ラブライブ!—Story to make together—   作:TokyoのDio

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# 14 嵐の前の静けさ

 ライブ前日の朝、俺達はいつもの神社で練習をしていた。

 前日というのもあってか、いつもより歌とダンスに熱が入ってる様に感じる。

 

 

 「朝の練習はこれぐらいにしましょう!」

 

 「ひゃ〜疲れたぁ」

 

 「でも、私達結構上手くなったよね!」

 

 「うん!」

 

 タオルで汗を拭き取りながら地面に腰を下ろす3人。

 

 

 

 「ほら、飲み物」

 

 俺は彼女達に飲み物の入ったペットボトルを手渡す。

 

 「ありがとう!」

 

 「ありがとうございます」

 

 「ありがと〜」

 

 彼女達3人は礼を言いつつコクコクと飲み物を飲む。

 

 「ぷはっ!ねぇ、せかちゃん?今日の合わせ練習、上手くいったよね!」

 

 ペットボトルから口を離し俺にそう聞いてくる高坂。

 うん、まぁ前よりかは比べ物にならない程良くなっている。数週間でよくここまでやって来れた事を褒めてもいいくらいだ。

 この出来なら……きっとライブも成功する筈。

 

 「あぁ。数週間でよくやったよ」

 

 「だよね!だよね!」

 

 嬉しそうに声をあげる高坂。南と園田は声こそあげないもののしっかりと自信を持てているようだ。

 

 「ついに明日なのですね……」

 

 「あっという間に来ちゃったね」

 

 園田と南からは緊張の色が。

 確かにこいつらは今日までしっかりとやって来た。でも、迫ってきた本番に対して緊張を隠せないのだろう。

 

 「大丈夫だよ」

 

 「穂乃果…」

 

 「穂乃果ちゃん……」

 

 「こんなに頑張ってきたんだもん。明日はきっと成功、ううん、大成功するよ!!」

 

 「あぁ。お前達ならやれるさ。それよりほら、学校に行く支度しろ」

 

 「「「うん!(はい!)」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 昼休み、俺達4人はいつもの如く昼食を食べるために中庭へ向かって歩いていた。

 

 

 

 「おーい!待ってくれ!」

 

 すると背後から俺達を呼び止める男の声が。不思議に思った俺達は足を止め振り向く。

 

 「はぁ、はぁ……やっと追いついた」

 

 肩で息をしている様子を見ると、どうやら走って追いかけて来たようだ。

 

 こいつは……確か————

 

 

 

 

 

 「えぇっと……お前、誰?」

 

 うん。誰だよこいつ。いや、知らない奴に待ってくれ!とか言われても困るんだけど……

 

 「せかちゃん?それは、失礼なんじゃ……」

 

 「そうです柊君」

 

 「可哀想だよぉ…?」

 

 何故か3人からバッシングを受ける俺。

 え……何で?俺、何か悪い事した?!

 そこでふと、俺達の前にいる男に視線を写す。

 その男は————

 

 

 

 「そっかぁ……柊は俺の名前、覚えてくれてないのかぁ……」

 

 メチャクチャ落ち込んでいた。

 いや、だからお前の事なんか知らないって……

 

 「柊君…彼はクラスメイトですよ……」

 

 「えっ」

 

 クラス……メイト……?

 

 あれ、もしかして俺、物凄く失礼な事しちゃってたか???

 

 「柊ぃぃ!!俺の名前は斉藤優太だよぉぉぉぉ!!」

 

 斉藤……優太……

 

 あ

 

 「もしかして……廊下側の1番前に座ってる……?」

 

 「そうだぁぁぁ!!良かったァァ!覚えてくれてたのか!!」

 

 「あ、お、おう」

 

 俺の手を握り締めてブンブンと降る斉藤。

 この状況じゃあ、普通の名前過ぎてド忘れしてました。何て言えそうに無いな……

 

 「そういえば斉藤君は穂乃果達に何か用があったの??」

 

 高坂は斉藤に尋ねる。

 そうだ。今までのやり取りで完全に本題を忘れていた。

 

 「あ、そうそう!μ'sってお前らの事だろ?俺、応援してるんだ!」

 

 「わぁっ!本当?!」

 

 「あぁ、本当だ!俺、明日のライブ観に行くからな!頑張れよ!」

 

 へぇ。斉藤はこいつらのことを応援してくれてるのか。知らなかった。

 いや、こいつ自身の事をあまり知らないんだから知ってるわけがないか。

 まぁ何にせよライブに来てくれるのはとても嬉しい。

 

