ラブライブ!—Story to make together—   作:TokyoのDio

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#36 ラブライブ?

 

 

 今、俺がいるのは音ノ木坂学園のアイドル研究部、部室。窓からは熱光線のような陽射しが差し込み、うだるような暑さを生み出している。

 

 そう。音ノ木坂に夏が来た。

 

 「暑いにゃぁぁ……」

 「暑いね……」

 「我慢しろ……。明日からエアコンが使えるんだから……」

 

 机に突っ伏して今にも溶けそうになっている星空と小泉。我慢しろと言った俺だが、この暑さは流石にこたえた。

 こんな状況でも、さっき俺が言ったようにエアコンは使えない。しょうがなく棚の奥から扇風機を引っ張りだしてきたけど、扇風機じゃあこの部室全体を冷やすのは無理があった。

 

 「あっちぃ……」

 「我慢しろって言ったのは先輩でしょ。我慢しなさいよ……」

 「分かってるけどさ……」

 

 今年の夏は例年よりも数段暑いらしい。何日か前に衣替え期間になって半袖のシャツを着る許可が出た。最初は女の子の透けブラが……!なんて思っていたけど現実はそんなに甘くなかった。実際は女子はほとんどシャツの上にベストを着ているし、何より汗でワイシャツが肌に張り付く。ただでさえ暑くてイライラしているのに、その気持ち悪さでまたイライラして暑さが倍増する。まさに悪循環だった。

 

 

 「あ゙ぁ゙あ゙ぁ゙あ゙ぁ゙」

 「うるさいぞ高坂……」

 

 そしてそのイライラを毎度のように倍増させていく高坂。このバカは扇風機に向かって声をだすアレをやっていた。小さい子がやっているならまだ分かるが、このクソ暑い中でしかも高2のやつがやってたら流石にイラっとくる。

 

 「うるさいうるさいって……いっつもそればっか!せかちゃんの意地悪!!」

 「意地悪って……あのなぁ、俺はお前がうるさいから言ってるわけで、別に意地悪なんかしてるつもりねぇぞ」

 「うるさくなんかないよ!夏といえばこれをやんなきゃだめだよ!夏のフツーぶしだよ!」

 「だからそれがうるさいっつってんだ!ったく……なんだよフツーぶしって。それを言うなら、…………あれ、なんだっけ」

 「風物詩、です……」

 「あ……」

 「せかちゃん……」

 

 園田、高坂が俺の事を呆れたような目で俺の事を見てくる。

 やめろ……そんな目で俺を見るんじゃねぇ……!!コレはアレだ……その…夏バテってやつだ。そう。きっとそうだ!

 

 「おっかしーなーバテてるのかなー……」

 「……ところで、花陽とにこ先輩は来ていないのですか?」

 「完全スルーかよ!」

 

 渾身のボケをスルーされて少し落ち込みつつも俺は部室内を見回した。確かに、小泉と矢澤先輩は部室にいない。

 

 「あ、かよちんとにこ先輩は遅れるって言ってましたよー?にこ先輩は居残り勉強で、かよちんは重大な発表があるとかないとか……」

 

 なるほど、だからいないわけか。そういえばアイドル研究部のグループチャットでそんなような事を言ってたな。にこ先輩は置いておくとして、小泉の“重大な発表”ってのが気になるな……

 

 「ってか今日は全員揃ってからじゃないと練習を始めないんだろ?」

 「そうですね。そろそろ新曲を作っておくべきだと思いましたので……。全員揃ってから意見を出すべきだと思います」

 「そうか……じゃあまだ終わらないのか……」

 「でも、そうこう言ってるうちに誰か来たわよ?」

 「え?」

 

 西木野にそう言われて初めて気づいた。廊下から誰かが走ってこっちに向かってくる足音がした。

 その足音は西木野の言う通り、一直線にアイドル研究部へと向かって来て……

 

 バンッ!

