ラブライブ!—Story to make together— 作:TokyoのDio
さて、凛ちゃんはどうなるのでしょうか。
それでは…どうぞ!
『『それじゃあ!!』』
屋上から逃げ出すように出ていってしまった凛ちゃんと西木野さん。
私と先輩達は一瞬にして屋上から出ていってしまった2人を引き止めるとこが出来ずにただ立ち尽くしていた。
「行ってしまいましたね……」
「一緒にアイドルやってくれると思ったんだけどなぁ……」
残念そうに言う園田先輩と南先輩。
「星空さんと西木野さん、アイドルが好きじゃないのかもしれねぇな」
うぅん……多分、違う。西木野さんはアイドルに興味がないって言っていたけど、本当はそんな事ないんじゃないかな……
『私の音楽は、もう終わってしまっているから』
きっとあの言葉が関係していると思うんです。
そして、凛ちゃん。凛ちゃんはきっと……“あの時の事”を……
「小泉さん……?」
柊先輩に呼ばれて我に返る。
また考え込んでしまいました。
でも……今は凛ちゃんと西木野さんが心配です。
「すみません……」
「大丈夫だよ。……つーか小泉さん、行かなくていいの?」
行く……?一体、先輩は何の事を言ってるんだろう
「ほら、星空さんの所には行かなくてもいいのか?心配なんじゃねーの?」
「……!はい。心配です。とっても……」
「なら、行ってきなよ」
「でも……西木野さんが……」
本当は今すぐにでも凛ちゃんの所へ行きたい。でも……凛ちゃんと同じくらい西木野さんの事も心配だから……
「それなら大丈夫だよ。西木野さんは俺に任せろ」
「本当ですか!」
「おう」
どうやら西木野さんの所へは柊先輩が行ってくれるみたい。
それなら早く凛ちゃんの所へ向かわないと……!
「さて……おい!高坂達はここで待っててくれ!」
「えぇ〜!私達も行きたいっ!」
「大人数で押しかけても邪魔になるだけだわ!おとなしく待ってろ!よし……小泉さん行こう!」
「はいっ……!」
そうして、私と柊先輩は凛ちゃんと西木野さんの所へと向かいます。
……凛ちゃん、帰ってないといいけど……
「どうしよう……凛ちゃん帰っちゃったのかな……」
あの後、私と柊先輩は別れて凛ちゃんと西木野さんを探す事にしました。でも、肝心の凛ちゃんが何処にもいません。
……もしかしたら帰っちゃったかも……
「うぅ……凛ちゃん……」
どこにもいない凛ちゃんの名前を呟く。
こんな事で凛ちゃんが見つかるとは思ってないけど……
「……あれ?あんな所に人が……」
すると私は渡り廊下に付けられた大きな鏡を見ている女の子を見つけます。
「凛ちゃん……!」
よく見覚えのあるオレンジ色の髪をした女の子は、まさしく探していた凛ちゃんでした。
けど、凛ちゃんは鏡を見るのに夢中で私に気づいていないみたいです。
「凛ちゃんがあんなに鏡を気にしてるなんて……」
私はその光景に少しだけ違和感を覚えました。凛ちゃんは普段あんまり鏡とかを見たりしないんです。
なんでだろう……
そう思った私は足を止めて凛ちゃんの行動を観察する事にしました。
凛ちゃんは自分の髪の毛を弄ったりスカートを弄ったりしています。
「あ……」
なんてことの無いその仕草。だけど、私は凛ちゃんのその仕草を見て思ったんです。
やっぱり……凛ちゃんは……あの時の事を……
疑念が確信に変わる。
そんな凛ちゃんを見ていると私はいてもたってもいられなくなり、凛ちゃんの元へとかけよりました。
「凛ちゃん」
「わっ!?か、かよちん……」
いきなり現れた私に凛ちゃんはとても驚いていました。
「ど、どうしたの?かよちん……こんなところまで」
「凛ちゃんが心配になって……でも、帰ってなくてよかった」
「ごめんね……?いきなり出てっちゃって」
「うぅん大丈夫」
何気ない会話を交わす。
でも……私がここに来たのはこんな会話をするためじゃない。
だから、私は本題へと入ることにした
「あのね?凛ちゃん。さっきはありがとう」
「べ、べつに凛は何もしてないよ!かよちんが頑張ったから……!」
「うぅん……凛ちゃんと西木野さんが私の背中を押してくれたから勇気を出すことができたんだよ」
あの時、凛ちゃんと西木野さんが背中を押してくれなかったら……多分、ううん、絶対に私はμ'sに入ることはできなかった。
「だから……ありがとう」
凛ちゃんに伝えたかったありがとうの気持ち。そして、私はもう一つ凛ちゃんに伝えたい事があるんだ。
「それでね?凛ちゃん」
それは————
「私と一緒にスクールアイドルをやらない?」
無理なお願いだって分かっていた。でも、本当は凛ちゃんだって……!!
