バカと渡世と半人前   作:順風

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第18話

強化合宿日誌

 

第18問 強化合宿2日目の感想を書きなさい

 

【霧島翔子の答え】

 

……雄二と一緒に勉強できて嬉しかった。でも雄二には負けたくないから頑張る。

 

【和泉剣のコメント】

 

強化合宿の感想と言えるか微妙なところではありますが感想ではあるので良しとします。

 

【工藤愛子の答え】

 

吉井君をいじることが楽しかったけど和泉先生に怒られた。また今度からかいたい。

 

【和泉剣のコメント】

 

……ちょっとおふざけが過ぎるので指導室に来るように。

 

【木下秀吉の答え】

 

ふつつか者でも少しは勉強ができるようになったと思う

 

【和泉剣のコメント】

 

たいしてうまいことは言えていません。

 

    ○

強化合宿2日目。強化合宿の基本的なスケジュールは朝食後から授業時間の間ぐらいまでの合同授業という名の自習となっている。しかし、昨日の夜に頼んだ事があるので昼食後にはその説明もある。だが今はAクラスとFクラスの合同授業の監督中だ。

 

西村先生によるとこの授業の目的はFクラスはAクラスを見てああなりたいと思わせること、AクラスはFクラスを見てああはなりたくないと思わせること、らしいのだが……

 

どう前者に関しては本人たちは何にも考えてないようで寝ていたり、ゲームをしていたりとまるでやる気がない。一応自習なので抜けだしたり過剰にふざけでもしない限りは注意する必要はないとのこと。……ただし開始直後にFクラスの面々が坂本にカッターを投げようとしたのでそれを阻止する一幕もあったりしたが。

 

とか考えて吉井たちの一角を見ると工藤が小型録音機を使い録音した音声を合成して遊んでいた。しかもそれを真に受けた島田と姫路がっておいこら

 

「そこの二人。またか、またなのか?」

「「くっ……」」

 

親の仇を見るかのようにこちらをにらんでくる2人。……そこまで吉井を処刑したがる理由は何だろうか。ちなみにだが姫路に暴力癖がある(ただしこちらも吉井限定)を知ったのは割と最近だったりする。今まで料理関係で叱ってきたことはあったがこっちは知らなかった。(居合わせなかったともいう)しかも島田同様思い込みが激しいと来ると……どうしよう? まぁ俺が声をかけただけで手が止まってはいるが、いつ暴発するか分からない。先生って本当に大変だなぁ。ま、それよりも

 

「工藤、この前も言ったが無闇に騒動を引き起こすな」

「えー……おもしろかったのに」

「……人に暴力振るう現場見て面白いなんて言うのはお前ぐらいだ」

「え? スキンシップじゃないの?」

「……どう見たらそういう判断になるんだ?」

 

……この学校本当に常識を持った人間が少ない。なにせ学年主席や実質の学年次席までも常識外れの行動を取っているし。(一部過去形)しかも正直俺は工藤のような人をおちょくったり化かしたりするタイプの人間は苦手だ。学生の時にそういうタイプの奴(男子だったが)に最大出力の眼力を浴びせたぐらいだ。(言葉や手は出さなかったけど)

 

……もっとも、工藤が何を考えているかにもよる部分もある。実は虚勢を張っていたなんてのもよく見るケースだ。

 

(もしもこんな事実が世間に流れようものならこの学校消えるよな絶対……)

 

   ○

工藤への注意喚起をしたあと時間は流れ午前の自習は終わった。午後は自習の前にあることの説明があるので一度全員が集合することになっている。

 

「……話は聞いていましたがこれを行う意味はあるんですか?」

「このイベントを開催する表向きの意味は生徒のやる気の増幅、裏の意味は覗きの予防です」

「予防?」

 

高橋先生にイベントを起こす意味についてそう答える。

 

「昨日の一件を聞いた限り覗きを達成するには召喚獣で戦うことが不可欠です。なら最初から点数を削っておけば万が一の際には防衛が楽になります」

「……確かに補習ではテストの点は回復できませんしその通りですがまだ意味があるはずです」

「……高橋先生に隠すのは無理そうですね。このことを知っているのは学園長と西村先生だけなんで一応口止めはさせてもらいます」

 

高橋先生には真の目的を隠しておくのは無理そうだったので昨日の話を含めてすべて話しておくことにした。

 

「……なるほど。この学校の存続自体に問題がありますね」

「まじめにやってる生徒に損をさせるのはまずいと思うんです。学園長にもそこのところを考えてもらうように言いましたし」

 

覗きで学園の評判が下がることで騒動にかかわっていない一般生徒が損をするのはよろしくない。それに三年の進路への影響も阻止する。これが一つ目の真の目的。そしてもう一つが……

 

「それは本当ですか?」

「ええ……完全な冤罪ですね。といってもほとんど犯人は割れているのですが」

 

その犯人を確定させるための手段。

 

「勝負は最終日です」

 

    ○

「これより男女対抗試召戦争の説明を始めます」

 

説明がはじまるが少々長い(三十分ほどかかった)ので簡単にまとめておいた資料……という名のルールブック(Fクラス配布用)を大まかにまとめると……

 

1、男女別で行い大将が倒されれば終了

 

まずは大本のルールです。大将の選出は自由となっているのでどのクラスから選んでも問題ありません。

 

2、三日間行い勝利チームには学食券進呈(1,000円程)

 

……特に説明はいりませんよね?

 

3、チームとは別に個人での表彰もあり

 

詳細は後述

 

4、召喚獣を倒すとその召喚獣の元々の点数がポイントになる。

 

このあたりのルールはFクラスでも上位が狙えるようにしたものです

 

5、両陣営ランダムに2~5倍のポイント補正がかかる。(全員ではない)

 

強くなるわけではありません。また生徒から誰が対象者かを確認することはできません。

 

6、本陣は大浴場前とし交戦時間は16時~18時とする

 

なお決着がつかない場合は残り人数で、残り人数が同じ時は残っている全員の総合得点、それでもだめなら引き分けになります。

 

7、その他のルールは通常の試召戦争に則る

 

「というルールになります。なお午後の自習時間は14時半ですので16時まで休憩して構いません。結果は最終日に発表します」

 

高橋先生の説明が終わり各クラスが自習室へと戻っていくのを見ていると携帯に着信が入った

 

「説明が終わったころだろうと思ってかけたけどこれでいいのかい?」

「はい。無理を言って申し訳ないです」

「よく言うよ。集団暴行に覗き騒ぎ、ただでさえぐらついている文月学園の足元がさらにぐらつくような案件を持ち込んでおいて」

「……俺も働く場所なくなるのは困りますし」

 

学校潰れたらどうすればいいのか分からなくなるし。

 

「賞品は用意できました?」

「なんとかね。まったく、とんだ出費だよ」

「評判下がってスポンサーが減ったり生徒数が減らないだけましだと思うんですけどね。中長期的戦略ってことで」

「ま、最終日に顔出すけどしっかり管理しな」

「ありがとうございます」

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