希望と絶望を司る   作:虹好き

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どうも、虹好きです。
明日にしようかと思いましたが、やっぱり連続投稿しました。
感想など書いて頂けると、今後の励みになります。


家族には愛を

 あれから2年後、イッセーの身体は成長し、過酷な修行のお蔭で崩月の"角"に耐えられるだけの身体が出来上がった。とはいえ、あくまで耐えられるだけなので、使いこなすにはさらなる修行をこなして身体を造らなければならないが。

 

 同じく同年代のフリードとキンジも実力を上げていき、フリードは外国で最年少の天才エクソシストとまで言われるようになった。

 

(信仰心もクソもないとか言ってたフリードの事だからか、信憑性は限りなく低いけどな……)

 

 尚、フリードは師から既に免許皆伝を受け、正式に後継者となったらしいが、基本的にその技術は表舞台では見せていないそうだ。

 

 キンジもフリード同様、免許皆伝を受けており、静雄の"万屋"の仕事を手伝っている。こちらもフリードと同じで、基本は現代武器で事を片付けているらしい。

 

 イッセーはまだ修行中の身なのだが、今日は夕乃から休むよう言い渡され、1日どうするかベットの上で悩み中である。

 

 岡部は相変わらず研究。ジョーカーは街にナンパしに行き、キンジと静雄は仕事。夕乃は道場で用事があるから留守で、フリードは外国だからいない。後に残っているのは切彦のみ。

 

(切彦ちゃんって普段何してるんだろ?仕事は依頼形式だから基本フリーな毎日のはず。たまに一緒に出掛ける時は基本ゲームセンターだけど……)

 

 切彦はイッセーたちと同年代でありながら、下手すれば静雄の匹敵する強さを持つ、天性の才能を持った少女であり、最初の出会いは衝撃的だった。

 

(普段は大人しくて良い子なんだけどな……)

 

 そんなのことを考えていると、不意に扉の外から気配を感じた。イッセーは悪戯っ子のように口元を歪めると、気配を消して扉に近づき、勢い良く扉を開けた。

 

「ひぅっ!?」

 

 そこには、今まさにノックをしようとしていた切彦の姿があり、突然勢いよく開いた扉に驚いたのか、眼の端に少しだけ涙を溜めていた。

 

「ご、ごめん。ちょっとビックリさせようとしただけなんだけど」

 

 慌てて謝るイッセー。この様子を見る限り、とても静雄に届くような実力者には見えないが、斬れる物(・・・・)を手にした時、切彦は同一人物とは思えないほど豹変するのだ。

 

「……だ、大丈夫です」

 

 モジモジしながらイッセーへと向き直る切彦。

 

「ところで、切彦ちゃんは俺に何の用だい?」

「そ、その……今日はお兄さんが、修行おやすみと聞いたので……私も仕事無いですし。さ、散歩でもどうかなって……」

 

 そう言いながら上目遣いでイッセーを見つめる切彦に、胸から湧き上がる"愛でたい"という感情を抑え込んで返事をする。

 

「あぁ、丁度暇だったし、行こうか。準備するから少し待ってて」

「は、はい」

 

 今頃だが、切彦が何故イッセーを"お兄さん"呼ばわりしている理由は、イッセーが切彦にとって大人びているように見え、家柄余り他人と接することのなかった切彦にとって、初めて親しく接してくれた人だからだ。初めての"友達"でもある。

 

 キンジやフリードは名前で呼ぶのだが、イッセーのみ"お兄さん"のため、特別感があり、意外とイッセーは気に入っていたりする。

 

 サッと準備を終わらせ、切彦と外へ出ると、長閑な風が身体を包み込み、優しげな太陽が全身を照らした。

 

 雲ひとつ無い快晴。

 

 切彦は軽くはにかみながら、

 

「……良い天気だったので」

 

 眩しい太陽を手で遮りながら、イッセーは笑みを浮かべる。

 

「確かに。誘ってもらって良かったよ。あのままだったら1日ベットで過ごすところだったからね」

 

