第二次スーパーロボッコ大戦   作:ダークボーイ

69 / 72
第二次スーパーロボッコ大戦 EP69

 

「また来ます!」

「完全に狙われてるでち!」

 

 水上では増援が到着したのと同じ頃、水中でも潜水艦娘達と潜水棲姫の死闘が繰り広げられていた。

 

「上には増援が来たようだけど………」

「水中戦力までは用意出来なかったみたい!」

「ユー達でどうにかするしか…」

 

 なんとか相手の魚雷攻撃を回避しつつ、反撃を試みる潜水艦娘達だったが、潜水棲姫の異常な回避能力に成果は得られなかった。

 

「上から爆雷でも投下してもらいたい所だけど…」

「そんな余裕は無さそう」

「そもそもあれの攻撃が上に向いたらやばいでち!」

 

 はっちゃんとしおいがぼやくのをゴーヤが一喝する。

 

「今海上とデータリンク、こちらの情報を随時送信して援護要請を発信します」

「援護してくれそうな宛てがあるでちか?」

 

 ヴァッフェドルフィンの提案に、ゴーヤが首を傾げる。

 

「来るよ!」

 

 潜水棲姫が再度接近しながら攻撃しようとするのをしおいが警告した時、海上から多数の爆雷が投下される。

 

「援護来た!」

「いや…」

 

 はっちゃんが思わず声を上げたが、ゴーヤは潜水棲姫の動きを冷静に見ていた。

 投下された爆雷を起爆するより早く、驚異的な機動で潜水棲姫が切り抜けていく。

 

「そんな!?」

「深海棲艦である事を除いても異常な動きでち」

「どんな改造されてるの!?」

「迎撃を…」

 

 潜水艦娘達が驚愕しつつも迎撃しようとする中、再度爆雷が投下される。

 潜水棲姫は加速してそれをかわそうとするが、そこでいきなり爆雷の沈降速度が上昇、更には潜水棲姫の間近で複数の子爆雷に分裂、爆発して確実なダメージを与える。

 

「なんでちか今の!」

「海上からの援護、今のが本命です」

「誰よあんな爆雷使ってるの…」

 

 

「命中確認! 目標にダメージを与えた模様!」

「次々行こう!」

 

 ランサメントの報告を聞きながら、吹雪が他の爆雷を装備した駆逐艦を中心とした艦娘達で次々と攻撃していく。

 

「目標回避行動、行動先予測!」

 

 そこへ如月が水中からのデータを元に相手の行動シュミレート、そこへ試作品のクラスター爆雷を投下していく。

 

「再度命中!」

「すごいねその爆雷」

「博士が作ってくれたの。そんな数は無いけど………」

「後でその人にお礼言わないと」

「まずはここを切り抜けてから!」

 

 睦月が驚異的な命中力のクラスター爆雷に感心するが、吹雪はちらりとウィッチ達のシールドがこちらを守ってくれているのを確認しつつ、爆雷攻撃を続ける。

 

「当たってはいるけど、大破撃沈までは行ってないみたい」

「せめて浮上してくれば…!」

「ちょっとそこどいてや~!」

 

 攻めあぐねている吹雪達の上から声が響いて来たかと思うと、そこにパラシュートで降下してくる影が有った。

 

「おわっと!」

「気を付けて!」

 

 降下してきたパンツァー姿ののぞみと、光の戦士用のライトニングユニットに乗った白香が何かを持ってきていた。

 

「持ってきたで、水中用秘密兵器!」

「出来れば水中にいる方々に退避を!」

 

 その持ってきた物、金属製の円筒の中央のクリア部分に金属球のような物が収まっている物を見た艦娘達が首を傾げる。

 

「何ですかそれ?」

「何かどっかで…」

「まさかオキシジェンd…」

「投下!」

 

 艦娘達の了承を待たず、のぞみがそれを海中へと投下する。

 

「ちょっと!?」

「下にはまだ潜水艦隊の人達が!」

「大丈夫、非殺傷兵器らしいで。試作品やけど」

 

 

「海上から新兵器投下確認!」

「新兵器ってなんでち!?」

「取りあえず距離を!」

「新兵器はこちらで誘導します!」

 

 ヴァッフェドルフィンの報告に潜水艦娘達が慌てる中、ヴァッフェドルフィンがソナーの類を使用して新兵器を潜水棲姫の方向へと誘導していく。

 潜水棲姫もそれに気付き、迎撃しようと艤装を向けた所で、突然新兵器が魚雷も上回る速度で動き始め、艤装の射線や潜水棲姫の振り回される腕すらかいくぐり更なる深度へと移動する。

 

「!?」

 

 異常を察した潜水棲姫の真下に達した新兵器から突如として無数の泡が吹き出す。

 

「あれってまさか水中酸素破…」

「いえ送られてきたデータによれば違います」

 

