人類防衛の砦の一つと言っても過言ではない此処「横須賀鎮守府」は襲撃を受け今、まさに決戦の地とも言える状態になっていた。絶体絶命の危機という状態で戦場では誰もが動きを止めていた、そんな事をすれば死にかねない状況なのにだ。と言うのも無理はない、意志あるものはあり得ないものを前にすれば誰しも動きを止めるものだ。そんな中動けるのは周りを認識してない馬鹿か、その状況を造った原因たる本人くらいだ。故に彼女は動かない周りなど気にせずに行動を開始する。
「敵艦隊補足、数十二、これより敵艦隊を攻撃する」
そう言った彼女は、背中のブースターを使いながら敵艦隊へと接近しつつ攻撃を開始した。接近する機龍に対して動きを見せていたヲ級にメーサーライフルの照準を向け、ライフルを撃ちながら誘導弾を撃ち込んだ。そしてそれは一瞬の事だった、一体のヲ級をメーサーが撃ち抜いた後、辺りが爆風に呑まれ何かが爆砕した音が響いた。煙が晴れるとそこには、ヲ級だったものと思わしき破片が波に揺られ漂っているだけであった。
これに慌てたのは、残された深海棲艦達だった。制空権は取り返され主力のヲ級達も一瞬で落された。そして奴らは感じた、
「少々知恵が回るようだが、逃がすと思っていたのか?」
そう言った機龍は、空中から奴らを見下ろしながら現在の状況を確認していた。残弾数はほぼ底をつき、この身体にも慣れてきたが初戦闘ゆえにエネルギー消費が激しかったらしく残量4割を切っている。この状態で戦い続ければ墜落しかねなく、かといって後ろのどこぞの鎮守府の状況からは援護は望めそうにもないので、機龍は近接主体の短期決戦に持ち込む事にした。
「ゆったり寝ている所を叩き起こされたんだ、そう簡単に沈めるとは思うなよ深海棲艦ども」
そこからの戦闘は、ほぼ一方的なものとなった。砲身を向ければレールガンに撃ち抜かれ、対空砲を撃てばどれも避けられる、喉元を噛み千切らんとル級が飛び掛かればメーサー・ブレードで切り裂かれる、特攻張りに体当たりを仕掛ければ至近距離でロケット弾を撃ち込まれる等と次々と撃墜数を増やしていきそして・・…
機龍の初戦闘は二艦隊分の敵を相手にたったの10分で終了したのだった・・・・・。
「なんて、なんていう戦闘力なんだ…。あれだけの敵をたったひとりで」
空を飛ぶ謎の艦娘(?)の戦闘を見ていた俺は、気づけばその場で見ていた者たちの心情を表すかのようにそう呟いていた。あの数を相手に一人で戦うなど、ましてや無傷で勝つなんてことはいくら練度を積んでもほぼ無理な話だ。だが、彼女はそれをやってのけた。そんな現実に呆然としていると、戦闘を終えた彼女が此方に向かって降りてきた。
「援護の一つがあっても罰は当たらんと思うのだが?」
降りてくるなりそう言ってきた彼女に対し、俺が何も言えずに狼狽えてると、「冗談だ」と彼女は真顔で言ってきた。
そんな言葉にムッとするものの、何も言い返せずにいると彼女は辺りを見回して「酷い有り様だな」と呟いてた。それにつられて辺りを見渡せば、全壊はしてないものの所々から煙が上がっておりとてもじゃないが無事とは言えない状況であった。だが、いつまでも狼狽えてるわけにもいかないので、俺は話を進めることにした。
「俺はこの横須賀鎮守府を任されている提督だ、助けてくれて感謝する」
そう言った俺に対して、何を考えてたのかは知らないが彼女は一つ頷くとこう言ってきた。
「私は3式多目的戦闘システム通称3式機龍だ、機龍と呼んでくれていい。暫く厄介させてもらうぞ、提督どの」
これが俺と機龍の初めての出会いだった。
この小説を見てくれている読者の皆様、本当に遅れて申し訳ありませんでした。
本来なら11月中に更新する予定でしたが、このような状態になってしまいました。
次の更新は来年の1月中旬から下旬にかけてやりたいと思っています。
こんな作品でよろしければぜひ応援よろしくお願いします。
それでは、メリークリスマス&よいお年を<(_ _)>
次回、第3話 横須賀鎮守府(仮)