ゼロの使い魔と伝説の勇者   作:過労死志願

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ライナの就職活動日誌

トリステイン首都。トリスタニア。

 

 ここにある、とある高級宿がライナとフェリスの今の拠点だ。

 

 この一週間、首都周辺を縄張りにしていた、騎士団ですら倒すのが難しい大盗賊団を立て続けに粉砕したライナとフェリスの懐は、かなり贅沢な暮らしをしても半年は過ごしていける程に暖まっていた。

 

 久しぶりに高級ベットに寝ることができたため、ライナはとても満足そうに暮らしているが……。

 

 今回は、本気でめずらしことにフェリスが死にかけていた。

 

「おい、フェリス……いい加減他の飯も食えって。体を壊すぞ」

 

「いや………ダメだ…………」

 

 美しい美貌を悲惨なぐらいにやせ衰えさせながら、フェリスは固い決意をした目でライナを見つめる。

 

「私は……あれ(・・)を見つけるまで、ほかのものは食べないと誓ったのだ!」

 

「といってもなあ……」

 

「わ、私のことは放っておけ色情狂が! はっ! まさか弱った私を襲い自分の欲情をぶつけ……」

 

「ないから安心しろ」

 

「むう……」

 

 二人が何時ものように不毛な会話を続けていたときだ。

 

「「「「「フェリスさまぁああああああああああああ!」」」」」

 

 突然みすぼらしい格好をした男たちが、フェリスが倒れている部屋に入ってきた。

 

「み、見つけましたよ!」

 

 男のうち一人がいった言葉に、フェリスはやせ衰えているとは思えないスピードで立ち上がる。

 

「それは本当か!」

 

「はい、フェリスさま!」

 

 この男たちは、フェリスとライナが潰した盗賊団のメンバーで、なぜかフェリスに心酔してしまい、馬車馬のように扱き使われている哀れな男たちだった。

 

「ガリアに来た東方の商人が、それらしい粉とそれを作り出すことができる苗を売っていたそうです!」

 

「でかした、お前たち!」

 

 フェリスはそれだけ言うと、電光石火の早さで宿を飛び出していった。

 

「あーあ。行っちまった。まあ、気持ちはわかるけど」

 

「ライナさんはどうされますか?」

 

「パス。せっかくアイツが俺のこと忘れて出ていったんだから、鬼のいぬまに洗濯しとく……」

 

 ライナはだるそうにそういったあと、一つの袋を元盗賊たちに投げ渡した。

 

「フェリスが倒れたら、それは多分空腹のせいだろうから、これを使え」

 

「なんですか、これ?」

 

「腹の中で膨れる栄養剤。飯じゃないって言って渡すんだぞ」

 

 ライナの説明を聞き終わった元盗賊たちは一礼をしたあとフェリスの後を追うために、宿を出ていった。

 

「たくっ、まさか異世界にあれがないとはな……」

 

 だれもいなくなった宿の一室で、ライナはひとりごちた。

 

 それは、フェリスにとっては魂に関わるもの。

 

 ライナたちの世界では一部では神と崇められ、職人たちが競い合って、優劣をきめあい、フェリスをそれの姫とまでいわせたもの…………。

 

 

 

 

「まさか……………………………………………………………………異世界に団子がなかったとは!!」

 

 とんでもなく下らない理由で死ぬ寸前までいく相棒に、ライナは少しだけ、泣けてくるのだった……。

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

 「魔法の勉強がしたい? なにいってんだい。魔法は貴族様しか使えないんだよ。私が魔法の使い方なんてしるわけがないだろう」

 

 

「魔法に関する参考文献? そんなもんが平民に出回ったら異端になっちまうよ」

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

「あーメンドクセェ。この国の魔法を調べるだけでなんでこんなに苦労しないといけないんだよ」

 

 トリスタニアに最近できはじめたらしいカフェのオープンテラスに怠惰な表情を浮かべながら突っ伏す男の姿があった。

 

 紹介するまでもないとおもうが、ライナ・リュートである。

 

 フェリスがだんご探しの旅に出た後ライナは、元の世界に帰るため、この世界の魔法について調査を開始していた。

 

 祖国では魔導の天才。孤児院の仲間からは魔法オタクと呼ばれた彼の理解力はだてではないので、魔法を見ることができるのなら、全ての魔法を解析し自分のものにできる複写眼(アルファ・スティグマ)の助けも借りて直ぐに魔法を使いこなす自信はあったのだが……。

 

「なんで誰も魔法を使わねーんだよ。魔法に関する文献もねーし」

 

 この世界の魔法は宗教的観点からみれば神の御技である。町中でほいほい使っていいものではないらしい。しかも、ここトリスタニアは王家のお膝元だ。その分魔法や武器の行使については厳しい規制が設けられており、よほどのバカか権力者でもないかぎり貴族は魔法を使わないというのが現状だった。

