バカテスト
第30問 邪念がなく、澄み切って落ち着いた心のことを四字熟語で何と言うか答えなさい
【霧島翔子の答え】
明鏡止水
【和泉剣のコメント】
正解です。この学校の生徒にはぜひ身につけてほしいものです。
【吉井明久の答え】
クリア・マインド
【和泉剣のコメント】
それは英語に訳した意味です。しかも中点が付いているということは間違いなくアニメの影響ですね。きちんと正しい答えを書いてください
【とある世界のメ蟹ックの答え】
オーバートップ・クリア・マインドォォォォ!!
【和泉剣のコメント】
オゾンより上なら問題大アリです。というかなんでこの人の答えがあるんでしょう?
○
『一パーセント以下……』
「一パーセントといったのはそこは人だからどう転ぶかわからないという部分を反映させたものだ。まぁ要約すると吉井に告白するのかは知らないけどうまくいく確率は相当低いってこと」
マイクに声がしっかり当たっていないからか加工音声だけでなく地の声も聞こえてくる。
ついでに言うと確率一パーセント以下というのにも根拠があり以前吉井と話していた際『雄二と付き合っていると勘違いされたことがある』と言っていた時に心底嫌そうな顔をしていた点も含めての事だ。
「それでだ。はっきりいって迷……」
『……そうか、吉井君にまだ僕の良さが伝わっていないということなのか』
ん? なんか変な方向にいっているような……
『ありがとうございました先生! これから頑張ります!』
「え……ええ?」
『失礼しました!』
なぜか納得したらしく元気に挨拶をした後部屋から出て行った。
「……これ……失敗した感じ?」
○
勝手に納得して勝手に帰っていってしまった相談者。結局誰だったかはわからなかった。……最後の言葉から考えるに吉井の様子を観察すれば何か分かるかもしれないが。
「何かわかりませんが失敗しました」
「……すまん、よくわからないんだが」
「勝手に納得してしまったので……すいません」
「……いや、和泉先生のせいではないだろう。俺でもそんな相談を受けたらどうしたらいいか悩むだろうしな」
……吉井の貞操が大丈夫か不安だが様子を見守っていくしかないな。
プルルルル……
「はい、文月学園です。はい……はい……それに関しては事実である以上そういった措置を取るのが学校としては……」
「……また……ですか」
「ああ……まただ」
なにが「また」なのかというと……強化合宿の際に処分を下した生徒の保護者のクレームだ。
「……確かに突然謹慎処分を下されて一回かかってくるのは分かるんですけどね……月曜日は電話対応に追われて大変でしたし」
「だが小山や中林の両親はもう毎日かけてきているからな。時間からしてあの電話もどちらかからだろう」
これが俗に言うモンスターペアレントという奴なんだろう。Cクラスの担任である布施先生やEクラスの担任の先生は胃が痛くてしょうがないそうだ。
「あの親ありてあの子ありって感じですね」
「それは絶対本人たちの前で言うなよ」
「分かってます」
他にも清水の両親からもかかってきて俺が応対したのだが……親父がヤバい。なんだあれは。ブッ殺すとかいってたし……。
さらに姫路の母親からもかかってきた。ただこちらは話の通じる人だったのだが……いかんせん声が若い。最初母親って聞いた時は目が飛び出るかと思った。事情を説明したところ「きっちりお仕置きしておきますので♪」とのこと。しかしこの言葉を聞いた時この人が母親だということは間違いないということが良くわかった。そこだけ電話越しなのに威圧感が半端なかったから。
……これで少しは懲りるといいんだけど。世の中ってそんなにうまくいくものじゃないからな……
「布施先生たち体調崩さないといいんですけど……」
「ストレスでということか……」
「……小学校の時一学年下であまりに荒れたクラスを担当した先生がストレスで倒れたんです。確か教頭が代わりにやってましたけど」
結局あの人その年俺たちが卒業するまでに戻ってこなかった。高校と関係はないとはいっても生徒に追い込まれるのこともあるってことだ。
「まぁ俺たちがどうこういってもしょうがないことだ」
「そうですね……仕事します」
そういったところでこの会話は打ち切りになり俺もまた仕事に戻っていく。
○
『次のニュースです。試験召喚システムを使用した教育を行っている文月学園で先日暴力沙汰があり女子生徒二十七名を一週間の謹慎処分に処していたことが分かりました』
「まったくどこから情報仕入れてきているんやら……」
その後他のニュースやネットなどのニュースもみたが、ゲーム感覚の教育はどうなのかとか覗きをしたという男子生徒も処罰するべきとかそもそも責任者は首切れとか外野なのをいいことに好き放題教育評論家とか名乗っている連中がいたりした。……マスコミって無責任だよねまったく。
ちなみに某掲示板の反応も気になってみてみたのだが……
(一部抜粋)
『女の子に踏まれるとかうらやましい』
『踏まれるわけじゃないだろう……』
『文月の女子ってレベル高いの?』
『高いのもちらほら。普通の高校よりはまず上』
『リアル男の娘がいる』
『kwsk』
『俺文月の学園祭行ったときにすごいかわいい女子見たわ』
『画像よこせ』
といった具合に段々と本題からずれていき最終的には女子談義と男の娘の話題だけになっていた。
○
その後も報道はされたものの早急に対処したことが功を奏し一応は沈静化の方向に進んでいた。日数がたつにつれ正確な状況(男子の事とか)が入ってきたことやまた新しいニュースが入ってきて風化しつつあったことも要因だろう
そして……謹慎明けとなった月曜日の文月学園校門前。
「あ、先生おはようございます」
「おはよう」
だんだんと顔を覚えられてきたようで時折話しかけられたりあいさつをされる事も多くなってきた
「あ、和泉先生。おはようございます!」
「お、おはようございます……」
「吉井に姫路か。おはよう」
姫路の反応が少々おかしいが恐らく強化合宿の際にやったことに多少なりとも引け目を感じているんだろう。俺が怒ると怖いの知っているし。
「……姫路、何かおびえているみたいだけど家でこっぴどく怒られたんだろ?」
「は、はい……10時間ほど」
……俺でもそこまで怒られたことないぞ。すごいな。
「別に反省している人にこれ以上長怒ることはないし余計な心配をするな」
「そ、そうですよね!」
反省することは大事だが反省のしすぎもよくない。どこかできちんと前に向かうようにしないといけない。
「あ、美波! おはよう!」
島田も登校してきたようだが……こっちは反省しているんだが
「ア、アキ目をつぶりなさい!」
「え!?」
「いいから!」
こいつは何をするつもり
「み、美波ちゃん……」
島田は……吉井にキスをした。そしてダッシュで立ち去った。朝の校門というとんでもないタイミング。そして……
「「「吉井殺す!」」」
こういった人物が多々いるこの学校の中で。
……かくして謹慎明け一日目は開始早々島田がまた余計な爆弾を散布するという教師として収集をつけることが面倒なことこの上ない事件から始まるのだった。