ラブライブ!—Story to make together— 作:TokyoのDio
はぁ.....いつもの如く遅い更新になってしまいました。待っていたよ!という方がいらっしゃったのならすみません!
最近色々忙しくてですね...(モンハンとポケモンが楽しすぎて書けなかったなんて言えない)申しわけないです。
とまぁ、おふざけはこの辺にして...
今回は長めのお話となっています。前編と後編にわけようと思ったんですが区切りが悪かったので。いやぁ、比喩表現って難しいです。
まだまだ拙い文章ですが是非見ていただければと思います
それでは...どうぞ!
ヴーッヴーッヴーッ
俺は自分のスマートフォンのバイブ音で目を覚ました。今の時間は午前七時。こんな時間にアラームをかけた記憶はない。少し苛立ちを覚えながら自分のスマートフォンを手に取る。液晶に映っていたのは
新着のメールがあります
はて、一体誰だこんな時間からメールを送ってくるバカは。俺はぐっすり眠ってたのにいい迷惑だ。そういえば昨日高坂が家に来いとか言ってたな.........ん?あ、
「やべぇぇぇぇ!!!」
高坂との約束をすっかり忘れていた。
この時間だと行っても間に合わないかもしれない。熱くもないのに額から出てくる嫌な汗を拭いながらスマートフォンを操作する。見るのはメールの受信BOXだ。アイコンをタッチしてメールを見てみると。
差出人:高坂穂乃果
件名:遅いよ!
遅い!ふんだ、もういいもん!穂乃果怒ったからね!!もう先に行っちゃうからo(#`ω´)o
最新のメールがこれ。その前にも二件くらい高坂からメールがきていた。どれも催促を促すメールだった。めっちゃ怒ってるやん...学校で会ったら何されるか分からない。パンを奢らせられるかも......それだけかよ。
とりあえず急いで着替えてから高坂のところに行かないとマズイ。急いでクローゼットの中から制服を取り出着替...「ピーンポーン」える途中にインターフォンが鳴った。
「あぁ!もう誰だよこんな時に!」
悪態をつきながらドタドタと玄関に向かう。覗き穴も覗かずにさっさと来客を追い返そうと玄関を開ける。そこにいたのは————ほっぺたをぱんぱんに膨らませて怒っている高坂がいた。
「もぉ〜!せかちゃんひどいよ!穂乃果、結構待ったんだからねっ!」
手をブンブン振りながら怒っているのは高坂。待ちくたびれて先に行こうと思って歩いていると柊と書いてある表札を見て俺の家だと分かったらしい。それだけで決めちゃダメだろ。同じ苗字の人の家だったらどうするつもりだったんだ。
「悪かったって!すっかり忘れてたんだよ」
とりあえず謝罪をしておく。まぁ、完全に俺が悪いんだけどね。それでも高坂はまだ膨れているので俺は最終手段に出ることにした。その最終手段とは————
「今度パン奢ってやるから!な?あんまり膨れるなよ!」
そう。もので釣ること。
「ほんとぉ?!せかちゃん絶対だからねっ!」
ほら、やっぱり釣れた。
「わかったわかった。そういえば一緒に行くってどこに行くんだよ」
そして話をそらす。高坂はアホだからこれで約束を忘れる可能性があるからな。それに行くところも気になるし。すると高坂はハッと何か思い出した様子でこっちを向く。
「そうそう!せかちゃんUTX学院って知ってる?」
「あぁ、聞いたことあるぞ。ここに引っ越して来る前にTVで特集みたいなのやってたな」
なんでもUTX学院はここ最近で生徒数を大幅にアップさせているらしい。理由は...なんだったかな?
高坂が雪穂もせかちゃんも知ってるのに穂乃果だけ知らないって穂乃果時代遅れ...?!なんてブツブツ言ってたが放っておこう。
というか今度は俺が話を逸らされた気がする。俺はどこに行くかを聞いたはずなんだけどな....いや、ここでUTXを出してきたってことは......