 切彦は頰を染めながらイッセーの横につき、2人でブラブラと歩き始めた。

 

 イッセーはまだ幼さを残しているが、その顔立ちはなかなかのイケメンを思わせる顔立ちであり、切彦も身体に無駄な脂肪が全く付いていないため(胸も含め)、一部を除けば綺麗な身体をしている。そして茶髪美少女。そんな2人が歩けば、嫌でも絵になる訳であり、道行く若い男には嫉妬と羨望の視線をこれでもかというほどあてられた。

 

 そんなものは華麗にスルーし、切彦と人気(ひとけ)の無い少し遠く公園付近まで来ると、イッセーは軽く溜め息をついた。

 

 心無しか、切彦もムスッとしている。

 

 そう、さっきまで嫌という程人にすれ違ったというのに、この公園に近づくたび、周囲から人の気配が一切消えたのだ。まるで、この公園に近づけさせないように。

 

 そして、明らかに人では無い者の気配がハッキリと感じる。何をしているのかは分からないが、切彦と共に、公園を覆う木々の陰に隠れて公園の中を覗くと、少し遠くに翼を生やした悪魔がいて、地面に倒れている動物に手を翳しているところだった。

 

「あの翼……フリードから聞いた悪魔で合ってるよな。地面に倒れてるのは……2匹の猫だと思うけど、相当傷ついてる。早く手当てしなきゃダメだ」

「……ッ」

 

 イッセーの言葉を聞いた切彦は、眉を顰めながら周囲に素早く眼を向ける。そこで眼に入った物は、公園内にある笹の"葉"だった。悪魔は既に瀕死の2匹に止めを刺そうとしている。

 

 イッセーは覚悟を決め、切彦に聞いた。

 

「切彦ちゃん、"刃物"は見つかった?」

「はい……」

 

 静かに応える切彦に頷き、同時に木の陰から飛び出る。イッセーは悪魔へ、切彦は笹の"葉"へと。

 

 イッセーが近づく音に反応した悪魔は驚愕を顔に浮かべ、イッセーへと振り返る。

 

「貴様、何故ここに入れるーーっ!!」

 

 それに対する返答は、走る勢いを乗せた右の回し蹴り。悪魔の方も手練れなのか、不意を突かれながらも片腕でしっかりと防御する。

 

「なっーーーッ!!」

 

 だが、それだけでは終わらない。素早く足を降ろし、回し蹴りの回転力が消えない内に身体を捻り、足を入れ替えて鋭い左足蹴りを見舞った。

 

 流れるような動作で行ったため、反応できなかった悪魔は防御が間に合わず、鳩尾にイッセーの足がめり込み、遅れてきた衝撃で数メートル吹き飛ばされた。

 

「ぐ……まさかこの俺が人間のガキ如きに痛みを覚えさせられるなんてな……」

 

 イッセーは何も言わず、しゃがんで倒れている黒猫と白猫を抱きかかえる。白猫は気を失っているようだ。逆に、黒猫は意識があっても身体がボロボロすぎて逃げる体力も残っていないように見える。

 

(それでも白猫を庇おうとしてるってことは、家族なのかもな)

 

 イッセーは2匹を優しく撫で、

 

「大丈夫だよ。俺たちは敵じゃない」

 

 そう言い聞かせると、黒猫は警戒を解いたのか、糸が切れたように気を失ってしまった。2匹を優しく抱いて立ち上がろうとするイッセーの背後から、悪魔の苛立ちの声がかかる。

 

「おいおい……無視は酷いなぁガキィ。何もう終わった風だしてんだオイ?」

 

 イッセーは動きを止めた。声の発生源は真上。つまり、さっきの悪魔はイッセーの背後で攻撃の準備が整っている。

 

 イッセーは大きな溜め息を一つした。それも、かなり大袈裟に。悪魔はその行為にさらなる怒りを覚え、

 

「テメェ……とことん俺を怒らせてぇみたいだなクソガーーー」

 

