希望と絶望を司る   作:虹好き

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どうも虹好きです。

今回は6000文字もいってません。短いです。

白龍皇が可愛い可愛い女の子になっちゃいました。

後悔はしていません。

この話で、ようやくこの話のタイトルの意味がほんの少しだけ記されます。

本当意味不明ですよね、希望と絶望を司るとか。


その身に宿すは……

「久し振りの我が家、といったところか?」

「ただいまくらい言え馬鹿者」

「すまないな、久し振りすぎたものだから、少しばかり感傷に浸っていた───いくつになっても厨二病から抜け出せない、可哀想な友人を見ると、ついな」

「施設に対してではなく、俺に対して感傷に浸っていたと?帰ってきて早々地獄に送られたいか?貴様」

「冗談だ冗談。そうまに受けないでくれたまえ鳳凰院凶真殿」

「……まぁいい。さっさと入って手伝え」

「何だ?たった今一仕事を終えて来たばかりなんだが、また厄介ごとか?」

「夕乃が不貞腐れてしまってな。正直、俺には荷が重い。お前の助力を乞いたいのだ」

「やれやれ、相変わらず人遣いが荒いな」

 

 

 

 ○

 

 

 

『ああ、そうだな白いの』

 

 空中から此方を見下ろしている彼女は、その視線をイッセーにのみ集中させていた。

 

 初対面の異性に、ジロジロと見られるのは、正直むず痒いものであり、イッセーはしかめっ面になってしまう。

 

 どこかのバカが、全力で「その気持ち、痛いほど分かるぞ」と視線で訴えてくる気がするが、気のせいだ。

 

 ……『ヒステリアモード』切れたのか。

 

 そんなことはどうでもいい。

 

 彼女は、まるでイッセーを品定めするかのように、表情一つ動かすことなく視線を固定している。

 

『此度の相対は異性となったか』

『確かに、基本的に同性での相対が多かったな。だが、これも一つの運命。ハンデなどと考えるなよ、白いの』

『安心しろ赤いの。今回の白龍皇は、───歴代最強だ』

 

 赤と白の、対を成す二天龍。

 

 本人たちからすれば、他愛の無い世間話であるだろうが、その言葉の一つ一つから発せられる重圧は、この空間を支配するに値するものだ。

 

 白の天龍が断言した、『歴代最強』の言葉に偽りは感じられない。

 

 見た目とは裏腹に、彼女はかなりの強者らしい。

 

 その言葉に反応しない赤の天龍───ドライグが臆したとでも思ったのか、白の天龍は言葉を繋げた。

 

『そちらはどうだ、赤いの。私には違和感を感じるものの、底が見えないのだが』

 

 リアスたちがイッセーに顔を向けた。イッセーの中にいるドライグの言葉を待つ。

 

 "二天龍の力を受け継ぎし者は皆、互いを殺し合う運命にある"。

 

 此度の殺し合いにて、白の天龍は、これまでにないほどの切り札を引き当ててしまった。

 

 その切り札に対し、相手をする価値があるか否かを問いているのだ。

 

 リアスたちの顔には不安げな表情が張り付いていていた。

 

 だが、そんな不安は、ドライグの言葉で瞬時に消し飛ばされることになる。

 

『奇遇だな白いの。此度の俺の宿主も、"過去未来おいて無敵"の赤龍帝だ』

『───……』

 

 白の天龍が、沈黙した。彼女の顔も、一瞬だけ呆然としたような表情を見せ、慌てて先ほどの顔に戻していた。今のが素か。

 

『赤いの、自分が言った意味を理解しているのか?撤回は許さんぞ?』

『撤回する意味が分からんな。事実を述べただけだ』

『"過去未来おいて無敵"だと?あり得ん』

『まぁ、まだお前は分からんかもしれんな』

『何だ?我らの間に隠し事は無しのはずだが?』

『ならば、まずお前の素を表に出せ。そうしたらヒントくらいやろう』

 

 そこで、イッセーは疑問を感じた。

 

 どうも、白の天龍は自身の性格を偽っているように感じるが、あんな紳士的な口調の天龍が実は粗野で凶暴な口調のはずなど───

 

『キハハハハッ!ンだよ連れねェなァオイ!一応、テメェの前以外じゃあの性格貫き通してんだぜ?あっちもあっちでちゃんとした素の俺だっつーの』

 

 ───コレが素か。

 

『オラ赤いの!この空気どうしてくれんだ!?目ェまん丸に開いて心ここにあらずじゃねェかよアァ!?」

『それだけお前の豹変ぶりは目を見張るものがあるのさ』

 