「私達の学校って生徒数が少ないから廃校になるかもしれないんでしょ?だから最近話題のUTX学院を見に行ったら何か参考になるんじゃないかと思って!」
なるほど、高坂にしては良いアイディアだ。
だがまぁ、面倒臭い。しかし俺は遅刻している身だ。ここは高坂について行こう。
「ん、わぁーったわぁーった。朝からホントに元気だなお前は....とっとと行っちまおうぜ。」
「うんっそうだね。行こっ!せかちゃん」
そう言い高坂は俺の腕を掴んだ。何故だろう。嫌な予感しかしない。南の時同様、俺の警告アラートが危険を知らせている。
「あのー高坂さん?僕の腕を掴んでどうするんでしょうか?」
「え?そんなの決まってるよ!UTXにレッツゴーだよ!」
そう言って俺の腕を掴んだまま高坂は走り出す。そうすると必然的に俺は引きずられる訳で。
「走って行くのはいいから引きずらないでくれぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
俺の悲痛な叫びも高坂には効果がないらしい。というかニコニコしている。今の俺にはこの笑顔が悪魔か何かに見える。
「ファイトだよ!せかちゃんっ」
「ファイトだよ!じゃねぇっつうのおぉぉぉぉぉ!!!」
俺の叫びは朝の青空に哀しく吸い込まれていった。
朝特有の少し冷たい空気の中、俺は高坂に引きずられながらUTX学院に向かっている。高坂によるとどうやらUTX学院はとても大きな学校らしい。
「着いたよ!せかちゃん!」
高坂はそう言い俺の腕を掴んでいた手を話す。やっと開放された...と安堵しながら辺りを見回す。
目の前に電光掲示板の付いた大きなビルが建っているだけだった。その周りにもビル、ビル、ビル。そして広めの道路が通っている。少なくとも校舎のような見た目の建物は見当たらない。高坂、場所間違えたのか...?
「高坂?学校っぽいの一つも見当たらないんだけど......」
聞かずにはいられなかった。何せ周りにはビルしかないんだから。
すると高坂は目の前のビルを指しながら
「あのビルがUTXだよ!」
そう言い放つ。
「あれがUTX......」
言葉に詰まる。何せその建物は“一般的な”校舎とは似ても似つかない形をしているのだから。初めて見た時は何処かの企業のビルかと思ったぞ....
確かにそのビルにはUTXと刻まれたエンブレムが付けられている。高坂の言ったことは間違っていないらしい。
と、そこでぞろぞろと何人ものUTXの生徒であろう人達が来た。なるほど制服もオシャレだ。人気があるのにも納得がいく。だが、一番驚いたのは中の設備だ。ドアが自動なのはまだ分かる。(普通なら有り得ないが、まぁ校舎がビルだからな)その次はどうだろうか。ドアの前には駅などでよく見る改札口のような機械が設置されている。その機械に生徒達は各々スマートフォンをかざしていた。
なるほど出席確認もデジタル化ってなわけか。この学校は最先端を走っているらしい。
これには高坂も窓に顔をつけて中を見ながらおぉ〜っと感嘆の声を漏らしている。だがな、高坂?その行為は女子としてどうかと思うぞ?ほら、UTXの生徒達が見てるから!
すると、俺達の後ろからなにやら歓声が聞こえる。黄色い声を上げている人たちは皆電光掲示板を見ている。何かを映しているらしい。高坂もそれに気づいてこっちに来た様なので一緒に電光掲示板の見えるところまで後ろに下がった。
『UTX高校にようこそ!』
電光掲示板には———三人の少女達が映し出されていた。
俺は彼女達を見て目を見張る。映像越しでも分かった。彼女達は俺とは違う。人を引きつける才能がある。もちろん三人とも容姿がいい。だがそれだけではない。オーラと言うのだろうか。そういう類のものを放っていた。特にあのセンターにいるあいつ。彼女からは他の二人よりも何かすごいものを感じる。
「おい高坂、あの三人って...」
芸能人か何かなのか?そう言おうと思ったが高坂は映像に釘付けになっている。聴いても反応してくれなさそうなので傍にいる人に聴くことにした。
「なぁ、あの三人組って芸能人か何かなのか?」
俺が声をかけたのはツインテールの女の子。サングラスにコートを着ている彼女は少しファッションセンスがズレているみたいだ。
「はぁ?!アンタそんなことも知らないのぉっ?!」
「うぉっ?!」
俺の質問に対して彼女が怒鳴り声で返してきた。いきなりのことなので間抜けな声が出てしまった。そんなに彼女達有名なのかよ...