 「嬉しいなぁ!ねっ?ことりちゃん?」

 

 「うん!」

 

 手を繋いで喜ぶ高坂と南。

 

 

 だが

 

 「観られる……」

 

 園田だけは下を向いて1人、ブツブツと何かを言っていた。

 

 「あ、そうだ!クラスの皆も観たいって言ってたし、結構沢山の人がライブ観に行くんじゃないかな?」

 

 「人が……沢山……」

 

 斉藤の話を聴くなり、わなわなと震え出す園田。なんだか様子がおかしい。

 

 「だ、ダメですっ!!」

 

 園田はそう言うなりバッと走り出す。

 いやぁ……鍛えてるだけあるな。スッゲェ速い。

 あ…感心してる場合じゃない。追いかけないと。

 

 「園田!!待てよ!!」

 

 「海未ちゃん?!どこ行くの〜!!」

 

 「海未ちゃ〜ん!!」

 

 何処かへ行ってしまった園田を追いかけ俺達は走り出す。

 園田の脚はとても速く、もう姿さえ見えない。

 これは……見つけるのに時間がかかりそうだ。

 

 

 

 

 

 

 「あれぇ……皆さんは何処に行ってしまうのかなぁ?俺、取り残されちゃってるんだけど……あれぇ……」

 

 ポツンとその場に1人取り残された斉藤は悲しげに呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 園田を追ってきた俺達は屋上へとやって来た。園田が来そうな場所、と言えばここしか思い浮かばなかったんだけど……

 

 「多分屋上にいると思うんだけど———あ、いた」

 

 園田は屋上の隅でうずくまっていた。

 

 「海未ちゃん、どうしたの?」

 

 南が心配そうに尋ねる。

 心配しているのは南だけではなく、高坂や、俺も同じだった。もしかしたら具合が悪くなってしまったのかもしれない。

 

 「————です」

 

 「えっ……?なになに?」

 

 

 

 

 「恥ずかしいんです!!!」

 

 

 

 

 立ち上がり大声を上げる園田。

 またか。またなのか。作詞の時もこんなやり取りをしたような気がする。

 

 「う〜みちゃ〜ん!またなのぉ?」

 

 「分かってます!でも、でも!!大勢の人達の前に出るのですよ?!」

 

 「海未ちゃん、頑張ろ?」

 

 「人前じゃなければ大丈夫なんです……!!」

 

 「も〜う、海未ちゃ〜ん……」

 

 溜息をつく高坂。園田は羞恥心の塊と言っても過言では無い気がする。

 

 「あっ!そうだ!」

 

 「……穂乃果?」

 

 「そういう時は周りの人を野菜だと思えばいいって聞いた事あるよ!」

 

 いやいや、野菜に囲まれながら歌うって、それはそれで怖いだろ。しかもそれが園田だったら尚更だと思う。

 

 「野菜……周りの人は野菜……」

 

 目を瞑りながらイメージする園田。

 絶対にやめた方がいいと思うけどな……まぁ、止めはしないけど。

 

 「ひぃぃぃぃっ!!私に独りで歌えと言うのですか?!?!」

 

 ほら、言わんこっちゃない。まぁ、少しオーバーな様な気もするけど、それだけ嫌なんだろう。

 

 「もう無理ですぅぅぅぅぅ……」

 

 「海未ちゃぁん」

 

 半べそをかきながら南に縋り付く園田。

 うーん……園田ってこんなキャラだったか……?

 南も大分困り果てた顔をしている。

 

 「う〜ん……せかちゃん、何とかならないかなぁ?」

 

 「うーん。もういっそのこと、園田を人前に晒してやればいいんじゃねぇの?」

 

 うん。我ながら最低な事を言ったと思う。いや、本気で言ってるわけじゃないからな?!

