ラブライブ!—Story to make together— 作:TokyoのDio
今回は少し遅れてしまいました……本当は今日の0:00に投稿しようと思ったのですが……眠気に勝てませんでした(土下座)
さて、今回は穂乃果と世界にしつこく作曲を頼まれたその後を書いてみました!いやぁ…ツンデレ真姫ちゃん難しい!
読者の皆様がしっかりと真姫ちゃんがイメージ出来るようであれば幸いです!
それでは…どうぞ!
「ですからここは……」
先生の授業を耳で聞き流す。いつもならこんな事は絶対に有り得ないのに。今はどうしても授業に集中出来ないでいた。
どうしたものかしら……
モヤモヤと煙がかった心を晴らそうと窓から空を眺める。そこには私の心とは対照的に雲ひとつ無い快晴の青空が広がっていた。
「西木野さん。今日は珍しく集中出来ていませんね」
「……す、すみません」
授業に集中出来ていなかったのがバレてしまったのだろうか、先生に注意される。今までの人生で授業中に怒られる事なんて殆どなかったから恥ずかしくて下を向く。
「あの西木野さんが…珍しいねぇ…」
クラスメイトの1人がボソリと呟く。それに釣られて1人、また1人と私の事を見てあの西木野さんが…と私の事を見る。
先生に注意されたことでクラスメイトの視線が私に集まる。あまりの恥ずかしさに顔が熱くなってしまう。
多分、私の顔は今真っ赤になってしまっているのだろう。
キーンコーンカーンコーン
チャイムが今日最後の授業の終わりを知らせる。クラスメイトは各々自分のことをやるために散っていく。そんな中私は皆の視線から解放されたことに安堵していた。
『あなたの歌で生徒が集まるかもしれないんだよ?!』
あの先輩の声が木霊する。正直、魅力的な誘いだった。それが
“ スクールアイドル”
先輩達がやろうとしているそれは所詮
「あぁっ……もう!」
調子が狂う。なんでこんなに考えているのか。
そんな私に対して苛立ちが湧く。さっきからその繰り返し。グルグルと悪循環を始めてしまった私は気を晴らそうといつもの場所へと向かった。
「ふぅ……やっぱり落ち着くわね」
ピアノの前にある椅子に腰を下ろす。あまり人とのコミュニケーションを得意としない私は1人でいる方が楽だった。
ポロン……
鍵盤を指で叩く。するとピアノは優しい音を奏でてくれる。この私とピアノのやりとりがたまらなく好きだった。
今日も少し弾いて行こうかしら……
家に帰ってもどうせ勉強しかやることがない私は音楽室でピアノを弾くことが唯一の楽しみだった。
「よし……」
そうして私は鍵盤に指を置く
「ふぅ……」
曲を引き終えて一息つく。今日はこれくらいにしようかな。そう思い椅子から立ち上がろうとするとドアの奥から拍手が聞こえてきた。
「うぇぇぇ……?!」
さっきまで人なんかいなかったのに……驚くあまり、つい声が出てしまった。
「朝ぶりだな、えっと…西木野さん、だっけか」
そう言って音楽室に入ってきたのはこの前からしつこく私に作曲を頼んでくる先輩達だった。
「またあなた達ですか……」
失礼な事を言っているのは自覚していたが本当に執拗いのだからしょうがない。なんでこの人達はこんなにも私に拘るのか。探そうと思えば他にも作曲ができる人なんているはずなのに。
「もう一回作曲を頼みたいって思ってさ」
やっぱり……
この人達は今朝も同じ事を言いにわざわざ1年生の教室へと来た。その時は確か、屋上まで連れて行かれたっけ……
「執拗いですね…何度も言いますけど私はそんなものやりませんよ!」
声を強くして言う。執拗く言われても私は絶対に意見を曲げなかった。
「理由を教えてくれないか?」
「私、ああいう曲を聴かないから…聴くのはジャズとかクラシックですし」
私は昔からそういう
それに—————
「ああいう曲は軽いから好きじゃないんです。薄っぺらいし、何か遊んでるみたいで……」
私はああいう曲がどうしても好きになれなかった。音楽、というものは曲で聴いている人を魅了する。だけど踊りやポップな歌詞を使うそれは曲を疎かにしているようにしか私は思えなかった。
「そう思うだろ?これがさ、意外と大変なんだよ。」
大変……?あの楽しく踊っていればいいだけの物が?