「全く!何のためにここに来てるのよ!ちょっと!隣のアンタ、パンフレット見せなさい」
「ふぇっ?これですか?」
そう言ってツインテールの彼女は高坂のパンフレットをひったくる。パラパラとめくって止まったページには液晶の中の彼女達が。そしてA-RISEと記してあった。それを俺と高坂で覗く。
「A-RISEよア・ラ・イ・ズ!」
ツインテールの少女が親切に説明してくれたがA-RISEというのは聞いたことがない。
「A-RISE...高坂、知ってるか?」
「んーん、知らなかったよ?」
やっぱり高坂も知らなかったらしい。だが、電光掲示板をみている観衆からA-RISE、A-RISEと聞こえてくる辺り、人気があるのだろう。
「はぁ...アンタ達そんなことも知らないでここに来たのね......スクールアイドルよ」
ツインテールの少女は呆れてものも言えないといった感じだ。そしてまた知らない単語が出てきた。スクール...アイドル...?俺と同じように疑問に思ったのだろう。高坂が聞き返す。
「スクールアイドル?」
「そう....学校で結成したアイドルグループのことよ」
彼女はサングラスで表情こそ分からないが何処か哀しく答えたように見えたのは俺だけだろうか。
キャーーーーッッ!!
直後、その思考は観衆たちの声でかき消された。どうやら電光掲示板に映っている彼女達、A-RISEがダンスを始めたらしい。俺達も電光掲示板に目を向ける。
身体に響くような重低音が子気味よくテンポを刻むなか、三人の少女たちは踊っている。いや、舞っていると言った方が近い。素人の俺が見て、とても常人が出来ることじゃないと思えるのだから相当凄いのだろう。
観衆の中には二人組の音ノ木坂学院生もいる。いや、男女構わす所狭しと集まっている。高校生のアイドルグループでここまで人を集められるのは才能以外の何物でもないだろう。
パサッ
高坂が持っていたパンフレットを落とした。だが落としたにもかかわらず高坂は電光掲示板から目を離さない。俺は不思議に思いパンフレットを拾い上げ高坂に声を掛ける。
「おい、高坂落ちた...あっ!おい!」
パンフレットを渡そうとしたその時、高坂はふらふらと観衆から離れて行き、少し離れた所で俯いていた。どうしたのだろう。そう思い高坂に近づいて行く。
「どうした高坂、気分でも悪くなったか?」
以外だ。高坂は人酔いとかしなさそうなタイプなのに。因みに俺は乗り物酔いなどは全くしないタイプだ。
「......だよ...」
高坂が何か呟いた。声が小さくてよく聞き取れない。
「これだよ...見つけたよ!せかちゃん!」
「うぉ?!」
いきなり顔を上げて俺に訴えかけてくる高坂。というか、これだよ!ってどういう事なんだろうか。主語がないので理解するのが難しい。悩む俺に対して高坂は一人納得しているらしく自信あり気な顔をしている。
これというのはA-RISEのことか?......ま、まさか...高坂、もしかしてスク「ガシッ!」ん?俺の腕が何かに掴まれる。なにかデジャヴを感じながら俺の腕に目を向けるとそこには高坂の手が。
「そうと決まったら学校にレッツゴー!だよ!!」
「まて!まって!俺の話を聞けぇぇぇぇぇぇ!!うわぁぁぁぁ!!」
そうして俺は高校まで引きずられて行くのだった。
「ねぇ!みてみてみてっ!」
高坂は自分の机にどちゃっと雑誌を置く。その雑誌はどれもスクールアイドルについてのもの。さっき学校に来る途中でコンビニに寄り買ったのだ。その時点で俺は高坂のやろうとしていることを察した。
「なんですか?それ」
「アイドルだよ!スクールアイドル!」