 

 「柊君?!最低ですよ!!」

 

 「冗談だよ……」

 

 本当はこんな冗談言ってる場合じゃないんだけどな……さて、どうしたものか

 

 「そうだ!」

 

 突拍子も無く声を上げる高坂。

 何か思いついた様だ。高坂の思いつきって……凄く嫌な予感がするんだけどなぁ

 

 「放課後、特訓しよう!!」

 

 「何をするつもりだよ」

 

 「フフフ……それはお楽しみっ」

 

 あぁ————これ、俺の嫌な予感が当たるやつだ……

 

 

 

 

 

 

 

 「さてっ!着いたよ!」

 

 「着いたって……ここ、校門じゃねぇか」

 

 放課後、俺達がやって来たのは音ノ木坂学院の校門。1体、こんな所で何をするのか。園田の恥ずかしがり屋を治すための特訓だろ?全く見当もつかないんだけど……

 

 「穂乃果…ここで何をするつもりですか……?」

 

 「ふっふっふっ……!それはね?これだよ!」

 

 高坂は不敵に笑い自分のスクールバッグを漁り出す。

 そして、中から出てきた物は————

 

 「じゃじゃーん!チラシだよ!」

 

 「「「チラシ?」」」

 

 「そう!チラシ!これを配れば海未ちゃんの恥ずかしがり屋さんを治せるし明日の宣伝にもなると思って!!」

 

 なるほどな……高坂にしては良く考えたと思う。

 でも…この大量のチラシはどうやって作ったんだよ…分厚い辞書ぐらいの厚さだぞ……

 

 「それにしてもお前、良くこの量のチラシ作れたな」

 

 「うん!職員室のコピー機をかってn……貸して貰ったの!!」

 

 「おいぃぃぃぃ!!お前今、勝手にって言いかけただろ?!絶対に許可なく使っただろ?!」

 

 サラッとヤバイ事を言いかけたこいつ。このチラシ、結構やばいブツらしい。

 

 「そ、そんな事はどうでもいいの!!ほら!やるよ!!」

 

 「は、恥ずかしいです……」

 

 「やらなきゃずっとそのままだよー?ほら、やろ!」

 

 「は、はい……」

 

 そんなやり取りをしながら高坂は南と園田、そして俺にチラシを渡す。あれぇ……心做しか他よりチラシの数を多く渡された気がするのは俺だけ……?

 

 「あの…俺だけチラシの数多くない?」

 

 「気にしない気にしない!ほら、始めるよ!」

 

 「ですよねーあははは……」

 

 俺は乾いた笑い声を漏らしながらもこの大量に渡されたチラシを少しでも少なくするため、チラシ配りを始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 そして数十分後。あの大量にあったチラシをすべて配り終えた。俺の予想だともっと早く配り終えられる予定だったんだけどな……まぁいい。取り敢えず高坂達の所へ行こう。

 そう思った俺は少し離れた所にチラシを配りに行った高坂達を見る。

 

 「やっと終わったぁ〜」

 

 「ことりも終わったよ」

 

 「2人とも早すぎます!私はまだこんなに……」

 

 どうやら高坂と南は俺と同じ様にチラシを配り終えたらしい。残ったのはやはり園田か。

 

 「あ、せかちゃん!私とことりちゃんは今配り終えたところだよ〜」

 

 「おう、俺も今終わった」

 

 「うぅ…柊君まで……私はこんなに残っているのに!」

 

 焦った様に言う園田。彼女の手にはまだ沢山のチラシが握られている。う〜ん……何かアドバイスをしておいた方が良いけど、何かあるか?

 ……あ、

 

 

 「園田は渡す時、笑顔を意識してるか?」

 

 「笑顔、ですか?」

 

 「あぁ。結構表情でその人に対するイメージって変わるもんだぜ?」

 

 「なるほど……意識してみます!」

 

 「おう」

 

 一応思った事を伝えておく。……え?お前はどうなんだよだって?いや、まぁ、多少無理矢理渡した時もあったけど……んなことはどうだっていいだろ!!今は園田を見守るべきだ!

 

 「お願いしま〜す!お願いしま〜す!」

 

 再びチラシ配りを始める園田。

 うん。さっきよりいい顔してるじゃねぇか。

 

 「あ、あのっ」

 

 「君は……この前の」

 

 すると後ろから俺達にかけられる声。その声の方向を向くとそこには栗色の髪をしたメガネの少女が。

 

 確か、西木野さんを探している時に彼女の居場所を教えてくれたメガネの女の子か。それに、こいつらの事を応援してるって言ってくれてたっけ。

 

 「は、はいっ……明日のライブ、見に行きますね」

 

 「本当?!」

 

 小さい声を振り絞るように言うメガネのし女の子。そのためにわざわざ来てくれたのか。これには高坂も嬉しそうにしている。

 

 「だから、その、チラシ貰えませんか?」

 

 「勿論!1枚とは言わずに全部貰ってください!」

 

 「海未ちゃん!」

 

