深い海の様な場所に、たった一人の青年がいた。
その青年がふと目覚めた意識のなか、最初に考えたのは自分は死んだんじゃないのかという事だった。辺りを見渡せば深い海の底のような場所に、自分は落ちるように沈んでいるのがわかった。そんなことを呆然と考えていると、急に頭の中で人の声と映像が流れ始めた。
海の底で無数の泡に包まれ断末魔の叫びをあげる巨大生物、その近くにいた人影は「尾形、大成功だ! 幸福に暮らせよ! さよなら! さようなら!!!」と言い消えていき・・・
人々が住まう町中にて対峙する巨大生物と巨大ロボットと思わしきもの。互いに見つめあい何を思ったか、巨大生物は海中に姿を消し、巨大ロボットは災厄の化身となり破壊の限りを尽くし・・・
火の手が広がる街中にて再び対峙する二体。傷つけ傷つきあいながら戦いは終局へと向かう。巨大ロボットの中と思わしき場所にいる女性が叫ぶ「行くよ!《・・・》!!」
前回の死闘から一年、互いの傷も癒えずに激突する二体と巨大な蛾の親子。激しい戦闘の中、アクシデントにより巨大ロボットの内部に取り残された青年は言う「《・・・》、お前はもう眠りたかったんだな。」
多くの犠牲を出しながらも遂に巨大生物を追い詰める巨大ロボット、しかしとどめを刺さずに巨大生物ごと海に向かって飛び始める、自身の意思によって。
運命を共にしようとする青年に内部モニターを通して「SAYONARA YOSITO」とメッセージを送り脱出させ、自身は巨大生物と共に海底へと沈む。もう二度と目覚める事が無いようにと願いながら・・・
映像が終わると青年は涙をながしていた。自分は流れてきた映像が死ぬ前に見たことがあるものだと思った。そう、あれは・・・
「お前さんのロボ好きの原点、3式機龍もといその元となったゴジラの記憶じゃ」
気がつけば自分のいる場所が深い海の底の様な場所ではなく、辺り一帯が真っ白な空間にいた。ふり向けば先ほど声を発したと思われる老人がいた。
「あなたは誰なんですか?それと、ここは一体・・・?」
「ここは生と死の狭間の空間、儂は人間の概念でいう神様ってやつみたいなものじゃ」
「神様?それに生と死の・・・、ってことはもしかして俺、いや僕はつまり死んだってことになるんですか?」
「そういうことになるな、それと言葉遣いは無理に直す必要はないぞ、よほど酷くなければな」
「そうで、、わかった。そうなると神様は死んだ俺に何の用なんだ、さっきの映像といい」
「さっきの映像はお前さんと3式機龍の魂を一つにする、つまり転生の準備みたいなもんじゃ」
「転生?生き返るという事か?」
「そういうこと、ただし元の世界ではなく「艦隊これくしょん」をベースにした世界なんだけどな」
「「艦隊これくしょん」ってあの?だったらさっきの映像は? それに俺は人間だ。とてもじゃないが戦える訳じゃないし、提督業なんて出来もしないしせいぜい一般人Aとして過ごす事しか出来ないぞ? まさか艦娘になれって言わないよな?」
-「艦隊これくしょん」ー それは第二次世界大戦時の大日本帝国海軍の軍艦を擬人化したキャラを集め、強化し戦闘を行う大人気ブラウザゲームの事。そんな世界に転生すると言ったら、だいたい艦娘や深海棲艦もしくは提督や憲兵などに転生するのがお約束みたいなものだ。
「残念ながら艦娘に転生した所で儂がお前さんに頼みたい事は出来ないし、そもそも世界が先に崩壊する」
一体全体どういうことだ?全然先が見えない。
「儂がお前さんに頼みたい事は世界の救済。つまりその世界に紛れ込んだ悪意を潰して欲しい事じゃ」
「悪意?」
「簡単に言えば、様々な物たちによって生まれたバグ的なもの、そしてその大元を倒して欲しいって事だ」
怨念みたいな物や、よくある好き勝手しちゃうやつや俺TUEEとかハーレム願望、それとその世界の住人達をあくまで架空のものと扱うような転生者たちとかか? でもそれだとしたら他のものの方が適任な気もするが。
「と言っても、そこまで大げさな物はないぞ。しいてゆうなら世界の本質が歪み怪獣やらモンスター、深海棲艦の大幅な戦力強化といった所だ。確かに歪みの大元がどっかの転生者かもしれんがな。ちなみにだが、怪獣やモンスターなどは世界の修正力により艦娘より一回り大きいサイズとなっている。まぁ、それでも艦娘では対処しきれないから崩壊の道を辿っているんじゃがな」
なるほど、餅は餅屋つまり怪獣に対して有効そうなものをぶつけようという事か。流石に光の巨人みたいなやつだと対応が追い付かなくなるしな。
「だからといって、機龍を特典として使うなんて俺には出来ない。機龍は眠らせてあげるべきだ」
「お前さんは何か勘違いしとる。儂だって機龍は眠らせておくべきだと思っとるし、どうこうできる物じゃない。儂がお前さんに渡す特典は新しい体と必要な知識、それと機龍を模した武器じゃ」
機龍を模した武器?
「簡単にいえば機龍そのものを艦娘の装備みたいにしたものじゃ。流石にオリジナルの機龍自体は使えんが、装甲材質や武装、機能そのものはオリジナルと一緒で改修を重ねれば性能を大幅に上げる事も出来る。それと新しい体は艦娘をベースにそれらに見合った物になるようにするぞ」
「それと、転生するに伴いお前さんは前世の記憶の一部分は一切思い出せないようにしとくからな」
「転生に対してのアフターケアみたいな物ですか」
確かに記憶によっては未練が出そうだしな、人間関係やらなんやらで。でも、消えた分はまた作ればいいってあるアニメキャラが言ってたし、前向きにいこう。じゃないとやっていけそうにないし。
「そうゆうことじゃ。やってくれるか?」
「まだいろいろ受け止めきれないけど、やらなくちゃいけない事だというのは理解した。正直やれるか分からないし、戦える自信も無い。でも、やれるだけの事はやりたい。その思いだけは本当の筈だから」
そう、ここまで来た以上やるしかない。出来るかどうかは二の次だ。
「すまんのぉ、本当ならお前さんが背負う必要はないんじゃが」
「いいって、生き返られるだけマシだと思っとくよ」
「そう言ってもらえるとこちらも助かる。では、転生を始めるかの」
「それもそうだな」
「健闘を祈る。それと全てが終わったら好きに過ごすとよい」
「ありがとう神様、それじゃあ行ってくるよ」
「世界を頼むぞ、《・・・》」
そう言うと俺(私)の意識が落ちていくのわかった。
見切り発車なので不甲斐ない所があるかもしれませんが、完結できるように頑張っていきたいです。ご意見を沢山くれるとうれしいです。
尚、魂云々辺りは設定の方で補足します。
ぶっちゃけると他にも書きたい物があったりするという無計画さ。