園田の質問に高坂が答える。いきなり雑誌を見せられたらそりゃ質問もしたくなるだろう。すると高坂は園田と南に見せるようにパラパラとページをめくっていく。
「こっちは大阪の高校で、これは福岡のスクールアイドルなんだよ!」
「わぁぁっ!この衣装かわいいっ!」
「でしょ?それでね!スクールアイドルって最近ドンドン増えていってるらしくて、人気の子がいる学校は入学希望者も増えてるんだって!」
「はぁ......」
南と高坂はスクールアイドルの話に夢中になっている。それを見た園田はため息をついて教室から出ていった。高坂と南は二人の世界に入ってしまっているので気付いていない。親友が一人消えたのに気付かないってどういうことだよ......
「それで私考えたんだ!......あれぇ?!海未ちゃんがいないよ!」
「ええっ?!海未ちゃんどこに行っちゃったのかなぁ?」
「園田なら今さっき教室出たぞ。というかホントに気づいてなかったのかお前ら...」
ホントに気づいてなかったのか。流石にそれはないと思ったけどそれをやってのける二人に痺れないし憧れない。
高坂と南は園田を追いかけて行く。俺も二人に続いて廊下に向かった。
「海未ちゃ〜ん!まだ話は終わってないよぉぉ!」
「私はちょっと用事が...」
多分嘘だ。園田はこの前の俺と同じ手を使おうとしている。
「いい方法思いついたんだから聞いてよぉぉ!!」
負けじと話を続ける高坂。どうしてもスクールアイドルを推したいらしい。
「私達でスクールアイドルをやろうとか言い出すつもりでしょう?」
まぁ、そうなるわな。この会話の流れだったら誰でも予想できる。そう、誰でも。
「えぇっ?!海未ちゃんエスパー?!」
やっぱりコイツはアホだった。
「いやいや、この流れだったら誰でもわかるだろ」
流石にツッコミを入れてしまう。コイツのアホさ加減には本当にビックリする。南もあはは...と苦笑いだ。
「だったら話は早いねぇ、今から先生の所へ行ってアイドル部を!」
「お断りします!」
「なんでぇ?!」
高坂の提案をキッパリと切り捨てる園田。そりゃあそうだろう。思い付きで始めて吉と出るかは分からないんだ。といか考え無しで始めるのだから良い結果は絶対に出ないだろう。
「だってこんなに可愛いんだよ?!こぉーーんなにキラキラしてるんだよぉ?!こんな衣装普通じゃ絶対に着られないんだよ!?」
それでも高坂は捲し立てる。引くつもりはないらしい。
「そんなことで生徒が集まると思いますか!?」
強い口調でものを言う。園田が口調を荒らげるのは珍しいがここで押されたらやらざるを得なくなってしまう。
「うっ...それは...人気が出れば、だけど...」
そこら辺は高坂自身も分かっているらしい。分かっているなら何故やるんだという疑問が浮かんでくるが言葉には出さないでおく。
「その雑誌に出ているようなスクールアイドルはプロと同じくらいの努力をしてきた人達です。穂乃果のような好奇心だけの思い付きで始めても上手くいくはずがないでしょう?!」
俺の思ったことをそのまま言ってくれた園田。案外俺達は似たような思考を持ち合わせているのかもしれない。
そしてそのまま園田は続ける。
「ハッキリ言います。アイドルは無しです!」
キーンコーンカーンコーン
園田が高坂の提案をキッパリと否定するのと同時に予鈴が鳴り響いた。
「はぁ......良いアイディアだと思ったんだけどなぁ」
そう呟く高坂。その言葉は春の青空に溶けてゆく。
今俺達がいる所は屋上。園田は弓道部に入っているらしく部活に向かい南は保健委員の仕事があるらしいので自然と高坂と俺の二人になってしまった。高坂が屋上に行くと言い出したので何となく付いてきたのだ。
