話が進まなくて難航していますが、そこを無理矢理にでも進めるのが物語です。
思い出しつつ筆を進めてみました。
抜けている部分は多分無い……はず。
低速で進む話を描きつつ思ったこと。
……今回も戦闘シーンぐちゃぐちゃになるんだろうなぁ……。
───私の身体は、既に人間のそれとは大きく異なったものとなっている。
いや、人間の皮を被った怪物というのがしっくりくるのかもしれない。
この身体に秘められた質量は、おおよそ通常の人間が内包してはいけない程のものであり、人の形をしているのが不思議なくらい、身体の中身の構造も違っている。
そも、初めからこうなったわけではないのだ。
だが、私は、なるべくしてこの身体を持ったと自負している。
約束された運命とでも言うのだろうか。
全てのウィルスの抗体を持ったり、全ての龍という龍を殺す呪いを持つ邪龍を宿したりと、我ながら碌でもないものを背負ったものだ。
一時はウィルスを用いた、世界征服でもしてみようかと、くだらないことも考えた。
特に意味の無い生。この世界を混沌に陥れるのも一興かとも思ったが、それ以上に私の興味を引いたのが、私を宿主に選んだサマエルだ。
少々特異な体質故か、邪龍の呪いにも耐えうる身体を気に入られ、サマエルとの契約を結んだ。
サマエルは、全ての龍の存在を感知することが出来る。
龍とは、それぞれの個体が別々の力、また、同種でも最も力の優劣が生まれやすいものであり、何が言いたいかというと、一度でも私の記憶に残った龍種は、この世界のどこにいようと、私にはその場所が筒抜けとなるのだ。
そして、龍は強さの塊を意味し、龍=強者といっても過言ではない。
私───アルバート・ウェスカーがサマエルとの契約を容易に結んだ理由、それは、強者との闘いである。
人生の過程で、効率良くかつ圧倒的に相手を壊す術を会得しておきながら、そんなものを使うことなく終わる人生。
……そんなものはつまらない。どうせならば、己のしたいように人生を歩みたいものだ。
サマエルとウェスカーの相性がいいのか、ただの打撃でもサマエルの呪いを使えてしまうようになり、相対してきた龍は全て死んだが、悪い戦いではなかった。
だが、まだ足りない。どうせなら、世界の強者を全て殺し切ってから死のう。
そろそろ、面白い奴に再び出会うことが出来るのだ。
今まで、ウェスカーと戦って生き残った者はいない。いや、いなかった。
……赤龍帝だったか?どちらにせよ、殺しきれなかったのは初めてだ。
どのようにしてあの状況から生き残ったのかは不明だが、最近は、その実力も上がってきていると聞く。
上位の悪魔を軽々倒したとの情報を得たときは驚いた。
もしかしたら、元々それだけの実力を持っておきながら、サマエルの呪いを持つウェスカーの前に、本来の実力を出せずに終わってしまったのかもしれない。
いずれにせよ、命を懸けた戦い、己が実力を発揮できないのは未熟な証なのだが。
……次は必ず殺すぞ。
人生は楽しまなければならないのだ。
「───さて、そろそろ動き出すべきだな」
ウェスカーは、集落
少し前に、ウェスカーと似たり寄ったりの、適度に人間をやめた存在との戦いを行い、移動が面倒となったために、ここで体力の回復を図っていた次第だ。
「平和島静雄と名乗っていたな。神と龍以外、そもそも、人間に苦戦したのは初めてだ」
人間など総じて脆い種族だと思っていたが、存外、そうでもないらしい。
人間らしかぬ荘厳な態度でウェスカーを殺しにかかってきたときは、しばらくぶりに死の危険を感じたくらいだった。ウェスカーが殺しきれなかったもう一人の存在である。
あの男との戦いは、とても楽しかった。
……奴とはもう一度殺り合いたいものだな。
傷を負ったこと自体、数年ぶりだったことから、初心に還った気分となった。
サングラスを取り、紅の瞳を外の世界に曝け出す。