 何か見た事あるような光景にしおいがそれとなく聞くが、ヴァッフェドルフィンが首を左右に振る。

 噴出した無数の泡が潜水棲姫を包み込んでいき、そしてその表面に張り付いていく。

 

「コレハ…!?」

 

 それが何かも分からぬまま張り付いてくる泡を潜水棲姫は振り落とそうとするが、泡は次から次と張り付いていき、程なく全身くまなく覆いつくしたかと思うと、潜水棲姫の体がどんどん浮上していく。

 

「何なんでちか、あれ?」

「発泡型浮上剤だそうです。水中であれが張り付くと、容易に剥がれず、驚異的な浮力で強制的に浮上させられるようです」

 

 ゴーヤも唖然とする中、ヴァッフェドルフィンが使用と同時に送られてきたデータを暗唱する。

 

「陸に上がったカッパならぬ、海面に上がった潜水艦という事…」

「誰が考えたのやら………」

「でもうまい手」

 

 海面に急浮上していった潜水棲姫を見送った潜水艦娘達が、そこで我に返る。

 

「このまま一気に水中を制圧するでち!」

『了解!』

 

 

 

「トゥリー、ドゥヴァ、アジン、ノーリ!」

「ファイアー!」

 

 エスパディアのカウントダウンと同時に、浮上してきた潜水棲姫に向けて金剛四姉妹の一斉砲撃が炸裂する。

 

「グガ…!」

 

 戦艦クラスの一斉砲撃に潜水棲姫が苦悶を漏らす。

 

「次弾装填、ハリーね!」

「援護攻撃!」

 

 金剛達の艤装の装弾の済むまでの間、隙を与えまいと吹雪の号令の元、周囲の艦娘が一斉砲撃を開始する。

 

「姫クラス相手に私達の砲撃じゃ…」

「任せて!」

 

 睦月が当てた砲撃が左程効いて無さそうな事に思わず漏らす中、如月が慎重に砲を構えると、その砲身が伸びて燐光を発し始める。

 

「え?」

「スナイプモード、発射!」

 

 如月の砲身から、明かに弾速がおかしい高速弾が発射、完全に一直線に飛んで潜水棲姫に直撃、大ダメージを与える。

 

「すごい………」

「電磁レールの加速度を上昇させたのか。そんな機能が有ったとは」

「砲身冷却が必要だから、連射は無理」

 

 吹雪とランサメントも驚くが、如月が高熱を帯びている砲身を見て呟く。

 

「問題ナッシング! 次弾ファイアー!」

「ガ、アアアアァァ!」

 

 そこに装弾を終えた金剛四姉妹の再砲撃が直撃し、とうとう限界に達した潜水棲姫が断末魔と共に沈没していく。

 

「これで水中の敵はほぼ片付きました!」

「けどまだ…」

「また来るぞ!」

「防御体勢!」

 

 強敵撃破の喝采を上げる暇も無く、再度大斬撃波が放たれ、皆が一斉に防御に回る。

 

「これで何発目!?」

「四回だったか五回だったか…」

「完全に一撃離脱に特化して使うとは、卑劣な!」

 

 密集して伏せる事で余波の衝撃に耐える駆逐艦娘達だったが、吹雪の艤装にしがみついているランサメントが思わず悪態をつく。

 

「今上空の突撃部隊が戦艦仏棲姫に攻撃を試みてるけど、向こうの弾幕もかなり厚くて苦労してるらしい!」

「そっか、突出してくる分、後方の深海棲艦は弾幕に専念できるのか………」

「感心してないで、どうにかしないと!」

 

 ランサメントが他の武装神姫のデータリンクから送られてくるライブ戦況を聞きながら、吹雪達はどうすべきかを考える。

 

『総員、聞こえるか』

「! 提督!」

『今上空艦からの情報が来た。対深海棲艦用の切り札の最終調整中だそうだ。それまで、防御に徹しろ。撃沈を狙わなくていい、防衛線維持を最重視、特に装甲の薄い艦は小破でも後方に下がれ。長門も先程出撃した、直に合流する』

『了解!』

 

 突如響いて来た冬后提督の司令に、艦娘達が一斉に答える。

 

「切り札ってなんだろ?」

「何かすごいのは確かだよ」

「それまで持たせないと!」

 

 艦娘達は残った力を振り絞り、砲を構えた。

 

 

 

「くっ、ダメか!」

「上昇するぞ!」

 

 突出してきた戦艦仏棲姫に向けて急降下攻撃を試みたバルクホルンとマルセイユだったが、深海棲艦の濃密な弾幕に阻まれ、断念せざるをえなくなる。

 

「あいつさえ潰せば、一気に片が付くというのに!」

「向こうも分かってるからこの防衛体制だろうな。ましてや、あいつ等ネウロイより固いし」

「トゥルーデのカノン砲ならなんとか…」

「来ます!」

 

