは、間違ってない。それはぼくも認めるよ。ただ、立場上の問題もある。そこはわかってほしい。」
まぁ、そういうもんよね。
「いいわよ、別にわたしが許可するようなことじゃないし。」
ただ、と付け加える。
「それで人を傷つけたときは、容赦しないからね。」
わたしの笑みをみて、マルフォイは後ずさる。
「ああ……わかった。」
こわがりながらも、懸命に踏みとどまっている。
「君は、スリザリンに来たほうがいい。」
その言葉に、ハリーは立ち上がった。
「ソフィーは、スリザリンになんか入らない!グリフィンドールに入るんだ!」
「えっ、なんで?」思わず聞いてしまうわたし。
「ぼくがグリフィンドールに入るからだよ!父さんたちもグリフィンドールだ!」
わたしは、はぁ、とため息をついた。
「わたし、父さんたちのこと、あまり好きじゃないし……。」
「は?」
「親戚、ほかにいないわけじゃなさそうなのよ、ポッター家。なのに、ダーズリーに預けられてたでしょ。だから、ね。」
「でも!双子だし!」
「関係ないわよ。」
たわいのないおしゃべりをしながら、ホグワーツへの旅は続いていった。
「グリフィンドール!」
ハリーは組分け帽子を頭から外し、グリフィンドールのテーブルに走っていく。
次は……わたしね。
組分け帽子を頭に乗せ、椅子に座る。
「ほぅ……双子か。」
双子よ。
「あの子には……才能はあった。」
あら、意外ね。
「ただ、普通の子も持っているような才能だったが。」
……そっか。ハリーもかわいそうに。
「君には〝天才〟といっていいような才能がある。その才能は、まわりに認められるだろう……ただ、それはハリーといなかった場合だ。」
えっ?どういうこと?
「ハリーは君の手柄も自分のものにしてしまうだろう……現に、世の中に知られているのはハリーだけだ。わかるね?」
帽子は続ける。
「わし個人としては、スリザリンに入れ、才能を開花させてやりたいが……。」
あれ、スリザリンじゃダメなの?
「ダンブルドア校長に、君をグリフィンドールに入れるよう、言われている。」
……怒りがわいてきた。
わたしは、思わず声に出していう。
「あなた、それでも組分け帽子なの?組分けをする誇りが全くないじゃない!ダンブルドアが決めるのなら、あなたの出番はないじゃない。寮を決めるのは、一割は生徒だけど、残りの九割はあなたの考えや判断でしょ!?ダンブルドアの言いなりになる必要ないじゃない!?」
帽子はうなずいた。
「その通りだ。ダンブルドアに従う必要はない。自らの判断で決めなさい。これは、一生忘れるんじゃないよ。」
組分け帽子は息をすい、叫んだ。
「スリザリン!!」
スリザリン以外、特にグリフィンドールがうめいた。英雄の妹も、同じ寮になると思ったらしい。
わたしはマルフォイの横に座った。
「やっぱり、君にはグリフィンドールはふさわしくない。いくら純血主義でなくても、純血でなくても、人間としての品位が備わっている。グリフィンドールなんて、もったいないね。」
「ありがとう、マルフォイ。でも、〝立場上〟グリフィンドールと一緒に行動することもあるかもしれないけど、いい?」
マルフォイはうなずく。
「もちろんさ。人間、誰でも立場というものがある。それを認めないほうがおかしいよ。あと、ぼくのことはドラコと呼んでくれ。」
「わかったわ、ドラコ。じゃ、わたしはソフィーよ。」
「わかった。」
初めての学校生活はうまくいきそうだ。
いかがでしたでしょうか。(今後のネタバレ含まれてるかもです。)
【スリザリン】
ソフィーは、散々悩みに悩んだ結果、スリザリンになりました。
あとで忘れなければタグをつけようと思います。
でも、本当に悩んだんですよ。
作者は、他の方のSSをまったく読んだことなくて、
「こんなわたしが思い付くことなんだから、もしかしたら他の方が似たような物語を書いていらっしゃるかも……。かぶっちゃったらどうしよう……。」
とずっと考え込んでましたが、
「読んでないんだからわかんないでしょ⁉︎」
と勝手にふっきれました。
スリザリンに入ったとはいえ、それは〝甘えん坊ハリーくん〟からソフィーちゃんを守るため。
決して、ソフィーが闇に落ちるわけじゃないです。
だってわたしが、お気に入りのソフィーちゃんを人殺しにするわけないでしょ。
【杖】
杖を林檎×林檎にしたのは、だって、まぁ、林檎は(毒林檎でなければ)悪いイメージはないからです。
いわゆる、「ソフィーちゃんは絶対に闇に落ちませんよ。」という暗示です。
梨とかにしなかったのは、林檎は(作者にとっては)優しいイメージがあるからです。
【ウィーズリー一家との関わり】
ソフィーの組分けを考えて、
キングス・クロス駅ではソフィーちゃんに頑張ってもらいました。
ソフィー→そこそこ優秀
というイメージを植え付けたかったんですけど、果たしてうまくいったんでしょうか。疑問です……。
それに、原作にピッタリ寄り添ってるなんて、結果がわかっててつまらないじゃないですか‼︎
だから、いま、
二年生のとき、秘密の部屋が開かれるのを一年生のうちに阻止させようかな……。
七年生の最後、いっそハリーはヴォルデモートに殺されてしまったほうがソフィーにはいいんだろうか……。
とか考えてます。二個目は、正直いって笑えませんけど、
ある意味ムードメーカーor天然のソフィーが魔法界を元気づけるってのもいいかもしれないです。
あれ、これしゃべっちゃいけないかな?まあ、最初に〝今後のネタバレ含まれてるかもです。〟ってやったからいいですよね。うん。
【アクシオ・アゴー】
対象を操作しながら呼び寄せる呪文。対象がぶつかったりしなくてすむ。オリジナル呪文。
最初は『守護霊の呪文』でトレバーを呼び寄せてましたが、『ソフィーには幸福な思い出がない』『難易度が高すぎる』『習得時間が少ない』というご指摘をいただき、変更。ご指摘ありがとうございました。
あと、ソフィーとハーマイオニーをからませたかったのも事実です。
だって、ソフィーはハリーのこと嫌いだし、でもロンは根っからのグリフィンドールだし……
そうだ、ハーマイオニーにしよう!
と思ったんです。
じゃなきゃ、ソフィーちゃん事件に関わってくれません。だって賢いんですもん。
【組分け帽子】
ただいま絶賛反抗期中!
英雄には大助かりですね。(作者はソフィーちゃんのファンなので、ハリーを英雄認識していません。)
で、ソフィーちゃんハリーのせいで手柄なし、です。
いつか、ロ○クハートみたいにバレるといいですね。
【ソフィー×ドラコ】
今回はドラコと友好条約を結んでもらいましたが、普段はダフネ・グリーングラスと仲良くさせようと思います。
だって、一緒にいるなら女の子でしょ、うん。
皆様のイメージのダフネちゃんを改造しまくったキャラになると思いますので……苦情は覚悟しときます。
なんせ、作者は〝鋼鉄メンタル〟ですから‼︎きっと大丈夫。安心して苦情送って‼︎
かなり……長い後書きになりましたね。
まぁ、いつか打つの面倒になって、後書きなし‼︎になるかもしれませんが、よろしくお願いいたします。
(1481字の後書きです……。長っ‼︎)