バカと渡世と半人前   作:順風

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第33話

バカテスト

 

第33問 アイスクリーム類の種類を一つ上げ、その特徴を答えなさい。

 

【霧島翔子の答え】

 

アイスクリーム 特徴 乳固成分と乳脂肪分が一番含まれていて風味が良く、栄養的に優れているが比較的高価。

 

【工藤愛子の答え】

 

アイスミルク 特徴 乳固成分と乳脂肪分は牛乳と同じくらい。植物性の脂肪が含まれることもある。

 

【坂本雄二の答え】

 

ラクトアイス 特徴 植物性脂肪を多く含む。比較的安価。

 

【和泉剣のコメント】

 

正解です。それぞれに特徴がありますが実はアイスクリームと呼べるのはそんなに多くないというのが実態です。ちなみにアイスは一度溶けると味がかわりまずくなることがあります。購入するときはドライアイスをもらったりして溶かさないようにしましょう。

 

【吉井明久の答え】

 

ハーゲ○ダッツ 特徴 高い

 

【土屋康太の答え】

 

ジャ○アントコーン 特徴 長い

 

【木下秀吉の答え】

 

スー○ーカップ 特徴 安い

 

【和泉剣のコメント】

 

伏字になっていないですし、商品名を聞いているのではありません。そして特徴のところ雑すぎです。

 

【どこかの陽気な古典部員の答え】

 

氷菓 特徴 文集の名前

 

【和泉剣のコメント】

 

……時々異世界の回答が混ざっているのはなぜなんでしょうか?

 

          ○

 

「それにしてもいくら僕らに仕返しがしたいからって、BクラスがFクラスに試召戦争を申し込むなんて……」

「根本の目的は多分それだけじゃ無いだろうな」

「え? 違うの?」

 

目的が仕返しだけじゃないか……となるとやっぱり……

 

「雄二、他の目的とは何じゃ?」

「簡単な話だ。自分への非難を抑えること」

「? さっきの話とあまり繋がってこないんだけど」

「根本は元々人望が皆無だったが、四月の試召戦争では卑怯な手を使っても俺たちに勝てなかったことで更にクラスの中での地位は厳しいものになった。今のあいつに代表としての力はほぼないだろう」

 

以前も言ったと思うが、ここの制度の問題として単純にそのクラスで一番だったものが代表になるという点がある。点数が高いものが代表になるが、人望などは一切考慮されない。……代表者を決めるという事はもう少し重要視されてもいいと思うんだけどな。

 

「ここで問題だが、国情の不安が顕著になった場合、為政者はどういった対応をすると手っ取り早く大衆の不満を抑えられると思う?」

「? え、えっと……」

 

……坂本が難しい言葉を使ったせいか吉井は混乱している。

 

「明久。わかるか?」

「ごめん。もう一回言って貰える?」

「そんなに難しい問題だったか?」

「理解できるキャパシティを超えているんだろう。もう少し噛み砕いて言ってやれ」

 

どうにも吉井が理解していないと思ったので坂本にそう助言する。

 

「だから、『たくさんの人の不満を抑える為にはどういった行動が適切か』ということだ」

 

吉井は何かをひらめいたようだ。一瞬豆電球が見えた気がした。

 

「糠と塩につける」

 

さすがにこの答えには俺も唖然とした。

 

「恐ろしい解答だな」

「…………度肝を抜かれた」

「お主は不満を抑えるために溺死者を出すつもりか!?」

「え!? だって、テレビで『たくあんを作るには糠と塩につける』って言ってたよ!?」

「たくあんじゃなくてたくさんだ。お前は人を糠につける気か」

 

人って言っていたし完全に思い違いなんだろうが……なんでたくあんの作り方の話になっているんだ。

 

「いや、そういう意味ではないのじゃ明久。不満一杯のたくさんの国民を宥めるにはどうしたら手っ取り早いかという話なのじゃが……そうじゃな。恐怖で抑えつける、とかはどうじゃろうか?」

「それも一つの手段ではあるが、あまり手っ取り早いとは言えない。恐怖政始にはまずそれを行うだけの圧倒的な力が必要だからな」

「だとすると何がいい方法なの?」

「『外部に共通の敵を作ること』だ。俺たちの日常生活でもそうだが、同じ敵を持つ人間というものは若干の不和があったところで結束し易い。歴史上でもそういった手法を取っていたヤツは大勢いるしな」

「確かにな。そういう人物はいる」

 

歴史をやっていた俺にも心当たりのある話だったので何人か例を挙げたところ吉井や木下も納得したようだ。しかし、日常生活でそういうことをやっているのもどうなんだ?  

