あれからすごい日が経ってますけどどうにか納得のいくように出来たので……
では、どぞー
これはまだクリッチーがストレージにやってきたばかりの、まだあの二人と一緒にいた頃のお話。
ストレージへやってきたクリッチーは初めての場所に戸惑い、ここがどこなのか理解できませんでした。そんな彼女の前に現れたのが、クリッターと、黒き森のウィッチの二人でした。二人はここがどういうところなのかをクリッチーにクリッチーに説明してくれました。二人の説明はわかりやすく言えば『ここは持ち主に売られたカードたちが集められた場所』とのことでした。売られた、の一言で泣きそうになってしまったクリッチーでしたが、黒き森のウィッチが一言、『新しい持ち主との出会いの場所でもある』と付け足しました。続けて、新しい持ち主との出会いの場所、つまり完全に必要とされなくなった訳ではなく、まだ自分を必要としてくれる別の誰かが手を差し伸べてくれる、そういうことだから安心してね、と黒き森のウィッチは言いました。クリッターと黒き森のウィッチは彼女の融合素材という繫がりで三人はすぐ仲良くなりました。
それから三人はいつも仲良く、誰が早く新しい持ち主を見つけられるかなどを話しながら過ごしました。クリッターや黒き森のウィッチたちはここにやってくる前に何をしていたのか、など二人のことはクリッチーにとってはとても興味があることでした。自分も早く新しい持ち主を見つけて活躍してみたいという目標が彼女にはできたのです。三人にそれぞれ目標ができ、互いに切磋琢磨しあっていたある日、クリッチーの心を傷つけるあの出来事が起きてしまったのです。
ある日、お店にやってきた一人の男性がストレージを漁っているときにクリッチーを見つけました。クリッチーはお店にやってくる人が自分を手に取ってくれる度に誰が新しい持ち主になってくれるかワクワクしながら待っていたのですが、この男性はクリッチーを手に取り、しばらく眺めたあと他のカードとともにストレージに戻しました。クリッチーは今回もダメだったと落ち込んでいるところに男性が去り際に「クリッチーか……クズカードだな」とだけ言って去っていきました。その一言でひどく心を傷つけたクリッチーは泣き続けました。
彼女が傷つき落ち込んでいると知ったクリッターと黒き森のウィッチは慰めようと彼女のもとに現れたのですが、『クズカード』の一言で心を傷つけた彼女は、二人に対して『お前たちが禁止カードになったせいで私の存在存在価値がなくなったんだ』と怒りに任せて言い放ってしまったのです。ハッと我に返ったクリッチーが二人の表情を伺うと、クリッターは怒りながら「悪かったな!」とだけ残しその場から去って行き、黒い森のウィッチは悲しげな表情で一言、「ごめんね」と呟き立ち去りました。
二人が去った後、クリッチーは再び泣き崩れました。今度は『クズカード』と言われたときよりも大きな声で、目が赤くなるまで泣き続けました。なぜあんなことを言ってしまったのか、なぜ怒りの感情に身を任せてしまったのか……クリッチーは一日中泣き続けたのです。二人に謝りに行こうにもひどいことを言ってしまった罪悪感からすぐには向かうことはできませんでした。クリッチーが二人に謝りに向かったのはそれから二日ほど経った日でした。
しかし、クリッチーが二人の元を訪れると二人の姿は既にありませんでした。クリッチーがひどいことを言った後に二人は買われてしまった、とのことでした。二人に会えなくなったと気づいたクリッチーは泣き出しました。あの一言がなければこんな別れにはならなかった、と自分を責め続けました。しかし、自分を責めたところで二人は帰ってきません。そうして、クリッチーは自身の心を閉ざしてしまいました。誰ともかかわらなければ誰も傷つくこともない。そう決めつけて彼女は一人でいることを続けました。
……そんな心を閉ざした彼女が、一人の青年と出会い心を開くのはそう遠くない未来の話。
余談
本編(前話)を書いている段階では件のカードコレクターは青年の友人にしようとか、クリッチーの存在を貶した男性を出してデュエルさせようかなー、とか考えていたのですがそう考えるだけで行動に移さなかったせいでルール改訂、制限禁止改訂でクリッターと黒き森のウィッチの帰還……など色々な(前者はかなりつらく、後者はクリッチーと私にうれしい)出来事がたくさんありまして書くことを躊躇っていた、という訳です。というか久しぶりにクリッチーの物語を書いたせいでおかしな部分が見つかるかもしれませんね…
と、長くなりましたがこんな拙作ですが読んでくださり本当にありがとうございました。一話で感想をくれた方、評価をつけてくださった方たちには忘れたころに続きを出して申し訳ない気持ちでいっぱいです…。またおまけを書くことがあれば今度は早めに書けるといいかな……それでは、ありがとうございました!