バカと渡世と半人前   作:順風

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第34話

バカテスト

 

第34問 演劇や小説など物語を書く際に作られる枠組み・構成の事を何というか答えなさい。

 

【木下秀吉の答え】

 

プロット

 

【和泉剣のコメント】

 

正解です。プロットはストーリーとは別物であらすじや事件、相関図や世界観などもプロットに含まれます。小説冒頭に世界観をひたすら書き続けるのがよくないと言われるのはストーリーではないからだと言えます。

 

【霧島翔子の答え】

 

私の人生のプロットはもう出来上がっている

 

【和泉剣のコメント】

 

予定は未定ともいうので先走らない方がいいと思います。

 

【玉野美紀の答え】

 

アイデアがまとまらない! コ○ケ近いのに!

 

【和泉剣のコメント】

 

すいませんがよそでやってください。

 

 

         ○

「はぁ……」

「ほんとなんでこうなったのかしら……」

「明久、島田。これはお前たちにしかできないことだと……」

「分かっているよ」

 

5時限目が終了したので屋上に向かう階段に向かうとちょうど坂本たちが先行して階段を上っているところだった。

 

「これからやるのか?」

「あ、和泉先生」

「なんとか脚本も完成したからのぅ」

 

わざわざ脚本まで作るか……少し見せてもらったが中々にラブコメ色が出ているが……

 

(この後半部の告白するセリフ、島田が言えるとは到底思えない……)

 

口より手が先に出る人間がこんな傍から見れば恥ずかしいことこの上ないセリフを言いきれるとは考えにくいんだよな……坂本はどうするつもりだ?

 

ところでこの脚本は演劇部に所属している木下が作ったようだが、声帯模写もできるって演劇部の先生が言っていたな。……怪盗にでもなれるんじゃないだろうか? 変装ができれば完璧だろう。

 

「それじゃあ屋上に出るが……少し静かにしてくれよ?」

 

坂本がそう言った後土屋とアイコンタクトを交わす。次の瞬間土屋が屋上の端にあった何かを回収してきた。

 

「……カメラ?」

「ああ。さっきもムッツリーニに細工してもらってたんだ」

 

本当に何者だよ土屋。何度も言っているけど。

 

「それじゃあ明久と島田はこっちに来るのじゃ」

 

木下が吉井と島田を呼んだのは何かの主人公が屋上に来た時にとっさに隠れそうな校舎が影を作っている部分だった。つまり……

 

「カメラがあって盗聴器があって……あそこで読ませるってことは聞こえるのは声だけってことだよな?」

「そういうことになるな」

 

坂本に確認を取ってみると思った通りのようだ。だけどそれ故に気になることがある。

 

「わざわざ島田連れてくる必要あるのか? 木下が声まねすれば後は吉井次第になるけど不安要素減らせるのに」

「…………秀吉の声まねだけだと清水に気付かれ」

「だったら最初の部分だけ島田にやらせればいいんじゃないのか? 脚本見る限りじゃ島田が後半部分のセリフを言いきれるとは思えないし、清水も火さえ付ければ判断能力なくなるだろう」

「…………完全に盲点だった」

「そうか」

 

俺の指摘に最初は反論していた坂本だったが反論できる要素がなくなったようで作戦の変更を伝えにいった。

 

そして演技が始まってしばらくしたところで重要なところにさしっ買ったので島田のセリフを木下が引き継いだ。

 

『わざわざこんなところに呼び出してごめんね、アキ……。あのね、ウチは……アキのことが好きなのっ!』

 

確認だがこれを言っているのは木下だ。決して島田ではない。

 

『あの薄汚い豚野郎!』

 

そのセリフが言い終わったとたん二つ下のフロアあたりからそんな叫び声が聞こえてきた。というかどう聞いても清水です本当にありがとうございました。

 

「調べるまでもなく煽れたみたいだな」

「…………一応こっちでも確認する」

 

坂本がそう断言した。土屋は念には念を入れて確認に行くらしい。

 

「き、木下! あんたアキに……こ、告白を!?」

「これは作戦じゃ! 島田の声でやっておったのに告白なにもないじゃろ!」

「……だったら自分で言えばいいのに」

 

……木下は男子なのに告白も何もないだろう。なんかおかしいよなこの学校。今更だけど。

 

          ○

清水を焚きつける(木下の)芝居が成功し、坂本たちが戻った直後Dクラスの使者が戦争を仕掛けに来たようだ。六時間目からの戦争となりすでに終業のホームルームの時間であるがまだ戦闘を続行しているようだ。俺は職員室に戻って雑務を続けていたのだが……放課後になってある人物がやってきたので指導室で応対していた。

 

「それで霧島。一体何の用だ?」

「……雄二と真剣にキスがしたい」

「…………」

 

開口一番これだ。まぁ聞かれたくないっていうのは分かるが……

 

「ずいぶんと突飛した話だな」

「……吉井は島田とキスをした」

「体を乗り出すな。そしてあれは勘違いの産物だ」

「……勘違い?」

 

霧島に今日の経緯を簡単に説明したところ納得したらしい。さすがに頭の回転は速いようで。

 

「……雄二とは雄二が寝ている間にしかしたことがない」

「…………もうやってるじゃん」

「……唇にキスしたい」

 

なんでそこまでこだわるんだろう。以前の霧島は坂本に対してそうとう押しまくっていたらしいからな……欲求不満か? しかしキスをしたいなんて依頼今までなかったけど……あ……

 

「……一つだけ、あるにはある」

「……本当?」

「『気になります』とか言い出しそうなぐらい乗り出してくるな霧島!」

「……気になります?」

「悪い。こっちの話だ。忘れてくれ」

 

思わず正直な感想が出てきてしまった。

 

「相手の好意が分からなければできなかった物なんだけどな。簡単に言えばゲームのどさくさまぎれにやる」

「……勝ったら一つだけ言うことを聞くって言う」

「まさにそれだ。ただこういうのはできる限り運が絡むゲームの方が望ましいんだけどな。トランプとかだと逃げられるかもしれない」

「……それなら私に心当たりがある」

 

何のゲームがいいかと考えていると霧島に案があるらしい。

 

「……ちょうど試作品のゲームのモニターを探していると父が言っていた。基本運頼みのゲームだから雄二も参加してくれるはず」

「……それ、どんなゲーム?」

 

霧島がカバンの中から企画書を出して俺に見せてきた。

 

「…………でかいな」

 

一目見たら恐らく誰でもそうつぶやきそうなぐらいそれはでかかった。というかなんでこんなの作ったし。

 

「……ちなみにこれどこでやるんだ?」

「かなり大きいものだから大きな場所を借り切って。以前大きな空気砲を作って実験していた場所だから大きさは十分」

「さすが霧島グループ……やることが派手だ」

「……ちなみに次期社長は雄二」

「勝手に決めたらかわいそうなんじゃ……」

 

そんな事を言いながらも計画は組み上げられていった。坂本の心境の変化につながるといいんだけどな……

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