バカと渡世と半人前   作:順風

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第3話

バカテスト 現代文

 

第3問 危険や困難に陥るかどうかの、きわめて危ない瀬戸際のことを何と言うか答えなさい。

 

【坂本雄二の答え】

 

危機一髪

 

【和泉剣のコメント】

 

正解です……がこの4文字から本当に危機が迫っている感じがするのはなぜなんでしょうか。

 

【吉井明久の答え】

 

危機一発

 

【和泉剣のコメント】

 

非常に間違いが多い例です。黒ひげとかド○ゴンの影響なのかこういった間違えは多いので正しく覚えましょう。

 

【須川亮などFクラス生徒25人の答え】

 

ファイト一発

 

【和泉剣のコメント】

 

○ポビタンDですねわかりません。しかし25人ですか……西村先生の補習行きですね。

 

    

西村先生によるチュートリアル? が終わった後俺は学校内の見学をしていた。学校の中って思った以上に複雑なことが多いからしっかりとした確認をしないと迷うことになると思ったからだ。

 

というか実際大学に入った当初確認を怠ってひどい目にあったのでその反省ともいうが。

 

が、しかしそんな校内探索をする予定だった俺の眼前に広がっているのは

 

「今日……家に来ない? ちょっとだけでいいから……」

 

はぁはぁと危ない感じの音が聞こえてくるうえじりじりと迫ってくる先生。それに冷や汗をかいている俺がいた……

 

   ○

 

新校舎の一階にある職員室から旧校舎の一階を経て旧校舎の二階……文化系部活動の部室があるエリアでその人と会ってしまった。

 

「あなた、誰?」

「えーと……来週からここで働くことになった和泉剣と言いますが……」

 

目の前にはおそらく四十後半ぐらいのベテランといった感じのおばゴホンゴホン……女性の先生がいた。そもそも俺の採用に関しては学園長の独断といっても過言じゃないくらいだから西村先生や高橋先生以外の先生にはあっていないので自己紹介をする。

 

「そっか……先生なんだ。なら……」

 

ん? なんかつぶやきを始めたんだが……

 

「ねぇ……君今日うちに来ない?」

「はい??」

「大丈夫よ。私が(性的に)おいしく食べてあげるからね……」

 

拝啓 元の世界の流行の発信源の方々

 

世の中にはどうやら肉食系を上回る猛獣系と呼ばれる種類がいるそうです。記事にしてみてはいかがでしょう?

 

って現実逃避してしまった……推定だがどうやらこの先生この年齢になっても彼氏がいないせいで男ならだれでもいいみたいな思考回路になってしまっていると思われる。肉食系の果てみたいな状態なんだろうか。

 

と、ここまでの思考時間約三秒。え? 遅い? 普通の人ならこれぐらいが限界だと思うんだけど。

 

とにかく逃げなければ……しかし今を背を向ければ間違いなく追ってくる。説得するなり気をそらすなり何かしないと……死ぬ。主に社会的に。

 

頭の中では警報(アラート)がガンガン鳴り響いている。しかし逃げられない。くろいまなざしを使われている状態ってこうなのかも。ポケモンが逃げれないはずだ。

 

……仕方がない。あんまり使いたくはなかったんだけど間違っていることをするわけじゃないし。

 

「さぁ……一緒に……ひっ!?」

 

それを俺が使った直後この人は明らかな怯えと共に後ずさりした。別に超能力を使ったわけじゃない。

 

「すいませんがいい加減にしてもらえませんか?」

 

語気を強めてそういった俺に対してまた明らかに後退した。まぁ簡単に説明すると怒っただけ。しかし小学生の頃いじめにあった時に似たようなことをしたらいじめた側が泣き出した。そのせいでその親が勘違いして攻めてきたりしたのでこれまた怒って引かせたりと。要するにだ、俺は眼力が異様に強いのである。

 

確認であるがあくまで眼力が強いのであって目つきが悪いわけじゃない。よく勘違いされる事もあるが……

 

そういうわけでその眼力を使って引かせることにした。中学・高校の時はえらく使う機会が多く気がつかないうちにだいぶ強化されてしまったようで……

 

何があったかというとカツ上げに会ったり、ヤクザに遭遇したり、先生にいちゃもんつけられたり、電車で知らない爺さんに絡まれたり、噂を聞きつけた他校の生徒に絡まれたりとヤンキーの高校生ですか? と聞かれても仕方のないような生活だった。

 

ちなみにヤクザに遭遇したと言ったがその時になぜか勧誘をされたりとか不良が更生したとかで警察から感謝状もらったりとかしてた。

 

さて、目の前のをなんとかしましょうか。

 

「あ……あ……えっと……」

「…………」

「そ、その……」

「…………」

「本当にすいませんでした!」

 

睨みつけること三十秒。この人はきれいに土下座を決めた。昔なら逃げ出す程度だったがまだ精度が上がっている。よろこんでいいものなのか……

 

   ○

「あー……使ってちゃったからなぁ……もう腹へってない……」

 

危ない女性教師を撃退した後西村先生にことのあらましを説明した。その際なぜか謝られた。……そうとう飢えていたようだ。

 

で、説明も終わり現在帰宅している所なのだが腹が減っていない。これはあの眼力の副作用みたいなもので怒ることで興奮するせいか空腹を感じなくなってしまう。

 

「あれ? 和泉先生?」

「吉井か。また会ったな」

 

とりあえず興奮が収まった後の夜食をどうしようかと考えていると吉井に声をかけられた。

 

「出かけてたのか?」

「ちょっと知り合いの恋路を応援してきたんです」

「……それって昨日言ってたクラス代表の事か?」

 

どうやらこの予想は当たっていたらしくトラブルはあったものの成功した……らしい。らしいっていうのはアイアンクロ―が決まっている写真とか見せられてたら果たしてうまくいったのか? と思ってしまう俺は悪くないはずだ。

 

まぁ……いいか。深入りするのもどうかと思うし。

 

「あ、そうそう。俺Fクラスの補助も担当することになったからこれからよく会うと思う」

「えっ!?」

 

実はあのあと眼力のことを説明したら西村先生が「バカ共に効くか試してみたい」ということでFクラスの補助の任も与えられた。

 

……吉井の話しか聞いていないからどうとも言えないがあの人が手を焼くぐらいだから相当なんだろう。

 

「会ったのも縁だしまた夕飯食っていくか?」

「すいませんお願いします」

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