さっき園田にスクールアイドルのことを全面否定されたのがかなり堪えたみたいだ。らしくなくションボリしている。
「なぁ高坂、あんまり気にすんなよ。園田だってお前のことを思ってああ言ったはずだぜ?」
「うん。分かってるけど...」
まだションボリしている高坂。このままでは調子が狂う。
どうしようかと思い始めた時何処かの教室から何かが聞こえた。
「せかちゃんこれ聞こえる?何だろう」
「何だろうな」
その聞こえてくる何かにはリズムが感じられる。歌か何かを歌っているのだろうか。
「行ってみようよ!」
「ん、そうだな」
そして俺達は聞こえてくる何かの元へと向かうのだった。
「あそこだよ!あの教室から聞こえてくる!」
高坂が指さした所は音楽室。中には赤毛の女の子がピアノを引きながら歌っていた。
さぁ
大好きだばんざい
まけないゆうき
私達は今を楽しもう
透き通るような、でも絶対に消えることのない独特な声。いわゆる弾き語りというやつだ。しかも全く聴いたことのない曲。多分オリジナルだろう。それを楽譜無しでこなしている。俺はピアノの知識は全く無いが素直に凄いと思った。
さぁ
大好きだばんざい
頑張れるから
昨日に手を振って
ほら前向いて
赤毛の女の子が歌い終わる。とても素晴らしい歌だった。
ぱちぱちぱち
気づけば高坂は音楽室の前で拍手を送っていた。赤毛の女の子はそれに気づいたようでビックリしている。
拍手をし終えると高坂はガラガラっと教室に入っていく。
「あっ、おい!」
それに続いて俺も入る。
「すごいすごいすごい!感動しちゃったよ!」
教室に入って第一声。赤毛の彼女もいきなり褒められて照れているのだろうか、頬を朱色染めている。
「べ、べつに」
否定の言葉。まぁ、大抵の人は褒められたら謙遜するものだろう。だがこの娘は謙遜してしまったら嫉まれてしまうくらいのレベルだ。
「歌、上手だね!ピアノも上手だね!それにアイドルみたいにかわいいっ!」
「うぇっ?!」
高坂の言葉を聞いてさらに一段と頬を染める。だがそれも一瞬、こんどはツンとした顔でピアノから離れる。そして教室を出ようとしたところで
「あ、あのっ!...いきなりなんだけどアイドルやってみたいと思わない?」
高坂が勧誘をしだした。
いきなりにも程があるだろ。ほら、赤毛の娘の眉間にシワが寄っている。怒らせてしまったみたいだ。
「なにそれ、意味わかんないっ!」
「あぁ!まって!話だけ「高坂、彼女嫌がってるだろ!」あぅ...」
これ以上やってしまったら彼女が可哀想だ。高坂を止める。
そして赤毛の少女は教室から出ていってしまった。
「あはは...そうだよね」
また、高坂はションボリ顔になってしまった。
もうこれ以上はやっぱり無駄なんじゃないか。そもそもアイドルをやるなんて不可能に近い。園田の言う通りだ。
そこで高坂に俺の疑問をぶつける。
「なぁ高坂、追い討ちをかけるようだけど、俺は園田の意見に賛成だ。俺は特にこの学校に思い入れがある訳じゃ無いからお前らの気持ちはよく分からないけど、俺がお前らと同じ立場だったらもっと違う方法を考えると思うぞ?何でそこまでアイドルに拘る?」
これが俺の最大の疑問。何故こいつはここまでアイドルに拘るのか。こいつだって人気が出ないと意味が無いのは分かっているはずだ。そしてその人気を得るための努力がどれくらい必要なのかも。それが分かっていて尚、アイドルに執着する理由が分からない。
「何でだろうね...あはは、わからないや」
「はぁ?なんだよそれ」
肩透かしをくらった気分だ。自分でも理由が分からない、か。コイツはやっぱり自分の感覚の赴くがままに動いているのかもしれない。