こういうところから人外感満載なのだが、ウェスカーからすれば今更のことだ。
普段は大事にならないよう、なるべくサングラスをかけて生活するよう心掛けている。
サングラスは良いものだ。適度に目の部分を隠し、表情すら読みづらくなる。
何より、イケている。これが全てだ。怪しまれる理由となっているのも主にサングラスのせいなのだが。
その他にも、全身が黒いスーツや外套、金髪オールバックなどから、時たま警官からの視線が刺さることがあるが、大抵ウェスカーのオーラに気圧されて突っかかってくることはない。突っかかる命知らずは土に還した。
サングラスを掛けなおす。
……そろそろ行くか。
そこまで急ぐ理由も無いため、のんびりと龍狩りへと行こうか。
〇
夜、イッセーは悪魔の仕事で、堕天使総督のもとへ訪れていた。
玄関のチャイムを鳴らせば、その約2秒後には扉が開かれる。
……三大会議があるとはいえ、そんなに暇なのか、堕天使の総督っていうのは。
総督がサボってるから、他の堕天使が好き勝手してるのではないだろうかとも思ってしまうが、今この場では、一応イッセーの客である。
お客様は神様です。本来の神は死んでいるそうだが関係無い。
悪魔の仕事というのは一種の接客業。ザックリと言ってしまえば、コンビニなどの接客と変わらない。
変わるのは取り扱う商品(?)である。
以上のことから、我々悪魔の業界においても、お客様は神様です。
事実、よっぽどのことがない限り奇跡など起こしてくれないケチな神様とは違い、願いを叶えることに対しての対価をくれる客の方が神として尊い存在だ。
少々思考が飛んだが、イッセーは現実に戻ることにした。
朝から色々あり、疲れているのかもしれない。
「よぅ、赤龍帝の坊主。いつもわりぃな」
「毎度どうも、アザゼルの対価はいつも豪華だからむしろ商売繁盛だよ。あと、俺の名前は一誠な。お互いの名前知ってるなら、それで呼ぶのが普通だと思うけど?」
「んー、そうだな。そうだよな、俺とお前の仲だ。それでは改めて、今夜もよろしく頼むぞ一誠」
「こちらこそ」
家の中に入れてもらう。
アザゼルの部屋には何度も来ているが、来るたびに新しいものが増えており、それは今日も同じだった。
「また増えてる。アザゼル、お前の収集癖は本当にすごいな」
「いやなに、興味をそそられるものは全て集めたいタイプでな。こればっかりはいつまでもやめられねぇ」
「だからって……お前が何歳かは知らないけど、お前の歳でこういったフィギュアに手を出すのはちょっと見てて引くものがあるんだけど」
新しく増えていたものは、様々な作品のキャラを立体的に表現して作られたフィギュアだった。
「しかも、女子ばっかって……このむっつりスケベが」
「おいおい人聞き悪いこと言うなよ。俺はいつでもオープンだ」
「いやどっちにしろ残念だよ」
本当にこれが堕天使のトップなのかと毎回思う。
だが、アザゼルから発せられる気は強者のそれと同じものであるため、やはり、この男が堕天使の中で一番の実力を持っていることに間違いはない。
「それで?今日は何がお望みなんだアザゼル。またゲームか?」
「ああそうだ。こいつの相手をしてほしいんだよ」
アザゼルが見せてきたのは古いカーレースゲーム。
アザゼルはゲームが上手い。多分、感覚を掴むのが早いのだと思うが、今まで対戦したゲームでは、全てにおいてイッセーに圧勝しているのだ。
「そのゲームはやったことないな」
「それ昨日も聞いたぞ。つぅか、現代人のくせして、一誠はあまりこういうものに手を出さないんだな。お前がやったことあったって言ったのは格闘ゲームだけだろ」
「たまにゲーセン行くくらいだからな、俺は」
「つまり、今日も俺の圧勝ってことで良いな?」
「強気だな」
「当たり前だろ。今までの戦績を見れば一目瞭然だぞ?」
「今日こそ俺が勝つ」
「上等だ」
火花を散らしながら、イッセーとアザゼルはテレビの前に腰を下ろした。
〇