 「分かってます……」

 

 珍しく高坂に注意された園田は渋々とチラシを1枚だけ渡す。流石にチラシを全部貰っても困るだけだろ。

 

 「ありがとうございます。明日、頑張ってください……!」

 

 そう言ってメガネの女の子は足早に去っていく。これで、明日のライブは誰も観客がいない、となる事は無さそうだ。

 

 「チラシ、無くなりそうにないですね……」

 

 落ち込み気味にそう言う園田。う〜んまぁ放課後って事で残ってる生徒も少ないだろうからなぁ……もしかしたらこれ以上やっても変わらない可能性もある。

 

 「う〜ん……海未ちゃんも頑張ってたし今日はもう終わりにしてうちでお茶でもしよっか!」

 

 「さんせ〜い!」

 

 「私もそれがいいです」

 

 「俺も甘いもの食べたいな」

 

 そうして俺達は高坂の家へとお邪魔することになった。今日はずっと立ちっぱなしでいたから結構疲れた。甘いものでもご馳走になろうかな。

 そんな事を思いながら俺達は高坂の家へと向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「はい、お茶と饅頭!」

 

 「おお、悪いな」

 

 「ありがとうございます」

 

 高坂はテーブルにお茶と饅頭を置く。南は取りに行くものがあるらしく今この場にはいない。

 

 「ふふふん♪」

 

 鼻歌を歌いながらパソコンを弄る高坂。見るからに上機嫌だけど、何かいいことでもあったのか?

 

 「やけに上機嫌だな」

 

 「うん!だって明日は本番なんだよ?わくわくしちゃってさ!」

 

 「お前……神経図太いんだな……」

 

 「穂乃果は凄いです……私は今でも緊張しているというのに……」

 

 「いやいや、それが普通だと思うぞ?」

 

 明日が本番なのに緊張の色を全く見せない高坂。こいつらしいって言ったらこいつらしいが……

 

 「あ!見て!」

 

 「今度はなんだよ」

 

 高坂は声を上げ弄っていたパソコンを指さす。園田と一緒に高坂の隣に寄り液晶を覗くと————

 

 rank up!

 

 

 「ランクが上がったのか!」

 

 「うん!多分、チラシを見た人が投票してくれたんだよ!」

 

 「嬉しいものですね!」

 

 この前、高坂が登録したスクールアイドルのサイトでのランクが上がった。まぁ、上がったって言っても数え切れないほどの中で少し上がっただけなんだが、それでも嬉しいのだろう。

 

 ガラガラ

 

 「お待たせ〜」

 

 園田と高坂が手放しで喜んでいるなか、南が遅れてやって来た。彼女の手には大きめの紙袋が握られている。あれはなんだろう……

 

 「あ、ことりちゃん!見て!ランクが上がったの!」

 

 「わぁ!本当?やったね!」

 

 南は高坂からランクが上がった事を聞き、パソコンの液晶を覗き込む。

 

 「あれ、ことりちゃんその袋ってもしかして……」

 

 「うん!これはね?」

 

 南が紙袋の中から取り出したものは—————

 

 

 

 「じゃーん!衣装、出来たの!」

 

 南が衣装と言って取り出したのは薄いピンク色にレースがあしらわれたワンピースだった。

 

 「わぁ〜!!可愛い!!」

 

 「おぉ、凄ぇ……」

 

 高坂と共に思わず感嘆の声を漏らす。この短期間でここまで出来るなんて……しかも最初のスケッチとほぼ一緒だ。南の裁縫技術はなかなかのものらしい。

 

 「あ、あの……このスカート丈は一体……?」

 

 「う、海未ちゃん…あの、えっと…えへへへ……」

 

 「えへへへじゃありませんことり!スカート丈は膝より下じゃないと履かないって言ったはずです!!」

 

 園田のやつ南にそんな事を言ってたのか……今時長いスカートを履きたがるっていうのも珍しいんじゃないか?

