GOD EATER ~~新型姉弟の捕喰生活~~   作:楠富 つかさ

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#1 適合試験

「適合試験まだかなぁ?」

「ったく、ヒナキは堪え性が足りない。あと、緊張感もだ」

「タカヤは堅くなりすぎ。自然体がいいんだよ」

「これが俺の自然体だ」

 

俺と姉であるヒナキがいるのは、フェンリル極東支部、通称アナグラだ。俺達はこれから、この世界に蔓延る怪物……アラガミに対抗しうる唯一の手段である神機使い――ゴッドイーター――となるための試験を受ける。

 

『長く待たせてすまない。さて、ようこそ…人類最後の砦、フェンリルへ。今から対アラガミ討伐部隊ゴッドイーターとしての適正試験を始める。少しリラックスしたまえ。その方がいい結果が出やすい。心の準備ができたらケースの前に立ってくれ』

 

長い話だったな。さっさとやるか。

 

「タカヤ……あたし、土壇場に弱いかも~」

「知るかっ。さっさと済ませるぞ」

 

中央に置かれた赤いプレス機のような装置……。覚悟を決めて手を伸ばす。そこに置かれた神機と呼ばれる武器の柄を持って数秒、プレス機の上部が俺の右腕を捉えた。迸る痛み……だが、この程度で喚くものか! プレスから解放された右腕には赤の腕輪が。神機使いの証だ。隣を見れば、ヒナキも試験を終えていた。

 

「やったね」

「ふん、これからだ」

『おめでとう。君らがこの支部初の新型ゴッドイーターだ。適正試験はこれで終了だ。次は適合後のメディカルチェックが予定されている。始まるまでその扉の向こうの部屋で待機してくれたまえ。体調が悪いなどの症状のある場合はすぐに申し出るように。期待しているよ』

「期待されてるねぇ、あたし達」

「知るかっ。取り敢えず、ここを出るか」

 

入ってきた重い扉を開け、さっきまで待っていた場所へ向かった。さっきとの違いは……誰かいるな。暖色系の服とニット帽か……チャラいというより、ガキっぽいといったとこか。

 

「ねぇ……ガム食べる?」

「食べる!!」

「いらん」

「あ、切れてた。今食べてるのが最後だったみたい。ごめんごめん」

「そうなんだ……残念」

「アンタらも適合者なの?」

 

よく喋るヤツだな……面倒くさい。

 

「そだよ」

「俺と同じか、少し年上っぽいけど…まあ、一瞬とはいえオレのほうが先輩ってことで! よろしく!」

「よろしくね。あ、ところで名前は?」

「あぁ、オレはコウタだ。十五歳。そっちは?」

「あたしはヒナキ、十七歳だよ~。こっちは弟の……」

「自己紹介くらい自分でさせろ。俺はタカヤ。十六だ」

「はぁ、年上揃いか……。ま、いいや。よろしくな。二人とも」

 

それからしばらく話していると、アナグラ全体が静かになった気がした。そのせいか、鉄製の床を打つ…これは、ヒールの音か? とにかく、何者かの足音が異常なまでに響いていた。

 

「立て」

「え?」

「立てといっている! 立たんか!」

 

現れたのは二十台後半と思しき女性。おそらく足音の正体は彼女だろう。やけに威圧的な声だ。いや、それはコウタの一言目のせいか?

 

「こらから予定が詰まっているので、簡潔に済ますぞ。私の名前は雨宮ツバキ。お前たちの教練担当者だ。この後の予定はメディカルチェックを済ませたのち、基礎体力の強化、基本戦術の習得、各種兵装の扱いなどのカリキュラムをこなしてもらう。今までは守られる側だったかもしれんが、これからは守る側だ。つまらないことで死にたくなければ、私の命令には全てYESで答えろ。いいな? 分かったら返事をしろ!」

「「「はい!!」」」

「早速メディカルチェックを始めるぞ。まずは新型二名からだ。ペイラー・サカキ博士の部屋に一五○○までに集まるように。それまで、この施設を見回っておけ。今日からお前らが世話になる場所だからな。メンバーに挨拶の一つでもしておくように」

 

そんじゃ行きますか。にしても、アナグラの中って意外に広いな。

 

「タカヤ? 博士の部屋にはどこから行くの?」

「そこのエレベーターからだろう」

 

階段を上って左手のエレベーターを見る。

 

「お、君らが新型の人っち? あたしは楠リッカ。整備班所属の整備士だよ。メディカルチェックでしょ? ラボラトリは地下25階だよ。君らの私室は地下14階のエレベーター降りてすぐ左右だよ。ま、階さえ分かれば平気よね。ターミナルは起動してあるから。じゃあね」

「行こうか」

「だな」

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