「なっ!?ここでエンストするかよ普通!?」
「ハハハッ!これがお前と俺の差だ一誠。このレースも俺が頂く!」
約三時間後、テレビの前では両手でガッツポーズをするアザゼルに、地に両手をつけるイッセーの姿があった。
「これで通算40勝目。一誠、お前本当に弱いな」
「お前の顔面に今すぐ『天竜の咆哮』をぶち込みたい……」
「負け犬の遠吠えかぁ?らしくないなぁ一誠くぅん」
「ぐぅ……」
やはり、アザゼルはこの手の感覚を掴むことに長けている。
だんだん差は縮まってきているものの、この調子でいけばあと30連敗は覚悟しなければならない。
「そういやぁ一誠」
「ん?」
次のレースの車を選択している最中に、アザゼルがかしこまった様子で話しかけてきた。
「かれこれ、こうやってお前を呼んで俺の趣味に付き合ってもらっているわけだが……ご主人様に俺のこと伝えてないだろ?」
「え、それって必要なことなのか?」
アザゼルの目が点になったように見えた。
「あのなぁ、俺がこんなこと言うのも可笑しいけどよ……俺って一応堕天使の総督やってる身だぜ?
お前らに危害を加えてる連中のトップだぞ?」
「だから?」
アザゼルが大きくため息をつく。呆れているようだ。
「だからってよぉ……お前自身は俺のことどう思ってんだ?」
「お得意様」
「それ以外」
「……友人?」
本当にアザゼルの目が点になった。
「なんだよ?割と気が合うし、一緒にいて苦にならないし、友達感覚だったんだけどダメだったか?」
「だから主人のリアス・グレモリーにも俺のことを伝えてないってか?」
「それに関しては、単純に客の詳細を聞かれないから言ってないだけだよ。まぁ、お前が危険思考の奴だったらさすがの俺も考えるけど」
イッセーの言葉をどう捉えたのかは分からないが、アザゼルはもう一度ため息をついて言葉を作った。
「じゃあ、帰ったら主人に俺のことを伝えろ」
「なんでだ?」
「お前が俺の正体に気づいておきながら言ってねぇことが問題なんだよ。バレた時のことを考えろ。お前が隠しているって勘違いされれば、お前が密に俺ら堕天使と繋がってるって疑われんだぞ?」
「そしたら多分、アザゼルのとこ来れなくなるぞ?」
「それが普通だろ」
「お前って客が一人減ると、俺の取り分が無くなるんだよなぁ」
「テメェ……さっき友人云々語ってたくせして、結局は儲けが全てか」
車の選択が終わり、画面が切り替わる。
「とりあえず分かったよ。帰ったらアザゼルのことは部長に伝えておく」
「そうしとけ。暫く帰す気はないがな」
「俺も勝つまで帰る気無いさ」
随分と歳が離れた友人を作ってしまったらしい。
結局、それからもゲームは続き、一誠がアザゼルに一勝するまでにかかった敗北数は、想定していた30連敗を大きく上回り、50連敗にまでなった。
……アザゼルの奴、手加減してやがったとは。今度やったら半殺しだな。
〇
一誠が帰った後、アザゼルは取り寄せた高級酒で一杯やっていた。
「ったく、あそこで育つ人間にまともな奴はいないのかっての」
半ばやけ酒であった。
アザゼル自身、何故こんなにも親身になってしまっているのか分からない。
しかし、あの大戦にて、施設の者達に借りを作ってしまったこともあり、施設の者と接する機会は多かった。
それも一つの原因なのかもしれない。
「俺がここに居ることもとっくに知ってるくせして、何の連絡もありゃしねぇ……そんなところもあいつららしいが」
ふと、アザゼルは今回の三大会議の内容に出るであろう議題を思い出した。
……そういえば、
更に、昔、施設の管理人の一人である岡部倫太郎から教えられた重要な情報。
……俺たちだけでは封印が精いっぱいだったあいつを倒しきる可能性……ほかの陣営にこの情報がいってるかは不明だが、施設の人間の一人にその奇跡を実現できるかもしれない力を持つ者がいるというが……まさか、一誠がその可能性ってわけないよな?