 

 魔法の文献がないのは、魔法は貴族にしか使えないという厳然とした事実があるからだ。

 

 この話をライナは物凄く胡散臭いと思っている。大方貴族の権威を守るためなでっちあげだろうとあたりをつけてはいた。が、魔法の実物を見ていない以上確かめようがない。その上、この話は市民たちに意外と根強く信じられているため、《使えないものの使い方の本》などというものには一切需要がないようだ。

 

 そのため一般的な本屋には魔法に関する本は一切売っていない。図書館などといった気のきいたものはこの世界にはないようなので、ライナの魔法研究は完全な手詰まりになってしまっていた。

 

「あーあ。めんどくせぇ。っていうか、なんで俺こんなに頑張っているんだよ。それもこれも全部シオンの……」

 

 その時だ、ライナに天啓が降りてきたのは!!

 

 ───シオン……? そう言えばここ最近あいつの脅迫状が届いていない。

 

 よくよく考えてみれば当たり前のことだ。

 

 ここは異世界だ。いく方法がわからなければ帰る方法もわからない異世界だ。

 

 そしてこの世界には、俺に仕事の押し付けや嫌がらせをしてくる《いじめっ子嫌がらせ脅迫ワーカーホリック大魔王、シオン・アホターレ》は存在しない! フェリスは一応いるけど、アイツはしばらくはだんごの開発とそれの布教で忙しいだろうから俺に構ってはいられないだろう。幸い金は置いていってくれたので、暫らくは衣食住に困ることはないだろうし、なくなったら面倒だがまた賞金稼ぎでもして金をためればいい。

 

 そう、今の俺は完全にフリーな状態になっている。つまり……。

 

「やべぇ……え、もしかしてこのまま夢叶っちゃうの? 1日五十時間眠るという俺の夢が叶っちゃうの!?」

 

 こうしてはいられないとばかりにライナはとんでもない早さで宿へ舞い戻り布団を被って寝てしまった。

 

 

 

 

 

三日後…………。

 

 

 

 

 

「マジで誰も起こしにこなかったああああああ!」

 

 歓喜の声を上げながら、空腹を訴えるお腹を無視してライナは自分の部屋で踊り狂った!!!!

 

 長かった! 思えばここまでの道程は本当に長かった!!

 

 やれ仕事をしないといわれてフェリスに一週間程飯を抜かれたり、

 

 やれ飯をやるといわれて詐欺師の少年に一週間程ただ働きさせられたり、

 

 やれ報告書を上げろとシオンとの連絡役の変態槍使いに一週間程安眠を妨害されたりと……今までろくな環境にいなかったことにちょっと悲しくなりながら、ライナはそれでも踊っていた。

 

 だってようやくしっかりした睡眠がとれたから! ちょっと寝すぎてしまい腹が空腹で本格的にやばいが、些細なことだ!

 

 ここはきっと異世界ではなく天国なんだ!!

 

 当然あの世界に帰る気はもうしなかった。

 

 だってここならいくら寝ても怒られないから! 誰も邪魔しにこないから!!

 

「……やべぇ、俺ここに永住してもいいかも」

 

 そのとき、魔法学院でいっしょだった赤毛の少女の顔が、

 

「……」

 

 亜麻色のポニーテールをもった少女の顔が、

 

「………………」

 

 孤児院で一緒だった水色の髪に赤い瞳をもった少女と、達観したような表情をする金髪の少年の顔が、

 

「………………………」

 

 そして、三つ編みになった長い銀髪をもった、シオン・アホターレの顔……

 

「………………………………………………………!」

 

 だけは殴り飛ばして、ライナは覚束ない足取りで宿の食堂へとおりる。

 

「よし。魔法の研究を再開するか」

 

 異世界に骨を埋めるには、ライナは向こうに大切な人を残しすぎていたのだった。

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

 そんなこんなで再びトリスタニアに出てきていたライナだが、珍しく運がいいことにそこで知り合いに合うことができた。

 

「あれ、ルイズじゃねーか?」

 

「げっ! あんたは!!」

 

「なんだ、ルイズ? 知り合いか」

 

 この世界に来て初めてであった桃色の髪をした少女と、自分と同じ黒髪黒目の少年に出会ったのだ。

 

「前に話したでしょ。アンタが気絶したときに落ちてきた変な二人組のこと……」

 

「あ、俺と同じ異世界のひとか……。でも俺の世界の人じゃなさそうだな?」

 

「んあ? じゃあお前も《ハルケギニアの銀鏡》を通ってきたのか!?」

 

「銀鏡? いや俺はルイズにサモンサーヴァントで呼ばれて……」

 

「サモンサーヴァント!?」

 

 

 

『しばらくオマチクダサーイ...』

 

 

 