 攻めあぐねるウィッチ達に向けて、戦艦仏棲姫の艤装がこちらに照準されたのを見たライーサの警告に、四人が一斉に散開して砲撃を回避する。

 

「ええい、ネウロイのビームよりはマシだが!」

「威力は左程変わらないだろうな!」

 

 悪態をつくバルクホルンとマルセイユがお返しとばかりに攻撃するが、放たれた50mm砲弾と7・92mmモーゼル弾は半ば回避され、当たっても大したダメージにならない。

 

「この程度では効かんか………」

「やはり稲垣曹長に大型砲を…」

「ケイ一人に上の防衛やらせる訳にはいかないだろう。それに手は空いてないようだ」

 

 マルセイユが呟きながら上空を見る。

 そこにも激戦が繰り広げられていた。

 

 

「真美! 三時方向!」

「はい!」

 

 ストームウィッチーズ隊長の圭子と部隊最年少の真美の二人が、エイハブに襲い掛かろうとする深海棲艦艦載機を次々撃墜していく。

 

「砲撃は届かなくても、こいつらは届くはね………」

「でもこちらの攻撃は効いてます!」

「私は少し怪しいのだけれど」

 

 すでに年齢的に退役年齢の圭子の銃撃は、真美のそれに比べると、深海艦載機の撃墜にそれなりの弾数を必要としていた。

 

「自由の女神の前でノイズとやらに襲われた時もこうだったわね!」

「すいません陛下、私の攻撃では…」

 

 圭子の隣で何とか援護を試みるサイフォスだったが、サイズに見合わない攻撃力を誇る武装神姫の攻撃も深海艦載機相手にはほとんどダメージになっていない。

 

「やはり、こいつら相手に我々では…!」

「情報伝達だけでもありがたいわ! でも少し501から回してもらえないかしらね…」

 

 悔しがるサイフォスをなだめながら、圭子が次の目標に狙いを定めた時、その目標が下からの銃弾によって撃墜される。

 

「あら」

「加藤少佐!」

「御助勢します!」

 

 思わず声を上げた所に、下からペリーヌと静夏が向かってくる。

 

「秘密兵器の調整までもあと少し! 持たせてマスター!」

「分かってますわ、トネール!」

 

 隣に飛ぶヴェルヴェイエッタからの報告を受けながら、ペリーヌは固有魔法の電撃で深海艦載機をまとめて落とす。

 

「さすがに強烈ですね………」

「でもあれ、海上の混戦だと使えないわね」

「どうやらそのためにこちらに回されたのかと」

 

 ペリーヌが援護に来た別の理由を推察しながらも、圭子達も奮戦する。

 

「秘密兵器とやらに期待して大丈夫なのかしらね!」

「恐らくは」

 

 サイフォスに思わず確認しながら、圭子はトリガーを引き続けた。

 

 

 

『先程、こちらの秘密兵器が調整終了したとの情報が来た。これから投下するそうだ』

「使用前に撃墜されるとまずいな。投下前にこちらが一斉攻撃、相手の注意を引け」

『401もそれに合わせて残弾を全て発射する』

 

 サニーサイド、冬后提督、群像が素早く作戦を組み、互いに確認した所でエイハブの下部格納扉が開いていく。

 

「今だ!」

『一斉発射!』

 

 同時に号令が飛び、艦娘と401の総攻撃が一斉に深海棲艦へと発射され、その隙にエイハブから大型コンテナ程の何かが投下される。

 

「速度抑制!」

「ダメ、狙われる!」

 

 コンテナ上部に乗ったままのミドリがパラシュートを展開しようとするが、同じく乗っていたミキが明らかに深海棲艦がこちらに目をつけているのに気付く。

 

「突貫で調整したから、強度問題はクリアしてないらしいわ!」

「エリカ様がいたらこんな無様な事には…!」

『限界点、パラシュート開くよ!』

 

 二人が警戒する中、落下速度を計算していた蒔絵が遠隔でパラシュートを展開する。

 だがそこを見逃さず、戦艦仏棲姫が烈風丸を構える。

 

「まずい、アレが来たら!」

「ミーナ隊長!」

「501、総員で防御を…」

 

 ミドリが焦り、ミキの要請に応じてミーナがウィッチ総員でコンテナを守ろうとするが、そこに戦艦仏棲姫が大斬撃波を放つ。

 

「きゃあ!」

「うわっ!」

 

 フォーメーションを組む間も無く、各個で受けようとしたウィッチ達が弾き飛ばされ、大斬撃波が迫るのにミドリとミキが構えるが、そこでその前に立ちはだかった者がいた。

 

「たああぁぁ!!」

 

 芳佳が切り札としていた真剣・白羽鳥を抜き放ち、ありったけの魔法力を込めて大斬撃波を受け止める。

 

「芳佳ちゃん!」

「芳佳!」

「あああぁ!」

 