そもそも、公になっている施設の人間の力が、その力の一端といったものばかりで、根本の力を出しているように見られるのは一誠とフリードのみ。
……これだけじゃあ分からねぇんだよなぁ。だが、現時点で分かってるのは、一誠は赤龍帝の力と角の力、フリードはあの赤い英雄の力をそのまま模倣したような感じだった。
こう考えてみると、少なくとも一誠は正真正銘の化け物だ。あの身体の中に、神を殺せる力が2種類も内包しているのだから。
だが、
……ってことは、他の奴がそれだけの力を持つ何かを有しているってことになるんだが……。
これ以上、一誠の中に神を超える力が入っていた場合、既にアザゼル達では手の施しようがない。
……いや待て、一誠がそれだけの力を持ってるってことは、他の奴らもそれと同等かそれ以上の力をがあるって考えた方がいいのか?
思考がどんどん深くなっていくが、そんなことどうでもいい。
酒を飲む手すら止め、アザゼルは己の世界へと入る。
……仮に、もし施設の人間がそれだけの力があると計算し、今回の会議で和平を結べたとする。……最終的な目標は封印されているあの野郎の完全消滅だが、目下の問題はもう一つ、いや、優先順位だったらこっちの方が先だな。いつ目覚めるか分からない災厄よりも、現在進行形で面倒事を起こしてるテロ組織への対応が先決だろう……。
そうなると、施設の人間たちはこれ以上ない戦力となる。現状、一誠が悪魔に転生したことによって、施設全体が悪魔側についたといっても過言じゃない。
堕天使側のパイプといえば、アザゼルのみ。
今回の会議で悪魔と手を組むことが出来なければ、何かの拍子に戦争になった場合、天使と堕天使は圧倒的な戦力の前に平伏すことになるだろう。
無論、アザゼルは戦争断固反対であるが。
……あー、いいなぁ。ったくサーゼクスの奴、俺よか頻繁に施設に行ってたから、あいつらとも仲いいんだろうなぁ。魔王のくせして本当羨ましいったらありゃしねぇ。
転生した時の情報も、アザゼルはしっかりと頭の中に叩き込んでいる。
……一誠は邪龍サマエルを宿した野郎に殺されて転生したんだよな。ヴァ―リにもちゃんと言い聞かせなきゃな。あのお転婆娘、放っておいたら何するか分かったもんじゃねぇし。
名前も出したくない災厄、面倒事をバンバン起こすテロ組織、龍の天敵にして赤龍帝を殺した邪龍サマエル。
……これ、絶対和平だよな。普通に考えて。いがみ合いなんてしてる場合じゃねぇだろ。……まず、糾弾されるのは俺なわけだから、そこをしっかりと乗り越えていかないとな。
個人的には、和平にしてもらわなければ困る。それはもう物凄く。
……簡単に人間界歩けなくなったら気軽に買い物できねぇからな。それに、面白そうな奴もたくさんいるし。
最終的に、何者も本気を出すときといえば、自分の趣味が関わっているときなのだ。
〇
「イッセー、何故正座させられているか分かる?」
「皆目見当もつきません」
「そうよね、だから膝の上で子猫を愛でてるのよね」
只今絶賛部室の床に正座をさせられているイッセー。
その目の前には紅髪の部長ことリアスが仁王立ちで腕を組み、イッセーを見下ろしている。
リアスの表情はシリアス一辺倒だ。リアスは。
だが、イッセーは違った。正座の形は大変見事である。
背筋もしっかりと伸びており、ダメな箇所など一つも見当たらない完ぺきな正座。
膝の上にお菓子を食べている子猫を乗せているが、それ以外は一寸の隙も見当たらない見本のような姿勢である。膝上の子猫を除けば。
「子猫?今大事なお話の最中なんだけれど、どいてもらえる?」
