「お、お前はぁぁ!?」 怪物と化した透の母親は、バッと後ろに後退りした。
「わかっている筈だぜ・・・」
透はゆっくりと立ち上がった。透の身体が変化していく・・顔はワニのようになり、身体中が鱗に覆われてた! 爪が鋭く尖り、長い尻尾が生えた!! まるで人とワニを併せたような姿・・・
「俺は・・お前たち悪魔の力と、人間の心を持つ者・・・悪魔人間(デビルマン)だ!!」
「デビルマンか・・くくくっ、アガレスよ人間に力を奪われたようだな」
透の母親も悪魔に変身した! 翼をもった豹の姿になった!
「奪われた?俺が悪魔の力を奪ったといってもらおう!!」
豹の悪魔は透に鋭い爪で攻撃をくわえる! しかし、硬い鱗をもつデビルマンと化した透を傷つける事はできない!!
「ムダだ、グシオン!そんな攻撃は通用しない!!」
透は豹の悪魔グシオンの頭を両手で掴み、押し潰そうとする。
だが、グシオンは透の顔を目掛けて口から炎をあびせかけた!!
これには堪らず、透は手を離してしまった!! グシオンはその隙に窓を突き破り、逃げてしまった!
透は、逃げ去ったグシオンを追わなかった。翼を持たない透では追い付けないし、追う気力もなかった。
やがて気持ちが落ち着いてきた・・悪魔の力が収まってゆくのが感じられる・・そしてワニの悪魔の姿から、もとの人間へと戻った。 そしてバタッと倒れると気を失った・・・ (これは夢なんだ・・目が覚めたら、いつもの生活がまってるんだ・・)
気を失う瞬間、透はそう願った。
アガレス・・・ 透と合体する前、この悪魔はそう呼ばれていた。硬い鱗と鋭いキバと爪、強靭な肉体で悪魔たちから一目置かれる存在だった・・
アガレスは、悪魔族の勇者アモンに憧れていた・・そのアモンは人間に力を奪われ、デビルマンとなり、人間を守るため悪魔たちと戦っているという・・ (私もアモンと共に戦いたい!)
アガレスはそう願った!
そしてアガレスは、デビルマンとなり得る者を探した・・強い意志と善良なる心を持つ者・・鳴島 透を見つけた。そして、合体の機会を待った。
他生物との合体能力をもつ悪魔だが、理性をもつ人間との合体は簡単ではない。下手に合体すると、人間のもつ理性のために拒絶反応をおこし死んでしまうのだ! 人間との合体は人間が理性を失った状態でないといけない!!グシオンに襲われた透が理性を失った時、アガレスは透との合体を成功させた。そしてデビルマンとなる事ができたのだ!
悪魔アガレスの意識は、透がデビルマンとなった時に消えてしまう・・・ だが、アガレスはそれで良かったのだ・・・勇者アモンと共に戦える・・・悪魔族の誇り高き戦士としてこれ以上の名誉があろうか・・・ 例え、悪魔族を裏切る事になろうとも!
透は目覚めた・・気を失っている最中、自分と合体した悪魔アガレスの記憶が流れ込んできた思いがした・・・