 悪魔の怒号は途中で止まり、声の代わりに、首から綺麗に切断された悪魔の頭部がイッセーの前に落ちてきた。

 

「何でさっさと攻撃しないで要らない会話を吹っ掛けてるんだ?バカだろ?」

 

 人間は頭部のみになっても約1分間は意識が残っているという。悪魔が同じかは分からないが、イッセーは悪魔の頭部に罵倒を浴びせた。

 

「大丈夫か?お兄さん」

 

 悪魔の頭部を切断した張本人。いつもとは違う、ハッキリとした口調の切彦から声がかかり、イッセーは立ち上がって振り返る。

 

「あぁ。猫たちも無事だ」

 

 そう言って、笹の葉を指で挟め、眼つきが鋭くなった切彦に猫たちを見せると、ホッとしたような表情を浮かべた。

 

 切彦は、刃物の扱いが途轍もなく上手い『斬島』家の人間で、刃物を持つことで、性格が豹変するのだ。急に饒舌になったり、口調は勿論、一人称も私から"オレ"に変わる。ちなみに、切彦の特技は英語らしいが、通常時だと完全に棒読みなのに対し、刃物を扱っている時は発音がしっかりしている。

 

 猫たちをずっと見つめる切彦。

 

(……抱きたいんだな。でも怪我が酷いから刺激したくないっていうのもあるんだろうけど)

 

 小さな声で、「……pretty」とか言ってる切彦に苦笑いを浮かべたイッセーは、

 

「俺1人で2匹持つのはちょっと厳しいかな。怪我してるし、切彦ちゃん1匹お願いできるかな?」

 

 そう言って黒猫を切彦に近づける。切彦は何を慌てたのか、笹の葉を捨て、上着のチャックを開け、割れ物でも扱うように慎重に黒猫を受け取った後、上着の中に顔以外をスッポリと入れた。

 

 恐らく、落とさないように上着の中に入れたのだろう。心配そうに傷だらけの黒猫を見つめている。

 

「早めに帰って傷の手当てを使用か」

「は、はい」

 

 どちらも、かなりの傷を負っているため、早歩きで施設へと急ぐイッセーと切彦。

 

(あの悪魔、最初に何で入れるとか言ってたけど、やっぱりあそこには人払でもかけられてたっぽいな。それに、この2匹の猫もただの猫じゃなさそうだし……)

 

 そんな思考を巡らせながら施設に辿り着き、岡部を呼びに研究室まで足を運ぶ。

 

 無駄に厳重な扉を開き、資料と睨めっこしている岡部に、

 

「岡部さん、この子たち怪我してるみたいなので手当てしてあげて欲しいのですが」

「だぁかぁらぁ、俺の名は鳳凰院凶真とーーーん?」

 

 声をかけるといつもの流れに乗ろうとするので、傷ついた猫たちを見やすい位置に持つと、岡部はほう、と茶番を止めて興味深そうにこちらに近づいてきた。

 

「ふむ、この2匹の傷跡……どこにいたんだ?この2匹は」

「ここから少しだけ距離のある公園です。悪魔に襲われてたんで、俺と切彦ちゃんで倒してきました」

 

 イッセーの言葉に、んん?と首を捻り、

 

「悪魔?イッセーとシャイ子はデート中に悪魔に遭遇したのか?」

 

 シャイ子とは切彦のことである。

 

「デート程ではないんですけど……まぁ、そういうわけです」

 

 やけにデートの単語を強調する岡部を軽く流し、経緯を伝えると、

 

「ふぅむ、俺からすれば、2対1に不意打ちとはいえ、無傷で出会うのも初めてな悪魔を圧倒したことも凄いと思うが……まぁここに住んでいれば、そんな非日常如きに驚かない強靭な精神を作ることくらいは容易いか」

 

 一息、

 

「話は大体分かった。手当てはこの、鳳凰院凶真に任せておけ。フゥーハッハッハッハッハッ!!」

 

 岡部のテンションについて行けず、苦笑いしか返せないイッセーに頭を軽く下げる切彦。

 