「……分かりま……にゃあ……」
「イッセー?これ見よがしに子猫の頭を撫でて行動を妨害するのはダメよ?子猫が動けなくなってるでしょう?」
「それを狙ってやっています」
「怒るわよ?」
「……何か気に障るようなことしましたっけ?」
「なうでやってるじゃない」
「……部長がなうって言うの初めて聞きました」
空気が台無しになってしまっている。
その様子を見ていたフリードは、普段とは違う雰囲気のイッセーに笑いをこらえていた。
「あのイッセー君がキャラチェンして帰ってきたとは……。アザゼルって堕天使とよっぽど仲良くなったんすねぇ」
「でも、堕天使の総督をやってる人だよ?ボクは少し警戒した方がいいと思うけど」
「見聞きした情報と、実際に会って現実を知るのとは全く別っすよ?それこそ、百聞は一見に如かずって言うじゃないっすか。イッセー君はアザゼルと関わって、何かを感じたのかもしれないっすねぇ」
事実、アザゼルもイッセーに何か仕掛けようとしたことはない。趣味に付き合わせていただけだ。
「もう、そのままでいいから聞きなさい。確かに、アザゼル自身はあまり悪い噂を聞かないけれど、私たちはこの前、堕天使幹部のコカビエルと戦ったばかりなのよ?
例え、相手に敵意が無いとしても、まだ完全な味方かも分からない堕天使との関わりは無駄な揉め事の種になるの。それが堕天使総督ならなおのことよ」
アザゼルが言っていたのはこういうことか、とイッセーは子猫を撫でながらリアスの言葉を頭の中で嚙み砕く。
確かに、ここでイッセーが悪魔側にマイナスの印象を与える行為をしてしまうと、その飛び火はリアスたちへと向かってしまうのだ。
リアスは魔王の妹である。そう意味でも、悪魔たちの信頼を失くすわけにはいかない。
「では、少なくとも、完全に堕天使と和解を果たすまで、極力堕天使とは関わらないようにします」
「ええ、そうして頂戴」
イッセーは正座から解放された。
名残惜しそうにする子猫を一撫でして膝上から降ろす。
「それにしても、アザゼルって最初からイッセーのことを指名したのよね。イッセーの神器が狙いかしら?」
「確かに、アザゼルから神器への情熱みたいなものは聞かされましたが、強硬手段をとってこようとはしませんでしたよ?」
「アザゼルさんでしたら、昔、何度か施設に遊びにいらしていたので、そういう意味でイッセーさんを指名したんじゃないですか?」
いきなり口を挟んできた夕乃の言葉に、リアスは「ふぇ?」と間抜けな声を出した。
「そ、それってどういうこと?」
「?そのままの意味ですよ?まだイッセーさんや私が小さい頃でしたが、岡部さんとよく研究話をされていましたし、ジョーカーさんや英雄の方たちと飲み友達ですし、静雄さんとも仕事の話をされてましたし、気前のいい殿方でしたが……」
珍しく、リアスが口を開けたまま硬直している。
「あなたたちは知ってたの?」
イッセーたちに聞いているのだろう。
「「「いや、全く」」」
見事にハモッた。
「みんなあの頃は一日の大半が修行の毎日でしたからね。切彦ちゃんは憶えてますよね?」
「……あの、だんでぃなおじさんのことですか?」
「そうです」
なんてことだ。
「じゃあ、夕乃は私たち以上にアザゼルに詳しいわけね。お兄様が施設に出入りしていたことは聞かせてもらったけど、まさか、堕天使の総督までとは……もうなんでもありね。まさか、ミカエルもなんてことは……」
「その方は施設に来たことはありませんよ?」
「あら、そう聞くとなんか意外ね」
「なんでも、恐れ多くて来訪することが出来ないらしいですよ?会いづらい方でもいるのでしょうか?でも、度々外で出会うことはあるそうですね」