 満場一致で首を縦にふる。彼女もポーカーフェイスに限界がきたのか、オロオロとした表情で視線を泳がせ始めた。

 

「コラッ、みんなビックリしてるよ?アルビオンのせいで」

『そいつァいただけねェな。誰にでも表の顔や裏の顔ってのはあるモンだぜ?』

「でも、アルビオンのはその……強烈すぎるというか」

『ンなこと気にすんじゃねェ!』

「ひぅっ……ゴメンなしゃい」

 

 ……アレが、運命の相手、か。

 

『相棒、遠い目をするな。辛い現実を受け止めることも、時には必要なんだ』

「でも、アレで歴代最強なんだろ?」

『ああ』

「うーん、どっちかっていうと、歴代ぶっちぎりのアホの子とか、そういうオチじゃないの?」

『全部聞こえてんぞソコォ!』

 

 イッセーは思考を現実に戻し、今を受け入れることにした。

 

 ……え、なんで泣いてるの?

 

『相棒の言葉が原因だな』

 

 何故か、彼女は両手で顔を覆い、啜り泣いているようだった。

 

 白の天龍───アルビオンが苛立った声をあげている。

 

『テメェ、ウチのマイスウィートハニーを泣かせるたァ良い度胸じゃねェか。今すぐブッ殺してや「アルビオンが怒ったぁ〜」……」

「ドライグ?」

『落ち着け相棒。あの子は予想よりも遥かに上を行く猛者だ。心情を読めないのも仕方ない。なんせ、歴代最強なんだからな』

「その言葉を使えば全て解決出来ると思うなよ?」

 

 誤魔化すように言葉を紡ぐドライグに、ドスの効いた声で釘を刺した後、もう一度空を見た。

 

「それで?結局君は何をしに来たんだい?」

『あ、ああ。赤いの、これ以上は良いだろう。さっさと教えろ。今回は顔合わせのみで終わらす予定なんだ』

『そうだな。言ったらさっさと帰るんだぞ?』

『分かっている』

 

 まだ少し涙を溜めている彼女は、端から見ても分かるくらい落ち込んでいた。

 

 一度怒鳴られただけで、ココまで凹むとは、なんともメンタルが低い。

 

 ……本当に最強なのかな?

 

 そんなイッセーの思考を他所に、ドライグは大々的にイッセーに秘められた力の可能性を誇示する。

 

『今代の宿主は、俺を含め、3つ(・・)の力をその身に宿している。その中で、俺と張り合う力の存在が一つ。そして、もう一つは───俺たちが永遠に辿り着けない(・・・・・・・・・・・・・)本当の頂点に位置する力だ。相棒の身体の中に巡る力を数字で表すのなら、1:1:8と言える』

『───』

 

 言葉を失う、とはまさにこのことを言うのだろう。

 

 リアスたちですら、ドライグが口にした言葉の意味を理解しきれていない。

 

 イッセーの身体の中に眠る力は、岡部とドライグが協力しあって漸くその尻尾を掴んだもの。名前すら定かではなく、イッセー自身に何らかの形で接触を図ることもない。

 

 ただ分かるのは、イッセーの身体の最深部には、その圧倒的な力が眠ってるということだけ。

 

 そして何よりもアルビオンが驚いたことは、ドライグが己の力を謙遜したことにあった。

 

『赤いの、本気か?』

『本気だとも。同じ身体の中にいるのだ。お前もここに来れば分かる。───己の矮小さに、恥すら忘れることになるぞ』

『……一体、そいつの身体の中に居るのは何なんだ?』

『分からん。アレだけ圧倒的な力を見せつけておきながら、俺たちの前には姿すら見せんからな』

 

 淡々と、あくまで淡々と喋るドライグ。

 

『俺と同等か、瞬間的になら俺を凌駕する存在もいるしな。この時点で、相棒は歴代最強だ。それに加え……この得体の知れない奴も相棒に力を貸せば、相棒は無敵(・・)だ。最も強いでは無い、戦う敵が、いなくなる。

 まぁ、こいつはいつ出てくるかも分からんから、俺は勝手にこう呼んでいる。

 ───希望と絶望(・・・・・)、とな』

 

 

 

 ○

 

 

 

『我らが永遠に辿り着けない頂点というのも、本気のようだな』

『太陽にとって地球とは、米粒ほどの存在らしい。なぁ、白いの。

 地球と太陽が衝突して、地球に軍配が上がると思うか?』

 