 リーネとルッキーニが慌ててサポートに入ろうとするが、芳佳は全力を持って白羽鳥を振り抜き、大斬撃波を粉砕する。

 が、そこでバランスを崩して落下しようとするのをリーネとルッキーニが慌てて確保する。

 

「芳佳ちゃん大丈夫!?」

「芳佳しっかり!」

「大丈夫………ちょっと無茶しちゃったけど」

 

 心配する二人に笑みを見せながら、何とか体勢を立て直した芳佳が用意しておいた回復ドリンクを取り出して一気飲みする。

 

「芳佳ちゃん! 下!」

 

 リーネが叫びながらシールドを張ったのを見た芳佳が下を見ると、そこには戦艦仏棲姫が烈風丸を間近に来た長身にマント姿の戦艦タ級に投げ渡し、戦艦タ級が烈風丸をコンテナへと向けて構える。

 

「あ…!」

 

 飲みかけの回復ドリンクを投げ捨て、シールドを張ろうとするが、それより早く動いた者がいた。

 

「させるかぁ~!!」

「集中させろ!」

 

 上空から急降下しながら、バルクホルンとマルセイユが戦艦タ級に向けてありったけの魔法力を込めて攻撃を叩き込む。

 

「離れないで! シュツルム!」

 

 急降下するウィッチ達に向けて深海棲艦の対空攻撃が集中するが、ハルトマンが固有魔法で竜巻を作り出し、即興の防壁とする。

 

「全弾叩き込めば…!」

 

 防御を任せ、バルクホルンは攻撃に集中する。

 急降下の勢いと魔法力の籠った50mm砲弾が戦艦タ級に次々炸裂し、タ級の手から烈風丸が弾き飛ばされ、確実にダメージを与えていく。

 だがそこで、タ級の隣にいた戦艦仏棲姫がこちらも攻撃を食らいつつも、砲塔をウィッチ達へと向けてくる。

 

「いかん!」

「トゥルーデ!」

 

 ハルトマンの竜巻の防壁の死角とも言える中央部に向けられる砲口に、マルセイユとハルトマンは即座に危険と判断、上昇に転じようとするが、バルクホルンは降下速度を緩めない。

 

「そこだ…」

 

 バルクホルンがタ級に止めを刺そうとした時、手にしたBK5カノン砲が乾いた音を立てて残弾が尽きる。

 

「くっ!」

「バルクホルン大尉!」

「急いで!」

 

 さすがに降下速度を緩め反転しようとするバルクホルンに、ライーサとハルトマンが何とか追いつき、両腕を掴んで強引に反転させる。

 そこへ戦艦仏棲姫の砲撃が撃ち込まれようとするが、ライーサのシールドがかろうじてそれを防いだ。

 

「離脱を! そんな持ちません!」

「せめて烈風丸だけでも破壊出来れば!」

「もう遅い」

「取らせるかぁ!」

 

 烈風丸が宙を舞う中、鎮守府から駆け付けた長門が、烈風丸へと手を伸ばす戦艦仏棲姫へと41cm連装砲を次々と発射する。が、ダメージを受けてたはずの戦艦タ級が射線へと割り込み、砲弾をその身で受け止める。

 

「くそっ」

「まだよ」

 

 戦艦タ級が砲撃で轟沈するなか、長門の脇についた陸奥が副砲で烈風丸を狙うが、今度は深海棲艦艦載機が壁となってそれを阻む。

 

「しつこい!」

「だめだ、もう遅い」

 

 離脱して離れる四人のウィッチは、後ろ目に戦艦仏棲姫が弾き飛ばされた烈風丸を拾い上げるのが見えた。

 

「また使われたら、今度は防ぎきれんかもしれんぞ」

「あれ次第か」

 

 バルクホルンとマルセイユが無事着水したコンテナを見る。

 

「起動確認! 降下範囲設定を!」

「全員下がって! 巻き込まれたら危険よ!」

 

 ミドリとミキがそれの起動プロトコルを立ち上げながら、他の者達に退避を促す。

 

「狙い撃ちされるわ!」

「いいから早く下がって!」

「範囲設定、敵深海棲艦範囲内!」

 

 ギリギリまでシールドを張って防御に務めるマイルズ達まで下がらせ、ミキは起動スイッチを叩き押す。

 するとコンテナから甲高い音が周辺に響き渡る。

 

「うわっ!」

「きゃっ!」

 

 突然の音に周囲にいた者達が思わず小さく悲鳴を上げるが、そのまま数秒間コンテナは沈黙する。

 

「………あれ?」

 

 誰かが思わず声を上げた時、状況は突然変化する。

 コンテナの前方の海面の色が僅かに変化したかと思うと、すさまじい勢いで海面が氷結していった。

 

「成功した!」

「出力上昇!」

 

 ミドリが思わず拳を握り締める中、ミキは発動した切り札、分子運動停止氷結装置の出力を上げる。

 氷結は瞬く間に広がっていき、ようやく異常に気付いた深海棲艦達が逃げようとする中、深海棲艦達を巻き込んで氷結は広がっていく。

 