「でもね、せかちゃん」
「ん?」
今度は高坂から話しかけてくる。
「やりたいからやる。それでいいと思うんだ。理由なんかいらないんじゃないかな。」
藍色の瞳は真っ直ぐ俺を見つめている。
「私ねスクールアイドルがやりたい。絶対にやってみせる!」
高坂は高らかに宣言する。
『せかい!私は絶対にやってみせるよ!』
刹那、ここにはいないはずのアイツの姿が高坂と重なった。
「っ?!!」
俺は驚愕する。
やってみせると言った高坂に何処かアイツと同じものを感じたんだ。
そういえばアイツも高坂と似たようなところがあったよな。
「だからねせかちゃん、私に力を貸して!」
高坂が俺に力を貸して欲しいと頼んでくる。所詮は遊びの延長線。最初は面倒だと、不可能だと思ってたんだ。今もその考えは変わらない。だが、興味が出た。他でもないこいつに。アイツと同じことを言う高坂に。それと同時に手を貸してやりたくなった。
「高坂、本気か?」
多分これが最後の質問。こいつが本気なら俺もやってやろうじゃないか。
「うん。本気だよ!私、やるったらやる!!」
『私はやるったらやるよ!!』
「っ.....」
また、アイツと重なる。高坂はアイツと似ているんだ。
「.....そうか。しゃーねぇなぁ!この俺が一肌脱いでやりますか!」
そう一言言って音楽室から出ようとドアに向かう。
しょうがないと言った俺だが満更でもないという顔をしてるんだろう。我ながら素直じゃないと思う。
「えっ?いいの?でもなんで?さっきまでイヤイヤだったのに」
さっきとは違う協力的な俺を見て不思議に思ったのだろう高坂が尋ねてくる。だがそれは愚問ってもんだ。
俺は顔だけ振り向いて高坂に言ってやる
「本気で何かをしようとしてる奴に力を貸しくれって頼まれたら断れるわけねぇだろ。」
それに————
「これが今俺がやりたいことなんだ。
“やりたいことに理由なんかいらない”だろ?」
それを聞いて高坂は嬉しそうに笑う。こんな眩しい笑顔を見れただけ俺は幸せものなんじゃないだろうか
「で、これからどうするんだ?」
ここで現実に戻すようなことを言ってしまって少し申し訳ない気がするが、しょうがないことだろう。決めないとどうにもこうにも動けない。
少し考えた後、高坂は答えた。
「本当は皆でやりたいと思ったんだけど...海未ちゃんにはダメッて言われちゃったから...とりあえず私だけでも練習しておこうと思うの!せかちゃん、行こ!」
いつもの如く腕を掴まれる。だが今回は違う。俺はしっかりと高坂について行った。
コツコツコツ
私、南ことりは今海未ちゃんのいる弓道場に向かって廊下を歩いています。
どうしても海未ちゃんに聞きたかったから...海未ちゃんは本当に嫌で穂乃果ちゃんに嫌できついことを言った訳じゃないと思うの。今まで良くも悪くも穂乃果ちゃんに振り回されてきたけどそれが今回アイドルって今までにない大きな事だから、私達のことを心配してくれたんだよね?
———ふと外を見ると、何かの曲に合わせているのかな、ステップを踏んでいる穂乃果ちゃんとそれを見ているせかくん。
何かに向かって努力する穂乃果ちゃんはいつもキラキラしていて私の憧れなんです。
そんな穂乃果ちゃんを私は応援したい。一緒に何かを成し遂げたい。
だから、海未ちゃんに思い出して欲しいの。
ガラガラッ
弓道場の重い引き戸を横に動かすと、そこには何かに思い悩む海未ちゃんがいました。
「まったく、穂乃果のせいです...全然練習に身が入りません...」
聞いてみると今日は調子がとても悪いらしい。ということは...