「して、手当てはいいが、その後はどうするんだ?」

 

 その問いに思わず切彦と顔を合わせるイッセー。答えは最初から決まっているため、お互いに同意見かを確かめるために向いたのだがーーーどうやら要らぬ世話だったようだ。お互いに頷き、

 

「「飼います」」

「ならば、この2匹は今日から新たな家族だな。名はどうする?」

 

 眠るように気絶している2匹に、イッセーと切彦は少し考え、

 

「シロが良いと思います」

「こ、こっちはクロが良いと……思います」

「了解した。傷だらけだが、目立った外傷は見当たらん。数日で完治するはずだ」

 

 岡部にそう言われ、礼を言って研究所を後にする。

 

 

 

 切彦と一緒に施設の廊下を歩いていると、急に切彦が足を止めた。イッセーが振り返ると、

 

「お兄、さん、今日は、楽しかったですか?」

 

 頰を染めながら聞いてきた。確かに、そんな遠出はしていないが、楽しかった。

 

「あぁ、切彦ちゃんと一緒で楽しかったよ。家族も増えたしね。今日はありがとう」

 

 そう言うと、切彦は優しく微笑み、

 

「ゆーあーないすがい」

 

 棒読みの英語を言ってくるのだった。

 

 

 〜〜〜

 

 

 数日後、岡部の言う通り、クロとシロは傷跡一つ残さず全快した。どうやら姉妹だったらしく、岡部が言うには、クロが姉でシロが妹らしい。

 

 2匹はすぐに施設に馴染み、フリード以外のみんなには顔合わせも済んで、最近のイッセーの癒しの一つとなっている。

 

 クロのお気に入りは切彦の上着の中。よく切彦の胸から顔を出しているのを見かける。シロのお気に入りはイッセーの膝の上だった。膝の上で寝転がるシロを撫でるのがイッセーの日課になった。どんな過酷な修行に後でも、シロとクロが入れば疲れが吹き飛ぶ。

 

 2匹とも、助けられたからか、イッセーと切彦に対しての懐き方は凄まじいものだった。よく、布団にまで潜ってくるのだ。嫌ではないため、喜んで招き入れるが。

 

 2匹は施設のアイドル的な存在となったが、何故か、キンジだけは苦手そうにしていた。

 

(苦手なのは女性のキンジだけど、まさか、動物の雌もダメなのか?それとも、ただの猫じゃないことに気づいてるのか?まぁ、そんな深く考える必要はないだろう)

 

 こうして、施設内は前よりも賑やかになった。

 

 

 

 

 新しい家族が増え、修行も順調に進んでいる中、ある日、イッセーは岡部に呼ばれた。

 

 研究所に向かい、扉を開くと、クロとシロにオヤツをあげている岡部がイッセーに気づき、

 

「よく来たなイッセー」

「えぇ、緊急とまで言われたので焦りましたが、一体どうしたんですか?」

「あぁ……実はな……」

 

 岡部にしては珍しく、茶番のない真剣な雰囲気を放っていた。普段とのギャップの差に、思わず背筋を伸ばしてしまうイッセー。声のトーンも真剣そのもの。研究所内が岡部から滲みでるプレッシャーに支配され、イッセーの頰に一雫の汗が流れた。

 

「……ドクターペッパーが、尽きたんだ……」

「……はい?」

 

 思わず聞き返す。

 

 岡部は真剣な表情を崩さぬまま、右腕を開き、半身になってこちらに向け、

 

「……ドクターペッパーが、尽きたん「失礼しました」冗談だイッセー!!いや、冗談ではないが冗談だ!!本題は違う!!」

 

 

 回れ右した身体をもう1度半回転させ、溜め息を一つつき、

 

「で、本題は何ですか?」

「あぁ、実はお前の中に、神器とは別の、俺の『リーディングシュタイナー』と同じ特殊能力があるかもしれなくてな」

 

 思った以上に事は大きかった。

 