 それだけで、もう十分だった。

 

『ハッ、ハハハハハッ!今代の戦い、楽しみになってきやがったなァ、赤いのォ!』

 

 アルビオンは唐突に笑い出し、本性を剥き出して大いに笑う。

 

 二天龍とまで謳われた自分達を超える存在など、【無限】と【夢幻】のみだと思っていた。

 

 しかし、今目の前にいる男の中に、それすらも超えるであろう存在が息を潜めている。

 

『早く殺りあいてェモンだ!』

 

 狂ったように笑うアルビオン。それだけ強者に渇望していたのだ。

 

 楽しみであったドライグとの戦い。その楽しみが、3倍に増えた。

 

 最高だ。

 

『多分だが、近いうちに一度はテメェとぶつかるはずだ。ったくよォ、今すぐにでも殺りてェのは山々だが、こちとらそこで死んでるカラスの報告をしなきゃならねェ。ああ、でも今すぐに殺りてェ……』

 

 恐ろしいまでの高揚感で、理性が飛びそうだ。

 

 そんな、今にも暴走しそうなアルビオンを止めたのは、彼の宿主だった。

 

「アルビオンが怖い……」

 

 その一言で、アルビオンは我に帰った。

 

 

 

 ○

 

 

 

「茶番を見てる気分だ……」

『そう言うな相棒』

 

 目の前で、暴走しかけていたアルビオンが、宿主の表情一つであたふたと焦りまくっている。

 

 怒鳴ったり、冷静になったり、高揚感により暴走しかけたり、情緒不安定すぎる龍だ。

 

 今は一生懸命、宿主を宥めていた。

 

『とりあえず、今日はもう帰った方が良いんじゃないか?白いの』

『う、うむ、そうだな、赤いの』

 

 もしかしたら、あの丁寧な口調は、宿主を怖がらせないために、アルビオンが作った偽りの人格なのではないだろうか?

 

 下手くそすぎるが。

 

 何とか宥めることに成功し、コカビエルの遺体を持った彼女は、最後にイッセーの顔を見た。

 

「私、ヴァーリ・ルシファー。あなたの名前は?」

「俺は兵藤一誠。みんなからはイッセーと呼ばれてるけど、好きな呼び方で良いよ」

「じゃあイッセーって呼ぶね。私もヴァーリって呼んで」

「分かった」

 

 それだけ言うと、ゆっくりと飛び去っていく。

 

 怒涛の展開に、幾分か思考がついいて行けていないが、一先ず落ち着いたことだろう。

 

 ……ヴァーリ・ルシファーか。ん?ルシファー?

 

 イッセーは口を挟めずにいたリアスに聞いてみることにした。

 

「部長、俺の勘違いだといいんですが、ルシファーって……」

「いいえ、そんなことよりも聞きたいことは山ほどあるわ。それも重要だけれど、とりあえず、そこでノビてるフリードを連れて帰るわよ」

「え、でも「いいわね?」はい」

 

 リアスの顔が怖い。

 

 

 

 ○

 

 

 

 

『珍しいな、ヴァーリ。お前が自ら名乗るなんて』

「別にいいでしょ。っていうか、話かけないで。私はまだアルビオンのこと許してないから」

『……コレが、反抗期というやつか』

「……怒るよ?」

『スイマセンデシタ』

 

 

 

 ○

 

 

 

「ゴメンなさい、ソーナ。重要な用事ができてしまって、魔王様にはあなたから状況を伝えて欲しいの」

「それぐらいなら全然構わないわ。でも驚きよ、まさか、本当に倒してしまうなんて」

「……私は何もしてないけど」

「何か言った?リアス」

「いいえ。とりあえずお願いね」

「ええ」

 

 無事にコカビエルを倒したというリアスを労いつつ、後始末を全て請け負ったソーナ。

 

 途中、聴き取れないところがあったが、問題は無いだろう。

 

 それよりも、かなりの激戦であったため、すぐにでも親友には戦いの傷を癒してほしいという気持ちが大きかった。

 

 ……張り直した結界を再び破壊されそうになったのだし、相当疲労が溜まっているはず。

 

 帰っていくリアスとその眷属。心配の種であったキンジと切彦も無事だったようだ。

 

 キンジと目が合う。申し訳なさそうに目を逸らされた。ソーナ自身も、頬が上気していることが分かる。

 

 その様子を見た匙が、キンジに憤りの視線を送るが、華麗にスルーされた。

 

 ……そういえば、兵藤君に背負われているのは、フリード・セルゼン?彼は敵じゃないのかしら?