「結局、三すくみのトップ全員と面識あるのね、施設の管理人って」
イッセーたちも初耳である。
しかし、今頃あの人たちに常識など通用するわけないと断定。
存在が非常識の塊みたいなメンバーに常識など求められるハズがない。
そもそも、あの中の何人がまっとうな人間であるかすら定かではないのだから。
「その管理人とやらは、君たちよりも人間離れしているのかな?」
聞いてきたのはゼノヴィアだ。
あれは人間離れなんてレベルでは無いような気がする。
あくまで、イッセーがその目で見た管理人たちの実力は、だが。
「そもそも、普通の人間が宝具なんて使わないよな」
「角なんてもっといないと思うんすわ」
「興奮して強くなるってのも聞かないな」
「そうか、君たちの師匠にあたる人たちが、たかが人間離れ程度で済むはずがないとよくわかった」
納得してくれて何より。
「皆さん、とても優しい方ばかりでしたけど……実はすごい方たちだったのですね」
「基本、働いてるのは静雄さんとエミヤさんと金一さんだけだからなぁ……」
「金一さん?」
「ああ、アーシアと部長はまだ会ったことないか。キンジの実のお兄さんにして師匠なんだよ」
「お兄さんがお師匠様なんですか」
「スパルタの塊だぞ」
アーシアと朱乃はキンジの兄である金一がどんな人かを想像しているようだ。
これは会った時が楽しみかもしれない。
その時、イッセーたちは濃密な二つの魔力の波導を感じた。転移してくるつもりなのだろうが、素体にしてこの絶大な、そしてどこか懐かしい魔力のオーラはあの二人だろうと、イッセーたちは瞬時に悟る。
「まぁ、とにかく、あなたたちが少なからずアザゼルのことを知っていたのが驚きだけど、顔見知りなら、アザゼルだけはそこまで警戒しなくてもいいかもしれないわね」
「アザゼルは昔からああいう奴でね、そんなに身構える必要はないよリアス」
突然、この場には居ないはずの声にリアスが驚愕した。それと同時に展開されるのは転移陣だ。
紅い光が部室内全体を照らし、自然とその場の視線を独り占めする。
そこから出てきたのは、いつぞやの魔王とそのメイドであった。
柔和な笑みを浮かべながら部屋の中を見渡す魔王に、リアスは驚愕したまま言葉を発した。
「お、お兄様!?」
「うん、愛しのお兄様だよリアス」
一斉に跪く眷属たち。そんな中、イッセーとフリードを含む施設のメンバーは軽い会釈をするのみであった。
一応、紹介すると、サーゼクス・ルシファーとグレイフィアである。
誤字脱字等のご指摘、またはご感想、お待ちしています。
今回は朱乃さんを多めに出したい予定。
問題は誰とくっつけるかですが、Freeなのって一人しかおりませんやん。
ついでに、着々と進んでいる施設の仲間チート化政策ですが、純粋な人間なんているのかと最近思い始めました。
ちょっとここに、イッセーたちをチートにしていった師匠たち(仮)を紹介していこうかと思います。
一誠の師匠……平和島静雄、崩月夕乃、崩月法泉
フリードの師匠……エミヤ、???、???
キンジの師匠……金一、???
切彦……無し
こんな感じ?
名前を出してないメンバーの名前は流石に出さない方がいいかなと思って伏せてます。
大体想像通りかと思います。追加する可能性もあります。
切彦に関しては、出会った時点で完成形であったことにしています。
余裕が出来れば、閑話として出会いなんかも描けるかもしれません。あくまで、余裕が出来ればの話ですが。
少し長くなりましたが、今回はこの辺で。
また次回でお会いしましょう。