「てことは、ちょっとアイドルに興味があるってこと?」
少し、意地悪してみます。海未ちゃんは図星をつかれたようで顔を紅くしてしまいました。
「いえ、その...」
海未ちゃんは少し間をおいて続けます。
「でも...やっぱり上手くいくとは思いません」
そう言う海未ちゃん。海未ちゃんはしっかりしているから先を予想して考えているみたい。でもね、海未ちゃん。思い出して欲しいの。
「いつもこういうことを言い出すのは穂乃果ちゃんだったよね」
ーーーーーーーー
ーーーーー
ーーー
『『ええ?!』』
『のぼってみようよ!』
それは私達がまだ小さかった時、この時は穂乃果ちゃんが公園の一番大きな木を登ろうって言い出したんだっけ
『むりですぅぅこんな大きな木!』
『大丈夫だよ!んしょんしょ』
『あ、穂乃果ちゃぁんまって〜!』
押しにまけちゃって一緒に登ったんだよね
『怖いよぉぉぉ!!』
結局、登った後に怖くなっちゃって海未ちゃんと二人で抱き合って泣いてたっけ
その時、バキリッと私達の乗っていた枝が折れた。
私達は落ちる寸前のところで木の幹に掴まったからよかったけど...この時はもうこんなに怖いことはしたくない!って思ったんだ。でもね?
『ねぇ!みて!』
穂乃果ちゃんは空を指さす。
そこには今までに見たことのないくらい綺麗な夕日がでていました。
「穂乃果ちゃんは私達が尻込みしちゃうところを引っ張ってくれたよね」
「そのせいで何回も散々な目にあったじゃないですか」
「アハハハ...そうだったね...」
確に何回も怖い思いをしたことがあった。でもね、海未ちゃん。思い出して欲しいの。
ことりは大事なことを海未ちゃんに伝えます。
「でも...後悔したこと、ある?」
これがことりの一番伝えたかった事。
どんなに怖い思いをしても最終的には後悔などしたことはなかったよね。
「それはそうですけど...」
海未ちゃんは悩んでいるみたい。それもそうだよね。だって“アイドル”なんていう大きなことをやろうとしているんだもん。でもね?海未ちゃん。やっぱり穂乃果ちゃんはいつでも本気なんだよ。
「海未ちゃん!来て!」
「えっ?ちょっ、ことり!」
海未ちゃんの手を引いて走り出します。
穂乃果ちゃんの所へ。
キラキラしている穂乃果ちゃんを見て欲しいから。そんな穂乃果ちゃんを見れば海未ちゃんも心が動くはず。
そう思い私達は穂乃果ちゃんの所へ向かいました。
「いちっにっさんっしっ」
「ほら、ずれてんぞ」
「えぇっ?!難しいよぉ〜」
俺は今、校庭の隅で高坂のダンスを見ている。ダンスといってもステップを踏んでいるだけだが、
そして、なんだかんだで三十分くらいぶっ続けでやっている。それでも高坂は楽しそうにやっているんだ。
「かれこれ三十分くらいやってるけど、疲れないのか?お前」
「ううん!すっごい疲れるよ?でも、それ以上に楽しい!」
答えと同時に眩しい笑顔が送られてくる。ホントに楽しいのが伝わって来た。
「そっか...何か飲みものでも買ってきてやるよ」
まぁ、楽しいのは分かるが運動をしているんだ。水分補給は欠かせない。飲みものでも買ってきてやろうかと近くの自販機に向かうことにした。
「穂乃果、午前の紅茶がいい〜!」
図々しい奴だな。めんどくさくなってきた。
かといって戻るわけにもいかず、自販機に向かう。
すると前方から見覚えのある女子が二人。園田と南だ。
「あ、せかくーん」
「柊くん」
二人は俺に気付いたようで近づいてくる。
「おう、南、園田どうした」
「穂乃果ちゃんの様子を見に来たんだけど...」