 

 気絶しているようなので触れずにいたが、リアスはどうするつもりなのだろう?

 

 

 

 ○

 

 

 

「終わった、か……」

 

 思った以上に、潔い幕引きであったと、レッドキャップ───赤馬隻は思う。

 

 結界が完全に消えたことを確認し、電柱から飛び降りた。

 

 エミヤに付けられた傷の回復には、数日を必要とする。

 

 次の戦いまでには、万全の体調へと戻しておかなければならない。

 

 ……それにしても、戦い奴が多すぎるな。

 

 今回は惨敗だった。だが、次は違う。

 

 歩く度に、全身に走る激痛を物ともせず、隻は、暗い夜の空に向かって嗤った。

 

「ああ、鬼神と悪神、どちらが強いのかな」

 

 そう零し、隻眼は闇の中へと消えた。

 

 

 

 ○

 

 

 

「久し振りだな、イッセーにキンジに切彦、そしてバカ弟子。

 君たちとは初対面だな。初めまして、私はエミヤと言う」

 

 イッセーたちが施設に帰ると、懐かしい顔がいた。

 

 エプロンを身につけている様子から、料理を作っていたらしい。

 

「帰ってきてたんですね、エミヤさん」

「ああ、ついさっきな」

「おいフリード、隠れる必要ないだろ」

「いやちょっと匿ってキンジ君。マジでマジで、お師匠さん怒ってる気がする」

「……お久しぶりです」

「よしバカ弟子、明日にでも手合わせをしてやろう。偶には腕が鈍ってないか確認しなければな」

「ホラァッ!絶対そいやって俺っちを半殺しにするんだぁ!」

 

 自業自得。

 

「フリードさんも帰ってきたんですね。お久しぶりです」

 

 夕乃も玄関に来た。人数の多さに少し驚いているようだったが、笑顔で招き入れてくれる。

 

 フリードは、夕乃に泣きついていた。

 

「夕乃さぁん、お師匠さんが俺っちをイジメるぅ」

「フリードさん、自業自得って言葉、知ってますよね?」

「俺っちの味方がいない件について」

 

 言葉に一刀両断され、その場に崩れたフリードに、リアスたちも苦笑いしか返せない。

 

「とりあえず、皆さんでいらしたということは、積もるお話があるということですよね?料理を準備していますので、中でゆっくりとしていってください」

 

 

 

 ○

 

 

 

「さぁ、何から聞くことにしましょうか」

 

 リビングで一息つくと、リアスはすぐに話を切り出してきた。

 

 岡部とジョーカーもリビングで椅子に座っており、施設内にいる人は、全てリビングに集合している。

 

「フリード君、久し振りやなぁ」

「まさか、エミヤと同じ日に帰ってくるとはな。傭兵稼業に疲れたか?」

「疲れた訳じゃないんすけど、だいぶ金は稼いだし、そろそろ施設に帰ろうかと思ったんすよ」

 

 久し振りの再会に、ジョーカーと岡部とフリードは話が弾んでいた。

 

 リアスは、フリードの横顔をずっと見つめている結菜に気づく。

 

 まずはそこからで良いだろう。ゼノヴィアも聞く気満々のようだし。

 

「フリード。話し込み中失礼するけど、あなたの話から聞かせてもらうわ。良いわね?」

「お?良いっすよ〜。と言っても、俺っちの話を一番聞きたいのは結菜ちゃんっしょ?結菜ちゃんの質問に答えよーじゃあーりませんか」

 

 すっかりいつもの調子を取り戻したフリード。

 

 リアスは結菜の顔を見て、軽く頷いた。

 

 好きにしろ、と。

 

 その意を汲み取った結菜は、フリードに視線を向けた。

 

「フリード、【聖剣計画】のことについて、君の知る全てを教えてもらえないかな?」




誤字脱字等のご指摘、または感想、お待ちしています。

勘の良い方ならば、イッセーの中に眠る力を読み解くことが出来るかもしれません。

それと、何かリクエストなどがございましたら、話のネタにするかもしれないので、感想にて教えて頂けると幸いです。

この場面なら、このキャラを沢山使うべきとか、他作キャラ(作者が分かる範囲で)で出して欲しいキャラがおりましたら、教えて頂けると嬉しいです。

決してネタ切れではありませんハイ。

女体化ヴァーリちゃんの容姿はどうしようか迷い中です。

では、また次回でお会いしましょう。
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