バカテスト
第35問 麻雀における役のひとつであり、カンを行い、不足した牌を補充するため嶺上牌を引いた際に、引いた牌が自らの和了牌であった場合に付く役の事を何というか答えなさい。
【とある世界の元文学少女の答え】
嶺上開花
【和泉剣のコメント】
正解です……が、魔王らしき何かを感じるのはなぜでしょうか?
【とある無名校の同卓者の答え】
そのカン、成立せず!
【和泉剣のコメント】
成立した役の事を聞いているんですが……
【とある強豪校の同卓者の答え】
なんだ……何なんだよこいつ!
【和泉剣のコメント】
気持ちは分からないでもありません
○
『全国1億2千万人の青ひげ危機百発ファンの皆さま、お待たせいたしました! これより霧島グループプレゼンツ、第一回青ひげ危機百発チャンピオンシップトーナメント決勝戦を開催いたします!』
「「「…………はい?」」」
文月学園の所在地の街にある大きなホールで剣がそう放送したことに翔子以外の全員が首をかしげた。
『霧島から話聞いてないか?』
「翔子には試作品のゲームのテストプレイヤーを頼まれたんだが」
雄二がここにいる全員を代表してそう答える。
『今回霧島グループが製作した青ひげ危機百発のテストプレイだ。勝った人には商品もあるみたいなんだが……霧島、そこの点については説明を頼む』
「……優勝者には優勝者の望むものを霧島グループで用意する。もちろん、物でなくても可」
そう言い雄二のほうに目を向ける。
「おい、翔子……お前まさか……」
「……私が勝ったら私は雄二にキスをする」
「……ムッツリーニ、処刑の用意は?」
「…………もうできている」
『おいこらそこ二人。一応開発者さんたちも見てるんだからそういう行為はやめろ。一応SP配備してもらっているから暴れても止められると思うけど』
翔子がキスをすると宣言したのを聞いて明久とムッツリーニは完全に嫉妬全開になっているのを鉄人顔負けのガタイの霧島家のSPが止める。一方宣言された坂本は真っ白になって固まっているのだが。
「あはは。なんか面白いことになってきたね。ムッツリーニ君、賭けしない?」
「…………何をだ」
SPに解放されたムッツリーニが工藤と向かい合う。
「もしムッツリーニ君が勝ったら僕のスパッツの中、見せてあげてもいいよ?」
その言葉を聞いたとたん、鼻のあたりが膨れ上がったかと思ったらそこから鼻血が水道の蛇口から水を流すがごとく流れ出てきた。しかし……
「…………これは花粉症のせい」
あくまで強がるのだから困ったものである。知らない人間が見たら殺人現場か何かと勘違いしそうなぐらいは鼻血を出していた。ちなみに日常茶飯事なせいかその後の無駄に輸血のスピードが速いのがほめられることなのかは剣にはよくわからなかった。
『……工藤。余計な煽りをするなと言っているだろう』
「えー。だってムッツリーニ君面白いんだもん」
相変わらず反省の気配がない愛子に剣の口調も少々きついものになっている。ただ直接的に手を出したりしているわけではないのでなかなか対応に困っているというのが剣の正直な感想だった。
「そういう少しエッチなのもいいんですね……」
「ちょっとアキ! 何じろじろ見てるのよ!」
瑞希は愛子の行動に少々妄想に入ったようでぶつぶつと何かをつぶやいており、美波は相変わらずの言動といったところだろうか。
「何でもってことはこの前手に入れ損ねたあの本も……いや、今度発売される限定版の」
(完全に自分の世界に入っていってしまっているの……)
優子は完全に自分の世界に入って行ったのを秀吉が少々あきれ気味で見ていた。
『参加者は九人か。まぁちょうどいいか。さて、それではルールを説明します! 目の前にある青ひげ危機百発に一人ずつ剣を刺していき、青ひげが飛び出した時点で失格となり、それが最後の一人になるまで続けます。そして最後に残った一人が優勝となります!』
「それにしても大きいですね」
瑞希が目の前にある青ひげをみてそうつぶやく。この青ひげは高さ三メートルほど。通常サイズの何倍なのかはわからないがとにかく大きい。
『大きなイベントのために作られたものらしいからな。大きいほうが見栄えやインパクトもあるからだろう。さて、その青ひげの外側にボウリングのボールが出てきそうな機械がいくつか見えると思う。一人に一つずつ割り振られるから剣を刺さない人はそこで待機になる。ちなみにだがどれを選んでもゲームの有利不利はないからな。それと坂本ー! いい加減目を覚ませ』
真っ白になったまま固まっている雄二に剣が声をかけるが全く反応がない。『返事がない、ただの屍のようだ』というのが適切なぐらいの固まりっぷりだ。
「雄二……」
それを見た翔子は何を思ったのか顔をどんどん雄二に近づけていき……
「なっ! 翔子なんのつもりだ!?」
寸でのところで危機察知でもしたのか雄二が気付いたようでかわされた。
「……眠っている王子を起こすのにはキスが有効だと」
「それは立場が逆だろうが!」
「……じゃあ逆なら雄二はやってくれるの?」
「そういうことじゃなくてだな!」
『……とりあえず坂本、霧島。始めるから移動してくれ』
○
「機械から剣が出てきたけど……何色かに色分けされているね」
機械から排出された赤や青、黄色に緑といったカラフルな剣。これらはすべて大きさは同じで一見するとなんの意味もないように見える。
「何か剣に文字が書いてありますね……えっと『三回まわってワンという』? なんですかこれ?」
瑞希が剣に彫られている文字を見つけたようで剣にその意味を尋ねる。
『見ての通り罰ゲームの内容だ』
「「「罰ゲーム!?」」」
『さっきも言ったけどこれイベント用に作られた奴だからな。そういった要素もある。ちなみにだが罰ゲームの種類は100や200では足りないぐらいあるらしい』
「……翔子、いったいいくつあるんだ?」
「……確か800ぐらいあったはず。さっきみたいな簡単なものから腕立て100回みたいなのもあった」
「う、腕立て100回なんて……私にはとても無理です」
雄二が翔子に個数を尋ねたが想像以上の数に作った人間にあきれることしかできなかった。一方の瑞希は運動が苦手なこともあり800の中に腕立てのほかにも入っているだろう運動系の罰ゲームに戦々恐々としていた。
『まぁ基本的に青ひげを飛ばさなければ罰ゲームはないからな。運も実力のうちってやつだ。じゃあそろそろ始めようか?』
「要は勝てばいいんだろ! 勝てば!」
「……雄二、覚悟してもらう」
「これに勝って新作ゲームを!」
「いざ尋常に勝負だよ! ムッツリーニ君」
「…………お前には負けない」
「何か不安になってきました……」
「大丈夫よ。坂本の言うとおり勝てばいいんだから」
「限定品のためにも!」
「まったく……なんだか荒れそうじゃの」
『その意見には正直同感なんだが……』
各々意気込みを見せたりしたところで試合開始のブザーが鳴り響く。
『一回戦、スタート!』