「茶番混ぜずにそれを先に言ってくださいよ……」

「なっ、茶番などではない!!ドクターペッパーは選ばれし者の為に存在する至高の飲み物だぞ!?」

「分かりましたから続きをどうぞ」

 

 岡部のテンションには正直ついていける気がしないため、なるべく話しを脱線させないようにする。

 

「むぅ…まぁ、あくまで可能性があるということだけだ。その能力も、いつどのタイミングで発現するか分からんからな。神器の方はだいぶ使いこなせているのか?」

「はい。これを使っても夕乃さんや静雄さんには全く敵いませんけどね」

 

 最近の修行は、神器を使った修行も多くなってきた。『赤龍帝の籠手』の使い方、二天龍の片割れドライグともコンタクトを済ませている。初めこそ驚きはしたが、意外にも話しやすい相手だったため、今ではよく精神世界で会話する仲だ。

 

「ドライグ、と言ったか?イッセーの中にいるならば、他の力を感じるかどうか聞いてみたら良いだろう?」

「あ、それもそうですね。ドライグ、起きてる?」

 

 左腕に声をかけてみると、最近では見慣れた赤い籠手が出現し、甲の所に付いている宝玉が輝いた。

 

『どうした、相棒』

「ほう、こちらにも声が聞こえるのか。初めましてだな、赤龍帝ドライグよ。俺の名は、鳳凰院凶「岡部倫太郎さんだよ」何故にさっきから遮るのかッ!!」

「いえ、話が進まないので」

『それで?どうした、急に呼び出して』

 

 岡部は一つ咳払いをし、ドライグに語りかける。

 

「聞きたいことがあるのだ。貴様はイッセーの中にいるドラゴン。中にいるということは、イッセーの内部に存在する力の一つが貴様ということになる。それでだが、ドライグよ、何か、別の力は感じたりしないか?」

『確かに2つ程感じる。一つは凄まじい剛のエネルギー。もう一つは、よく分からないが不思議な力だ』

 

 ドライグからの返答に、岡部の口角を上げ、

 

「やはり……剛の方は十中八九"角"だが、もう一つは、伝説の二天龍をして不思議と言わせるほどのもの。イッセー、分かったと思うが、能力はいつどのタイミングで発言するか分からん。だが、いざ使う時がきた時、心して使えよ」

「は、はい」

 

 最後の方は、本当に真剣な口調だったため、軽く気圧されたが、同時に嬉しくも思った。能力がどんなものかはまだ未知だが、これで、また一つ護るための力が増えたと。クロとシロも祝っているのか、イッセーに向けて可愛い鳴き声をあげていた。

 

「さてイッセー、積もる話は終わりだ。そろそろ俺も喉に染み渡る潤いが欲しい。だからリビングからドクターペッパーの箱を運んでくれまいか!!」

「ふぅ……了解しましたよ」

 

 良い情報を貰った以上、せめてそれくらいはと動くイッセーであった。

 

 

 

 夕食時、いつものようにみんなで食事をしている中、"万屋"の仕事に慣れてきたキンジが、

 

「最近、主に天使や堕天使、悪魔絡みの戦闘が増えてきたんだよな」

 

 と、何げない様子感じでイッセーに呟いてきた。イッセーもそうだが、最近は"人外"との戦いが多くなってきた。シロとクロの時は悪魔、キンジは静雄と神社で堕天使に襲われている母親と娘を助けたらしい。

 

「そうだな。フリードもあっちで無理してなきゃいいけど……」

 

 イッセーが帰って来ない兄弟を心配していると、横からジョーカーが肩を組んできて、

 

「そんな心配せんでも大丈夫やって!!フリード君だって死に物狂いで修行してきたんや。そこら辺のはぐれ悪魔なんかに負けへんよ」

「本当に死ぬのか分からないぐらいタフだからな、あいつ」

「でもイッセーさんが心配してると分かったら喜ぶと思いますよ?」

 

 静雄さんと夕乃さんも含め、心配していないようだ。イッセーも思考をポジティブに変え、

 

「それまでに、しっかりと修行して強くならないとな」

 

 家族を信じて待つことにした。




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