 落ち着いて話すために場所を変え、ライナ行きつけのカフェに三人は訪れた。お互いの事情を聞き終えたライナとサイトはお互いにため息をつき、慰めあった。

 

「お互いに苦労してんな。」

 

「ライナさんはこっちにきて楽になったみたいですけどね……」

 

「どうだろうな……。相棒が帰ってきたらまた無理難題をいわれるだろうし」

 

 苦労人の二人が通じあった瞬間だった。

 

「ていうかアンタ、メイジだったの? 杖がないみたいだけど?」

 

 次はルイズが口を開いた。フェリスがいないため、今回は余裕たっぷりといった表情でライナの行きつけのカフェの紅茶を飲んでいる。

 

「俺の世界の魔法はお前たちの魔法よりも軍事色の強い兵器みたいなものだ。しかも近接格闘の補助に使われる物もあるから基本的に両手は開けておくんだよ」

 

「貴族じゃないの?」

 

「貴族は基本的に搾取するだけだったな……」

 

「なによそれ……」

 

 誇り高い公爵家に生まれたルイズはライナの世界の貴族に反感を覚えたようだ。

 

 根はいい子なのかもな……。その様子をみてライナはそう思ったが口に出すことはなかった。

 

 サイトの扱いが酷すぎたため完全に見なおすことができなかったのだ。

 

「それで、元の世界に帰るためにこっちの魔法を調べているわけか……」

 

「見ることができれば覚えるあてはあるんだけどな……」

 

「なに言っているのよ! 魔法は始祖ブリミルが私達貴族に授けて下さった奇跡の御技なのよ!! そうそう簡単に覚えられるわけないじゃない!!」

 

 目に見えて機嫌が悪くなるルイズに少し驚きながら、ライナはサイトにこそっと事情をきいた。

 

『ルイズは魔法が使えないんですよ』

 

『? サモンサーヴァントはできたんだろ』

 

『それも何度か失敗して漸くできたそうです。他の魔法はからっきしで、爆発ばっかしているんですよ』

 

 爆発……ねぇ。ライナとしてはそれだけでも結構武器になりそうな気はしたがルイズ自身が失敗といって落ち込んでいるのだから失敗なのだろう。

 

 この世界の魔法をよく知らないライナはそう結論づけてその話を軽く流した。

 

「あーあ。どっかで魔法を実演してくれるところないかなぁ~」

 

「だったらうちに来たら?」

 

 ライナが大きな声をあげて机に突っ伏すのをみて、ルイズはそういった。

 

「え!」

 

「いいのかルイズ!!」

 

 コレにはサイトもライナも驚き、熱でもあるのか? 天変地異の前触れ? などと言ってしまい、ルイズの多彩な足技によって沈められた。

 

「《黒足》かよ……」

 

「何言ってんのよサイト? とにかくこのまま放っておく訳にもいかないでしょう? 魔法を覚えるためとかいって貴族を襲撃して魔法を使わせるかもしれないし……」

 

「さすがにそこまではしねーよ」

 

 フェリスがいたら無理矢理させられるかもしれないが……。

 

「丁度男子寮の管理人が田舎に帰ったらしいし、異世界の魔法を見せたらミスタコルベールかオールドオスマンが取り立ててくれるわよ」

 

「恩にきるよ、ルイズ」

 

 とにかく、これで魔法を覚えるメドは立った。一歩前進だ。

 

「フェリスにはどう伝えよう? 宿に言伝を頼んでおけば大丈夫か?」

 

 とりあえず宿の解約をするためにライナはルイズたちをカフェに待たせて一旦宿に帰るのだった。

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

「それにしても……これから一体どこに行くんだ? 学園に行くんじゃないのか?」

 

「それは私たちの用事が終わってからよ」

 

「用事?」

 

「そう。こいつに剣を買いに来たの」

 

「剣? サイトにか?」

 

 宿を解約し、ひとまず荷物だけ預かってくれるように頼みこんだライナは再びルイズたちと合流しトリスタニアの街を歩いていた。だが、今彼らが歩いているのは先ほどのような大通りではなく、ゴミやら汚物やらが転がっている薄暗い裏路地だ。

 

「そうよ。こいつ剣を持つと実はすごいんだから!」

 

「そうなのか?」

 

「あ、あはははは……。そうみたいです」

 

 若干眠たげな雰囲気をにじませたライナは、そこに不思議そうな雰囲気を上乗せさせサイトの方を見る。視線を向けられたサイトはどことなく気恥ずかしそうな、バツが悪そうな微妙な表情になった後、愛想笑いをうかべながらその視線から逃れるように目をそらした。

 

 そんなサイトの振る舞いを見ながら、ライナはさらに大きく首をかしげた。なぜなら、元軍人のライナがパッと見た限りではサイトはどう考えても剣をふるって戦えるような体つきをしていなかったからだ。