 

 勢いよく部室のドアが開いた。

 

 「た、大変です!!ラブライブが…………ラブライブ!が開催されます!!!!」

 

 そう言って部室に入ってきたのは小泉、ぜえぜえと肩で息をしているところからして、相当急いで走って来たみたいだ。

 

 ……で、なんだっけ。ラブライブが開催される、だっけか。

 

 

 …………ラブライブって……なんだ?

 

 「なぁ、小泉?ラブライブって……なに?」

 

 聞き覚えのない単語を小泉に尋ねる。ただ、何気ない質問。それぐらいに思っていた。だがその時。小泉の表情が一転した。

 

 「えぇ?!柊先輩、ラブライブ!を知らないんですか?!」

 「うぉ……?!」

 「アイドル研究部として、μ'sを支えている立場であるのにも関わらず、ラブライブ!を知らないなんて……!!!」

 

 ありえない……とばかりに絶句する小泉。え……なに、ラブライブってそんなに有名なの……?もしかして、知らないの俺だけ……?

 

 そう思ったが、後ろにいる皆も知らないみたいだ。皆首を横に降っている。

 

 「ま、まさか皆さんラブライブ!をご存知ないのですか……?!」

 「あはは……お恥ずかしながら……」

 「穂乃果先輩まで……!!スクールアイドルをやっている者としてラブライブ!を知らないなんて言語道断!!これを見てください!!」

 

 すると小泉はバッグからノートパソコンを取り出し長テーブルに置いた。そして慣れた手つきでタイピングをしていく。

 

 っていうか小泉キャラ変わり過ぎだろ……いつもの小泉はどこに行ったんだよ……

 

 「……あった!このサイトです!!」

 

 見せられたパソコンの画面には『LoveLive!』という文字が。

 

 「ラブライブ!とは言わばスクールアイドルの甲子園!!それがラブライブ!です!!エントリーしたグループの中からスクールアイドルランキング上位20位までがライブに出場出来て、その頂点を決めるのです!!」

 「そんなものがあったのですか……」

 「はい!噂では聴いていたのですが……まさか本当に開催されるなんて……感激っ!」

 

 スクールアイドルの甲子園、『ラブライブ!』か……。

 今や社会現象を起こし、数え切れないほどのスクールアイドルが存在する中で、“上位20位のみ”か……

 目指すとなると少し厳しくなってくるな……。まぁ、そんなの気にしないんだろうけど。

 

 「今から待ち遠しいですぅ…!チケットの発売日はいつでしょうか……あぁ、早く観にいきたい(・・・・・・)!」

 

 

 

 

 「————え?小泉、観に行くつもりなのか?」

 「当たり前です!!何を言ってるんですかぁ!!!」

 「うぉっ?!」

 

 途端、小泉の目つきが変わった。その鋭い目つきに俺は思わず後ずさる。

 

 「これはアイドル史に残る一大イベントですよ?!見逃せませんっ!」

 「そ、そうか……。俺はてっきり『皆でラブライブ!を目指そう!』ってなるのかと思ってたけど……」

 「えぇぇぇぇっ?!」

 「つ、次はなんだよ!?」

 

 今度は驚き、椅子から飛び退く小泉。

 

 「わ、私達がラブライブ!に……?!そんな恐れ多い……」

 「キャラ変わり過ぎよ……まったく……」

 「凛はどっちのかよちんも好きだよっ!」

 「でも、私は出場を目指してみるのもいい気がするけどなぁ♪」

 「っていうか!出場を目指さないとだめだよっ!」

 

 高坂の言う通りだ。大会があるからには絶対に出た方がいいに決まっている。

 

 「ですが、上位20位ともなると私達では少し厳しいものがあります……以前は下から数えた方が早いくらい順位は下の方だったはずです」

 

 そう言って園田はパソコンの画面をスクロールし、自分達の今の順位を確認する。

 