 

「発言力のない根本でも、『覗き騒ぎの主犯であるFクラスを粛清する』という大義名分があれば、クラスを動かすことが出来る。今の状況はヤツにしてみればまたとないチャンスだ」

「覗き騒ぎはできる限り小さくはさせたけど結局のところ始めたのはFクラスだからな」

 

坂本たちが発端だし、その後もFクラスを中心に覗きが敢行されていたし。全部未遂で終わっているけど。

 

「しかし、ワシらは仕掛けてくるBクラスと違って試召戦争を断ることもできるはずじゃが……」

「その通りだが一度断れば根本は何らかの策を仕掛けてくるはずだ。クラスを扇動して無理やり開戦に持っていかれるかもしれねぇ」

「それはわかったけど結局どうするのさ?」

「他のクラスとうちのクラスが試召戦争をするんだ。試召戦争をすればやっている最中と終了後に回復試験を受けられる時間ができる。そうなれば慎重な根本の事だからBクラスを動かすにことはないはずだ」

 

試召戦争は連戦を回避するために一度戦争をしたクラスは回復試験を受けられる時間が与えられ、その間に他のクラスに宣戦布告を行うことができない。逆に仕掛けられることはあるだろうが宣戦布告して即戦闘ということはそうめったにはない上、下位クラスの補充試験の最中に宣戦布告をして容赦なく襲いかかるようなことがあれば自身の評判を落としかねない。(元々そんなものないようだが)

 

「他のクラスって?」

「Dクラスだ」

「……そんな無茶な」

 

つい十分ぐらい前に誤解であることをそれとなく伝えたばっかりなのに今度は戦わせるように持っていくのは無理がある。一体どうするつもりだ?

 

「そうだよ! せっかく誤解を解いたばかりなのに!」

「と言ってもこれ以外策はない。恐らくBクラスは万全の状態で攻め込んでくるはず。とりあえず午後に補充試験をしなければ攻めては来ないだろうが、早急にDクラスとの戦争を始める必要がある」

 

Fクラスで補充がまったく済んでいないのは謹慎処分を受けた島田と姫路の二人のみ。戦力的に不安はあるもののある程度の勝負はできると思ったのだろうが……問題はどうやって戦争に持っていくかだ。

 

「そこでだ。今朝の一件を利用させてもらう」

 

今朝の一件って……おいまさか

 

「明久、お前が島田の恋人役になって清水を焚きつけろ」

「僕が!?」

「お前がやらないで誰がやるんだ」

 

……なんか坂本が相当な無茶振りをしているんだが。まぁそれはともかく

 

「とりあえずもう昼休み終わるぞ。次の時間もあるんだしこの話は一時間後だ」

「先生がサボりを見逃して」

「くれるわけないだろうが。……まぁあんまりやっていいことじゃないが最悪何とかはしてやるよ」

「? どういうこと?」

「試召戦争を行うには申請書が必要ってことは知っているよな?」

 

宣戦布告を行ったあと仕掛けた側のクラスが理事長に提出するものだ。戦う側のクラスの代表がそれに同意すれば戦争が成立する。

 

「理事長がその仕事を俺に割り振ったんだ(たぶん面倒だからだろうけど)」

「なるほどな……正に奥の手ってことか」

「たださっきも言ったが特定のクラスに有利になることは行ってはいけないとある。そういう事態にならないことを願うだけだ」

 

そのカードを切る機会なんてない方がいいんだけどな。ただ坂本の作戦がうまくいくとは到底思えないんだが……どうしたものか。

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