私は先輩の言ったことの意味が全く分からなかった。堪らず聞き返す。
「どういうことですか?」
私が質問すると男の先輩はううんと少し悩んだ後、
「笑いながら腕立て、出来るか?」
「はぁ?」
思わず声が出てしまった。一体、この人は何を言っているのだろう……
腕立てとアイドルの何が関係してくるの?しかも笑いながらって……ここにいる女の先輩もそうだけど、この人もおかしな人なのかしら……
「意味が分かりませんよ……もういいです。私は帰ります」
もうこれ以上この人達の話を聞いていても意味が無いと思った私は家に帰るために荷物をまとめる。
本当にこの人達はよく分からないわ。はぁ……こんな事なら家に帰って勉強してた方がよっぽど有意義だったかしら……
「ちょ、ちょっと待ってくれ!」
すると男の先輩は教室を出ようとする私を慌てた様に引き止める。
「はぁ……今度はなんですか?」
本当に執拗い人ね……
そろそろ呆れを通り越して苛立ちが顔を出す。それに伴って私の口調も少し強くなってしまった。まぁ、これくらいしないとまだまだこのやり取りが続きそうだし、これが妥当なのかも知れない。
そんなことを思っていると、男の先輩はポケットから小さく折りたたまれた紙を取り出して私に差し出してくる。
「歌詞、出来たんだ。1回読んでみてくれないか?」
本当にこの人は……
「本当に執拗いですね。私はやらないってあれほど……!」
「読むだけならいいだろ?1回読んでみて、もしやる気になってくれるなら俺達の所に来てくれよ。近くの神社で練習してるから。それでダメなら俺達はスッパリと諦めるよ」
何度も断る私に対して意地でも歌詞を渡してくる先輩。根気負けした私はその紙を受け取る。
「はぁ……分かりました。まぁ答えは変わらないと思いますケド……」
見たところで私がやろうと思える気にならないのは目に見えていた。それでも、という先輩の顔を見ながらしょうがなく紙をポケットの中に入れる。
「それじゃあ私は帰るので」
「ああ。ありがとな」
はぁ……無駄な時間を使ってしまった。早く帰って勉強しないと。
そうして私は音楽室を後にしようとするが
「……?」
ドアの向こうに人の気配を感じた。だが、それもすぐに無くなる。
「……?どうした?」
今、誰かいたかしら……?いや、気の所為よね?
「いいえ、なんでも。それじゃ。」
気の所為だと思うことにして次こそ私は音楽室を後にする。
「はぁ……本当にあの人達はなんなのかしら……」
帰り道、誰に話しかける訳ではなく1人で呟く。
結局、ピアノを弾いていた時間よりあの2人の先輩と話していた方に時間を費やしてしまった。気持ちを晴らすために音楽室へと行ったのに……その目的すら果たせなかった。
それに……なんであの人達はあそこまで私にこだわるの……?
あぁ……!もやもやする!
本当に迷惑な先輩達ね……
心の中で毒づく。
「ねーねー!そう言えば2年生の子がスクールアイドル始めるらしいよ?」
「知ってる知ってる!何かサイドテールの娘が男の子連れ回して宣伝してたよ」
「あはは!それ多分、高坂穂乃果ちゃんだね。男の子の方は柊世界君だったかな?」
歩いていると後ろ会話をしているのが聞こえてくる。
へぇ……高坂穂乃果と柊世界……か。
そう言えば近くの神社で練習してるって言ってたっけ……
帰り道に通るし、少し覗いていこうかしら。
そうして私は足早に目的地へと向かう。
「ここで合ってるわよね……?」
私は長い長い階段を見上げながら呟く。近くの神社、と言ったらここしかないはずだから間違ってはいない。と、思う。
「くそぉぉぉぉ!!」
すると階段の上から男性の声が聞こえてくる。その人は叫びながら階段を下ってくる。
その人がさっきの先輩、柊先輩だと気づいた私は咄嗟に建物の物陰に隠れた。
「何で穂乃果も追加なのぉ?!」
「2人とも速いよぉ〜!!」
続いて聞こえてくる声。どうやら“ 一応”それなりには練習をしているらしい。
「穂乃果と柊君が悪いのでしょう?!」
文句を言う2人の先輩に対して階段の上から怒鳴りつける先輩。確かあの先輩は屋上に連れていかれた時にいたはず。
「しょうがないだろぉぉぉ!!」
「そうだよぉぉぉぉ!!」
「ふえぇ…まってぇ……」
そうして3人の先輩達はまた階段を登っていく。
そうして下って、登って、下って。
また登っていく。
それを繰り返すこと10数回。
「ぜぇっ……ぜぇっ……」
「はぁっ…はぁっ……あともう少しだ……!!」
「うん……っ!!」
なによ…これ……
『遊んでいるみたいで……』
そう言ってしまったことを思い出す。
私はそう言ってしまったことを深く後悔した。
全然…遊びなんかじゃ無いじゃない…!!
「はぁっ……はぁっ……ラストセットぉ……!!」
「ぜぇっ……ぜぇっ……うんっ!!」
「まっ……てぇっ……」
肩で息をし、歯を食いしばりながら階段を駆け上がる先輩達。額にはキラキラと汗が光っている。
……どうしてそんなに苦しそうなのに続けるの?