「———へ?無理無理無理無理!!かよちん何言ってるんだにゃ!さっきも言ったでしょ?凛にはスクールアイドルなんて無理だって!」
やっぱり……
凛ちゃんは思った通りの反応をする凛ちゃん。
それでも……私は続ける。
「そんなことないよ……!凛ちゃんはとっても可愛いし……っ!」
「またまた〜!凛が可愛いなんておかしいよ!ほら、凛こんなに髪も短いし……それにアイドルみたいなフリフリの衣装なんて似合わないし!」
「凛ちゃん……」
まだ……“あの時の事”…気にしてるんだね
“あの時の事”
それは…私と凛ちゃんが中学生の時の事に起こった事です。
ーーーーーーー
中学二年生のある時、私は当時私の好きだったアイドルのグッズを買いに行くために凛ちゃんと待ち合わせをしていました。
「かーよちん!」
「あ、凛ちゃん」
待ち合わせ場所にやってきた凛ちゃん。
そこで私はある事に気づきます。
「あ、凛ちゃん今日はスカートなんだね!」
普段、制服以外でスカートをあまり履かない凛ちゃんがスカートを履いていたんです。
「えへへ……たまにはね!どーかな……?」
くるりと回って淡い緑のスカートをヒラリと舞わせる凛ちゃん。いつもと違う姿をしている凛ちゃんはとっても可愛いと思ったんです。
「凛ちゃん、とっても可愛いよ!」
私は素直な感想を凛ちゃんに伝えました。
「えへへ、ありがとっ!ほら、かよちん行こっ!」
そうして私達は繁華街へと向かいました。
この後、あんな事が起こるとは知らずに……
あれから少し経った後、私達は目的の繁華街へ着き、アイドルショップへと向かっていました。
「にゃ〜……人が多いよぉ〜」
「土曜日だからね……しょうがないよ」
大通りには溢れかえるほど沢山の人達が。
これにはいつも元気な凛ちゃんもグロッキー状態だった。
「あ、あそこだよ!」
「や、やっと着いたにゃ?!かよちん、早く行こ!!」
「わわっ凛ちゃん〜……!!」
凛ちゃんに引っ張られてお店の入口までやって来た。
アイドルショップという事もあってやっぱり私の知っているアイドルのグッズがいっぱいある。
ええっと……私の欲しいのは……
「あった!かよちん、これじゃない?」
「ホントだ!ありがとう凛ちゃん!」
凛ちゃんが私の欲しい物を見つけてくれた。しかもラスト1個。
買えてよかった……と一安心する。
「ねー?かよちん、それ買ったらクレープ食べに行こー?」
「うん!行こうか」
私はお会計を済ませようとレジに向かいます。
すると、数人の男女が私達の前にやって来ました。
「あれー?小泉と星空じゃ〜ん!」
「お、ホントじゃねぇか!2人ともお出掛けか〜?仲いいね〜!」
「花陽ちゃ〜ん!凛ちゃ〜ん!ヤッホー☆」
ニヤニヤと気持ちの悪い笑顔を見せながら近づいて来る3人の男女。
「ど、どうも」
この3人は同じクラスの人達。
実はこの人達、あんまり評判が良くない。不良っていう部類に入る人達だったりする。
「かよちん、行こっ」
凛ちゃんは怯えている私を連れ出そうと腕を引っ張った。
「どこ行くんだよ〜つれないな〜」
ガシッ
「痛っ!」
その場から離れようとする私を止めるため1人が私の腕を掴んだ。
「ちょっと!かよちんが痛がってるじゃん!離してよ!」
凛ちゃんが必死に抵抗する。だけど、あっちはそんなの気にしていないみたい。
「いいじゃねぇか……ってそれ最近有名なアイドルのグッズじゃん!」
「そ、それがどうかしましたか……?」
「どうもなにもって、それ俺も欲しかったんだよ!ファンなんだけど、どこにも無くてさ〜!」
「アンタこんなの好きなの〜キモッ!」
「それは流石に引くわ〜」
「はいはい言ってろ言ってろ!……でだ、それを俺に譲ってくんねーかな」
突然このグッズを欲しいって言われても……それに……これは最後の1つだったし……でも、断ったら何かされるのかも……
ど、どうしよう……
「ダメにゃ!これはかよちんのだよ!」
迷っている私の代わりに提案を断る凛ちゃん。
この時、本当は素直に渡しておけばよかったのかもしれない。でも、私にはそれができなかった。
「なんでお前が出てくるんだよ……俺は小泉とだな……」
「だめったらだめにゃ!いいからあっちに行って!」
「はぁ?!」
凛ちゃんはめげずに不良と言い合う。
そして、言い合っているうちにだんだんと不良から苛立ちが見えてきた。
「あ〜!!腹立つなぁ!なんなんだよテメェ!だっせぇスカート履きやがってよ!マジでウゼェわ!!」
「なっ……!」
怒りの矛先は凛ちゃんに向かう。不良は凛ちゃんのスカートを見て吐き捨てるように言った。
「ぎゃはは!ひっでぇ!それ言うのかよ!」
「あんた最低ね〜まぁ否定はしないけど!っていうか凛ちゃんって髪の毛も短いし、あんまりスカート履かない人だったよねー?どうしたの?たまには女の子っぽくしてみたかったのかなぁ〜?」