 「あっ!」

 

 その時、園田が声を上げた。

 

 「どうした?園田」

 「順位が……上がっています!」

 「本当か?!」

 

 パソコンの画面に目を向ける。

 

 現在、μ'sは40位をマークしていた。それだけではない。なんと、話題の急上昇アイドルとして、トップページにもμ'sが掲載されていた。

 

 「わぁっ!ことりちゃん見て見て!私達、急上昇のアイドルとしてピックアップされてるよ!」

 「本当だ!私達のファーストライブの動画も再生回数が凄い増えてる!!」

 

 まさに急上昇だった。順位も今まで出してきた動画の再生回数も、何もかもが以前とは比べ物にならないくらいに評価されている。

 

 これなら、もしかして、もしかするかもしれない。

 

 「よ〜っし!このまま波に乗っていこう!!皆、頑張ろうね!目指せ!ラブライブ!!!」

 「「「「「お〜っ!」」」」」

 

 高坂に続いて手を掲げるメンバー達。その光景を俺は眺めていた。そこで、ある事に気付く。

 

 「矢澤先輩がいねぇ……」

 

 完ッ全に忘れていた。ったく……何でこう盛り上がっている時にあの人はいねぇんだか……。

 

 「大変、大変よぉぉっ!!!」

 

 噂をすればなんとやら。

 廊下から矢澤先輩の声が響いてくる。

 その声も小泉の時と同じ様に段々と地がづいて————

 

 バンッ!!

 

 「ぜぇっ……ぜぇっ……皆、よく聞きなさい……ラ——————」

 

 

 

 「ラブライブ、だろ?もう知ってるよ」

 

 

 

 「ぬわぁんでよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

 

 

 

 

 □■□■□■

 

 

 

 

 「き、緊張するね……」

 「早くしろよ」

 

 場所は変わって、理事長室の扉の前。ラブライブ!に出場をするためには、学校からの許可を取らなくてはいけないらしい。そのために俺達はラブライブ!予選出場の許可を貰いにやって来た。

 

 「でも、部活の申請はまず生徒会を通してからじゃ……」

 「原則ね。けど、生徒会長に相談したところでその先は見えているわ」

 「真姫ちゃんの言う通りにゃ!ど〜せ『ミトメラレナイワァ』って言うに決まってるよ!」

 「なるほど……!」

 

 あれは生徒会長の真似でもしてるつもりなんだろうか?腰に手を当ててふんぞり返っている星空と、感心している小泉。

 ただ、星空の言っている事はご最もだった。生徒会長の所へ申請に行って許可が降りるとは到底思えない。だから俺達は“原則”という所をうまく使わせてもらった。

 

 「おら、こんなところで立ち往生したって始まんねぇんだからさっさと入れ」

 「うぅ……分かった……」

 

 そうして高坂は渋々ドアノブに手を伸ばす。

 

 

 その時、不意に理事長室のドアが開いた。

 

 

 「あれ?キミ達こんな所にどうしたん?」

 

 ヘンテコな関西弁と共に出てきた副会長こと東條先輩。

 

 そして、

 

 「あなた達……何をしに来たの?」

 

 俺達が今一番会いたくない人物、生徒会長が。

 会長は相変わらず俺達を睨みつけるように冷たい視線を向けてくる。この人はどこまで俺達の事を目の敵にすれば気が済むんだか……。

 

 

 「理事長に話したい事があって来たんだ。通してください」

 「待ちなさい!各部の申請は生徒会長を通す決まりよ。」

 「“原則”だろ?別に“絶対”じゃあ————」

 「せかちゃん……上級生だよ」

 「チッ……」

 

 万事休すか——————

 

 皆がそう思った時、救いの手が差し伸べられた。

 

 

 コンコン

 

 開いているはずのドアをノックする音。そこには理事長が。

 

 「どうしたの?」

 「理事長に少しお話しがあるんです!」

 「……分かったわ。入っていいわよ」

 

 きた……これできっと……!

