GOD EATER ~~新型姉弟の捕喰生活~~ 作:楠富 つかさ
……ん? あぁ、ここが俺の部屋か。案外広いな。これがターミナルか。後で確認しておこう。取り敢えず、部屋を出るか。
「あ、タカヤも起きたんだ。お部屋広いね~」
廊下に出ると、ヒナキも出てきた。
「お、新入り共。起きてきやがったか。俺は小川シュン。ツバキさんに頼まれてお前らを迎えにいくとこだったんだ。すぐにツバキさんに会いに行けよな。んじゃな!」
声をかけてきたのは一人の少年。といっても、年上の可能性ありだが。格好は緑っぽいジャケットと斜めに被った帽子。屋内で帽子を被るなって、突っ込むとこはそこじゃないか。そんじゃ、怒られないように急ぎますか。
「行くぞヒナキ」
「ういよ~」
エレベーターでエントランスのある一階へ移動する。階段を下ってツバキさんに話しかける。
「メディカルチェックは終わったようだな。それでは、任務についてもらう。任務は、そこにいる竹田ヒバリが管理と発注している。分かったな? 期待しているぞ」
「えっと、改めまして。竹田ヒバリと申します。簡単な流れとしまして、こちらでミッションを受注し、上階のターミナルで兵装を整え、出撃ゲートから任務へ挑む。こんな感じです」
「おお、分かりやすいよヒバリちゃん!」
「あ、よかったぁ。いろいろと至らぬ点もありますが、よろしくお願いします。えっと、こちらが今回挑んでいただくミッションです。」
「行ってくるよ!」
「ヒナキ! まだだ。上官の雨宮少尉が来るのを待てって!」
「あ、リンドウさん。支部長が見かけたら、顔を見せに来いと言っていましたよ?」
ヒバリの前を通る二十台半ばの男性。リンドウと呼ばれた彼が、極東支部第一部隊の隊長、雨宮リンドウ少尉なのか! 十年近くに渡ってアラガミを斬り続けるベテランの神機使いだ。多くの新人を死地から助けた彼が、
「オーケー、見かけなかったことにしといてくれ」
こんなに飄々とした人物だなんて知らなかった!!
「よお、新入り。俺は雨宮リンドウ。形式上、お前らの上官にあたる。…が、まあめんどくさい話は省略する。取り敢えず、とっとと背中を預けられるくらいに強くなってくれ。な?」
雨宮少尉と話していると、一人の女性が近づいてきた。
「あ、もしかして新しい人?」
「あー、今厳しい規律を叩き込んでるんだから、あっちいってなさい。サクヤ君」
「了解です。上官殿」
サクヤと呼ばれた女性は軽く手を振ってから場を離れた。
「今の人ってリンドウさんの恋人ですか?」
「そんなんじゃねーよ」
「あ、結婚済み」
「まったく、新型姉は言ってくれるね。俺とサクヤはただの上官と部下ってだけだ。ま、付き合いは長いがな」
「雨宮少尉、そろそろ時間が……」
任務前とは思えない雰囲気にたまらず俺が口を挟むと、
「堅いな! 新型弟は堅物君か。ま、そんな堅くならずによ、気楽に構えてろよ。俺のことは名前で呼ぶように。階級なんて意識するな。こんな仕事だ。長生きすると勝手に上がってんだよ。階級なんて。いいな?」
鷹揚に笑いながら俺の肩を叩く雨宮少尉……リンドウさん。
「分かりました。リンドウさん」
「とまあ、そういうワケで……だ。早速任務だ。安心しろ、今回の緒戦は俺も同行する。んじゃ、神機取りに行くか」
頼もしい背中を追って、俺たちは神機保管庫へと向かう。
「や、メディカルチェックの前以来だね。リッカだよ。君たちの神機、ばっちりチューニングしてあるよ」
神機保管庫にあるターミナルに腕輪を接続させると、使用が承認される仕組みになっている。右腕を嵌めてロックを解除すると、俺の目の前に適合試験の時に握った神機が姿を現した。
「さて、獲物の確認は済んだ? 今回のミッション地は壁の外。歩いていくぞ」
いよいよ……実戦か。
リザレクション発売日。ただし我が家にはしばらく来ないと思う。