「まさかこんな手が………」

「考えた事も無かったな」

 

 陸奥が唖然とする中、長門も深海棲艦を海面ごと氷結させるという荒業に驚愕していた。

 やがて氷結が収まると、深海棲艦のほとんどは氷結に巻き込まれ、動けない者もいれば何とか逃げ出そうともがいている者もいる状態だった。

 

「フロート、パージ!」

 

 それを確認したマイルズの指示が飛ぶと、慣れない海戦ユニットを装備していた陸戦ウィッチ達が次々と海戦用ユニットをパージ、本来の物より小型の陸戦ユニット部分で氷床と化した海面に降り立つ。

 

「紐育華撃団、ランディング!」

 

 続けて紐育華撃団のスターがフライトモードからチェンジして次々と氷床に着地していく。

 

「ふはははは! 氷の上なら負ける気はせんぞ!」

『だから姉ちゃんサポート班だろ!』

 

 何故かイの一番に氷床に降り立ったアウロラが巨大スコップを手に哄笑する中、上空からエイラが再度突っ込む。

 

『アタック!』

 

 マイルズと新次郎の号令が同時に響き、陸戦ウィッチと紐育華撃団が一斉に氷床を突撃していく。

 

「足場さえあれば…!?」

 

 ロデオスターから降り立った響が突撃しようとした所で、派手に滑ってすっ転ぶ。

 

「響! スパイク!」

「そうだった!」

 

 ジェミニから用意しておいたスパイクを差し出され、響は慌ててそれを両足に装着して再度突撃を開始。

 動ける深海棲艦は迎撃を試みるが、身動き出来ない状態の砲撃はいとも容易くかわされ、シールドに阻まれ、ダメージにならない。

 

「行くぞぉ!」

 

 何故か先陣を切っているアウロラの巨大スコップが翻り、氷結で完全に動けなくなっていたイ級を氷ごと叩き割る。

 

『それなりの厚さは有るけど、出来れば氷床にダメージ与えないように! 本物の氷河程の強度は無いから!』

 

 勢い余って氷床にもダメージが行ったのを確認したのか、蒔絵からの警告が聞こえてくるがアウロラは構わず次の獲物へと向かっていく。

 

「まだ動いている相手に攻撃を集中! 必ず複数で攻撃を!」

「反撃に注意! 攻撃力までは奪えていない!」

 

 マイルズと新次郎が指示を出し、ウィッチと紐育華撃団が的確に攻撃を集中させて深海棲艦を次々撃破していく。

 その中、氷結から逃れた深海棲艦達が離脱しようとするのを、阻む者達が現れた。

 

「攻撃開始や!」

 

 そこへ近海にいた龍驤率いる呉鎮守府所属部隊が、離脱しようとする深海棲艦に攻撃を開始。

 他にも近海にいた艦娘達が続々と増援に駆け付け、離脱しようとする深海棲艦達に追撃を開始した。

 

 

 

『状況逆転かな』

「いや、そう簡単にはいかないだろう」

 

 作戦室で対深海棲艦用の切り札が成功した事にサニーサイドはほくそ笑むが、冬后提督は冷静に戦況を確認する。

 

『大変です! 敵のボスが!』

 

 そこで偵察に徹していたアーンヴァルからの通信が入り、そして凄まじい怪力で氷床を砕き、自分の周りだけ海面を取り戻した戦艦仏棲姫の映像が送られてくる。

 

「色々桁外れか………だが、勝ち目は出来た」

 

 美緒が呟く中、各部隊のエース達が戦艦仏棲姫を包囲し始めた。

 

 

 

「警戒! 相手はまだ烈風丸を持っている!」

「周囲を旋回して的を絞らせないで!」

 

 新次郎とマイルズ、双方の隊長が自ら先頭に立って戦艦仏棲姫を包囲していく。

 戦艦仏棲姫の艤装が動き、砲弾が発射されるが、各自はそれを回避。

 

「そおれ!」

 

 気合と共に響の拳から放たれた衝撃波が戦艦仏棲姫に直撃する。

 

「ガハッ!」

「当たった!」

「油断はダメ、深海棲艦の姫級の防御力と生命力は見た目とは桁違いらしいわよ」

 

 ようやくボスに攻撃が届く事に響が歓声を上げるが、肩にいた紗羅檀が警告する。

 

「攻撃の手を休めないで!」

「烈風丸を、刀をまず狙うんだ!」

 

 暴れまくって周辺の氷床を破壊し続け、どんどん自分のテリトリーを広げていく戦艦仏棲姫にマイルズと新次郎が攻撃を支持するが、すでに氷床にヒビが入り始め、近接系の攻撃が困難となっていく。

 

「ダメだ、下がるんだジェミニ!」

「こっちまで割れてきた!」

「姫、危険です!」

 

