幸と不幸の英雄伝   作:零空零喰

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幸運と不幸どちらが好きです?

~幸運の場合~

 

自分の仕事は『冒険者』である。それが一番楽だったし収入も良かったからだ。ただ、問題が無いわけでもなかった。冒険者として名をあげ続け(まぁその内のほとんどが獲物の自滅などだったが)ついに王お抱えの冒険者(王お抱えの冒険者にはある程度の権力と色々な物事に対してのある程度の保証があるようになる)になったのだが、自分の幸運は回りには適用されないため普通に目立ってしまう。そして、王お抱えの冒険者にもなるとその中でも階級があるわけで(階級が高いと命の危機に晒される事が多くなるがその分とても報酬の良い仕事を受けることができる)それを決めたりするのが冒険者同士での決闘だったりする。が、自分は今まで394戦中394勝(つまり全勝)しているのだがこの結果の全てとは言わないがほとんどが自分の持つ幸運による勝利だったため周りから(主に自分に負けた他の冒険者から)恨みを買う事が多々ある。そのため先日の様な不意打ちによる一撃が飛んでくるのだ。(もちろん不意打ちで勝っても上級はしないし場合によっては国外追放を言い渡されるかもしれないのだがそれを無視できるほどに自分に対する恨みは強いのだろう)

しかし、困ったことにはなった。何故なら王からの緊急召集があったのだ。これが出れば国内にいる限り国王の元へ行かなければならない。

「はぁ、、、」

深くため息が出たが、これも『何時も通り』だ。またあの視線、またあの『恨みのこもった眼力』で睨まれるのだと思うと気が気でなかった。まぁ友もいることだしそれでなんと気を保った。なんで自分はこうも神経が細いんだろうか、まあ、原因は『幸運』なのだから仕方がないか。そう思い、言っては駄目だと思いながら一言

「もう少し『不幸』なら良かったのにな、、、」

ただ一言そう呟いて家を出たのだ。

 

~不幸の場合~

 

私に友はいない、私に仲間はいない、私に家族はいない、私に運などない、私には『なにも』ない。強いて有るとすれば『敵』と『国王』だろうか。『敵』は沢山いる。何故人と離れて暮らしているのに敵ができるのかと聞かれるとこういうしかないだろう。

「『不幸』だから、、、。」

この一言で終わるのだ。私は不幸だそれはもう天にいる神は全員アマノジャクなのじゃないかと疑うほどに。だから、私のささやかな『他人を不幸にしたくない』という願いすら叶えてくれない。なので初めはただの興味だけで私の家に近づいてきた子供たちがいた。しかし、その子供たちは例外なく怪我をした。(骨折したり擦り傷だったり色々あったが)すると、その親が私に抗議しに近づいてきた。そして、子供達と同じ事が起きた。しかし、人と人の繋がりはこれだけでは終わらなかった。時がたつにつれてついに死者まで出てきた、そして私は完全に引きこもった。そこを訪ねてきたのが国王だった。そして、国王は私の厄を受けながらもこう言い残して家を去った。

「お抱えの冒険者になってくれ。」

と。そして、私は色々あったものの冒険者になった。考えてみれば国王が居なければ私はあのまま引きこもって餓死していたかもしれなかった。(まぁそれを狙って引きこもった節もありましたが)ただ、私が今この様に暮らしていけるのも国王のおかげだと思うと今回の急な呼び出しも赦せるような気がしてきた。だが、あの王は一体なぜ私を呼ぶのだろうか、このまま行っては周りに厄災をばらまいてしまう事になる。無論この呼び出しを理由をつけて突っぱねても良いのだがそれで良いのかと思って考えている所だった。そして、最後にかかれた一文、

「P.S. とてつもないLvで幸運た子がいるからその子の近くにいれば大丈夫だよ。」

これも私が悩む所だった。本当にそんな奴がいるのだろうか、と。だが私は王の言葉を信じる事にした。幸運な奴がいるならそれで良いと思いながら。幸運な奴を見るのは私にとっての快楽のひとつだったから。




まだまだ続くよ!
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