 

 確かにひ弱ではないのだろう。筋肉もしっかりついているし、運動はむしろ得意そうだ。だが、剣を使った実戦ともなると必要な筋肉がまた違ってくる。ライナは別にそっち方面の専門家でもないので明確なことは何とも言えないが、少なくとも彼が知っている剣術の達人たちと比べるとどうしてもサイト体つきは見劣りしてしまっていた。

 

「う~ん。まぁいいや」

 

 だが、ライナとしてはやっぱりそんなことはどうだっていいのでそこまでで考えることをやめてしまった……。もとよりライナはめんどくさがりや。よっぽど重要な魔法の解析でもない限り、わからないことがあったらわからないで済ませてしまう主義だった。

 

 俺の目が曇ったんだろ……。最近フェリスに頭ばっか殴られてたし……。

 

「って、ちょっと……何いきなり泣き出してんのよ?」

 

「いや……ちょっと、日ごろの理不尽な光景を思い出して」

 

「??」

 

 サイトはそこから何かを感じ取ったのか同情が多分に含まれた視線を向けてくるが、どちらかというと暴君(フェリス)側だったルイズにはわからなかったらしく、彼女は小さく首をかしげただけだった。

 

「で、その武器やっていつつくんだ……。いいかげん俺、歩くのめんどくさくなってきたんだけど」

 

「まだ一時間も歩いてないじゃない!? ちょっと待ちなさい! えっと……ピエモンの秘薬屋の近くだから、この辺のはずなんだけど……」

 

 地図と現在地を何度か確認した後、ルイズはようやく剣が描かれた古ぼけた看板を発見した。

 

「あ……あった」

 

 どうよ! と言わんばかりに胸を張るルイズに、おざなりな拍手をするサイトと、歩きながら寝るという高等技術を披露するライナ。

 

 ルイズはとりあえずライナをたたき起こした後、堂々とした足取りで武器屋の扉を開いた。

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

「旦那! 貴族の旦那!! うちはまっとうな商売してまさぁ。お上に目をつけられるようなことなんかこれっぽっちもありませんや!」

 

 第一声からして怪しい……。ローブを着こんだルイズの姿を視認した瞬間、真っ青になって平伏しかねない勢いで言い訳を始めた店主を見て、ライナが抱いた印象がそれだった。

 

 おまけに、ろくなもの置いてないし……大丈夫かよこの武器屋。と、ライナが見渡した店内には宝石屋ら金やらで派手な装飾が施された美しい武器たちが並んでいた。しかし、ライナが評価を下した理由はその武器たちではない(いや、まぁ明らかに儀礼用の装飾武器を実戦用として売っていることも理由となってはいるが)。問題なのはそれらの陰に隠れるように置かれている普通の武器たちだ。

 

 もとより客の目に付くところに置いてある商品というのは看板や宣伝の意味合いが強い。もしそれを買うにしても、それ相応の金を持った裕福な貴族や商人が買うのだろう。金を持っていない平民たちに普段売られているのはその後ろの隠れている武器たちというのがライナの世界では常識だった。

 

 そしてその後ろに隠れている商品だが、どれもこれも錆びついていたり刃こぼれしていたり……。あまりまともなものは置いていなかった。

 

 これなら武器屋というよりも鉄くずやと言ってくれた方がまだ納得がいく……。

 

「おいルイズ……ほんとにここで大丈夫?」

 

「ちょ……黙ってて! あんたこっちの世界に来たばかりなんだから、こっちの武器の見分け方なんて知らないでしょうが!」

 

 まったくもって正論だったのだが、ライナはルイズが売りつけられそうになっている《錬金の魔法がかかった名剣!!》とやらに、こっそりとばれないように複写眼(アルファ・スティグマ)を向けた。

 

 当然その剣には魔法の痕跡などみじんもなく、ただの剣に金メッキと宝石を埋め込んだだけの偽物だったわけで……。

 

「おぉ……すげぇ!! ルイズこれほしい!」

 

「そうねぇ。これくらいなら私の従者が持っていても問題ないでしょう? おいくら?」

 

「…………」

 

 なんか純粋に喜んでいるサイトや自信満々に値段を聞いているルイズをみて教えるのがやや心苦しいが、とりあえずルイズに警告の言葉を告げようとしたライナの視界に、一振りの剣が入り込んだ。

 

「おいおい……剣の価値も知らねぇようなガキどもがバカなこと言ってんじゃねぇ! 悪いことは言わねぇからさっさと帰りやがれクソガキども」

 

「なっ!?」

 

 けたたましい罵倒が店内に響き渡るのを聞き、ルイズは眉を吊り上げ発生源を探しだす。だがそれはすでにライナが見つけていた。

 

 そしてそれを見たライナは驚愕のあまり見事に氷結してしまっていた。

 

 なぜならライナが視線を向けた先には、この店に置いてあるほかの剣とは一線を画するほどの複雑かつ精緻な魔法式が編みこまれた錆が浮き出た剣が鎮座していたからだ。

 

 なん……だ、あれ? 見た目と違ってこんなところで置いていていいもんじゃないぞ!?

