ちょっと間が空いたのは、FGOの第七特異点を楽しんだり、色んな小説を漁ったりしてたのが理由です。
とりあえず、この話にて3巻完結……のはず。
それと、聖剣計画についての間話を挟もうかと考えたのですが、大体想像つくのではないか思い、本編の最初にその時の描写を軽く描くのみで終えています。
どこかで挟んでもいいのですが、それも、読みたいというリクエストがあれば描く、という形でいこうと思います。
───そうか、ココは地獄だ。
───ここまで、世界は腐っていたんだ。
「───師匠さんのいう、【正義の味方】の難しさっての?今ならすげぇ分かる気がするわ。きっと、俺っちもこんな地獄から救われたんだよな」
───何が主は我らを導いてくれるだ。そんな綺麗事を並べていた張本人共が、こんな絶望を見せつけておいて、どの面を下げて神を崇めよと言い張る?
「───いや、違うな。もしかしたら、こいつが世界の真理なのかもしれねぇ。こんな話を聞いたことがあるんすよ。この世界に、真っ白な人間など存在していない。逆に、真っ黒な人間もまた、この世には存在していないってね」
───おいおい、何で後退る必要がある?語りかけているだけだぞ?
「どんなクソ犯罪者、あんたら風に言えば、悪魔か?まぁそんな奴等を悪と切り捨ててっけど、そんな奴等にも、白いところってのは存在してんすよ。どんなに小さなことでも良い。例えば、道端のゴミを拾うとかでもね。
それと同様に、あんたらのような白い人間にも、黒いところってのは存在してるわけだ。
───俺っちからすりゃ、あんたらのしたことは重犯罪と何ら変わらねぇ、真っ黒そのものなんですけどねぇ」
───怯えたように此方を見つめる瞳。そして、力無く腰に縋り付いてくる重み。
───その中で、独り、加害者達へと和かに嗤いかける。
「ああ、何も言わなくていいぜぇ?むしろ喋られたら、その口閉じるために全力出しちゃうよ俺っち。どっちにしろ死ぬことに変わりはねぇわけですがねぇ」
───腰の重みを優しく撫でる。意識が朦朧としており、見上げる目は虚ろなモノだが、しがみ付く力が少しだけ強くなった気がした。
───この時のために鍛え上げた力。圧倒的な正義を執行する力。
「悪りぃんすけど、俺っち、キレてるんですわ。あんたらの私利私欲のためだけに利用された魂、今だけその全てを背負い、あんたらに苦痛を刻む刃になってやんよ」
───こいつらが求めた力は偽りのものにすぎない。ならば、ここで限りなく本物に近い品を用意してやろう。
「I am the bone of my sword. 」
───驚いたか?コレが、あんたらが辿り着こうとした果ての輝きだ。
───地獄に、悪を貫く眩さが産まれた。
○
……あの時の話を全部ときたかぁ……。
予想はしていたけど、とフリードは唸る。
結菜の希望には応えたいと考えていた。しかし、極端に端折らなければ、長話になるのは確実。
……でも、結菜ちゃんには伝えなきゃいけないこともあるしなぁ……。
結菜の顔が、少し悲しみを帯びていた。フリードが難しい顔をしているからだろう。
仕方が無い。
キッチンの方の師匠に軽く目配せをする。師匠は何も言わず、小さく頷いた。
「……あー、ちと長くなるんで、全てってのは今度、時間あるときにゆっくり話しますわ。ただ、それに関して、俺っちからも結菜ちゃんに伝えなきゃいけないことがあるんすよ」
「うん。それでいい」
結菜が頷いた。
「んじゃ許可も頂きましたし、言いましょーかね」
フリードは一呼吸入れた。
「あの時の言葉は本当っす。【聖剣計画】を根絶やしにしたのは俺っち。んで、それと同時に教会のエクソシストも綺麗サッパリ引退しますた」
結菜、ゼノヴィア、アーシアと、元教会関係のメンバーが息を飲んだ。
それだけでは終わらない。
「一番重要なのはここからなんすけど……結菜ちゃん、君、その名前になる前はなんて名前だったか教えてもらっていいっすか?」