 重量の多いスターでの接近を危険と判断した新次郎とジェミニがフブキに促され、後退しようとするが、その脇を響が飛び出していく。

 

「響!」

「何とかなるかも!」

 

 ジェミニが止めようとするが、響は聖詠を唄いながら、割れた氷床の破片を飛んで戦艦仏棲姫へと迫る。

 一際大きな歌声と共に、響の飛び蹴りが戦艦仏棲姫へと放たれる。

 だが必殺の勢いが込められた飛び蹴りを戦艦仏棲姫は烈風丸を持っていない腕でガードし、受け止める。

 シンフォギアの攻撃力と深海棲艦の防御力が拮抗するが、明らかに骨の砕ける音が響く。

 

「キ、サマァ!」

「くっ!」

 

 憤怒の咆哮と共に戦艦仏棲姫が砕けたはずの腕で響の足を掴むと強引に振り回し、そのまま烈風丸で串刺しにしようとする。

 だがそこに飛来したチェーンが響に巻き付き、深海棲艦から奪い返す。

 

「無茶し過ぎだよ!」

「ありがとうございます、サジータさん!」

 

 サジータのハイウェイスターに助けられた響が礼を言う中、戦艦仏棲姫は明確に響を睨みつける。

 

「完全に目つけられたね、あれは………」

「だったら私が注意を引きます!」

 

 チェーンを外されるとすぐに響は飛び出し、その後を追うように戦艦仏棲姫の艤装が彼女を狙う。

 

「こっちに…」

 

 速度を上げて狙いをつけさせまいとする響だったが、そこで戦艦仏棲姫の長大な尾が急旋回、その上にある艤装が瞬時に響を狙って砲弾を撃ちだす。

 

「あっ!?」

「危ないお姉様!」

 

 迫る砲弾に、響は全部の撃墜は不可能と悟るが、命中寸前で砲弾の半数が繰り出された白刃に叩き落とされる。

 

「手伝うよ響!」

「ジェミニ!」

 

 ガンバレルソードを構えたロデオスターが響の前に立ちはだかり、残った砲弾を響がさばき、紗羅檀のエレキヴァイオリン・グラニヴァリウスの衝撃波が破片や爆風を反らす。

 

「ファイアー!」

 

 反撃とばかりに陸戦ウィッチ達の砲撃が戦艦仏棲姫に撃ち込まれるが、ダメージは与えられるが致命傷には程遠い。

 

「この口径じゃダメか…」

「隊長、先に残敵の掃討を!」

 

 マイルズが手にした52口径2ポンド砲を睨むが、肩にいたフォートブラッグが未だ抵抗を続ける他の深海棲艦の方を確認して進言する。

 

「ここは私達に任せて!」

「まだ残ってるし!」

「無理はしないように!」

 

 響とジェミニに促され、その場を任せてマイルズは部下達と残敵の対処に向かう。

 

『ジェミニ、注意さえ引いてくれればいい! サジータはサポートを! 残敵を掃討したらそちらに向かう!』

『せめてそちらには行かせないよ』

『シンジロウ、こいつら固いよ!』

『やってやれない相手ではないさ』

 

 こちらに飛んでくる他の深海棲艦からの砲撃を弾きながらの新次郎からの指示と紐育華撃団の声が飛び交い、一度戦艦仏棲姫の包囲が解かれるが、戦艦仏棲姫は響の方を睨んだままだった。

 

「ジャマナノヨ…!」

「邪魔します!」

 

 完全に響に狙いをつけた戦艦仏棲姫がその巨大な尾を振り回す度に周辺の氷床が砕け、さらに砕けた氷塊を尾で弾き飛ばしてくる。

 

「うわ!」

「何の!」

「下がれフェイクだ!」

 

 飛んできた氷塊を響とジェミニがさばいていた時、サジータの怒声と共にチェーンが飛んできて残った氷塊をまとめて弾き飛ばす。

 直後、戦艦仏棲姫の艤装がこちらに向けられている事に気付いて慌てて飛び退った直後、放たれた砲弾が先度まで二人がいた場所に直撃し、氷床を大きく砕く。

 

「氷を飛ばしてきたのは砲撃の目くらまし。中々キレるわよ、お姉様」

「それにこの氷床、急速冷凍なのでこれ以上攻撃を食らっては危険です、姫」

 

 紗羅檀とフブキからの冷静な指摘に、響とジェミニもどんどんひびが入っていく氷床を見る。

 

「まずい! 私ならなんとかなりそうだけど、スターの重さじゃ!」

「分かってるけど、フライトモードの火力じゃこいつには…!」

 

 再度砲撃体勢に入った戦艦仏棲姫と氷床のダメージを双方見比べながら、響とジェミニが何とか氷床へのダメージを減らそうとするが、戦艦仏棲姫はそれに気づき、半ばデタラメに砲撃して氷床に次々ヒビを生じさせていく。

 