 

 「うそっ……!」

 

 驚いている会長。俺は彼女に向かってこれでもかっていうくらいのドヤ顔を向けておいた。

 

 「なっ……!理事長!私も同席させてください!」

 「いいわよ?」

 

 チッ……余計な真似しやがって。だけどまぁ、ここまで来れたんだ。もう邪魔はできないだろ。

 あとは許可を貰うだけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 「—————へぇ…“ラブライブ!”ね……」

 「はい。ネットで全国的に中継される事になっています」

 「もし出場できれば学校の名前をもっと知って貰えると思うの……!」

 「なるほどね……」

 

 うんうんと頷く理事長。

 後もう一押しだ……!

 

 「私は反対です!理事長は、学校のために学校生活を無駄にするべきではないとおっしゃっていました!」

 

 なぁっ?!こ、こいつ……!!後ちょっとって所で割り込んで気やがって……!!

 

 「そうねぇ……」

 

 あぁ、クソ……さっきまでOKが貰えそうだったのに……!ここまで来て『出場できませんできた』なんて事になったら話になんねぇぞ!

 

 「でも、いいんじゃないかしら?」

 「ほ、ホントですか?!やったよ皆!」

 

 よし……!これで、ラブライブ!予選に出場ができる!後は練習するだけだ。

 

 「なぜ彼女達の肩を持つのですか?!」

 「別に肩を持っているつもりはないわよ?」

 「でしたら生徒会での活動も……!」

 「……それはだめね」

 「な、何故……」

 「考えれば分かる事よ?」

 「えりち……」

 

 ざまぁみろ。………と言いたい所だが、少しだけ生徒会長が可哀想に見えてくる。俺も少しだけ引っかかるんだ。俺達の活動が認められて生徒会長の活動が許可されないのが。

 ……もしかしたらさっき言ってた“学校のために学校生活を無駄にするべきではない”ってのが関係してるのかもしれない。

 でも、まぁ俺達の活動が認められたのは確かであって。

 

 「ようし!じゃあ今から練習だ!理事長!ありがとうございました!!」

 

 そう言って高坂は理事長室から飛び出していこうとする。相当嬉しかったんだろうな。

 

 「あ、待ちなさい!言い忘れていた事があるわ」

 

 だが、理事長に止められた。

 

 「出場するのはいいわ。けど、条件があるの」

 「条件、ですか……?」

 

 それをクリアしないと出場できないってか……一体、何だ……?

 

 「部活でアイドルをやるのは大いに結構よ。けど、あなた達はスクールアイドルである以前に学生なの。それを忘れてはだめ。近々、定期テストがあるわね?それで一人でも赤点を取ったら出場を認めないわ」

 

 

 

 

 「「「えぇぇぇぇっ?!」」」

 

 絶望したように膝から崩れ落ちる高坂、星空、そして矢澤先輩。

 

 「なんだ、それだけかよ。余裕じゃねぇか」

 

 なんでそんなに絶望してるんだよ……赤点ぐらい余裕だろ?お前らそんなにバカなのか…………?

 

 

 「あ、もう一つ忘れていたわ。

 

 

 

 柊君。あなた、留年スレスレよ?柊君の場合は、ある程度点数を取らないと大変な事になるわね♪」

 

 

 

 「「「「「「「えっ?!」」」」」」」

 

 

 

 

 

 「うっ………ウソだろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ?!?!?」

 

 

 

 




おはこんばんにちは!どうもでぃおです!

これから前書き無しでやっていこうかな〜なんて思ってたり。

はい!いかがでしたでしょうか?テストって本当に憂鬱ですよね。ちなみに作者はとんでもないくらいのバカです。本当に世界君と同じくらい……。
果たして、彼らはラブライブ!予選に出場できるのでしょうか……
それではまた次回!ありがとうございました!

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