 

 内心をそんな言葉で埋め尽くしながら固まっているライナの視線の向いている方向の気づいたのか、サイトが不思議そうにライナに問いかける。

 

「あの剣がどうかしたんですか?」

 

「はっ! 大体お前さんみたいなガキが剣を振るうだって? バカ言っちゃいけねェ! テメェにゃ棒キレがお似合いだよ!」

 

「なんだとこらっ!? って、剣がしゃべった!?」

 

 突然ぶつけられた罵声に思わず言い返したサイトだったが、それを発しのたのが目の前の剣だということに気付くと目を丸くして、驚嘆の声を上げた。

 

「……なにこれ? インテリジェンスソード? 初めて見たわね」

 

「こっちの世界じゃ剣がしゃべるのは珍しくないのか?」

 

「珍しいけど、あり得ないことじゃないわ。あんたの世界は違ったの?」

 

「自称槍を名乗る豚のぬいぐるみが話していたことはあったけど……あれはもうちょっと異次元だからな」

 

「??」

 

 かわいた笑みを浮かべ、何もかも諦めきったようなうつろな声を漏らすライナにルイズは再び首をかしげた。

 

 ライナの脳裏に浮かぶのは、もう異次元に住んでいるとしか思えないバカすぎる槍使いと、自身を槍と言い張る豚のぬいぐるみたち。いったいあれのせいで何度死にかけたことか……とライナは内心で号泣する。

 

 というわけで、先ほどまで剣に組み込まれた魔法式に驚いていたライナだったが、その株価は一気に急降下。ライナが内心で「近づかないでください、お願いします」と土下座で頼み込んでしまいそうの勢いで落ち込んだ。

 

「なんだこれ面白いな……。ルイズ! やっぱ俺これにする!」

 

「ちょ……何考えてんのよ。やめなさいそんな汚いわけのわからない剣。こっちのきれいなの買ってあげるから。で、いくらなのよ?」

 

「こっちの剣はエキュー金貨で二千でさぁ」

 

「さぁサイト。それ買って帰るわよ?」

 

 どうやらルイズの懐は思った以上に寒いようだ。貴族らしくないルイズの貧乏くさい態度変更にライナは何とも言えない複雑な表情を向けた。

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

「次はあんたの杖ね。うちの学園に来るんだったら少なくともそれを持っていないと話にならないわよ?」

 

「もうこれでいいって……」

 

 続いてライナ達が訪れたのは大通りに面する巨大な商店だ。ルイズが言うには貴族御用達の魔法の杖を売っている場所らしい。

 

流石は貴族御用達の武器屋は格からして違うのか、先ほどのぼろい武器屋とは違い、やたらと豪華な剣や軍杖、煌びやかな指輪や腕輪、ついにはなんに使うのかもわからない豚のぬいぐるみまで置いてある……。というか、あのフォークとナイフが頭についた豚のぬいぐるみ……やたらとライナのトラウマを刺激するが、

 

「……こ、これでいいって」

 

 ライナは全力現実から目を背けることにした。とりあえず目についた腕輪類へと手を伸ばし適当にその中の一つを手に取り掲げてみる。

 

「だめよ! メイジにとって杖はとっても重要なものなの!! ちゃんと選びなさい!!」

 

 しかし、そんないい加減なライナの態度が気に入らなかったのかルイズは即座にその腕輪を奪い取り、元あった場所へと戻した。

 

「え~。もうマジめんどくせ~。お前は俺のお母さんかよ……」

 

 ルイズにブチブチ文句を言いつつ、ライナは気だるげな様子で店内へと入っていった。サイトもそれの続き興味深そうに入ってくるが、今のライナにはどうでもいいこと。とりあえず悩んでいるふりでもして、適当に時間つぶせばルイズも納得するだろう。と、姑息なことを考えながら、特に何の目的もないままふらふらと店の中を徘徊していく。

 

 さすがは貴族御用達といったところか、複写眼(アルファ・スティグマ)で解析してみると出るわ出るわ魔法のよる強化の数々。これだけでも結構めっけもんだと思いつつ(とはいっても杖職人しか使わなさそうなものばかりなので今後使うことはなさそうだが……)

ライナが、ほんの少し杖を眺めるのが楽しくなってきたときだった。

 

「んぁ? サイト……か?」

 

 数分前に分かれて武器型の杖を見に行ったサイトが、一本の剣型の杖を手に持ち眺めているのを見てライナは思わずそう尋ねてしまった。

 