「まずい、あの砲撃を何とかしないと…」

「お姉様、来る!」

 

 響が距離を詰められないかと思った時、紗羅檀が戦艦仏棲姫が烈風丸を構えようとしているのに気付く。

 だがその腕にチェーンが巻き付き、振り下ろされようとするのを制止させる。

 

「そいつは使わせないよ!」

 

 サジータが強引に烈風丸を封じるが、ハイウェイターの全力でも拮抗、どころか引っ張られそうになるのに焦りを感じる。

 

「そのサイズでスターより馬力があるのかい………!」

 

 さらに動けないハイウェイスターに向けて艤装の砲口が向けられようとするが、そこに上空からの銃撃がそれを阻む。

 

「こちらを忘れてもらっては困るぞ!」

「その通りだな」

 

 補給を済ませてきたバルクホルンとマルセイユ、それとハルトマンとライーサが続き、上空から援護射撃を敢行する。

 

「シツコイ…ヒト……。キ・ラ・イッ……!」

 

 上空からウィッチ達の攻撃に戦艦仏棲姫は艤装をそちらへと向けて砲撃するが、即座に四人のウィッチは散開してそれをかわす。

 

「頼むよ! 私はこっちを何とか…!」

 

 サジータが出力最大でチェーンを引っ張るが、それでも力は拮抗状態がやっとだった。

 

「ハナセ………!」

「誰が離すか!」

 

 戦艦仏棲姫は拘束を解くべく、更に暴れまわり、振り回す尾が更に周辺の氷床を破壊していく。

 

「こいつ、まだこんな…!」

 

 力負けしそうになってきたサジータが何とか抑え込もうとするが、一見デタラメに振り回される戦艦仏棲姫の尾が、的確にこちらに振り下ろされているのに気付いた時、ハイウェイスターの足元にまでヒビが迫ってきていた。

 

「やば…」

「そのままだ」

 

 一瞬チェーンを離すべきかと思ったサジータだったが、後ろから声が聞こえると同時に、氷床のヒビを幾何学模様のシールドが覆い繋いでいく。

 

「足場は私達がなんとかする」

「だが深海棲艦の攻撃への耐久度は無いがな」

 

 401から出撃したメンタルモデル達が援護につき、ロデオスターの背後についたコンゴウに続き、イオナとハルナが割れた氷床をシールドで次々と覆っていった。

 

「これなら何とか!」

「注意して、薄氷みたいな物だから」

 

 シールドが戦艦仏棲姫の周囲も覆っていく事に響が一気に間合いを詰めようとするのを紗羅檀が警告する。

 それを証明するように、戦艦仏棲姫が暴れる度に周辺のシールドはいともたやすく破砕されていく。

 

「それは前回で学習した」

 

 コンゴウが呟くと、彼女の周囲にグラフサークルが展開、それに応じるように戦艦仏棲姫の周辺に無数の段状のシールドが発生していく。

 

「コンナモノ!」

「それは」

「どうかな!」

 

 戦艦仏棲姫が自分の周囲に無数に浮かぶシールドを破壊しようとするが、そのシールドを次々と跳ね回って響とロデオスターが迫る。

 響の口から聖詠が紡がれ、それを合図にするように両者の攻撃が戦艦仏棲姫に叩き込まれていく。

 拳足とガンバレルソードの攻撃が連続で戦艦仏棲姫に命中し、上空からのウィッチ達の攻撃が艤装の攻撃を抑え込む。

 

「ジャマ、ヨ!」

 

 縦横無尽に動きまくる二人に追い詰められ、戦艦仏棲姫の手から烈風丸が落ちたかと思った時、それが口へと咥えられる。

 

「うわっ!」

「響!」

 

 相手が何をしようとしたのか気付いた響が飛び退き、ジェミニがロデオスターをフライトモードへとチェンジした瞬間、戦艦仏棲姫が口で強引に烈風丸を振り抜き、今までの物よりは弱いが放たれた斬撃波が周辺に浮かぶシールドを軒並み破壊する。

 

「危な~………」

「間一髪だったね」

 

 フライトモードのロデオスターに騎乗して間一髪で逃れた響が、こちらを睨みつけてくる戦艦仏棲姫に負けじと睨み返す。

 

「やっぱりアレをどうにかしないと…」

「無理やり取り上げる、ってのは無理そうだな~」

「口でも使えるとはね………」

「多分坂本少佐もやった事無いと思われます」

 

 一度距離を取る中、響とジェミニに紗羅檀とフブキも烈風丸をどうするかを考える。

 

「お姉様、連続使用は出来ないようだから、今の内に奪取か破壊出来れば」

「そうしたいんだけど、ガード固くて…」

 

 紗羅檀の提案に響が必死に考えを巡らすが、妙案は出てこない。

 

「パワーがスター以上だし………尻尾も有るから正面だと当たり負けしそう」

「その判断は正しいでしょう、姫」

 