「え、うんいいよ。部長からこの名前をもらう前までは、イルミナって名前だったんだけど、もしかして……」
どうやら、結菜はフリードの言わんとしていることを悟ったらしい。恐らく、全く真逆の意味で。
目に涙を溜めている時点で、フリードは少し罰の悪そうな顔をした。
「ま、こんな回りくどいことしなくても、結菜ちゃんの代が最後ですしおすし、言いたいことは一つなんですわ。泣きそうなところ本当に悪いんすけどね。
───実は、結菜ちゃんと同期のメンバー、全員きっちりかっちり助けますた」
ドヤ顔と共に吐かれた言葉。
コレには結菜たちのみならず、施設のメンバー以外の全員が呆然とした。
「いやぁ、どのタイミングでカミングアウトすっか、スゲェ迷ったんだぜ?あんな覚悟を見せられちゃあ、あの場ではなかなか言い出せないっしょ?」
「いや……あの……えっと……」
結菜の気持ちは分かる。
非常に、よく分かる。
今知らされた衝撃の事実を受け止めきれていないのと、同時に溢れ出た疑問の山に思考回路がショートしたのだ。
「【聖剣計画】が潰された事件に関しては、被験者も含めて全員死亡したことになっていたが、よく考えれば明らかに裏があるように思える内容だった。実際、あの時君が話した内容ともだいぶ齟齬を生じさせていたし」
考え込むように口を開いたのは、ゼノヴィアだ。
「だが、全員助けたと言うのなら、被験者となった者たちは何処に?」
続けて言われたその言葉に、結菜も反応した。
「みんながボクを逃がしてくれた時、あの場には毒ガスが大量に散布されてた。逃してもらったボクですら、部長に助けてもらわなければ命を落としていたんだ。
君は、どうやってみんなを助けてくれたの?」
尤もな質問だ。
そう、フリードは思った。
ただ、
「……そんな仔猫みたいに震えて身構えながら聞かなくても良いと思う俺っちなんですけどー」
「こねっ……茶化さないでよっ」
いやだって、その顔はズルい。これが上目使いってやつ?
……あーらら、クラッときちゃうじゃない。
「誰の眷属に色目使ってんのかしら、全く、いい度胸ね」
「部長が殺気立ってるぞイッセー」
「俺にどうしろと?」
よし、真面目に行こう。OK?
「助けた方法に関しては、ちょっとした裏技っすわ。まぁ、さっきの戦いでご存知のとーり、俺っちの力見たっしょ?それの応用っつーか、上位互換っつーか、そんな感じで助けたって感じ?
そんで、神隠しとかなんとか言われてんのは、単純にこの【施設】が運用してる児童養護施設をちょいとひと気の無い、豊かな場所に設けましてね。時たま顔出しに行くと、元気に飛びついてきやすぜ───えっ?」
最後に疑問形が入ったのは、柔らかい抱擁に包まれたからであった。
結菜に抱きつかれたと気づくまで、数秒は費やしただろう。
そして、結菜が涙を流しながら抱きついていることに気づくのは、そのすぐ後だ。
「ありがとう……本当に、ありがとうっ」
柔らかく、いい匂いをさせる髪が、顔のすぐ近くにまで接近している。されるがままになってはいるが、この場合、どういう反応が正解なのかフリードにはよく分からなかった。
……What、What、What!?なんだなんだよなんなんですかァ!?
首だけを動かし、イッセーへと助けを求める。
こんなシチュエーション予想してない。保護者共は、ニヤニヤといやらしい笑みを向けてくるし、リアスからは殺気を帯びた視線が。ゼノヴィアとアーシアは、結菜の大胆な行動に感嘆の声すら上げている。
アイコンタクトでイッセーとキンジに、全力のSOSを送った。
『このシチュでの正しい行動を教えてくれ、
『『さぁ?』』
『お前らに兄弟愛はねェのか!』
『『兄弟愛?なにそれ食えんの?』』
『この薄情者共め!』
こうなれば、様々なれ修羅場をくぐり抜けてきたであろう師匠に───
「さて、次の料理は……」
コッチに見向きもしてねェ!?
……ワザとだろお師匠さぁん!?