 なぜなら、サイトがまとっていた雰囲気がまるで歴戦の戦士のような鋭いものへと変貌していたからだ。

 

 おかしい……いくらなんでも激変しすぎだろ? 初めは自分の目が曇ったのだと思っていたライナだったが、だとしてもこの急激な変貌は異常だ。ライナはあわてて複写眼(アルファ・スティグマ)でサイトを観察し、彼の体を覆うように展開している不思議な力場を視認した。

 

 複写眼(アルファ・スティグマ)の解析結果が、その力場によって現在のサイトの実力を底上げされていることを如実に示してくれている。

 

「おいおい……。なんだよこの魔法……」

 

 そしてその魔法を見たライナは、思わずうめき声を漏らしながらこの世界の魔法に対しての警戒心を少しだけ強めた。なぜなら、ライナの世界でこれほどの身体能力上昇魔法は副作用が凶悪すぎて《禁呪》として封印されてしまっているからだ。

 

 一応エスタブールの身体強化の魔法があるにはあるが、あれは脳内のリミッターを外し限界以上の駆動を行う魔法。こんな異質な身体強化ではない、もともとの人間の体に眠る性能を引き出す魔法だ。

 

 術式が緻密すぎて即座の解析は不可能だが、これほど不自然な身体強化なら、おそらく禁呪並みの副作用が発生している可能性が高い。

 

 そんな魔法を平然と人間にかけるその神経がライナには信じられなかった……。

 

「あとでルイズに話を聞くか……それによって魔法学院で何を調べるかも変わってくるし……」

 

内心で『あ~もう。俺ってこんなこと考えるの柄じゃないのに……。あぁ、今すぐ宿帰って寝たい……』とぼやきながらライナは再び自分の杖探しへと思考をシフトさせる。

 

 その時だった。ライナの視線が一つの指輪が止まったのは。

 

「あ? え?」

 

 いや。止まったのではない……。ぽっかりと空いた異質な空白にライナが思わず視線を吸い寄せられてしまったのだ。

 

 そこに陳列されているのは、緑の宝玉が埋め込まれたシンプルな指輪。どうやら子供用の練習杖なのか、杖としては最低限の性能しか積まれていない。だが、それは問題ではない。ここは杖を売っているのだからそういう杖があってもおかしくはないのだろう。

 

 問題なのは、その魔法がかけられている指輪の方だ。

 

「おいおい……なんで複写眼(アルファ・スティグマ)でも指輪の解析ができないんだ!?」

 

 ライナがあわてて店員を呼びこの指輪について聞いてみると、

 

「あぁ。これ数日前にとある貴族様が売りのこられたのですよ。なんでも借金を返すために家宝の指輪を売りに来たのだとか……。一応昔からのお得意様でしたので買い取らせてもらいましたが、うちは杖屋ですから、指輪の処理なんか頼まれても困るわけでして……。仕方なしに魔法でもかけて商品として売り出すかと思ったのですが、どういうわけかその指輪が魔法を全く受け付けず、唯一無理やり定着できたのが最低限の杖機能だけ。仕方がないので子供用の練習杖として売っている次第です……。お買い上げになられるのですか?」

 

「あ……あぁ。いくらだ?」

 

「子供用ですから1エキューほどでよろしいですよ? 採算もそれくらいでとれますし」

 さっきの武器屋とはえらい違いだ。と、感心しつつライナは懐から財布を取出し金貨を一枚渡す。

 

「お子様用ですか? 魔法を教えられる年齢になったんですね……」

 

「いや……使うのは俺なんだけどな?」

 

「え、はぁ!?」

 

「いや、なんでもない……」

 

 信じられないライナの言葉に、思わず素っ頓狂な声を上げる店員に苦笑しつつライナは指輪へと視線を戻した。

 

 間違いない……これ、あの黒ずくめの男が持っていたのと同じ――《勇者の遺物》だ。

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

 トリスタニアでの買い物を無事に終えたライナたち一行は学園から乗ってきた馬に乗って街道を走っていた。

 

 ライナはサイトが乗ってきた馬の後ろにのりつつ、先ほど買った指輪をいじっていた。

 

 魔法の杖としての補助能力をつけるのを阻害している術式を探しているのだ。

 

 『勇者の遺物だから』という可能性もあるが、はっきりいって勇者の遺物は完全なブラックボックスだ。そうでない可能性もある。

 

「あの……ライナさん何をしているんですか?」

 

 先程から後ろでゴソゴソしているライナにサイトは尋ねるが、作業に没頭しているライナには届かなかった。

 

「えーっと……これは杖の式か? この細かいのは勇者の遺物の機能だろ? なに書いているのかはわからないけど……」

 

 虫眼鏡がほしいな……と愚痴りながら、ライナは順調に解析を進めていく。設備はなくても杖の術式と勇者の遺物の仕組みを分別することぐらいは、複写眼で充分できる。

 