 ジェミニとフブキも悩む中、サジータが口元の烈風丸へと向けた別のチェーンを投じるが、逆に掴み取られて振り回されそうになるのを慌ててパージして逃れる。

 

「ちっ、パワーだけじゃなく器用さもあるのかい!」

「サジータ、来るよ!」

 

 舌打ちするサジータに向けて、戦艦仏棲姫の艤装が砲口を向ける。

 ジェミニの警告に素直に従い、サジータはハイウェイスターを横滑りさせるようにして狙いを反らし、その後を追うように放たれた砲弾が先程までいた場所を穿っていった。

 

「両手が空いた、来るぞ」

 

 コンゴウが砲弾で穿たれた場所を素早くシールドで塞いでいくが、戦艦仏棲姫が烈風丸を開放された手へと持ち帰る。

 

「させるかぁ~!!」

 

 戦艦仏棲姫が烈風丸を振りかざす前に、ロデオスターから飛び降りた響が大きく足を振りかぶり、それを氷床へと振り下ろす。

 シンフォギアの破壊力で氷床へと突き刺さった足が、そのまま氷床をえぐって無数の散弾として蹴り飛ばさる。

 先程のお返しのような氷弾が戦艦仏棲姫に命中し、一番大きな氷弾が顔面へと炸裂する。

 

「オマエ…!」

 

 ダメージは少ないが、完全に逆上した戦艦仏棲姫が響を睨みつける。

 

「タアアァァ!」

 

 そこへ追い打ちをかけるようにジェミニが斬りかかり、戦艦仏棲姫は烈風丸でそれを受け止める。

 

「パワーが有っても、剣スキルはダメダメだね! ミフネ流、ターニングスワロー!」

 

 鍔迫り合い状態となっていたはずのガンバレルソードがすり抜けるように外され、すれ違いざまに斬撃が戦艦仏棲姫を斬る。

 

「ガハッ…!」

「手ごたえあり!」

「油断禁物です、姫」

 

 内臓にまで達したのか、吐血した戦艦仏棲姫にジェミニは思わず声を上げるが、フブキの指摘通り、即座に烈風丸での一撃をお返しとばかりに放ってくる。

 今までと比べると大分弱い一撃だが、ジェミニはそれをかわして再度構える。

 

「あの程度じゃまだまだか…」

「姫、あれを!」

 

 フブキが戦艦仏棲姫のダメージを確認しようとした時、鮮血が流れる傷口から肉のような物が盛り上がって傷口を塞いでいく。

 

「再生した!?」

「いえ、何か違う物で塞いだようです。エネルギー波長に差異が見られます。恐らく一定以上のダメージで発動するタイプかと」

『待ってください! 深海棲艦にそんな能力有りません!』

 

 フブキからの報告に、データリンクしていた如月から声が届いてくる。

 

「つまり、あれも大分いじられてる?」

「恐らくは………倒すには、一度に再生不能なレベルのダメージを与える必要があります。しかし…」

 

 艤装と烈風丸、二段構えの攻撃に戦闘は一進一退が続いており、決め手に欠ける事にジェミニも気付いていた。

 

「厄介だな~………シンジロウ達はまだ来れそうにない?」

「もう少しかかりそうです。やはり陸戦に持ち込んでもこちらが絶対有利では…」

「つまり、大ダメージさえ与えられれば!」

 

 通信を聞いていた響が、胸元のチャームを抜き取る。

 

「イグナイトモード、抜け…」

「ダメだ! それは使うな!」

 

 切り札のイグナイトモジュールを起動させようとした響に、突然ジェミニが今までと全く違う口調で怒鳴ってくる。

 

「え?」

「そんな瘴気を帯びた物で何をする気だ? ここは化け物達がまき散らす瘴気で満ちている。そんな物を使えば、暴走するぞ」

 

 普段のボーイッシュな口調とはまるで違う、男勝りな口調のジェミニに響が思わず手が止まる。

 

「そ、そうなの?」

「瘴気とかいう物は私達のセンサーでは感知出来ないけど、専門家が言うなら可能性は高いわね」

 

 響の疑問に紗羅檀が肯定し、響は慌ててイグナイトモジュールを戻す。

 

「ありがとうジェミニ!」

「え、何が?」

 

 お礼を言う響に、普段の口調に戻ったジェミニが逆に首を傾げるが、戦艦仏棲姫の艤装がこちらに向いた事に二人とも左右へと散った。

 

『フブキ』

『先程、姫の脳波が明らかに普段と違う波形を発していました。先程の警告は、姫では有りません』

 

 武装神姫が先程の違和感を確認するが、戦闘中だけに追及は後回しにする。

 

「とにかくあの刀を使わせるな! 周囲が片付くまでその事だけに集中しな!」

 

 予備のチェーンで牽制しながらのサジータの声に、響とジェミニは頷き、二人で戦艦仏棲姫へと向かっていった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。