自分の格好はさっきまでのパジャマではなく、全身黒のスニ―キングスーツ。どうしよう…とりあえず俺は寝床についた。
次の日。朝も普通に起き、朝ごはんも作り、しっかりいつも通りの生活をしようと取り組んでいた。いつもの生活を意識するぐらい、今自分は混乱していた。服を着替え、寝癖がないか鏡を見た。信じられない光景だった。自分の髪と目はそのまま金色だった。これだと絶対師範に怒られるし、みんなにも非難され、試合前に部活の退部が決まってしまう…!とりあえず愛用のバンダナを頭に巻き髪を隠した。そして、体育館に向かった。
「おっは~!」体育館入り口で勇美が声をかけてくる。
「お、おはよう…」
俺は走ったせいで息が切れまくっていた。
「圭君…なんで今日バンダナ巻いてるの?」
おかしそうに笑う。こっちには相当な理由があるんだけど…言えないし…うーん。
「き、気持ちを入れてきたんだよ!だって、初試合で初大将だから!」
これが精一杯だった。「へぇ~圭君、がーんばっ!」背中を叩き彼女は体育館にはいって行った。
半日俺らは試合を続け、俺は大将としてフィールドに立つことになった。相手も大将。一体五でこちらが勝っていたのを一気にひっくり返した。先輩たちは悔しそうな表情を浮かべながらも、明らかにこちらをあざ笑うような笑みが漏れていた。そんなことを言ってる間に審判の声が響き渡る。「お互い正面に礼!」お互い礼をする。
「お前の心をへし折ってやるよ。」相手がこちらを挑発する。「始め!!」相手は一歩後ろに下がる。先輩たちの試合の動きと全く違い、どう動けばいいかわからなかった。どうすればいいか、その不安がさらに俺の体を重くする。しかし俺は見えてしまった。敵の動きが。俺が突っ込むのを完全に待っている。呼吸数、視線、体の角度、相手の重さ、刀の種類、これらの情報が一気に流れ込んでくる。だがなぜか頭はパンクしない。俺の頭は無意識に情報をまとめあげ一つの動きを導き出した。しかも、それは無茶な行動ではない。自分の動ける範囲も計算済みの動きだった。俺の体は拒否することなく動き始める。徐々に相手の顔が恐怖に染まっていくのが見えた。
試合が終わり、見事うちの剣劇部は男子団体戦を制することができた。先輩たちもほめてくれた。「おまえはやればできるやつだ」と。が、また見えてしまう。彼らの心の中は間違いなく、俺をほめていなかった。むしろ俺に憎しみの感情を募らせていた。それをみて、俺はとても気持ち悪くなった。その、不穏な出来事がまた俺を苦しめる。先輩たちを作り笑いでかわし、俺は体育館から出た。出口には勇美がいた。「お疲れ~すごいよ!優勝するなんて!」俺を撫でてきた。今そんな余裕はない。また作り笑いでかわそうとするが、その前に勇美は口を開く。「ねぇ、圭君。て、言うか本当に君は赤村圭君なの?」驚きの質問だった。その場から動けなくなる。「圭君…いつもの…圭君の剣技はどうなったの…?今日の圭君はおかしかった。」勇美はいつものノリで言うが、顔が笑っていない。「それは…見間違いだよ…」「なぜか張り切ってバンダナ巻いてくるし、なんか、暴れて相手を倒してる感じだったから…あなたは赤村圭じゃない…私は傷つけない剣技をする圭君が好きだったのに。」何も言い返すことができない。変わってしまったことはだめな事なのか。じぶんにといかける。しかし、脳はあの時みたいに答えを割り出してはくれなかった。「お疲れ。また明日ね。」その乾いた言葉は俺の気持ちをどん底まで突き落とした。
さぁ…あとがきです。もう少ししたら、戦闘シーンを増やそうと思っています。早く書きたいです…!ではでは!