 結果……。

 

 

「おっ……発見」

 

 ライナは杖の術式、勇者の遺物の仕組みのどちらでもない術式を見つける事ができた。

 

 かなり複雑な式ではあるが、どうやらライナの世界では、金庫によくつかわれる封印術式のようだ。

 

「えっと……宝石を磨いて、人差し指にはめると開く仕掛けなのか? 術式のわりに随分シンプルだな」

 

 ライナはそれの術式の解析を終えると、手順どおりに指輪を操作し術式を解除する。

 

 別に壊すこともできたが、正直面倒だったので、順当に術式を解除することをえらんだ。

 

 瞬間。指輪が光輝き、宝石の中央から一枚の巻き物がでてきた。

 

「ちょ、なに!」

 

「何をしたんですかライナさん!?」

 

 突然の閃光に馬達が驚き歩みを止める。

 

 乗馬の経験があるルイズやライナはそこまで慌てなかったが、初体験のサイトはいつ馬が暴れだしてしまうかと戦々恐々としていた。

 

「いや、わりい。指輪にへんな魔法がかかっていたからさ」

 

「はあ!? ディティクトマジックも使っていないのにそんなものわかるわけ……」

 

 その時だ、ルイズはライナの両目を見て驚愕した。

 

「ちょっと…………なによその目?」

 

「あ、まず……」

 

 ライナの複写眼はこうして露見してしまったのだった。

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

「見ただけで魔法を解析して自分のものにする!? どんな反則よ、それ!?」

 

「すげー。写〇眼みてぇだ。」

 

 あのあと、腰が痛くなってきたサイトの要請と、ライナの目に関して聞きたいことがあったルイズは一旦馬を下りて休憩をとることにした。

 

 ライナは初め渋ったのだが、結局は暴走のことは上手く隠して複写眼の能力を話した。

 

 別に秘密にする理由もなかったし、何よりここで上手く言い訳してそれからずっと騙し続けているほうが絶対にめんどくせぇ。結果オーライだ。結果オーライ。

 

 ライナはそんな言い訳をしながら指輪から出てきた巻物(スクロール)をいじる。

 

「で、それは一体なに?」

 

「わかんねぇ。多分この指輪の取り扱い説明書だと思うんだけど……」

 

「取り扱い説明書? 指輪にそんなものがいるんですか?」

 

「いろいろと事情があるんだよ、サイト」

 

 ライナはそういうと、二人の前で巻物をひろげる。

 

 当然それはライナの世界の文字でかかれていたためルイズやサイトには読めない。

 

「なんて書いてあるのよ、ライナ?」

 

「いや、これ多分古代文字だわ。一応解読はできるけど読むには時間がかかる」

 

「なんだ」

 

 ルイズやサイトはそれっきり興味を失うが、ライナは目をキラキラと輝かせていた。

 勇者の遺物からでてきた古文書。おまけにライナの世界のものだ。

 

 これさえ、解読すればほとんどのことが謎に包まれている勇者の遺物の秘密が何かわかるかもしれない。

 

 ライナは久しぶりに見つけた大発見に心を踊らせるのだった。

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

 とはいえ、まずは魔法学院に入り込みこの世界の魔法について調べないといけない。というわけで、

 

「ここで働かせてください。」

 

 ライナはそういってだるそうに頭を下げる。

 

 その表情が苦痛に染まっているように見えるのは決して勘違いではないだろう。

 

 ライナは基本的に働いたら負けかなと思っている人間である。

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

 現在ライナがいるのはトリステイン魔法学院の院長室。

 

 目の前には真っ白な髪と髭を限界までのばした威厳溢れる老人がいる。

 

 学院長──オールド・オスマン。

 

 この学院のトップにして、教育──生徒のためなら王宮の要請すらはねのける誇り高き、

 

「ほほ、モートソグニルや。今日のミス・ロングビルの下着はピンクか。黒が似合うとゆーとるのになあー、モートソグニル」

 

「……っ!!」

 

「あ、痛い、痛い、ゴメン! もうしない!?」

 

 

 

 スケベジジイである。

 

「でぇ……なんじゃったかいの? レイナ・リュートくん」

 

「ライナです、オールドオスマン」

 

「おお、そうじゃった。で、ここで働きたいのじゃったな? ふむ? 魔法はどれくらい使える」

 

「え? まあ、一通りは……」

 

「そうではない。クラスをきいておる」

 

「クラス?」

 

 真剣にわからないライナは、推薦した責任として一緒に学院長室についてきたルイズに助けを求めるが、ルイズも驚いた顔をしてこちらを見ていた。

 

「え、なに? あなた、もしかしてクラスをしらないの!!」

 

「だから、クラスってなんだよ!」

 