「「「ぎゃはははは!!」」」
「っ……!!」
唇を噛み締めて悔しそうに俯く凛ちゃん。
酷い……!こんなに凛ちゃん可愛いのに……
「あ〜もうめんどくせぇや!帰ろうぜ!」
「そうね。花陽ちゃん、凛ちゃん、じゃあね〜」
「もう帰るのかよ!まぁいいけどさ」
そういって3人はぞろぞろとお店から出て行った。
凛ちゃんは俯いたまま動かない。
……凛ちゃん……
「凛ちゃん、ごめん……私のせいで……あんなの気にしちゃダメだよ」
凛ちゃんの手をそっと握る。すると凛ちゃんは顔を上げてにっこりと笑った。
「んーん!凛は何ともないよ!!それに気にしてもないし!それよりほら、クレープ食べに行こ!」
いつも通りの笑顔でそう言う凛ちゃん。
だけど、凛ちゃんはその日以降、制服以外でスカートを履くことは1度もなかった
ーーーーーー
「ねぇ……凛ちゃん、やっぱりあの時の事を……」
「やめてよかよちん……凛はそんな事これっぽっちも気にしてないにゃ」
「嘘……」
「ウソじゃないにゃ!あの時のことは全然気にしていないし、これは凛が自分で思ったことなんだよ……?」
凛ちゃんは私から少し目線を逸らす。
凛ちゃんは嘘をついている。凛ちゃんが目線を逸らしながら何かを言う時は何か隠し事をしているか嘘をついている時の証拠。
「凛ちゃん、嘘つかないで」
「嘘じゃ……んっ!」
人差し指で凛ちゃんの唇を押さえる。
「凛ちゃんはさっき私の癖を知ってるって言ってたよね?それは私も一緒だよ?凛ちゃんが目を逸らす時は嘘ついてるって証拠」
「…………」
「凛ちゃんは……スクールアイドルやりたい?」
「……凛には向いてないにゃ」
「私と同じだね……」
「え……?」
柊先輩に同じ事を聞かれた時、私は凛ちゃんと同じような事を答えた。
そしたら柊先輩は自分の気持ちを教えてくれって言ってくれたんだよね
「向いてるか向いてないかじゃなくて凛ちゃんの気持ちが知りたいの。凛ちゃんはスクールアイドルをやりたい?」
「………分からないよ…………凛はかよちんみたいにスクールアイドルが大好きっていうわけじゃないから……」
俯きながら言う凛ちゃん。
そして、凛ちゃんはそのまま続ける。
「……でも、先輩達を見てたら楽しいそうだなぁって……思った……」
凛ちゃん……
「でも……やっぱり凛には向いてないよね」
凛ちゃんもまた、私と同じようにあと一歩が踏み出せないでいた。
だから、次は私が凛ちゃんに勇気をあげる番です。
「凛ちゃん、見て?」
私は凛ちゃんの後ろにある鏡を指さします。
「ねぇ、凛ちゃん?凛ちゃんはとぉ〜っても可愛いんだよ?」
「そんな事……」
「なくない。聴いて?凛ちゃん」
「うん……」
「過去に縛られちゃだめ。凛ちゃんは、凛ちゃんのやりたい事をやっていいんだよ」
「凛の……やりたい事……」
過去に言われた事なんて気にすることなんてない。だって……凛ちゃんは昔も、そして今も、とーーーっっても可愛いんだから!!
「私は…凛ちゃんと一緒にスクールアイドルをやりたい。だから……わがままかもしれないけど、一緒にスクールアイドルをやってくれませんか?」
凛ちゃん。自分に嘘ついちゃだめ。
自分のやりたい事をやっていいんだよ?
「……しょうがないにゃ〜!かよちんがそこまで言うなら凛もスクールアイドルやるよ!」
「凛ちゃん……!」
凛ちゃんは少し考える仕草を見せた後、にっこりと笑ってそう言いました。
“あの時”とは違う本当の笑顔。やっぱり凛ちゃんは可愛いです。
「ほら!そうと決まったら先輩達の所に行くにゃ!」
凛ちゃんは私の腕を引っ張ります。
「待って!」
「かよちん?」
でも……私には、まだやらなくちゃいけないことがありました。
「まだ……行けない」
「え?」
「まだ……やらなきゃいけないことがあるんだ……」
西木野さん……
西木野さんもきっと……あと一歩の所で踏みとどまってしまっているから……
「かよちん、変わったね……」
「え?凛ちゃん何か言った?」
「んーん!かよちん!頑張ってね!」
「うん!」
そうして、私は西木野さんを探しに再び校舎の中を駆け回ります。
「かよちん……ありがとう」
親友の言葉は誰もいない校舎へと吸い込まれていきました。
いかがでしたでしょうか?
この世界の凛ちゃんの過去は本家ラブライブ!とは少し違います。
それにしても不良3人組は嫌なヤツらでしたね。
凛ちゃんをあんな目に合わせやがって……!←
さて、次回は「私が勇気を—Dear 真姫—」になります!
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それではまた次回!ありがとうございました。