バカと渡世と半人前   作:順風

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第17話

バカテスト

 

第17問 いくら努力しても、少しも手ごたえや効き目のないことをことわざで何と言うか答えなさい

 

【坂本雄二の答え】

 

のれんに腕押し

 

【和泉剣のコメント】

 

正解です。他にも糠に釘、馬の耳に念仏、四字熟語では馬耳東風など様々な言葉があります。

 

【木下秀吉の答え】

 

暴走女子に言葉

 

【和泉剣のコメント】

 

不正解ではありますが言いたいことはよくわかります。

 

【吉井明久の答え】

 

こんな心に刺さるようなこと問題に書かないでください!

 

【和泉剣のコメント】

 

ごめんなさい。問題作成者にきつく言っておきます

 

    ○

「……昔何かあったのか?」

「ま、いろいろあるんですよ人には」

 

人には言いたくないことの一つや二つはあるものだし。

 

「さて、まだ補習終わってないんだろ? とりあえずそれ終わらせておけ」

「「「えっ!?」」」

「やった以上は仕方ないし英語で反省してますって書く奴だから勉強にはなるし。その間に俺は拷問した側の事情聴取にでも行ってくる」

 

そういって俺は補習室を後にして小山と中林の部屋へ事情聴取へと向かった

 

 

     

「私達がお風呂からあがって着替えようとしたら誰かがカメラがあるって言ったんです!」

「誰かって誰?」

「知りませんよ! 騒ぎで誰が見つけたかわからなくなったんですから!」

(見つけたのが女子ならわざわざ隠れているはずはない……自分にもかかわる問題である以上当然だ。となるとそいつが脅迫犯である確率は高いな……)

 

「カメラを見つけたのは分かった。そのあと吉井達の所に踏み込みに行ったらしいが……」

「こんなことをやるのはあのバカたちぐらいしかいないでしょう!」

(同時にFクラスへの偏見がひどいってこともよくわかった)

 

    ○

「だいたい聞いてきたのでまず聞きこんだ結果……お前たちがあのカメラを置いた可能性は限りなくゼロに近いことが分かった。要するにほぼシロだ。あとFクラスへの偏見がひどいこともよくわかった。まぁこれは日ごろの行動がいけないとも言えるが」

「うっ……」

 

……思い当たる節はやっぱりあったようだな。

 

「……とりあえずそれは置いておくけど。西村先生、鍵はずっと持ってましたよね?」

「20時に開けるまでは俺が持っていたな」

「開けるときにピッキングをしたような形跡はありましたか?」

「……なかったと思うが」

 

ピッキング無し……そして最初に見つけた人物が不明となるとやっぱり……

 

「この騒動を引き起こした女子は脱衣所にカメラを置いてそれをわざと見つけさせた可能性が高い」

「わざと!?」

「……何が言いたいのか少しわかってきた」

 

さすが坂本。頭の回りがやっぱり早い。

 

「つまりだ。犯人は自分自身がカメラを見つけたふりをして女子を焚きつけたって事だ。しかも俺たちに矛先が向くのを見越してだ」

「事実最初に見つけたのは誰か2人に聞いてきたが分からないの一点張りだったからな」

 

吉井が首をかしげているが今はそれどころじゃないので話を進めよう……

 

「西村先生、カメラが見つかる直前に女子風呂に出入りはありましたか?」

「……あったな。時間としても交代のころだったからな。ちょうど中林が通った直後だった。さすがに全員の顔は覚えていないが」

「……そこから絞り込むには少々きついか」

「一旦状況を整理する。犯人像としてはこんな感じになる」

 

1、姫路もしくは島田に吉井が近づいてほしくない人

2、吉井に恨みがある人

3、カメラ技術がある人

4、動きからして相当慎重な性格な人

5、尻にやけどの跡がある

6、女子

 

「……ずいぶん並んだが思ったより手掛かりが少ないのぅ……」

「さて吉井。思い当たるような人物はいるか?」

「え? 僕!?」

「少なくとも上二つに関してはお前の答えるべきことだろう」

 

吉井はえらく考えているようだ……らちがあかないから次行こう。

 

「土屋、お前以外でカメラの技術が高そうな奴は?」

「…………知っている限りはいない」

 

こちらは手掛かりゼロか……

 

「うーん……あ、清水さんとか?」

「「「「…………」」」」

「え? 僕変なこと言った?」

 

いや……変じゃない。プールの時のあの態度……

 

「「「「それだ!」」」」

「えっ!?」

「そうだ。清水だ。あいつ確かガチの百合だったよな秀吉!」

「確かにの。女子が女子を覗く理由としては十分じゃ!」

「…………すっかり忘れていた」

「だけど証拠がない。現時点だと容疑者どまりだな」

 

とはいってはみるが……

 

「「「でも他に百合の奴はいない」」」

「いれば目立つだろうしな。隠してたら分からないけど」

 

あとわざと見つけさせたということは恐らくだが……

 

「証拠についてだがまだ脱衣所にカメラがある可能性が高い」

「……今日見つかったのはダミーってことか」

「さっきも言った通りただ焚きつけるためだけのものなんだろう。」

「じゃあ早く清水さんを取り押さえて……」

「今は無理だ!」

「なんで!?」

 

今現在では証拠に乏しいということが一番の理由でその本命のカメラが見つかっても先ほど同様清水の物であることが証明できなければ逃げられる可能性が高いということを説明しようといたが先に坂本が吉井におおまかを説明してくれたので説明の手間が省けた。

 

「一番いいのは犯人がカメラを回収に来た時に取り押さえることだな。時間外は厳重に鍵が閉まっている以上そうするしかない」

「確かにそうだが……すぐには動かないだろう?」

「……慎重な犯人の事だ。四日目……つまり帰る前日までは動かない可能性が高い」

「じゃあどうすればいいのさ!」

「犯人がカメラを回収できる隙が絶対欲しいはず。だから隙を作る」

「何をするつもりじゃ?」

 

一つだけ考えた確実に隙を作る方法。しかしこれを実現するにはあの人物の協力が絶対に欠かせない。

 

「……せっかくの合宿なんだ。何のイベントもなしに黙々と勉強するよりは何かみんなが盛り上がることをしたくないか?」

 

    ○

「……先生」

「霧島、どうかしたか?」

「……雄二は本当に覗きを?」

「……ほぼ間違いなくやってない」

「……よかった」

「お前の事だから浮気は許さないとか言って拷問しに行くんじゃないかと思っていたけど」

 

嘘偽りない本音である。少なくとも一か月前ならそうしていただろう。

 

「……少しそれは思った」

「思ってはいたのか……」

 

やらなかっただけましか?

 

「……でも雄二が謝っていた時の目が真剣だったから」

「……ちょっと前だったら感情に任せてただろうに」

「……前の自分が少し恥ずかしくなった」

「そうか……」

 

正直姫路とか島田にも見習ってもらいたい。すぐには無理だろうけど

 

「そろそろ消灯時間だ。部屋に戻れよ」

「……ありがとうございます」

 

そういって霧島は部屋に戻って行った。

 

「……この分なら坂本翔子になる日も近いかもな」

 

俺はそんな事を思いながら見回りを続けていくのだった。




次回からは2日目に入ります。
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