 ルイズは信じられないとばかりに額をおさえ、オールドオスマンは話にならないとばかりにため息をついた。

 

「いい? クラスっていうのは使える魔法の強力さを示す魔法使いのステータスよ。属性を一つ使える人はドット。二つを掛け合わせることができる人はライン。三つの人はトライアングル。四つの人はスクウェア。それで、アンタはいくつ掛け合わせることができるの?」

 

「いや、まず属性がわからないだけど……」

 

 もう、空気が一気に白けてしまった。

 

 オールドオスマンはこう見えて忙しいひとだ。

 

 かの有名な公爵家の三女、ルイズ・ラ・ヴァリエールの推薦というので無視するわけにはいかなかったが、正直彼としてはこんな得体のしれない人物を学園にはおきたくないのだ。

 

 美人じゃねーし。なんか眠そうだし……。

 

 少し漏れてしまった本音は置いておくとしても、彼の反応を見るかぎりではお話にならない。魔法の基礎も知らないではないか!?

 

 もうさっきの受け答えを見た瞬間、寮の管理人からは外すつもりだったが、先程もいったようにラ・ヴァリエールのご息女から紹介だ。あまり蔑ろにはできない。

 

「ふむ。では実力を見せてもらうかの」

 

 オールドオスマンはそういうと、老骨を引きずりライナとルイズを校庭に連れ出した。

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

「レビテーション」

 

 校庭にでたオールドオスマンは適当な板キレを宙に浮かべてライナを促した。

 

「魔法を使ってあの的を打ち抜きなさい。できたら就職は考えてみるのでな……」

 

 あくまで考えるだけだか。

 

 かなり意地の悪い事を考えながらオールドオスマンがふり返ると……。

 

 ライナが、まるで凍り付いたかのように何の支えも無しに宙へと浮かんだ的を凝視していた。

 

「どうしたの、ライナ?」

 

「あれ……なんで浮いているんだ!?」

 

「はぁ! あなたレビテーションも知らないの!?」

 

「いや、まて! お前らもしかして空を飛べたりするか!?」

 

「フライとレビテーションを使える人なら大抵飛べるわよ」

 

「冗談だろ!」

 

 ライナの世界では実用的な飛行魔法は作成不可能となっており、魔法の壁の一つとして数えられている。

 

 空を飛ぶためだけの遺物があり、それが再現不可能としてライナに驚愕を与えたのは記憶に新しい(その遺物はブタのぬいぐるみにとられてしまったが……)。

 

 それがこの世界では実用されているのだ。ライナの驚きは背景に雷が落ちるほどのものだった。

 

 やべぇ……これはマジでヤベェ。帰るためだけにこの世界の魔法を覚えようとしていたけど、これ覚えるだけでも一財産築けるぞ……。

 

 まあ、そんなことをする気は毛頭ないが。

 

「どうしたのかね? はやくしてくれんかの」

 

「あ、はい」

 

 とにかく今は就職である(ライナのやる気が五百減った)。

 

 この世界の魔法を覚えるために一生懸命働かないと(ライナのやる気が一億減った)!

 

 ……………………ヤベェ。昼寝がしたい。

 

 いやもう、こんなの俺のキャラじゃないじゃん。なにやってんの俺? なに頑張ってんの俺? お前の夢は昼寝王国を作ることだろうが!? と内心でそんなバカな葛藤をするライナ。しかし現実は残酷だ。そんなライナに時間を与えてくれはしない。

 

「ハァ~」

 

「なにため息ついてんのよ」

 

「異世界にきてもままならないなと思って……」

 

「?」

 

 まあ、いまため息をついても仕方がない。

 

 とにかく今はどんなことをしてでもこの学院においてもらう必要性があるのだ。

 

 ライナは無理矢理自分を納得させて、自分が最も得意な魔法を使い宙に浮かぶ的を粉砕した。

 

 

すなわち!

 

 

「求めるは雷鳴>>>稲光(いづち)

 

 瞬間!ライナの手元に作成された魔方陣から雷が飛び出し、浮かんだ的を跡形もなく消し飛ばした!!

 

 ライナはめんどくさそうに頭をかきながら二人を振り返る。

 

「これでいいですか?」

 

 そこでライナは初めて気が付く。

 

 様子を見ていた二人が先程の自分と同じように固まっていることに……。

 

「あんた……風のスクウェアだったの?」

 

「はい!?」

 

 ルイズの質問にライナはわけがわからず首を傾げるしかなかった。

 

 ルイズの世界では雷を発生させ攻撃に使うには風属性の高い魔力が必要だ。

 

 つまりはあらゆる魔法使いたちの頂点に立つスクウェアメイジでしか操れない超高難易度魔法なのだ。

 

 

 

 その翌日。教師になってくれと頼み込むオールドオスマンをなんとか押さえ、ライナは男子寮の寮官となったのだった。

 

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