こんな事をしても意味があるか分からないのに。なんで、ここまで……
私には先輩達が何故ここまで本気になれるのかが分からなかった。
でも……我武者羅に頑張る先輩達は何処かカッコよかった。……気がする。あくまでもそんな気がしたってだけで断定的なものじゃないケド……
頭の中でグルグルと渦巻く思考。何故かまたモヤモヤとして苛立ちが湧いてくる。
「はぁ……なにやってるのよ……」
1人で考え込んで勝手にイライラして……完全に自爆じゃない。
このままここにいても仕方がない。帰ろう。そう思った私は地面に置いたスクールバッグを手に取り帰路に着こうとする。
が、
ムニュ
不意に胸に不思議な感覚が走る。
なんだろう?
不思議に思った私は自分の胸へと視線を落とす。
「?!?!」
私の胸は誰かの手に鷲掴みにされていた。
「きゃぁぁぁぁぁぁっっ!!!!」
「何なんですか!!ホントに!!」
「まぁまぁそんなに怒らなくてもいいやん?」
「怒りますよ!普通!!」
さっき私の胸を鷲掴みにしていたのは音ノ木坂学院の副会長だった。
副会長という役職に入っているのにも関わらず人の胸を揉むし巫女さんの姿だし……色々と言いたいことがあってどれから言っていこうか迷ってしまう。
「うーん……まぁまぁって所やな……」
「はぁ?何がですか」
今度はよく分からない事を言い出す副会長。なによ…まぁまぁって……
「まだまだ発展途上って所やね。でも望みは捨てなくて大丈夫や!大きくなる可能性はある」
「な、何の話よ!!」
ま、まさかこの人…私の胸の事を言ってるの?!本当になんなのよこの人!
慌てている私を他所に副会長は続ける。
「音楽室では『遊んでいるみたい』って言ってたけど今見てみたらどうなん?」
さっきまでおちゃらけていた副会長はいきなり声のトーンを変えて私に尋ねてくる。
「あの時覗いていたのは副会長だったんですか……?」
私が音楽室で言ったことを知っているんだから多分、あの時感じた人の気配は副会長のものだったのだろう。
「質問に質問で返すのは御法度やん?」
だけど私の質問は受け付けて貰えなかった。はぁ……なんでこういう所でしっかりしてるのかしら。
「あの子達、意外と頑張ってるんやで?」
「それは認めます。でも…やって意味があるのかも分からないのに、何故あそこまで本気でやるのか分かりません」
「そっか。 でも、あの子達が必死に頑張ってる姿、結構カッコイイって思わなかった?」
「……!」
図星を突かれ言葉に詰まってしまった。確かに……カッコよかった、と思う。
「その反応を見ると図星みたいやね。それで、作曲はしてあげないの?」
「それとこれとは関係ないでしょ!」
「関係あるで?あの子達に少しでも好印象を持てた訳だし、何より失礼な事を言ってしまったんだから謝罪の意味でも作曲をしてあげた方が、ウチはいいと思うんやけどなぁ?」
「うぅっ…!それは……」
確かに、先輩達に失礼な事を言ってしまったことは申し訳なく思ってる。副会長の言っていることも一理あるかもしれない。でも、あれだけ言って「作曲します」なんて—————
「今更、言えない?」
またもや思っていることを当てられる。もうこの人は私の考えていることが分かるんじゃないかと思えてしまう。
「当たり前ですよ…あんな事言ったのに……」
さっき音楽室で先輩達にあれだけ失礼な事を言ってしまったんだ。今更、作曲します!と言ったら先輩はどんな顔をするんだろうか。
「それならこっそり、という手もあると思うんや。」
「え…?それってどういう事?……」
「それは自分で考える事やん?」
また答えをはぐらかされる。
会話が途切れて沈黙が生まれた。
「じゃあウチはこれで。しっかりと考えてみてね?」
「ちょ、ちょっと!」
しっかりと考えてみて
そう言って副会長は神社の階段を登っていく。
こっそりと、か。それなら私にも……
「べ、別に作曲がしたくなった訳じゃないわ。謝罪の意味も込めて、よ」
誰かがいるわけでもないのに語りかける。いや、これは自分に言い聞かせてるのかもしれない。
「早く、帰らないと……!」
私は作曲をするべく足早に家へと向かった。
閲覧ありがとうございます!いかがでしたか?
いやぁ今回は結構難産だったんです!
本当に真姫ちゃん難しくて!でも、思ってることと反対の事を言ってしまう真姫ちゃんって最高に可愛いですよね!(作者はにこ推し)
あぁ、まだまだ先は長いなぁとしみじみ感じました(汗)
評価、コメントをお待ちしております!どんなものでも来れば作者はとっても喜びます!!是非是非、評価、コメントをよろしくお願いします!どしどし待っています!!
では次回も頑張りますのでよろしお願いします!