結菜が離れる気配は無い。というか、むしろ強く抱きついており、女性特有の柔らかい部位が、フリードの身体を神秘服の上から押し付けられているのだ。
……冷静になれ、冷静になるのだ俺っち。帰ってきて早々おもちゃにされるたぁ思いもしなかったが、まだ伝えるべきことを伝えきれてねーし。
気を取り直し、話を脱線から戻す。
「結菜ちゃんに名前を聞いたのは、その子たちが心配してたからなんすよ。自分たちは俺っちに助けてもらえたが、自分たちの力で逃した彼女は無事かどうか分からないってね。その時に具体的な容姿とか聞きましてねー、名前まで確認して、仕事であちこち巡りながら探してたら、どうもその特徴にどストライクしてる結菜ちゃんみっけたわけですよ。
まぁ、色々と動き回ったせいで敵と間違えられることもしばしばありやしたが、結果オーライ?」
結菜が小さく頷きながら、抱きしめる力を強くしている。ちゃんと聞いてくれたようだ。
「部屋は余分に余っているからな。使えるよう、空けておこう」
サラリと言ってのける岡部に痺れる。
○
話がひと段落ついた。
……次は、イッセーのことね。
結菜、もといフリードの件も無視できないものであったが、イッセーの件も同じくらい重要なものだ。
リアス的には、出来ることならば、赤龍帝直々に話してもらいたいところだが……。
「イッセー、あなたの力についてなのだけど……」
「あ、すいません。ええとですね、その件に関してなんですけど、俺自身、いまいち実感に欠けるというか、具体的に説明できるとすれば、俺よりもドライグの方だと思うので、ドライグに喋らせます」
少しの間が空き、別の声が響いた。
『あの力の説明ときたか……。先の説明でほとんど出し切ったつもりなんだがな』
「そこをもう少しだけお願い出来ないかしら?もしかしたら、今まで計り知れなかったイッセーの底が知れるかもしれないの」
『ふむ、では、おさらいという形になるかもしれんが、現時点で確認出来る相棒の力について説明させてもらおう』
○
『まず、第一に、相棒の身体の中に存在する力は、俺を含めて3つ存在する。コレは言っていなかった気がするな。正確には、現在、相棒の左腕を占領しているのが俺、右腕を占領しているのが"角"、その他が【希望と絶望】といったところだ。
俺たちの力は、相棒の血にまで溶け込み、身体全体を循環しているため、互いの存在を感じることが出来、精神世界においては、意思疎通やなども可能。まぁ、角はたまにしか顔を出さんし、奴に限っては、俺たちとすらコンタクトを取ろうとしないものだから、正体すら不明なわけだが』
「ちなみに、"角"と称してますが、一応【暴鬼神】という鬼の力です」
『うむ。そしてだ、この力の比が1:1:8といった具合に分かれていてな。相棒は今まで、俺と角の力のみで戦っている。その力も、限界まで引き出せていないことから、実質、相棒は実力の1割に届くかというレベルでしか戦えていないことになるのだ。理論的には、な』
リアスたちの顔が、総じて驚愕のものに変わった。改めて説明すると、なかなかに人間を止めていることに気づくものだ。
そこへ、フリードが口を挟む。それも、余計に場を混乱させる一言を。
「まーアレですぜ?まぁ、単純なスペック的に考えて、俺っちとキンジ君とイッセー君で比較すっけど、イッセー君<キンジ君<<<俺っちくらいっしょ?」
「いや、ちょっと待ちなさい。あなた、それ本気で言ってる?」
先ほどフリードの強さを間近に拝見していた者を代表して、リアスが待ったをかけた。
今の言葉に、まだフリードに抱きついている結菜も顔を上げ、教会側のゼノヴィアですら目を丸くし、一部の者以外が何度目になるかも分からない驚愕の表情を浮かべていた。
アレだけの力を見せつけておいて、自分はそんな強くないですよアピールをされれば、誰でもそういう反応になると思う。
「本気ですよー部長さん。まぁ、使い勝手は圧倒的に俺っちのが上なんですがねぇ。イッセー君のは、まだ自分から引き出せない。キンジ君はちょいと問題児な力なんで、滅多に使えない。それに比べ、俺っちのはそういう制約的なモンは一切ナッシングなんで使いたい放題」