 つーかまだ恥ずかしがり屋なの治ってないのかよ……

 

 「で、でも今から直すってなると時間が足りないよぉ……」

 

 確かに、園田1人のために衣装を作り直している場合じゃないな。そんな事をする時間なんて明日本番のこいつらにはないはずだ。

 

 「でしたら私は制服を着てステージに立ちます!」

 

 「だめだよ!!」

 

 「穂乃果……」

 

 「私達ここまでやって来たんだよ?絶対に成功させたい!それに、3人で一緒の衣装を着てやりたいもん!」

 

 確かに見栄え的にも3人一緒の衣装を来た方がいい。それに……こいつら的にも皆で同じ衣装を着た方がいいはずだ。

 

 「それは……私も一緒かな?」

 

 「俺も、同じ衣装を着た方がいいと思うぞ。」

 

 南と俺で園田を説得する。園田も悪い奴じゃないからこれで分かってくれると思うんだけど……

 

 「はぁ……分かりました」

 

 「ありがとう!海未ちゃん!大好き!」

 

 「海未ちゃん!明日、頑張ろうね!」

 

 そう言って高坂と南は園田に抱きつく。

 園田はやめてくださいと言ってはいるが満更でもない様子だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「結構暗くなったな」

 

 「結構長い時間チラシを配ってたからね〜」

 

 あの後、俺達は高坂の家を出ていつも練習をしている神社へと向かっていた。目的はお参り。明日の成功を願掛けでもしておこうか、となったんだ。

 

 「この1ヶ月、本当に短かったですね」

 

 「うん……穂乃果ちゃんがアイドルをやろう!って言い出してから本当にあっという間だったね」

 

 階段を登りながら各々の心境を吐露する。

 本当に短い1ヶ月だった。園田が作詞をして、西木野さんから歌を貰い、高坂と俺でダンスを考えて、南が衣装を作った。本当に短かかったけど、色々な事があったと思う。

 

 「さて、賽銭するか」

 

 賽銭箱の前まで行き5円玉を投げ入れる。

 俺につられて高坂、園田、南も5円玉を賽銭箱に投げ入れた。

 

 「どうか、ライブが成功…いや、大成功しますように!」

 

 「緊張しませんように……」

 

 「皆が楽しんでくれますように」

 

 高坂、園田、南、と来て次は俺の番。俺はあんまり神頼みは好きじゃないけど、まぁ、今回くらいはいいか……

 

 どうか、叶うことならこいつらが笑顔でライブを終えられますように。

 

 心の中で呟く。こんな事、口に出すのは恥ずかしいからな。

 

 「……高坂がコケませんように」

 

 「何それ!ひどーい!」

 

 「うるせぇっ」

 

 「あははは!」

 

 「ふふふ」

 

 

 

 「「「「よろしくお願いします!!!」」」」

 

 

 

 

 

 

 「はぁ〜っ……後は明日の本番だけになったね」

 

 「明日、最高のライブにしましょう!」

 

 「うん!」

 

 明日への気合いを入れる3人。ここまでやれる事は全てやってきた。歌、ダンス、衣装、必要な物も全て揃えた。そして今までに大した事故もなくこいつらの準備は万端だ。

今日は遅くならないうちに帰らせよう。

 

 「よし、今日は遅くならないうちに帰るぞ」

 

 「うん!じゃあまた明日!」

 

 「はい。また明日」

 

 「ばいば〜い」

 

 そうして彼女達は各々の帰路につく。高坂の思いつきで始まったこの活動。ここまで色々な事があったが、きっとあいつらは明日、最高のライブをしてくれるのだろう。大丈夫。今日まであんなに努力してきたのだから。

 

 「俺も、帰るか。」

 

 

 

 この時、俺達は分かっていなかった。静かな夜の後には嵐が来ることを。

 

 そして———

 

 

 あいつらが、涙を流してしまうことを。




閲覧ありがとうございます。いかがでしたか?

今回は特にスランプ、とか調子が悪い、とかは無かったのですが何故か投稿するのに時間がかかってしまいました。それにいつもより文字数も多くなってしまって……う〜ん私もまだまだですね(笑)
さて、ライブを次の日に控えた柊君ですが、なにやら最後不穏な空気?になりましたね……μ's、first Live、どうなってしまうのでしょうか?!ご期待ください!

申し訳ございませんが次は私がもう一つ投稿している作品を書こうと思っているので—Story to make together—は少し期間が空いてしまうかも知れません。ご容赦ください。そして私のもう一つの作品、〜君に笑顔の魔法を〜もよろしくお願いします!こちらは矢澤にこちゃんがメインヒロインとなっておりますのでにこちゃん推しの方は是非読んでみてください!よろしくお願いします!

お気に入り登録、ご感想、評価をお待ちしております!どんなものでも来れば作者はとっても喜びます!!是非是非、お気に入り登録、ご感想、評価をよろしくお願いします!

それではまた次回!よろしくお願いします
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