南が答える。どうやら高坂を見に来たらしい。だが、園田は反対していたはずなのに...よく来たな。
「あれ、園田って反対してなかったか?」
「そ、それは...ことりに言われてしょうがなく...」
南の方に目をやると南はピースを作ってこっちに笑いかけてくる。なるほどな、説得でもしてくれたのか。ともあれ、二人共来てくれたので二人を連れて高坂の方へと戻る。
するとあと少し、という所で二人が立ち止まる。
「見て?海未ちゃん」
南は踊っている高坂を指さす。
「ほっほっほっ!...うわぁ!あいたたた...えへへやっぱり難しいなぁ」
高坂は俺が離れてても一人でずっと続けていたらしい。そんな高坂を見ながら南は続ける。
「私ね?やってみようかな、アイドル」
南はそう言ってくれた。あとは園田一人。だけどまだ踏ん切りがつかないらしい。そこで俺は園田に言ってやる。
「まぁ高坂も南も園田もかわいいからな、俺はいいと思うぞ?」
ボンッ!という爆発音(?)が園田と南から出る。なぜか二人は顔を真っ赤に染めているが気にせず続ける。
「それに—–—
あんなに努力している親友、放っておけないだろ?」
我ながら意地悪なことを言ったと思う。でも、これでいいんだ。こいつらは三人でいた方がきっと輝ける。そんな気がしたから。
園田はハッとした様子で高坂のことを見ている。そして、俺を含めた三人で高坂の所へ向かう。
「あれ?せかちゃん早かったね?あっ!海未ちゃん!ことりちゃん!」
どうやら高坂はまたころんだようで尻もちをついていた。
南と園田は高坂に近づく。
「一人で練習しても意味がありませんよ。やるなら皆でやらないと」
園田は柔らかく微笑んで手を差し出す。
「頑張ろう!私達で!」
微笑みかける南。
「海未ちゃん...ことりちゃん...」
立ち上がる高坂。そして高坂は嬉しそうに笑い南と園田の手を握る。
「海未ちゃん!ことりちゃん!ありがとう!そして...せかちゃんも!私...ううん、私達で!絶対に成功させようね!」
そう高坂は宣言する。
「それじゃあ部活申請書を出しに行きましょうか....それと穂乃果、私が入るからには中途半端は許しませんよ?」
そう言う園田。厳しいことを言っているがその顔は笑っている。もう高坂がどんな答えを出すかは分かっているのだろう。
「うん!もちろんだよ!私はやるよ!やるったらやるぅっ!」
高坂は拳を掲げた。
あれ、俺がすんなり入ってるけど...突っ込んだ方がいいのか?
「皆ってこれ俺もはいってるのか?」
「あったりまえだよ!せかちゃんは私達のヒーローなんだから!これからもよろしくね?」
そういう高坂。悪い気はしなかった。
まぁどの道そうするつもりだったんだ。やってやろうじゃないか。
見届けてやろう。
こいつらの姿を
最後まで
閲覧ありがとうございました!
いやぁ...長くなってしまいました。
今回は何故か驚くほどスラスラとアイディアが浮かんできたんです。(とても間が空いてしまいましたが)まぁこの回は書きたかった話の一つなので当たり前といったら当たり前なのかも知れませんが。
とはいえ、ここまで頑張れたのもUAが少しずつ増えていったりお気に入りが増えたことが理由です!
これからもよろしくおねがいします!
感想、評価、お気に入り、待っています!「もっとこうしろ!」とか「ここ良かったです!」とか言ってもらえるだけでとても嬉しいです!よろしくおねがいします!
新たにお気に入り登録をしていただきました!
なかあたはささん 凛ちゃんさん ありがとうございます!
次回もよろしくお願いします!
......あれ?今日はクリスマス???