「でも、その説明だと、もしその力を使ったら、絶対にイッセーとキンジに勝てないように聞こえるけど?」
「まぁ、逆立ちしようと勝てないモンは勝てないんでどうしようもないっつーか。正直、俺っちは所詮【人】の領域から出られないんすよね。これから、もしかしたら使えっかもしれねーんすけど、現時点じゃ勝ち目0っすわ」
劣等感を感じてるわけでもなく、ただ淡々と事実を述べているフリード。飄々とした態度から読み取れるのは、自分が下であると認めていることだけだ。
「イッセーはともかく、キンジも力を隠してたの?あの銃の腕前は、正直凄いと感じたけれど、それだけじゃないってこと?」
面倒そうに頭をかいているキンジに、リアスはそう問いた。
「ったく、余計なこと言うなよフリード」
「いやメンゴメンゴ。まさか、話してなかったとは思いもしなかったっすわ」
「……まぁ、いいんだけどな。そろそろ隠しきれないとも思っていたし」
キンジが軽く溜息を吐きながらも、話す姿勢をつくった。
「あー、とりあえず、フリードの言ってることは全部事実です。俺が
今更ですが、俺が部長の眷属にならないのは、ならないじゃなくて、なれないからっていうのが理由で、もしなれたなら、まぁ、イッセーもいることだし、入ってたと思いますよ」
リアスの目が点になった。浴びせられるように、いきなり様々な事実を真っ向からぶつけられると、どうも頭がこんがらがる。
「……ええと、もしかして、切彦や夕乃も?」
「……そうです」
「そうですね。同じ種族にはなれませんが、家族を助けていただいたのですから、形だけでも助けになればと思いまして」
ここのメンバーは、どうも余った駒でも眷属にはできないほど強者らしい。
そこで、更に爆弾発言をかますフリード。
「あ、ぶちょーさんぶちょーさん。俺っちなら多分転生出来るんで、後で試してもらって良いっすか?」
「はいぃ!?」
何気ない笑顔で眷属に入りたいと言うフリード。
眷属とは、ザックリいえば、主人のための駒だ。主人のために一生を捧げる必要があるのだが、そう簡単に、人としての生を捨てて良いものなのか。
確かに、フリードを味方に加えることは、大幅な戦力の増強になる。というか、フリードの宣言を聞いた瞬間に、結菜の顔が喜色に満ちた気がしたのは気のせいだろうか?
「あなた、意味は分かって言ってるの?私としては、歓迎したいのは山々なのだけど、命運を分ける緊急時でもないのに、あなたの人生を変えるというのはちょっと……」
「あれ?思ってたのと反応違うんすね。悪魔というより、聖女に見えてきたっすわ」
○
……まさか、こうも早くに自らの力量を馬鹿正直に伝えてしまうとはな。
人数が人数のため、必然的に多くなってしまう料理を、少しの苦にも感じずにその腕を振るいながら、エミヤは思った。
エミヤはフリードの師である。
それ故に、フリードの言葉の意味が理解できてしまい、少々頭が痛い。
……イッセーは正体不明の力、キンジの力はこの星の中の存在ではない。だが、フリードが扱える奇跡に関しては、この星の中にて生まれた力の権化だ。だからこそ、フリードは絶対に【人】の域を出ることは出来ない。あの2人のように、神と人との間に生まれたのならば兎も角として……。
だがその分、イッセーとキンジにはない、フリードのみが扱える奇跡を応用すれば、決して極限には届かないが、それに限りなく近い形まで再現することが可能だ。
……もっと自信を持つことだ。馬鹿弟子よ。
○
「聖女ほど、私は綺麗じゃないわ」
「そんな真っ向から真面目に答えられても、反応に困っちゃう参っちゃう。───覚悟なんて、いつでもしてるんすよ。俺っちみてぇな人間が、いつまでヘラヘラ暮らしてられるかなんて分かんねぇし、部長さんには感謝もしてますしねー」
リアスが首を傾げた。
「感謝?」
「イッセー君が今もこうやって生きてんのは、部長さんが助けてくれたからでしょ。一応、俺っちも家族の一員なんで、ちゃぁんと感謝してるんですぜ?
この人生を、部長さんのために使ってもいいと思える程度には、ね」
「────」
リアスが言葉を失った。
フリードという人間を、図り違えていたのだ。
……恥ずかしいわね。これじゃあ、フリードのみならず、施設のみんなに失礼になってしまうわ。
リアスは表情を柔らかい笑みに変えた。
「それは本当に失礼したわ。あなたの覚悟、確かに受け取りました。もう一度だけ正式に聞かせてちょうだい。
───フリード・セルゼン。あなたはこの私、リアス・グレモリーのためにその人生を使うことが出来るかしら?」
フリードは、不敵な笑みと共に答えた。
「もちろんっすよ」
○
……さて、だいぶ脱線したが、これも一つの重要な案件だったのだ。それが終わったのなら、路線を元に戻すくらいの手伝いは許されるだろう。
岡部は、リアスとフリードの契約話が終わった数秒後を狙い、声をかけた。
「では、話を戻すとしよう」
「あ、ごめんなさい。話し込みすぎたわね」
「気にすることはない。ドライグ、頼む」
『ああ。締めの辺りになったところだが、フリードの話から、大体の想像はつくだろう。【希望と絶望】は、この星に留まっていてはいけないレベルの力を内包している。それも、俺と角を地球として、太陽、いや、それ以上の大きさかもしれんな』
伝説の天龍に、これだけのことを言わせる【希望と絶望】。
……やはり、興味が尽きぬな。
○
──荒れ果てた、何処かの潰れた集落の中心部。密集していた家屋全てが瓦礫と成り果て、しかし、住民がいたような形跡は一切無いその場所で、2つの力がぶつかり合い、まさに今、戦闘の終了合図する一撃を叩き込んでいた。
「──……逃げたか」
硬く握った拳を突き出した姿勢で、舌打ち混じりに吐き捨てたのは、施設創設者が1人、平和島静雄。
強い風に煽られた程度に、シワが出来たバーテン服を直しもせず、煙草を咥えて火を着ける。
煤などで外面的には汚れているように見えるが、実質身体は無傷と言っていい。
口内に溜まった紫煙をゆっくりと吐き出しながら、つい先程まで命の殺り取りをしていた相手のことを考える。
……あー……ブッ殺しきれなかったなぁ、あの野郎。イッセーに接触する前に片付けちまいたかったが、こうなると、最悪、イッセーが戦うことになるかもしれねぇ。
失敗した、と静雄は目を細めた。
今回の静雄の仕事は、邪龍の撃退、または駆除。
少しばかり因縁のある相手故に、殺す気満々で来たのはいいが、相手も相当な使い手であった。
「こいつは一悶着あるな」
○
「あ、それとイッセー君」
「ん?」
「俺っちも明日から学校通うから、そこんとこよろしくぅ」
「ああ、分かったよ」
とりあえず、今公開出来る限りの情報をリアスたちに伝えたイッセーたちは、夕乃とエミヤが作った料理を食べつつ雑談をしていた。
結菜もフリードから離れ、隣の席で食事を摂っている。若干顔が赤い。
その時、ゼノヴィアから声が上がった。
「リアス・グレモリー、少しいいだろうか?」
「ええ、改まってどうしたの?」
「こういうのもなんだがな……その、私も、あなたの眷属の1人にしてはくれないか?」
全員が、ゼノヴィアを見た。そのせいでゼノヴィアは目を泳がせてしまった。
「急にどうしたの?」
「いや、な。コカビエルから神の不在を言い渡された時、私の今までの人生はなんだったのかって思ってしまってね。流石に、いもしない主を信仰することは、私には難しい。だから、フリードのように、教会に見切りを付けようかと思った次第さ。戦力としてならば、力になれると思うんだが……」
正直、リアスにしてみれば、願ったり叶ったりだ。
「とても嬉しいわ。歓迎するわよ」
「……自分から言っといてなんだが、そんな簡単に私を信頼していいのか?結果的には共闘したが、初めはかなり君たちと敵対的になっていたはずなんだが」
「でも、結菜と一緒に戦ってくれたでしょ?息ピッタリだったみたいだしね」
「む」
ゼノヴィアが擽ったそうに視線を逸らした。
「もう一部屋開けた方がいいか?」
岡部が面白そうな顔でそんなことを呟いていた。
○
……やっぱ、この空気は和むなぁ……。
フリードは、賑やかな食卓で、そんなことを考えていた。
これからは、家族との生活を楽しもう。
そして、もう一つ、フリードは心に決めたことがあった。
隣の結菜を横目で見る。
憑き物が取れたように笑顔を浮かべる結菜は、眩しい太陽の光を存分に受けて育った、向日葵のような印象をフリードに持たせる。
……ああ、決めたよ、
誤字脱字等のご指摘、またはご感想、お待ちしています。
なんとなく、3巻の内容では、フリードがだいぶはっちゃけ、強い印象が付いてるかと思いますが、まさかのって感じにしてみました。
いや、フリードも充分チートですぜ?
ついでに、影が薄くなりつつある彼を、4巻の辺りで登場させたいと考えています。
では、また次回でお会いしましょう。